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お菓子の幸せ
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「お菓子なんて、なんだか嬉しいな」
ドクターが微笑む。
「あれ? スナック菓子なんて体に悪いんじゃないんですか。お医者様がそんなこと言っていいんですか」
生果さんの苦言にもドクターは動じず「たまにはいいもんさ」と言いながら、勝手に一袋開けて食べ始める。
あ~あと思ったが、これだけたくさんあれば一袋ぐらいどうってことないかもしれない。僕も便乗して、一ついただくことにした。ただの塩味のポテトのお菓子だが、なんだか無性に上手かった。学生生活ではちょくちょく食べてたはずなのに……。
「まあ、お菓子類があれば、場も和むし、満足感も違うのは確かね」
生果さんも納得したのか諦めたのか定かではないが、それ以上は小言を言わなかった。
水も無事に汲んで来れたようだし、今日は誰も消えずに帰ってこれた。もちろん釣り組が残ってはいるが、まあ大丈夫だろう。僕はちょっとだけ安心した。
スナックさんは白い服では活動しにくいということで、セーターに着替えて、とりあえず宝泉さんたちの仕事をみてもらうことにした。工場勤務なら多少なりとも機械に詳しいかもしれない。
夜になり、湖で釣りをしていた算田さんと宙が帰ってきた。
「いやはや、難しいもんだな。なかなか釣れなかったよ。釣りキチさんはやっぱすごいなあ」
そう言いながら算田さんは今日の収穫を見せる。小さい魚が二匹だけだ。
「それでも僕よりはずっと上手だったんですけど、釣りってこんなに難しいんですね」
宙はやや興奮気味にまくし立てる。中学生の彼にとっては貴重な体験だったようだ。
「まあ、毎日通えばだんだんコツも分かってきますよ」
釣りに詳しくない僕に言えるのは、その程度のアドバイスだけだった。
夕食時にはそれぞれの好きなお菓子の話題で盛り上がった。意外とみんな現代っ子で、お菓子にもこだわりを持っているみたいだ。
夜のミーティングでは、あらためて今後の動きを確認した。もう水汲みはないので、基本的に設備と畑と生活に分かれた動きになる。幸いなことに桂坂さんが倒れた以外はこのところ病人は出てないので、ドクターも暇で、もっぱら農作業をやっている感じだ。
翌朝は起きる前から雨が降っていた。それほど強い雨ではないが、傘やレインコートなしでの外出は、風邪をひく危険もあるのでやめたほうがいいだろうということになった。ただ釣り組のレインコートは用意出来たので、二人を見送った。畑のほうは、午前中はやめておこうと農家さんが判断したので、僕は溜まっていた事務作業をした。今までのことも記録しておかねばならないので、ちようどいい機会だった。
ドクターが微笑む。
「あれ? スナック菓子なんて体に悪いんじゃないんですか。お医者様がそんなこと言っていいんですか」
生果さんの苦言にもドクターは動じず「たまにはいいもんさ」と言いながら、勝手に一袋開けて食べ始める。
あ~あと思ったが、これだけたくさんあれば一袋ぐらいどうってことないかもしれない。僕も便乗して、一ついただくことにした。ただの塩味のポテトのお菓子だが、なんだか無性に上手かった。学生生活ではちょくちょく食べてたはずなのに……。
「まあ、お菓子類があれば、場も和むし、満足感も違うのは確かね」
生果さんも納得したのか諦めたのか定かではないが、それ以上は小言を言わなかった。
水も無事に汲んで来れたようだし、今日は誰も消えずに帰ってこれた。もちろん釣り組が残ってはいるが、まあ大丈夫だろう。僕はちょっとだけ安心した。
スナックさんは白い服では活動しにくいということで、セーターに着替えて、とりあえず宝泉さんたちの仕事をみてもらうことにした。工場勤務なら多少なりとも機械に詳しいかもしれない。
夜になり、湖で釣りをしていた算田さんと宙が帰ってきた。
「いやはや、難しいもんだな。なかなか釣れなかったよ。釣りキチさんはやっぱすごいなあ」
そう言いながら算田さんは今日の収穫を見せる。小さい魚が二匹だけだ。
「それでも僕よりはずっと上手だったんですけど、釣りってこんなに難しいんですね」
宙はやや興奮気味にまくし立てる。中学生の彼にとっては貴重な体験だったようだ。
「まあ、毎日通えばだんだんコツも分かってきますよ」
釣りに詳しくない僕に言えるのは、その程度のアドバイスだけだった。
夕食時にはそれぞれの好きなお菓子の話題で盛り上がった。意外とみんな現代っ子で、お菓子にもこだわりを持っているみたいだ。
夜のミーティングでは、あらためて今後の動きを確認した。もう水汲みはないので、基本的に設備と畑と生活に分かれた動きになる。幸いなことに桂坂さんが倒れた以外はこのところ病人は出てないので、ドクターも暇で、もっぱら農作業をやっている感じだ。
翌朝は起きる前から雨が降っていた。それほど強い雨ではないが、傘やレインコートなしでの外出は、風邪をひく危険もあるのでやめたほうがいいだろうということになった。ただ釣り組のレインコートは用意出来たので、二人を見送った。畑のほうは、午前中はやめておこうと農家さんが判断したので、僕は溜まっていた事務作業をした。今までのことも記録しておかねばならないので、ちようどいい機会だった。
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