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新たなる展開
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【今までのあらすじ】
現代日本からいきなり異世界の森へと転移した大学生の田所健太。そこはどうしても脱出出来ない森だった。集落を見つけた健太はその家で暮らし始める。その後、毎日一人ずつ転移者が増えていき、少しずつ生活基盤が整い始めるが……。
全方位カメラによる撮影で、別の集落がある可能性に気づいた健太らは、協議の結果、十人のメンバーが別の集落の調査に出かける計画を実行に移す。だが、水汲みに行った別の六人のメンバーが消失してしまう……
【あらすじ終了】
◇
昼食後には、午前中降り続いていた雨も上がって空には太陽が見えるようになった。今日の場の迎えは、以前のようにまた僕と桂坂さんだ。この仕事だけは何が起ころうと変わらずに続けなくてはならない。僕らは場に向かった。
「昨日、水汲みに行ったとき、例の現場を見たんだよね?」
歩きながら僕は桂坂さんに尋ねた。昨夜はその話はそれほど詳しくは聞いていない。
「現場って消えた場所のこと? そうよ。昨日みんなで調べてみたわ」
「それで手掛かりになるようなものはまったく見つけられなかったんだよね」
「ええ、なんにも」
桂坂さんは残念がってる様子もなく、さばさばと答える。まさに神隠しだ。人の手になるものでないことだけは確かである。僕たちが悔やむことはまったく意味がない。
「せめて条件だけでも分かればなあ……」
それでも僕は悔しさを言葉の端ににじませる。
「一回だけだし、そう簡単には分からないわよ。きっと」
桂坂さんはそう言って慰めてくれた。
「でも」
言いかけたとき、それは起こった!
「何?」
桂坂さんの言葉と同時に世界が暗転した。叫ぼうにも言葉が発せられない。何だ! 何がどうなってるんだ! 僕は深い闇に吸い込まれるような感覚を覚えた。僕は一体……そのまま意識は遠のいた。
次に僕が正気を取り戻したとき、僕が居たのは川辺だった。桂坂さんも隣にいる。
「なんだと!」
見覚えのない光景に僕はパニックになりそうだった。森の中にいることには変わりないが、目の前を小さな川が流れている。見たことのない場所だ。
何が起こったんだ……? 僕は頭をフル回転させて今の状況を把握しようと努めた。
「健太君、大丈夫?」
左隣から桂坂さんが僕の肩に触れた。
「ああ。桂坂さんはどう?」
「体は大丈夫みたい。それにしてもこれはどういうこと?」
僕は必死に頭を巡らせた。状況からすると、僕と桂坂さんは一緒に森の中の別の場所に再転移したと考えざるを得ない。
「ここはどこなんだろう?」
「森の中ってことは間違いないわね。集落からはどのぐらい離れてるのかなあ」
それを聞いて僕の中で「待てよ」という心の声が聞こえた。そうだ、もしかすると……
「桂坂さん、ここは森だけど、僕たちがさっきまでいた世界と同じ世界という保証はどこにもないんだ」
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全方位カメラによる撮影で、別の集落がある可能性に気づいた健太らは、協議の結果、十人のメンバーが別の集落の調査に出かける計画を実行に移す。だが、水汲みに行った別の六人のメンバーが消失してしまう……
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昼食後には、午前中降り続いていた雨も上がって空には太陽が見えるようになった。今日の場の迎えは、以前のようにまた僕と桂坂さんだ。この仕事だけは何が起ころうと変わらずに続けなくてはならない。僕らは場に向かった。
「昨日、水汲みに行ったとき、例の現場を見たんだよね?」
歩きながら僕は桂坂さんに尋ねた。昨夜はその話はそれほど詳しくは聞いていない。
「現場って消えた場所のこと? そうよ。昨日みんなで調べてみたわ」
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「ええ、なんにも」
桂坂さんは残念がってる様子もなく、さばさばと答える。まさに神隠しだ。人の手になるものでないことだけは確かである。僕たちが悔やむことはまったく意味がない。
「せめて条件だけでも分かればなあ……」
それでも僕は悔しさを言葉の端ににじませる。
「一回だけだし、そう簡単には分からないわよ。きっと」
桂坂さんはそう言って慰めてくれた。
「でも」
言いかけたとき、それは起こった!
「何?」
桂坂さんの言葉と同時に世界が暗転した。叫ぼうにも言葉が発せられない。何だ! 何がどうなってるんだ! 僕は深い闇に吸い込まれるような感覚を覚えた。僕は一体……そのまま意識は遠のいた。
次に僕が正気を取り戻したとき、僕が居たのは川辺だった。桂坂さんも隣にいる。
「なんだと!」
見覚えのない光景に僕はパニックになりそうだった。森の中にいることには変わりないが、目の前を小さな川が流れている。見たことのない場所だ。
何が起こったんだ……? 僕は頭をフル回転させて今の状況を把握しようと努めた。
「健太君、大丈夫?」
左隣から桂坂さんが僕の肩に触れた。
「ああ。桂坂さんはどう?」
「体は大丈夫みたい。それにしてもこれはどういうこと?」
僕は必死に頭を巡らせた。状況からすると、僕と桂坂さんは一緒に森の中の別の場所に再転移したと考えざるを得ない。
「ここはどこなんだろう?」
「森の中ってことは間違いないわね。集落からはどのぐらい離れてるのかなあ」
それを聞いて僕の中で「待てよ」という心の声が聞こえた。そうだ、もしかすると……
「桂坂さん、ここは森だけど、僕たちがさっきまでいた世界と同じ世界という保証はどこにもないんだ」
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