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冒険者編③
14 恩賞式
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■
そうして全ての準備が整った後、式典が行われることが決まった。
瘴気の魔物を討伐する為に、魔国の森へと向かった私達を讃えるものだ。
瘴気の魔物自体遭遇することが出来ず討伐をすることは出来なかったが、討伐以上に瘴気の魔物に対抗する術を発見したことが、国への貢献として認められ、一人一人に恩賞を与えることが伝えられた。
その為、今私は凱旋パレードなるものを体験している最中なのである。
扉も屋根もない開放感あふれる馬車に王子と眞子さん、レルリラのお兄さんと騎士二人、そして私とレルリラが乗った三台が続きながら王都の門から王城迄の道をゆっくりと通る。
空からは花びらのような形をした光がひらひら舞い、手を差し伸べる子供たちは触れた瞬間消えた光に残念そうにしながらも、楽しそうに笑っていた。
煌びやかに飾り付けられた馬車を見上げ、誰もが顔を見ようとする中、出発時にいなかった私に、かなりの人数が不思議そうな表情を浮かべていたが、それでも今後瘴気の魔物に脅かされなくて済むんだという安堵からの笑みが見えた。
批判されなくてよかったと安堵しながらも、それでもこんな経験は初めてで、始終緊張した面持ちで馬車の中に座る私をレルリラは楽し気に笑う。
「な、なによ」
「別に」
口角を上げて楽し気にするレルリラは珍しい。
こんな緊張する場面でなんで楽し気にしているのか、その理由を知りたいところだが私は楽しそうにするレルリラに問い詰めることは出来なかった。
思わずずっと見つめてしまいそうになるのをグッとこらえて、私は前を向く。
馬車は二、三人用なのだろう、密着するほど狭くはなく、周りの歓声で私の心臓の音が聞こえるほどに洩れていたとしてもかき消されている筈だ。
「サラ」
「……なに?」
まさかドキドキと高鳴る音を聞かれてはいないでしょうねと疑いながらも、私は前を向きながら答える。
「終わったら、………いや、恩賞はなにを願うか決めたのか?」
「え、うん」
凱旋パレードが終われば、王城で功績に見合った恩賞の授与が行われるらしい。
レルリラ含む特務隊メンバーには金一封が与えられ、特に貢献が認められたアルヴァルト殿下と眞子さん、そして私は金一封と願いを一つ叶えてもらえるというものだ。
私が選ばれるとは特務隊の人たちには悪い気がするが、もらえるものはありがたく受け取る。
そして頼めることはありがたく頼む。
だから私は今回の功績をSランク昇級の理由の一つとして検討してもらえないかを頼むつもりである。
レルリラは私の返事を聞いた後、なにか考え込んだ後に私に顔を向けた。
そして
「終わったら話したいことがある」
と告げて口を閉ざす。
話しってなんだろうと考えながら、私は頷いた。
レルリラと話していて、いつの間にかパレードの緊張感がどこかにいったけれど、別の緊張が宿り、やっぱり私はパレード中ずっと緊張し続けていたのだった。
□
以前眞子さんの代わりとして参加したパーティー会場とは違う、広い謁見室と呼ばれる場所に案内された私達は、二三段程高い王様が座っている場所まで続いている赤い絨毯の上に立っていた。
左右には各地方の貴族たちが並ぶように立って私達へと視線を向けて注目する。
そんな静寂の中、「前へ」と進行する男性の言葉で中央部まで歩を進めた。
最初に特務隊の四人が前に出る。
王様は高い場所に座ったまま中央部で立ち止まり、膝をついた彼らに視線を向ける。
そして口を開くと、思った以上に室内に声が響いた。
「長年この国を悩ませていた瘴気の魔物から国民たちを守り抜いてきた彼らに恩賞を授ける」
王様が口にすると、進行役の男性が恩賞の内容を読み上げる。
金一封は私の目玉が飛び出すほどの額で思わず声を出しそうになったが何とか耐える。
そして入れ替わりのように今度は私が前に出た。
「瘴気の魔物を倒すだけではなく、対抗する為の術を見つけだした一人、冒険者サラ・ハールの功績を讃え恩賞を授けよう」
王様のあとに続ける形で先ほどと同じように進行役の男性が恩賞の内容を読み上げる。
