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学園編 18歳
118 恋の決意を伝えましょう
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翌日、ベロニカとリズに挟まれて眠ったエリーナは、晴れやかな顔でオランドール家を後にした。ラウルには会いたい旨を昨日の夜に手紙を送っており、今から会う約束となっている。エリーナは馬車に揺られ、車窓から流れゆく街並みを目に映しながらぼんやりと考え事をする。
(帰ったら、クリスに謝らないとね……)
一日経って冷静になり、罪悪感が込み上げてくる。
(でも、やっぱりまだ気持ちを伝える勇気はでないわ)
自分でも臆病だと思うが、クリスの想いがわからない上に、この世界にいつまでいられるかが分からないことが踏み出せない理由だった。
しばらく考えてもいい答えは出ず、馬車が止まりゴードン伯爵家に到着した。久しぶりに訪ねたが、執事が温かく迎えてくれ、ラウルはサロンで待っていると教えてくれる。すれ違う侍女たちは微笑みかけ、活力にあふれていた。
サロンに案内されると、ラウルはコーヒーを飲みながらくつろいでいた。新聞を読んでいる姿はとても知的に見える。
「エリー様、おはようございます」
ラウルは爽やかな笑みを浮かべており、エリーナも自然と表情が柔らかくなった。
「朝早くにごめんなさい」
「いえ、朝からエリー様のお顔が見られて嬉しいかぎりですよ」
エリーナはラウルの向かいにあるソファーに座り、侍女が淹れてくれたお茶を頂く。心を落ち着けていると、ラウルは新聞を片付けてエリーナに向き直った。まっすぐと真剣な目を向ける。
「エリー様。私に会いに来られたということは、お気持ちが決まったんですか?」
ラウルは前置きもなく本題に斬りこんだ。ルドルフやミシェルにも見抜かれたのだ。ラウルの目をごまかすことはできない。エリーナはカップを机に戻すと、痛む心を押さえ背筋を伸ばした。どう伝えたらいいのかは散々悩んだ。そして下手に言葉を飾るより、素直にありのままを話すことにしたのだ。
「……うん。あのね、先生。前に嫉妬について教えてくれたでしょう? 私、嫉妬に気づいてしまったの」
緊張のため表情の硬いエリーナを見て、ラウルは目を細める。ゆっくり頷くと、「それで?」と優しく続きを促した。
「すごく苦しくて、辛くて……気づかなければよかったと思ったけれど、それ以上に喜びと嬉しさを感じられることにも気づいたわ」
勉強の成果を報告するように、エリーナはラウルに向けて言葉を紡いでいく。
「恋を、知ってしまわれたのですね」
ぽつりと、零れ落ちた言葉は残念そうだがどこか嬉しそうで、その表情には恋の苦しみと教師としての嬉しさが混在している。その寂し気な笑顔がエリーナの胸を締め付けた。ラウルとの子どものころからの思い出が浮かび上がってくる。たくさん楽しい思い出があるからこそ、彼の気持ちに応えられないのが申し訳なく思えるのだ。
「ごめんなさい、先生。私、先生のこと好きよ。一緒にいるととても安心するもの。愛していると言ってくれて……とても嬉しかった」
声が震え、エリーナは無理矢理笑おうとしたが歪な笑顔になり、眦から涙がこぼれた。一度緩くなった涙腺はなかなか元に戻らない。
「私、クリスのことが好きだって気づいたの」
エリーナは涙を拭うが、とめどなく溢れてきた。
「えぇ……知っていますよ」
ラウルにはお見通しだったらしい。敵わないとおかしくなって、エリーナはくすりと笑う。また涙がこぼれた。ラウルは立ち上がるとエリーナの隣に座り、ハンカチで涙を拭った。ラウルの優しさにさらに涙がこぼれる。
「先生となら結婚したいって思ったけど、クリスを好きだと気づいたら、騙しているようで申し訳なくて」
