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二十三人目
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それぞれ旅に出る準備を進めているようだ。備品については、スカウトさんが帰ってきてから、本格的にどれを持っていくか、大工さんなども交えて検討するつもりだ。
昼食時にも自然とその話題になり、あちこちで活発に意見が交わされていた。
「問題は食事よね。こっちみたいにすぐ釣りが出来る環境でないなら、どうしても魚が不足しちゃう」
料子さんが心配そうな顔をする。
「缶詰めやレトルト食品を大量に持ってくことになるかな」と電気さん。
「ナースさん、大地さん、山菜さん、理科さんか……。この中で料理が上手いのは?」
生果さんが訊く。
「私は苦手だな……一応、一人暮らしだけど」
最初に理科さんが悪びれず答える。
「私もあまり。忙しくてなかなかお料理する時間がなかったんです」
ナースさんも申し訳なさそうに答える。
「私は一通りの料理なら」
「同じく」
大地さんと山菜さんは、料理には苦手意識はないようだ。山菜さんに関してはなんとなくワイルドな料理のイメージがあるが。
「それなら大丈夫ね。食器や調理器具もちゃんと持って言ってね。こっちは多少少なくなっても、そのうち補充できると思うから」
料子さんが笑顔を見せた。
昼食後には、いつものように桂坂さんと場に向かった。これからもこの出迎えの習慣は同じメンバーで行ってゆく予定だ。
今日現れたのは、やや恰幅の良い妙齢の女の人だった。普段着だったが、一緒に段ボール箱三箱とむき出しの食材や調味料、食器などがバラけた感じで出現していた。
最初こそ、事態の異常さに面食らっていたものの、僕たちがしっかり説明してあげると、すぐに安心したようだ。かなり肝が座っているように見えた。
彼女の名前は、井後尚美(いごなおみ)。普段は介護の仕事をしているようだ。家族は旦那と一人娘に、二人の息子の五人暮らしだという。上の息子はもう大学四年で、一番下の子ももう高校生と言っていた。
「この食材は?」
「ああ、これね。私、宅配で食材を頼んだりしてるのだけど、ちょうどそれを台所で開けてみてる時だったのよね。テーブルに置きっぱなしにしていた砂糖や塩なんかも一緒に来ちゃったみたいだけど」
「袋入りの塩や砂糖は助かります。それに段ボールには新鮮な野菜が入っていて嬉しいわ」
桂坂さんは、正直な感想を伝える。
「こんなところでサバイバルしてるなんてすごいわね。私に出来るかしら?」
「大丈夫ですよ。誰でも出来ます」
根拠などなかったが、僕は自信を持って答えた。
昼食時にも自然とその話題になり、あちこちで活発に意見が交わされていた。
「問題は食事よね。こっちみたいにすぐ釣りが出来る環境でないなら、どうしても魚が不足しちゃう」
料子さんが心配そうな顔をする。
「缶詰めやレトルト食品を大量に持ってくことになるかな」と電気さん。
「ナースさん、大地さん、山菜さん、理科さんか……。この中で料理が上手いのは?」
生果さんが訊く。
「私は苦手だな……一応、一人暮らしだけど」
最初に理科さんが悪びれず答える。
「私もあまり。忙しくてなかなかお料理する時間がなかったんです」
ナースさんも申し訳なさそうに答える。
「私は一通りの料理なら」
「同じく」
大地さんと山菜さんは、料理には苦手意識はないようだ。山菜さんに関してはなんとなくワイルドな料理のイメージがあるが。
「それなら大丈夫ね。食器や調理器具もちゃんと持って言ってね。こっちは多少少なくなっても、そのうち補充できると思うから」
料子さんが笑顔を見せた。
昼食後には、いつものように桂坂さんと場に向かった。これからもこの出迎えの習慣は同じメンバーで行ってゆく予定だ。
今日現れたのは、やや恰幅の良い妙齢の女の人だった。普段着だったが、一緒に段ボール箱三箱とむき出しの食材や調味料、食器などがバラけた感じで出現していた。
最初こそ、事態の異常さに面食らっていたものの、僕たちがしっかり説明してあげると、すぐに安心したようだ。かなり肝が座っているように見えた。
彼女の名前は、井後尚美(いごなおみ)。普段は介護の仕事をしているようだ。家族は旦那と一人娘に、二人の息子の五人暮らしだという。上の息子はもう大学四年で、一番下の子ももう高校生と言っていた。
「この食材は?」
「ああ、これね。私、宅配で食材を頼んだりしてるのだけど、ちょうどそれを台所で開けてみてる時だったのよね。テーブルに置きっぱなしにしていた砂糖や塩なんかも一緒に来ちゃったみたいだけど」
「袋入りの塩や砂糖は助かります。それに段ボールには新鮮な野菜が入っていて嬉しいわ」
桂坂さんは、正直な感想を伝える。
「こんなところでサバイバルしてるなんてすごいわね。私に出来るかしら?」
「大丈夫ですよ。誰でも出来ます」
根拠などなかったが、僕は自信を持って答えた。
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