レルリラたちに与えられた金一封は変わらず、その他にもSランク冒険者への昇級、それと共に男爵の爵位を与えられた。
流石に一代限りの爵位の為に領地は与えられないらしいが、冒険者としてこれからも過ごしていくため管理しなければならない領地は不要だから逆にホッとする。
「サラ・ハール、望みを一つ叶えよう」
私はぐっと息を詰まらせた。
これは想定外だった。
Sランクへの昇級の功績の一つとして考えてほしいというはずが、既にSランク昇格をつげられてしまったのだ。
望みを聞かれても、考えていた望みは既に叶えられてしまった為になにも浮かばない。
頭が真っ白になりながらも、静寂に包まれたこの場では何かしゃべらなければと焦ってしまう。
何を言おう。何を言えばいいんだ。
お金をくださいというのはダメだ。
既に金一封を貰ってる為、これ以上望んでは与えてくれた報酬金額にケチをつけていることと捉えられかねない。
ソロ活動だって王様に頼むよりもギルドに頼む方が筋だろう。
聖女召還の廃止?いや、それを私がいっていいわけがない。
既にアルヴァルト殿下から王様に話は伝わっているだろう。
なら何を望む。何をいう。
そんなことを考えていたら急に思い浮かんだ。
「……冒険者として、国外への自由を認めていただきたいと思います」
魔国の森の先で知った、他国の存在。
もし本当に別の国があるのなら、私は冒険者として自由に行き来したいと考えた。
「…それはこの国に属さない存在になりたいと、そのように申しているのか」
王様の言葉に私は咄嗟に頭を上げる。
そして否定した。
「違います!!そうではありません!……ただ、私はこの国の冒険者として様々な場所を旅したいと考えただけにございます。
私は以前このような話を伺いました。空から降る白い物体は世界を銀色に輝かせ、植物はただ枯れるだけではなく色を変えてみるものを魅了する、様々な変化をみせる季節がある場所のことを私は知りました」
ユミの記憶で見た光景を私は思い出しながら口にした。
言い訳に利用しているではない。
記憶で見た光景は本当に綺麗だったのだ。
吐き出す息は白く指先は赤い。寒さを感じていることはわかるが、空から降る白いふわふわとしたものは大地を覆い、銀色の世界を作り出す。
白いそれを手が真っ赤になりながらも丸め、何かを作る子供たち。
ユミはその遊びに参加することはなかったが、羨ましそうにみていたことを私は知っている。
他にもたくさんの変化があった。
真っ赤に染まる木の葉っぱたち、中には黄色く色づく木もあった。
そして雨が長時間降ることで……なのかはわからないけど見たこともない花が咲いて、ユミは微笑みながら家から眺めていた。
ユミが羨ましそうにしていたこともそうだが、私もそれを体験したい。見てみたいと思った。
この国にはそのような光景をみることが出来ない事は、子供の頃から住んでいて知っている。
だからこそそのような体験ができる国があるのかと、外に出たいと思った。
決して王様が考えていることを願ったりなんて、そんな気持ちは一切ないという気持ちを込めながら私は話す。
王様は二ッと口角を上げて、不敵な笑みを浮かべた。
「よかろう!自由を求める冒険者サラ・ハールに、我が国の出入国の自由を与える!」
王様がそのように告げると、私の手の甲に刻んであった冒険者のマークが浮かび上がる。
少しだけ熱く火照ったが、すぐに熱を失い消えていく。
どうやら出入国の自由の権利を示すなにかを、冒険者のマークに付与したようだ。
私は感謝を告げて皆がいる場所まで下がる。
ドキドキした。パレードとは比にならない。
私の次は眞子さんが呼ばれた。
眞子さんは聖女として王様と同じ位の立場であることから私の様に膝をつくことはなく、その場に立ち王様を見上げていた。
そして私と同じように願いを告げる。
「私が望むのは……婚姻の自由でございます」
眞子さんの言葉に周りの貴族たちは騒めいた。
想定外の事だったのか、それとも権力の高い聖女の結婚相手として自分、もしくは自分の子供を名乗りださせたいと希望をもったからかはわからない。
それでも王様の一喝で場は静まり返り眞子さんの願いは受け入れられ、戻った眞子さんは嬉しそうに私に小さく手を振った。
そして最後はアルヴァルト殿下だ。