エリーナは苦しくてラウルの顔が見られず、俯いて涙を流す。無意識のうちに両手は拳を作っており、ドレスを握りしめていた。
涙交じりの声で懸命に伝える正直な想いを、ラウルは受け止め涙を拭う。そして左手をエリーナの頬に添えて、自分の方に向かせた。
「エリー様、十分その優しさは伝わりましたよ。貴女が私のことをどれほど大切に想ってくれているかも。ですから、涙なんていりません」
エリーナは静かに頷き、ラウルからハンカチを受け取って涙をふく。泣くのはこれで最後だ。ラウルの左手が名残推しそうに離れていく。
「先生は、優しすぎるわ。もっと私をなじってもいいのに」
きっと長い間、優しく温かな想いを抱き続けてくれたのだろう。それゆえに、心苦しさが押し寄せる。
「まさか、私はエリー様の幸せを願っているのです。エリー様が選ばれたなら、喜んで応援いたしますよ」
選択。その言葉にエリーナは悲しそうに眉尻を下げて、力なく頷いた。エリーナはクリスへの想いを選んだ。何かを選ぶということは何かを選ばないということだ。選ばなかった選択の先には、無くなった可能性がある。受け取れなかった想いがある。
それでも今のエリーナにできることをするしかない。エリーナは静かに深呼吸をし、気持ちを落ち着かせてラウルに向き直った。
「私、先生の気持ちに応えることはできないけど、先生のことが大切でこれからも今までのように会いたいの……だから、嫌じゃなかったら卒業パーティーで一緒に踊ってくれない?」
一緒にダンスを踊った人とは、一生縁が切れないという。その謂れを知っていたのだろう。ラウルは嬉しそうに破顔して、「もちろん」と頷いた。そしてエリーナの右手を取って手の甲にそっと口づけると、色気のある瞳を向ける。その一連の動作は破壊力がすさまじく、エリーナはうっと胸が詰まる想いがした。
「一生切れない縁を結びましょう。ですが、今までと同じにはなれませんよ」
少し意地悪な色を瞳に浮かべたラウルに、エリーナはさすがに距離を取られるかなと不安になる。そんなエリーナの不安を見透かしたように、ラウルは不敵な笑みを浮かべて続けた。
「これからはクリス様から奪えるように、虎視眈々と狙います。エリー様、私は貴女を守りたいのです。物語の姫を守る騎士のように」
そう砂糖菓子のような言葉をエリーナにかけ、もう一度手の甲に口づけた。それは忠誠を誓う騎士のよう。
「奪うだなんて……まだ想いを伝える気はないわよ」
「どうして?」
「……未来が必ずあるって、思えないから」
このゲームのクライマックスは卒業パーティーであり、本来なら悪役令嬢はそこで断罪され舞台から降りる。今はヒロインだが、ゲームでは卒業後のストーリーでエンドを迎える。いずれにしても、終わりはある。その時、エリーナがこの世界に居続けられる保証はない。
ラウルは眉間に皺を寄せ、何かを思案しているような顔をしていた。
「エリー様、身の回りで変わったことはありませんよね……」
急に深刻そうな表情をしたため、エリーナは驚いて目を瞬かせて慌てて否定する。少し怖さを感じさせる表情だった。
「何もないわ。それに何かあったなら、クリスがすでに対処していると思うもの」
クリスは情報の収集に長けているし、行動力もある。ラウルは「そうですね」と納得し、まっすぐ迷いのない目を向け、口を開いた。
「何かあったらすぐに言ってください。エリーナ様がお困りになった時は、いつでも駆け付けます」
ラウルはまるで自分自身に言い聞かせるように、強い意思を言葉に込めていた。エリーナは黙ってラウルの気持ちを受け取る。そしてラウルは一度目を伏せ、迷いを浮かべた後で再び視線をエリーナに向けた。
「ですが、もしそのようなことがあれば、私は私が思うエリーナ様の幸せになる行動をとります……それが、エリーナ様の意に沿わないかもしれません。その時は、どうか私を罵り恨んでください」
