俺たちの恋事情

郗櫲乃

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D-2

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後日、どうにか現場を動画に納めてその足で警察へ行った。あーだこーだ言われないようにカメラは道中ずっとカップに向けたまま。そして、最後に警官の目の前でカメラを切った。これで警察だって自作自演だなんだ言わないでしょ。

女は無事逮捕されましたとさ。
重罪である依存性の薬物が検出されたそうなので、裁判はまだだけど、懲役20年以上+接触禁止令は確定なのでもう一生お会いすることは無いでしょう。

ふうスッキリ。

「........良かったな。」

「ああ、うん。」

「舐めてたわ。お前のヤバいやつホイホイ機能。」

「いやぁ、久々にきたわ。てかホイホイ言うなし。まだ若いとはいえ、もう年齢的に落ち着く頃合でしょうに。この顔か?喋り方?体?全部?あー、無理ぃ....。」

「恋人いた時はどうだったんだ?」

「.....あれはあれで地獄だった....。僕のために争わないで状態に、ドス黒い重たい愛が複数のしかかるんだ。生きた心地がしなかった....。まあ、当時の子達は今は真っ当になったらしいけどね...。どうだか...。」

「ご愁傷さま.....。ああ、コレ。良かったら。」

デニスから小さな小箱を渡された。

「これ....ネックレス??」

「そう。厄除けと良縁祈願の意味がある石をネックレスにしてもらった。気休め程度に。」

「そんな....ありがとう!!嬉しい!!!今度僕からも何かプレゼントするからね!!」

「じゃあ、来週。俺誕生日。」

「そうなんだ!!了解!何がいいとか逆にこれだけはダメってある?アレルギーとか」

「んー.....アレルギーは特にないかな?ディーンらしい物だと嬉しいかも。」

「うお....うーん、ふふふ、楽しみにしておいてね。」

「俺なんか、墓穴掘った...?」


翌週、デニスの誕生日。
仕事終わりに仲の良い人達だけでデニスの誕生日会を近くの店でやる事になった。

店からのサプライズもあって非常に楽しい誕生日会になった。

皆が無難な物を渡す中、僕が渡したプレゼントは誕生石を抱えた少し大きめのうさぎのマスコットだ。

みんなには少し笑われたけど、僕っぽいものっていうリクエストがあったからね。カワイイ系の物を渡してちょっと困らせようなんて別に思って無いよ?

みんなと同じように笑ってくれるかと思ったら、デニスは、目を伏せはにかんでいた。

......なんだよそれ....。調子狂うな....。

解散した後、僕はデニスと二人少し残った。

「...ごめん。」

「え?なんで謝んだよ。」

「なんか、困った顔してたから。その、可愛すぎて恥ずかしかった?笑いのネタにはなるかと思ったけど、本当に嫌がらせをしたい訳じゃないし....。」

「あ、いや、そう言うのじゃないんだ。その.....プレゼントは嬉しいんだ。ただ.....その.....」

さっきと同じはにかみ顔。でもどんどん顔が赤くなっていく。

「や、やっぱり、なんでもない!!えっと、うさぎ、本当に可愛くて嬉しい!!ちゃんと明日も会社に連れてくから!じゃあ、また明日!!」


早足で帰っていった。
何だったの?

.......いや、なんとなく、今の反応に覚えがある。

いや、そんな訳がない。だって、ずっと普通だったじゃないか。

僕はもう、絶望をしたくない。

忘れよう。


「昨日はありがとう、ディーン。ほらちゃんと連れてきたぞ。朝から女性達に根掘り葉掘り聞かれたよ。どこで買ったの?とか、彼女?とか。ディーンからだって言ったら、キャーだってさ。」

「きゃー....?」

会社で会うといつも通りのデニスでホッとした。
やっぱり、昨日は気の所為だったんだ。

「もしかしたらこの後女性達が押し寄せるかもな。」

「......買った場所は駅前デパートなんだけど。」

「そうなんだ。じゃあ、次聞かれたらそう答えるよ。」

「じゃあついでになんのキャーか聞いといて。場合によっては後で〆る。」

「あ、相手女性....」

「ん?」

「なんでもないです。」

こういう時の女性は大半が失礼な事考えているモノだからね。性別関係なく失礼なこと考えている人は締め上げるのが僕流さ。

「お手柔らかに...な?」

「ふふ、そんな事より、今日もご飯行く?」

「.........ああ、行くか。」

間が気になるけど良いや。

まともな友達って、楽で良いなぁ~





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