殿下は私と同じように膝を付け、王様へと願いを告げる。
「聖女召喚の廃止を願います」
そうして全ての準備が整った後、式典が行われることが決まった。
瘴気の魔物を討伐する為に、魔国の森へと向かった私達を讃えるものだ。
瘴気の魔物自体遭遇することが出来ず討伐をすることは出来なかったが、討伐以上に瘴気の魔物に対抗する術を発見したことが、国への貢献として認められ、一人一人に恩賞を与えることが伝えられた。
その為、今私は凱旋パレードなるものを体験している最中なのである。
扉も屋根もない開放感あふれる馬車に王子と眞子さん、レルリラのお兄さんと騎士二人、そして私とレルリラが乗った三台が続きながら王都の門から王城迄の道をゆっくりと通る。
空からは花びらのような形をした光がひらひら舞い、手を差し伸べる子供たちは触れた瞬間消えた光に残念そうにしながらも、楽しそうに笑っていた。
煌びやかに飾り付けられた馬車を見上げ、誰もが顔を見ようとする中、出発時にいなかった私に、かなりの人数が不思議そうな表情を浮かべていたが、それでも今後瘴気の魔物に脅かされなくて済むんだという安堵からの笑みが見えた。
批判されなくてよかったと安堵しながらも、それでもこんな経験は初めてで、始終緊張した面持ちで馬車の中に座る私をレルリラは楽し気に笑う。
「な、なによ」
「別に」
口角を上げて楽し気にするレルリラは珍しい。
こんな緊張する場面でなんで楽し気にしているのか、その理由を知りたいところだが私は楽しそうにするレルリラに問い詰めることは出来なかった。
思わずずっと見つめてしまいそうになるのをグッとこらえて、私は前を向く。
馬車は二、三人用なのだろう、密着するほど狭くはなく、周りの歓声で私の心臓の音が聞こえるほどに洩れていたとしてもかき消されている筈だ。
「サラ」
「……なに?」
まさかドキドキと高鳴る音を聞かれてはいないでしょうねと疑いながらも、私は前を向きながら答える。
「終わったら、………いや、恩賞はなにを願うか決めたのか?」
「え、うん」
凱旋パレードが終われば、王城で功績に見合った恩賞の授与が行われるらしい。
レルリラ含む特務隊メンバーには金一封が与えられ、特に貢献が認められたアルヴァルト殿下と眞子さん、そして私は金一封と願いを一つ叶えてもらえるというものだ。
私が選ばれるとは特務隊の人たちには悪い気がするが、もらえるものはありがたく受け取る。
そして頼めることはありがたく頼む。
だから私は今回の功績をSランク昇級の理由の一つとして検討してもらえないかを頼むつもりである。
レルリラは私の返事を聞いた後、なにか考え込んだ後に私に顔を向けた。
そして
「終わったら話したいことがある」
と告げて口を閉ざす。
話しってなんだろうと考えながら、私は頷いた。
レルリラと話していて、いつの間にかパレードの緊張感がどこかにいったけれど、別の緊張が宿り、やっぱり私はパレード中ずっと緊張し続けていたのだった。
□
以前眞子さんの代わりとして参加したパーティー会場とは違う、広い謁見室と呼ばれる場所に案内された私達は、二三段程高い王様が座っている場所まで続いている赤い絨毯の上に立っていた。
左右には各地方の貴族たちが並ぶように立って私達へと視線を向けて注目する。
そんな静寂の中、「前へ」と進行する男性の言葉で中央部まで歩を進めた。
最初に特務隊の四人が前に出る。
王様は高い場所に座ったまま中央部で立ち止まり、膝をついた彼らに視線を向ける。
そして口を開くと、思った以上に室内に声が響いた。
「長年この国を悩ませていた瘴気の魔物から国民たちを守り抜いてきた彼らに恩賞を授ける」
王様が口にすると、進行役の男性が恩賞の内容を読み上げる。
金一封は私の目玉が飛び出すほどの額で思わず声を出しそうになったが何とか耐える。
そして入れ替わりのように今度は私が前に出た。
「瘴気の魔物を倒すだけではなく、対抗する為の術を見つけだした一人、冒険者サラ・ハールの功績を讃え恩賞を授けよう」
王様のあとに続ける形で先ほどと同じように進行役の男性が恩賞の内容を読み上げる。
レルリラたちに与えられた金一封は変わらず、その他にもSランク冒険者への昇級、それと共に男爵の爵位を与えられた。