覚悟を決めた顔であり、エリーナは気圧されてただ頷くことしかできなかった。まるで何かが起こるような気になる言い方だが、訊き返せない迫力がある。
「何があっても、ラウル先生を恨んだりはしないわ」
「えぇ、ありがとうございます。……でも、人の心は難しいものなのですよ」
そう物悲しい表情で告げたラウルの言葉がエリーナの心に残る。エリーナは帰りの馬車で恋という心の動きに振り回される自分を顧み「難しいわ」と呟いたのだった。
(帰ったら、クリスに謝らないとね……)
一日経って冷静になり、罪悪感が込み上げてくる。
(でも、やっぱりまだ気持ちを伝える勇気はでないわ)
自分でも臆病だと思うが、クリスの想いがわからない上に、この世界にいつまでいられるかが分からないことが踏み出せない理由だった。
しばらく考えてもいい答えは出ず、馬車が止まりゴードン伯爵家に到着した。久しぶりに訪ねたが、執事が温かく迎えてくれ、ラウルはサロンで待っていると教えてくれる。すれ違う侍女たちは微笑みかけ、活力にあふれていた。
サロンに案内されると、ラウルはコーヒーを飲みながらくつろいでいた。新聞を読んでいる姿はとても知的に見える。
「エリー様、おはようございます」
ラウルは爽やかな笑みを浮かべており、エリーナも自然と表情が柔らかくなった。
「朝早くにごめんなさい」
「いえ、朝からエリー様のお顔が見られて嬉しいかぎりですよ」
エリーナはラウルの向かいにあるソファーに座り、侍女が淹れてくれたお茶を頂く。心を落ち着けていると、ラウルは新聞を片付けてエリーナに向き直った。まっすぐと真剣な目を向ける。
「エリー様。私に会いに来られたということは、お気持ちが決まったんですか?」
ラウルは前置きもなく本題に斬りこんだ。ルドルフやミシェルにも見抜かれたのだ。ラウルの目をごまかすことはできない。エリーナはカップを机に戻すと、痛む心を押さえ背筋を伸ばした。どう伝えたらいいのかは散々悩んだ。そして下手に言葉を飾るより、素直にありのままを話すことにしたのだ。
「……うん。あのね、先生。前に嫉妬について教えてくれたでしょう? 私、嫉妬に気づいてしまったの」
緊張のため表情の硬いエリーナを見て、ラウルは目を細める。ゆっくり頷くと、「それで?」と優しく続きを促した。
「すごく苦しくて、辛くて……気づかなければよかったと思ったけれど、それ以上に喜びと嬉しさを感じられることにも気づいたわ」
勉強の成果を報告するように、エリーナはラウルに向けて言葉を紡いでいく。
「恋を、知ってしまわれたのですね」
ぽつりと、零れ落ちた言葉は残念そうだがどこか嬉しそうで、その表情には恋の苦しみと教師としての嬉しさが混在している。その寂し気な笑顔がエリーナの胸を締め付けた。ラウルとの子どものころからの思い出が浮かび上がってくる。たくさん楽しい思い出があるからこそ、彼の気持ちに応えられないのが申し訳なく思えるのだ。
「ごめんなさい、先生。私、先生のこと好きよ。一緒にいるととても安心するもの。愛していると言ってくれて……とても嬉しかった」
声が震え、エリーナは無理矢理笑おうとしたが歪な笑顔になり、眦から涙がこぼれた。一度緩くなった涙腺はなかなか元に戻らない。
「私、クリスのことが好きだって気づいたの」
エリーナは涙を拭うが、とめどなく溢れてきた。
「えぇ……知っていますよ」
ラウルにはお見通しだったらしい。敵わないとおかしくなって、エリーナはくすりと笑う。また涙がこぼれた。ラウルは立ち上がるとエリーナの隣に座り、ハンカチで涙を拭った。ラウルの優しさにさらに涙がこぼれる。
「先生となら結婚したいって思ったけど、クリスを好きだと気づいたら、騙しているようで申し訳なくて」
