BOYS HOLDER(ボーイズホルダー) 〜男の子をゲット&リリース&バトル!〜

命(ミコト)

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~第1話~ 大発明!?ボーイズホルダー!

5.ボーイズバトル

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ー正々堂々『ボーイズバトル』で勝負

美鳥からの聞きなれない言葉による突拍子のない提案に私の頭の中には???が浮かびまくっていた。


「なるほど…試合形式はどうする…?」

「ランダムマッチの3本勝負。時間無制限ですわ」

「アンティルールの適用は?」

「あいにく、そちらの手持ちに興味がありませんの。通常ルールで結構よ」

「なるほど…初心者どうしの勝負なら妥当だな」


・・・・・


「いやいやいや!全然わかんないんだけど!!勝手に話すすめないでよ!」


私を置き去りにして勝手に盛り上がる博士と美鳥を牽制する。


「ボーイズバトルとは!ボーイズホルダーを持つ『男の子使い』同士が互いの男の子を競い合わせ、勝敗を決めるための方法として、いま確立された!」


いきなり博士がデカい声で語り出す。


「いま!?」

「勝負のルールは多種多様な中から1勝負のために1つが選ばれる。たいていはルーレットなどによってランダムで決定されますわ」

「つまり一つのルールを極めたからといって、最強にはなれない。ここがボーイズバトルの面白いところだ」


なんか二人の間には共通認識ができあがっているようだが、私はこの状況には大いに疑問がある。


「いや!そもそもボーイズホルダー自体さっき作られたばかりなのに、なんで競技のルールまで確立されてんの!」

「こまけえこたあ良いんだよ!」

「こまかくないでしょ!」

「とにもかくにも3本勝負!この勝負を制した者が男の子使いとして優位に立てるのよ!」

「くっ…なんかやるしかなさそう…」


なんだかんだで流され主人公な私。順応力が求められている…


「それでは私が審判を務めよう。最初の試合のルールはこれだあ!!」


「ダララララララ…」

「いいからそういうの」


博士はわざとらしくドラムロールの音真似を口ずさみながら、取り出した一枚の短冊に筆をしたためる。


「じゃん!『フリスビー対決』だ!」

「フリスビー?」

「ルールの説明だ。基本は主人がフリスビーを投げ、男の子にとってこさせるというルールだ」

「ふーん、カンタンじゃん」


もっとやべーやつが出てくるものかと思ったので若干拍子抜けだ。いや決して期待していたわけではないのだけれども…


「ただし、
 ①男の子には犬のコスプレをさせること
 ②男の子は犬語しかしゃべってはいけないこと
 ③男の子は4足歩行で歩くこと。
 この3つを破ると失格となる」


なんかアブノーマル要素入れなきゃいけないみたいな縛りでもあるの?


「フリスビーをとってこれなかった方が負け。双方がとれた場合はフリスビーの飛距離や、取り方の芸術点など総合的に判断されますわ。もういいでしょ?始めましょう」


美鳥が補足の説明を入れる。だんだんすんなり状況を受け入れられるようになってきた自分がいる。


「わ、わかったよ」

「ではボーイズホルダーの着せ替え機能を使って犬の衣装を装備するのだ!」


「う、うん」

「りょ!ですわ!」


私と美鳥はタブレット端末に所定の操作を加えた後、


「「クロスチェンジ!!」」


と叫び、お互いの男の子に犬のコスプレをさせた。



私は、広夢には幼児用パジャマのような犬のコスチュームを着せた。

デフォルメされた犬を模したデザインのフードを頭に乗せ、ときおりそれがずれるのを直している。かわいい。

一方の怜音は、犬耳と首輪、さらに犬の手足を模した手袋と靴下を身につけ、それ以外はタンクトップとボクサーパンツの、ほとんど下着姿だ。

同じ犬のコスプレでもけっこう違いが出ている。


「ワンワン!」


怜音がその姿で四つん這いになり、美鳥に向かって鳴き声をあげる。


「フッ…良い子ね。圧倒的強さを見せつけてきなさい」

「ワン!」


美鳥が見下す姿勢になりながら命令すると、怜音は威勢よく返事をする。


「広夢もね。頼んだよ」


なんだかんだ勝負となっては私も負けられない。

私は広夢と目線を合わせ激励する。


「はい!」


広夢は元気よく返事をする。しかし…


「朱美くん!違うぞ!そこは『ワン』だ!」

「そ、そうだ…ワンね!ワン!」

「あ。。。ワンワン!」


博士の忠告を受け、広夢も犬のマネをするようになる。


「ふぅ…全く危なっかしいな」


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