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幼なじみを探して
プロローグ
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「___お兄ちゃん!レイが行方不明なの!!」
知ったきっかけは、とても些細なことだった。
***
「シズクー?あんたの大好きなお兄ちゃんが帰ってきたわよ!」
「ほんと!?」
階段の下から聞こえたお母さんの声。
" お兄ちゃんが帰ってきた "
その情報を確かめるように、急いで階段をかけ下りる。1段ずつ降りていくたびに、心の中がとても躍ってしまう。
___久しぶりにお兄ちゃんに会える!!
逸る気持ちを無理やり抑え込み、階段を下り終えた。
「お兄ちゃんっ!!」
「うぉッ!」
お兄ちゃんの姿を見た瞬間、思いっきり飛びつた。
いきなりきた衝撃に驚いたのか、お兄ちゃんが少しよろける。それでも、しっかり抱きしめてくれた。
「お兄ちゃん、久しぶり!」
「うん。久しぶり、シズク」
お兄ちゃんのとても整った顔が、優しく微笑んだ。抱きしめてくれる腕はとても優しくて、私のことを大事に思ってくれていることがわかる。髪を撫でてくれる優しい手つきも、幼い頃から変わっていなかった。
___私と兄は、血の繋がりがない。
親の再婚相手の連れ子だったお兄ちゃんは、まだ幼かった私に、優しく微笑んで頭をよしよし、と撫でてくれた。
「はじめまして、シズクちゃん。俺はシキっていうんだ。これからよろしくね」
にっこりと微笑んで、私の頭を撫でてくれるその暖かい手のひらに、緊張しきっていた幼い頃の私の心は簡単に崩れてしまい、初対面にもかかわらずお兄ちゃんに泣きついた。
そんな私に驚きながらも、ゆっくりと優しく抱きしめてくれたお兄ちゃんのことが、心から好きになった。今では、友人にブラコンであることがバレても恥ずかしくない程に。
「ねえ、お兄ちゃん。今日は泊まっていくの?」
「あぁ。そのつもりだよ」
「やったー!!じゃあさ、久しぶりにゲームしようよ!!」
1人ではしゃぐ私をふっと笑って、お兄ちゃんが微笑んだ。
「夜更かしはダメだからな?」
「わかってるよー!そうと決まれば、早く部屋に行こっ!」
お兄ちゃんの手を引いて、部屋へ戻ろうとすると、台所からお母さんの声が聞こえた。
「シズク!今日、お料理を作りすぎちゃったから、お隣の桐崎さんの家にお裾分けに行ってくれない?」
「ぇえー?せっかくお兄ちゃんと遊ぼうと思ったのに~」
「そんなの、あとからでいいでしょ!レイくんにも挨拶してきなさい」
「は~い」
不貞腐れたようにそう言うと、お兄ちゃんが苦笑した。
「いってらっしゃい、シズク。俺は部屋で待ってるからさ」
「うぅ~!お兄ちゃんもいこーよ!」
「ダメ!あんた1人で行きなさい」
台所から今日のおかずが入っているであろう器を持って、お母さんがやってきた。明らかに重そうな器を私に手渡すと、お母さんが私の背中をバシッと叩いて言った。
「いってらっしゃい!いつもお世話になってるんだから、挨拶しときなさいよ」
「……いってきまーす」
お母さんに叩かれた背中がジンジン痛んだが、いってきますの挨拶をして、玄関を出た。
***
「こんばんは~」
玄関前のテレフォンを押して、相手が出てくるのを待つ。
やがて、出てきたのは、少しやつれた幼なじみの母親だった。
「っ!シズクちゃん!」
「きゃぁっ!ど、どーしたんですか、おばさん」
私の姿を見た瞬間、慌てて走ってきたおばさんを抱きとめる。
「あのね、レイが!レイが!」
____行方不明なの。
知ったきっかけは、とても些細なことだった。
***
「シズクー?あんたの大好きなお兄ちゃんが帰ってきたわよ!」
「ほんと!?」
階段の下から聞こえたお母さんの声。
" お兄ちゃんが帰ってきた "
その情報を確かめるように、急いで階段をかけ下りる。1段ずつ降りていくたびに、心の中がとても躍ってしまう。
___久しぶりにお兄ちゃんに会える!!
逸る気持ちを無理やり抑え込み、階段を下り終えた。
「お兄ちゃんっ!!」
「うぉッ!」
お兄ちゃんの姿を見た瞬間、思いっきり飛びつた。
いきなりきた衝撃に驚いたのか、お兄ちゃんが少しよろける。それでも、しっかり抱きしめてくれた。
「お兄ちゃん、久しぶり!」
「うん。久しぶり、シズク」
お兄ちゃんのとても整った顔が、優しく微笑んだ。抱きしめてくれる腕はとても優しくて、私のことを大事に思ってくれていることがわかる。髪を撫でてくれる優しい手つきも、幼い頃から変わっていなかった。
___私と兄は、血の繋がりがない。
親の再婚相手の連れ子だったお兄ちゃんは、まだ幼かった私に、優しく微笑んで頭をよしよし、と撫でてくれた。
「はじめまして、シズクちゃん。俺はシキっていうんだ。これからよろしくね」
にっこりと微笑んで、私の頭を撫でてくれるその暖かい手のひらに、緊張しきっていた幼い頃の私の心は簡単に崩れてしまい、初対面にもかかわらずお兄ちゃんに泣きついた。
そんな私に驚きながらも、ゆっくりと優しく抱きしめてくれたお兄ちゃんのことが、心から好きになった。今では、友人にブラコンであることがバレても恥ずかしくない程に。
「ねえ、お兄ちゃん。今日は泊まっていくの?」
「あぁ。そのつもりだよ」
「やったー!!じゃあさ、久しぶりにゲームしようよ!!」
1人ではしゃぐ私をふっと笑って、お兄ちゃんが微笑んだ。
「夜更かしはダメだからな?」
「わかってるよー!そうと決まれば、早く部屋に行こっ!」
お兄ちゃんの手を引いて、部屋へ戻ろうとすると、台所からお母さんの声が聞こえた。
「シズク!今日、お料理を作りすぎちゃったから、お隣の桐崎さんの家にお裾分けに行ってくれない?」
「ぇえー?せっかくお兄ちゃんと遊ぼうと思ったのに~」
「そんなの、あとからでいいでしょ!レイくんにも挨拶してきなさい」
「は~い」
不貞腐れたようにそう言うと、お兄ちゃんが苦笑した。
「いってらっしゃい、シズク。俺は部屋で待ってるからさ」
「うぅ~!お兄ちゃんもいこーよ!」
「ダメ!あんた1人で行きなさい」
台所から今日のおかずが入っているであろう器を持って、お母さんがやってきた。明らかに重そうな器を私に手渡すと、お母さんが私の背中をバシッと叩いて言った。
「いってらっしゃい!いつもお世話になってるんだから、挨拶しときなさいよ」
「……いってきまーす」
お母さんに叩かれた背中がジンジン痛んだが、いってきますの挨拶をして、玄関を出た。
***
「こんばんは~」
玄関前のテレフォンを押して、相手が出てくるのを待つ。
やがて、出てきたのは、少しやつれた幼なじみの母親だった。
「っ!シズクちゃん!」
「きゃぁっ!ど、どーしたんですか、おばさん」
私の姿を見た瞬間、慌てて走ってきたおばさんを抱きとめる。
「あのね、レイが!レイが!」
____行方不明なの。
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