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何が正解か不正解か
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「と言ってもそれで悩んでるわけじゃないけどね。そんなこと考えて悶々とするほど馬鹿らしいことはないって一方では思ってる。この世界に来てしまった以上、ここで生きていくしかないんだしね」
「私も似たようなこと考えています」と桂坂さんが応じた。
「私は特別何かが優れているとか、何かの技能を持ってるわけじゃないんですよ。後から来た人は何らかの分野で通用するような手に職を持ったような人が多かったんです。だから何で私みたいなのが選ばれたのかなあ、って不思議に思うとともに、私みたいな役立たずがこっちに来ちゃって良かったのかなあっていう引け目みたいなものもあるんです」
「引け目? なんであなたがそんなことを思うの? むしろこっちの世界に来たことは災難じゃない?」
陽子さんの疑問には僕が答えた。
「あ、それはですね。近い未来に日本で大災害が起こって、日本は壊滅的な被害を受けるらしいんです」
「えっ! 誰がそんなこと言ったの?」
「ええと……前の村に地質学やってる人がいて……その人が研究した結果みたいな……」
「やだ、そんなこと聞いたことないわ。あ……でも、そんな予測が立てられていたとしても発表されるわけないか」
「だから、こっちに来たってことは逆に『救われた』可能性があるんです」
「ははあ、なるほど。でもそれって確かめようがないわね」
陽子さんは腕を組んでうーんと唸った。
「私もそれを聞いた時はびっくりしたわ」と理科さん。
「でもよく考えてみれば、同時刻からこっちにたくさんの人が飛ばされていることや、とりあえず今分かっている転移者は日本にいた人たちだけってことを考慮すると、あながち的外れでもないような気がするんだよね」
僕は今まで色んな人と話し合ったことを思い返していた。
「そうなると最終的に『神の仕業』としか思えないんですよね、みんな」
僕の言葉を聞いて、陽子さんは呆れたように僕を見る。
「神の一言で片付けられたら苦労はないわ。それこそ、簡単に怪しい宗教にはまるタイプでしょ、あなた」
「そんなことはないです。むしろ僕はどっちかというとそういうのは信じないほうなので」
「怪しい美女にホイホイついていくタイプかと思ったんだけど」
陽子さんはケラケラと笑う。
「でもまあ、その噂が本当だとすると、結構深刻よね」
笑いをすぐに引っ込めた陽子さんは、一転して真剣な表情になった。
「ええ。神か誰かが僕らを救うためにやってくれのではないか、っていうのもあながち間違ってないかも知れないんです。そうなるとむしろ、この世界にたくさんの人が来てくれたほうが嬉しいですし」
「私も似たようなこと考えています」と桂坂さんが応じた。
「私は特別何かが優れているとか、何かの技能を持ってるわけじゃないんですよ。後から来た人は何らかの分野で通用するような手に職を持ったような人が多かったんです。だから何で私みたいなのが選ばれたのかなあ、って不思議に思うとともに、私みたいな役立たずがこっちに来ちゃって良かったのかなあっていう引け目みたいなものもあるんです」
「引け目? なんであなたがそんなことを思うの? むしろこっちの世界に来たことは災難じゃない?」
陽子さんの疑問には僕が答えた。
「あ、それはですね。近い未来に日本で大災害が起こって、日本は壊滅的な被害を受けるらしいんです」
「えっ! 誰がそんなこと言ったの?」
「ええと……前の村に地質学やってる人がいて……その人が研究した結果みたいな……」
「やだ、そんなこと聞いたことないわ。あ……でも、そんな予測が立てられていたとしても発表されるわけないか」
「だから、こっちに来たってことは逆に『救われた』可能性があるんです」
「ははあ、なるほど。でもそれって確かめようがないわね」
陽子さんは腕を組んでうーんと唸った。
「私もそれを聞いた時はびっくりしたわ」と理科さん。
「でもよく考えてみれば、同時刻からこっちにたくさんの人が飛ばされていることや、とりあえず今分かっている転移者は日本にいた人たちだけってことを考慮すると、あながち的外れでもないような気がするんだよね」
僕は今まで色んな人と話し合ったことを思い返していた。
「そうなると最終的に『神の仕業』としか思えないんですよね、みんな」
僕の言葉を聞いて、陽子さんは呆れたように僕を見る。
「神の一言で片付けられたら苦労はないわ。それこそ、簡単に怪しい宗教にはまるタイプでしょ、あなた」
「そんなことはないです。むしろ僕はどっちかというとそういうのは信じないほうなので」
「怪しい美女にホイホイついていくタイプかと思ったんだけど」
陽子さんはケラケラと笑う。
「でもまあ、その噂が本当だとすると、結構深刻よね」
笑いをすぐに引っ込めた陽子さんは、一転して真剣な表情になった。
「ええ。神か誰かが僕らを救うためにやってくれのではないか、っていうのもあながち間違ってないかも知れないんです。そうなるとむしろ、この世界にたくさんの人が来てくれたほうが嬉しいですし」
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