流石に一代限りの爵位の為に領地は与えられないらしいが、冒険者としてこれからも過ごしていくため管理しなければならない領地は不要だから逆にホッとする。
「サラ・ハール、望みを一つ叶えよう」
私はぐっと息を詰まらせた。
これは想定外だった。
Sランクへの昇級の功績の一つとして考えてほしいというはずが、既にSランク昇格をつげられてしまったのだ。
望みを聞かれても、考えていた望みは既に叶えられてしまった為になにも浮かばない。
頭が真っ白になりながらも、静寂に包まれたこの場では何かしゃべらなければと焦ってしまう。
何を言おう。何を言えばいいんだ。
お金をくださいというのはダメだ。
既に金一封を貰ってる為、これ以上望んでは与えてくれた報酬金額にケチをつけていることと捉えられかねない。
ソロ活動だって王様に頼むよりもギルドに頼む方が筋だろう。
聖女召還の廃止?いや、それを私がいっていいわけがない。
既にアルヴァルト殿下から王様に話は伝わっているだろう。
なら何を望む。何をいう。
そんなことを考えていたら急に思い浮かんだ。
「……冒険者として、国外への自由を認めていただきたいと思います」
魔国の森の先で知った、他国の存在。
もし本当に別の国があるのなら、私は冒険者として自由に行き来したいと考えた。
「…それはこの国に属さない存在になりたいと、そのように申しているのか」
王様の言葉に私は咄嗟に頭を上げる。
そして否定した。
「違います!!そうではありません!……ただ、私はこの国の冒険者として様々な場所を旅したいと考えただけにございます。
私は以前このような話を伺いました。空から降る白い物体は世界を銀色に輝かせ、植物はただ枯れるだけではなく色を変えてみるものを魅了する、様々な変化をみせる季節がある場所のことを私は知りました」
ユミの記憶で見た光景を私は思い出しながら口にした。
言い訳に利用しているではない。
記憶で見た光景は本当に綺麗だったのだ。
吐き出す息は白く指先は赤い。寒さを感じていることはわかるが、空から降る白いふわふわとしたものは大地を覆い、銀色の世界を作り出す。
白いそれを手が真っ赤になりながらも丸め、何かを作る子供たち。
ユミはその遊びに参加することはなかったが、羨ましそうにみていたことを私は知っている。
他にもたくさんの変化があった。
真っ赤に染まる木の葉っぱたち、中には黄色く色づく木もあった。
そして雨が長時間降ることで……なのかはわからないけど見たこともない花が咲いて、ユミは微笑みながら家から眺めていた。
ユミが羨ましそうにしていたこともそうだが、私もそれを体験したい。見てみたいと思った。
この国にはそのような光景をみることが出来ない事は、子供の頃から住んでいて知っている。
だからこそそのような体験ができる国があるのかと、外に出たいと思った。
決して王様が考えていることを願ったりなんて、そんな気持ちは一切ないという気持ちを込めながら私は話す。
王様は二ッと口角を上げて、不敵な笑みを浮かべた。
「よかろう!自由を求める冒険者サラ・ハールに、我が国の出入国の自由を与える!」
王様がそのように告げると、私の手の甲に刻んであった冒険者のマークが浮かび上がる。
少しだけ熱く火照ったが、すぐに熱を失い消えていく。
どうやら出入国の自由の権利を示すなにかを、冒険者のマークに付与したようだ。
私は感謝を告げて皆がいる場所まで下がる。
ドキドキした。パレードとは比にならない。
私の次は眞子さんが呼ばれた。
眞子さんは聖女として王様と同じ位の立場であることから私の様に膝をつくことはなく、その場に立ち王様を見上げていた。
そして私と同じように願いを告げる。
「私が望むのは……婚姻の自由でございます」
眞子さんの言葉に周りの貴族たちは騒めいた。
想定外の事だったのか、それとも権力の高い聖女の結婚相手として自分、もしくは自分の子供を名乗りださせたいと希望をもったからかはわからない。
それでも王様の一喝で場は静まり返り眞子さんの願いは受け入れられ、戻った眞子さんは嬉しそうに私に小さく手を振った。
そして最後はアルヴァルト殿下だ。
殿下は私と同じように膝を付け、王様へと願いを告げる。
「聖女召喚の廃止を願います」
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