エリーナは苦しくてラウルの顔が見られず、俯いて涙を流す。無意識のうちに両手は拳を作っており、ドレスを握りしめていた。
涙交じりの声で懸命に伝える正直な想いを、ラウルは受け止め涙を拭う。そして左手をエリーナの頬に添えて、自分の方に向かせた。
「エリー様、十分その優しさは伝わりましたよ。貴女が私のことをどれほど大切に想ってくれているかも。ですから、涙なんていりません」
エリーナは静かに頷き、ラウルからハンカチを受け取って涙をふく。泣くのはこれで最後だ。ラウルの左手が名残推しそうに離れていく。
「先生は、優しすぎるわ。もっと私をなじってもいいのに」
きっと長い間、優しく温かな想いを抱き続けてくれたのだろう。それゆえに、心苦しさが押し寄せる。
「まさか、私はエリー様の幸せを願っているのです。エリー様が選ばれたなら、喜んで応援いたしますよ」
選択。その言葉にエリーナは悲しそうに眉尻を下げて、力なく頷いた。エリーナはクリスへの想いを選んだ。何かを選ぶということは何かを選ばないということだ。選ばなかった選択の先には、無くなった可能性がある。受け取れなかった想いがある。
それでも今のエリーナにできることをするしかない。エリーナは静かに深呼吸をし、気持ちを落ち着かせてラウルに向き直った。
「私、先生の気持ちに応えることはできないけど、先生のことが大切でこれからも今までのように会いたいの……だから、嫌じゃなかったら卒業パーティーで一緒に踊ってくれない?」
一緒にダンスを踊った人とは、一生縁が切れないという。その謂れを知っていたのだろう。ラウルは嬉しそうに破顔して、「もちろん」と頷いた。そしてエリーナの右手を取って手の甲にそっと口づけると、色気のある瞳を向ける。その一連の動作は破壊力がすさまじく、エリーナはうっと胸が詰まる想いがした。
「一生切れない縁を結びましょう。ですが、今までと同じにはなれませんよ」
少し意地悪な色を瞳に浮かべたラウルに、エリーナはさすがに距離を取られるかなと不安になる。そんなエリーナの不安を見透かしたように、ラウルは不敵な笑みを浮かべて続けた。
「これからはクリス様から奪えるように、虎視眈々と狙います。エリー様、私は貴女を守りたいのです。物語の姫を守る騎士のように」
そう砂糖菓子のような言葉をエリーナにかけ、もう一度手の甲に口づけた。それは忠誠を誓う騎士のよう。
「奪うだなんて……まだ想いを伝える気はないわよ」
「どうして?」
「……未来が必ずあるって、思えないから」
このゲームのクライマックスは卒業パーティーであり、本来なら悪役令嬢はそこで断罪され舞台から降りる。今はヒロインだが、ゲームでは卒業後のストーリーでエンドを迎える。いずれにしても、終わりはある。その時、エリーナがこの世界に居続けられる保証はない。
ラウルは眉間に皺を寄せ、何かを思案しているような顔をしていた。
「エリー様、身の回りで変わったことはありませんよね……」
急に深刻そうな表情をしたため、エリーナは驚いて目を瞬かせて慌てて否定する。少し怖さを感じさせる表情だった。
「何もないわ。それに何かあったなら、クリスがすでに対処していると思うもの」
クリスは情報の収集に長けているし、行動力もある。ラウルは「そうですね」と納得し、まっすぐ迷いのない目を向け、口を開いた。
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覚悟を決めた顔であり、エリーナは気圧されてただ頷くことしかできなかった。まるで何かが起こるような気になる言い方だが、訊き返せない迫力がある。
「何があっても、ラウル先生を恨んだりはしないわ」
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