魔物好きゲイテイマーの異世界転生記

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第3章 シュルトーリア

冒険者講習最終日

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翌朝、早い時間に朝食を済ませた俺達はオーク達をディメンジョンルームに入れ、街に向かって移動を開始した。来るときは馬車に乗せてもらった帰りは歩きになる分時間が掛かる。

『大地の盾』のみんなにディメンジョンルームに入ってもらって、ロアに乗って帰る方法もあるがまだ時間もあるし、他のパーティと歩いて移動する経験も必要だろうと思い歩いて帰ることにした。

オーク達はディメンジョンルームに入れたがバラムは俺の体に纏わりつき、ガルドとロアは俺達と一緒に歩いて行動する。そして、今日からはそれにダブも加わる。ダブはまだ多少遠慮しているのか隊列の一番後ろに付いている。

「(ダブはオーガの集落にいたときはどんな武器を使ってたんだ?)」
「(オデ、色々使った。オデ達、自分で武器造れない。人間の武器、小さい、すぐ壊れる。大きい武器、丈夫な武器、強い奴から持っていく。オデ、武器を選ぶの最後。)」

なるほど。人間を襲って武器を奪うが人間の体型に合わせた武器はオーガには小さいわけか。使いやすい武器は序列が上の奴から選んで持っていくから序列最下位に置かれてたダブにはまともな武器が回ってこないのもうなずける。

「(一番よく使った武器、糸が張られた棒。細い、すぐ折れる。次、小さい剣。小さすぎて持ちにくい、誰も選ばない。沢山余ってた。投げて使った。)」

糸が張られた細い棒ってどう考えても弓だよな。もし使い方が分からなくてこん棒みたいにしてたなら、そらすぐ折れるわ。小さい剣もきっと人間サイズの短剣だろ。

「(わかった。じゃあそれを踏まえてダブの武器を考えて用意するよ。)」
「(考えて用意?ダブだけの武器、貰える?いいのか?)」
「(もちろんだ。合わない武器を使ってもしょうがないからな。ダブ達に装備を用意するのは俺の役目だ。)」

街に持ってギルドに報告したら武器屋を回るか。弓と矢を買って、それを見本としてダブ用にサイズと強度を調整して自分で作る。オークアーチャーが持ってる弓矢はボロボロであまり参考になりそうにないからな。

服飾店にもよってガルドとダブの服も注文しないと。それか布だけ買って自分で作るか。スキルを使えばあっという間にできるか?

ダブの武器と今後の行動について考えながら歩いているとあっという間に昼時になり、昼食休憩を挟んでからさらに歩いて2時頃になってようやく街についた。ギルドに向かい、昨日のうちに調査の結果とダブから聞き取ったことを書き記した羊皮紙をギルドに提出して俺の報告を終える。報酬の査定待ちの間に2階の会議室を使い、今回の実習の評価を受ける。

「今回の依頼をこなす様子を見た評価だが、おおむね問題ない。依頼を選ぶ時にスケジュールをしっかり考えてあったことは移動手段を複数考えてあったことも含めて評価できる。森の中の調査方法は普通の冒険者には真似できない独特な方法ではあったけど効率的だった。他が真似できないというのは冒険者としての強みになる。」
「見つけた魔物を殺すか、生かすかの判断も良かったね。生かして自分の戦力に引き込んだ上でしっかり情報も引き出してるんだ。ただ暗くなりかけての移動になってたからスケジュールを組むこととは別に実際の時間管理が少し甘いかな。」

ダイクンさんとクルツさんが伝える今回の手際の評価を受け止める。確かに暗くなってからの移動の可能性があったのだからそこを考慮すべきだった。テイムしてから死なない程度にヒールを掛けて、ディメンジョンルームに入れてすぐ野営地に引き返せばそこで治療の続きができたし、野営の準備をしてからディメンジョンルーム内でセックスできたはずだ。ダブからの聞き取りは野営地でしてもよかったわけだし。

「わかりました。時間管理は気を付けます。」
「あとは野営準備、特に焚火とテントの設営の手際が悪かったけどそこはまぁ慣れかな。」
「評価は以上。これで一応冒険者講習という依頼は完了ということでいいか?」
「はい、ありがとうございました。」

俺はダイクンさんが差し出した依頼票に依頼達成のサインをして返した。

「それじゃあ夜番の時に話したが、貴族に目を付けられないようにな。」
「はい、気を付けます。」

そう挨拶して他のメンバーにもお礼を言って会議室を出ると1階の待合室で『大地の盾』と別れ、受付カウンターに報告の査定を聞きに向かった。

「タカシ様ですね。査定が完了していますので報酬をお支払い致します。魔物の特定、おおよその魔物の数の特定。魔物の住処の特定には至らないまでも街道から住処までその距離の把握。ただし、魔物の数と住処の位置に関しては直接確認したわけではないという点と把握した魔物の住処の位置が調査範囲外と言うことを考慮しまして最高査定より少々引かせていただき金貨17枚という査定結果になりました。よろしいですね。」
「はい。ありがとうございます。」

そう言って報酬の金貨17枚を受け取り、ギルドでの用事を全て済ませた俺はギルドを出て、当初の予定通りガルドとダブの服を確保するため服飾店に向かった。




結果として何件か服屋を回ったがガルドとロアに着せる服は手に入らなかった。大型獣人向けの服でも2人には小さく、魔物の服なんてと仕立ても断られた。しょうがないので適当に中古の服をいくつか裁縫用に針、糸、ハサミと数種類の生地を大量に買った。

そして今はダブに持たせる武器の参考資料にするため武器屋で壁に掛けられた弓を眺めている。

「結構種類があるな……。」

壁にはサイズ違いだけでなく細かな形状違いの弓が並べられている。

「お前さん、剣を下げてるが弓も使うのか?」

俺が壁の弓を眺めているとカウンターから声が掛けられた。そちらを見ると髭を生やしたドワーフらしき男が頬杖をついてこちらを見ていた。

「俺が使うわけではないんですが俺が用意してあげないといけなくて。」
「ふむ、よくわからんが……まぁいい。どんな弓を探してるんだ。」
「いや、それが弓に関してはさっぱりで。弓にはどういう物があるんですか?」
「……そんなんで弓を選ぼうってのか。ったく。まず弓は大きさから短弓と長弓に分けられる。短弓は小さく取り回しやすい。小さい分弓を引く力はそれほど必要ないがその分威力も射程も低い。長弓は長い分取り回しは難しい上に弓を引く力がいるが威力も射程もある。次に素材だ。単一の素材で作られたものは単身弓、複数の素材で作られた物は複合弓だ。弓は引いたときにしなりを利用して矢を飛ばす武器だが単身弓は素材が単一でしなる力が限られてる。複合弓は骨や牙、金属でしなりを強化した物だ。その分威力上がるが引く力が必要になる。」
「なるほど。」
「値段は同じサイズなら複数の素材を使ってる分複合弓の方が高くなるな。」
「分かりました。では短弓の単一弓と複合弓を一つずつください。」

単一弓と複合弓両方の資料が欲しい俺は大して迷わず両方買う選択をする。長弓はとりあえず短弓の単純な大型化で試してみよう。

「両方か?」
「はい。安物ではなく、高級品でもなく中ランク程度の物を見繕ってくれませんか?」
「中ランク程度か……。それならこいつとこいつだな。」

男は壁から弓を2張手に取る。

「単一弓の方はありきたりな木製だ。複合弓の方は単一弓と同じ木材にワーウルフの腱と骨を使ってる。」
「分かりました。それと矢もいくらか頂きます。」

俺は弓2張と矢を10本2セット購入した。
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