66 / 173
連載
パーシヴァルの心情 その2
しおりを挟む
「……久々にヴァンダーウォールの鍛錬に参加したが、あれは本当に死ぬな」
湯気が上がるほど汗をかいたディランが、足取りも覚束無く水場にやってきた。キングスリー殿の訓練はなかなかに厳しい。俺でも漸く着いていっているのだから、久しぶりに参加したディランには相当きつかったのではないだろうか。
「随分と涼しい顔をしてるじゃないか。癪に触るなぁ」
一気に水を飲み干したディランが、恨みがましげな視線を向けてくる。
「いや、俺も着いてゆくだけでやっとだ。キングスリー殿は手加減は一切なさらないからな」
「ああ、本当にな。久々に顔を合わせたっていうのに、遠慮も何もあったもんじゃない。こてんぱんに打ちのめされたぞ」
朝の主な鍛錬は、重い鎧を身につけて城の周りを10周ほど走った後、休む間もなくキングスリー殿と剣の打ち合いだ。初めて参加する兵士は、まず城の周りを10周できずに倒れる。久々といいつつも最後までキングスリー殿に着いて行ったのだから、さすがディランだ。
「そういえば、サフィラスはどうしてる?」
「まだ寝ているはずだ。今日は朝食も部屋で取るように伝えてある」
「ここに滞在しているゲストが帰るまでは、部屋から出さない方がいいだろうな。正直、昨夜エントランスで二人を見た時は、さすがにこれはやりすぎだろうと思ったが、寧ろあれくらいやっておかなかったら、今頃は大変な事になっていたと思うぞ。約1名、わかっていながら暴れた奴はいたけど」
「……ああ、」
昨夜のパーティでフラヴィアがとんだ騒ぎを起こしてしまったが、それよりも注目を集めたのはサフィラスだった。そもそも、其の稀なる美貌で人目を引いてはいたけれど、詠唱なしでの正確な転移を見せたことで、より一層ゲスト達の注目を集めることになってしまった。
サフィラスは息をするように規格外の魔法を使う。俺はその事にすっかり慣れきっていた。だから、いとも容易く転移をやってみせたサフィラスが、ゲストの目にどう映っていたかなど、全く考えもしなかった。
転移が出来る魔法使いは非常に数が少なく、どこでも重宝される。当然雇い入れたいと思う貴族は多い。ましてや、あれだけの才能と容姿があれば、身分はさておいても其の能力を血筋に取り入れたいと思う家が出てきて当然だ。けれど、サフィラスに俺と対の衣装を着て貰った事で、何の紹介をせずとも周囲は勝手に俺の婚約者であると誤解をしてくれた。何しろ其の左手には盟友の証も嵌められているのだ。そのおかげもあって伴侶としては諦めたようだが、それでも尚、サフィラスを紹介して欲しいと申し出た家がいくつかあったと父上から聞いた。
伴侶としては無理でも、学院卒業後になんとか雇い入れることはできないかと熱心に申し入れて来たそうだが、サフィラスにはブルームフィールド公爵家の後ろ盾があるのだと告げてようやく諦めたという。
そもそも、サフィラスは自由だ。例えそれが王家であったとしても、彼を従える事はできない。無理に従えようとするつもりなら、それなりの覚悟が必要となるだろう。
「……で?」
「で? とは?」
「惚けるなって。2人の関係は何処まで進んでるんだ?」
「何も進んではいないが? そもそもサフィラスには何も話していない」
「……は? 何だって? いやいや、ちょっと待て。 それはおかしいだろう? あそこまで隙なく整えて置いて、伴侶の話を全くしていないのか?」
「ああ、」
ディランが天を仰ぐように考え込む。
普通ならパーティで着用する衣装を揃いであつらえた時点で、何かしら思い当たるものだ。けれど、サフィラスからは何の反応も得られなかった。貴族の常識を学ばせて貰えなかったと言っていたので、揃いの服でパーティに出る意味を知らないのかもしれない。それとも、敢えて気がつかない振りをしているのか。
「だけど、サフィラスだって薄々気が付いてはいるんだろう? 身分がない事を気にしてパーシィから言い出すのを待っているんじゃないのか?」
そうだったのだとしたら、話は簡単だっただろう。それこそ、俺の伴侶になって欲しいと一言告げるだけでよかった。ヴァンダーウォール辺境伯の一族に名を連ねる事は、身分の無いサフィラスを守る事にもなる。
「それはない。彼はかつての婚約者に酷い目に遭わされている。きっと伴侶など求めていない」
「そうかもしれないが、それは相手にも拠るだろう。少なくともサフィラスは、パーシィに全幅の信頼を寄せているように見えたが?」
「信頼と伴侶を選ぶ感情はまた別のものだ」
何者にも縛られず、赴くままに旅をする冒険者になること。それこそがサフィラスの望みだ。そんなサフィラスが必要とするのは、共に旅する仲間であって伴侶では無いはずだ。
「伯母上の気持ちは嫌と言うほどわかるんだがな、肝心なパーシィの気持ちはどうなんだ? お前はサフィラスの事をどう思っている?」
「‥‥…それは」
初めてサフィラスと出会ったとき、彼と共にいるべきだと俺の直感がそう告げた。だからこそ、サフィラスと並び立てる存在となり、彼の目指すものを共に目指したい。
俺の剣など、サフィラスの強大な魔法に比べれば取るに足らないものだ。それでも、俺の存在が彼にとっての剣であり盾であればと望む。 だがそれは、彼を伴侶として求める想いとは別だ。何よりも、そんな感情をサフィラスに向けていいのだろうか。
「ああ、ああ、わかったわかった! パーシィは難しく考えすぎだ。本当に真面目だな。いいか、もし、サフィラスがパーシィ以外を伴侶に選んだとしたらどう思う? 心の底から祝福できるのか? サフィラスが幸せなら、なんてことは考えるなよ。ただ、お前の気持ちだけを考えろ」
「俺の気持ち、か」
サフィラスは自由で柔軟だ。其れ故に誰にも縛られることはない。そのサフィラスが伴侶を得る。仲間を何よりも大切にするサフィラスだ。きっと伴侶と決めた相手を誰よりも深く慈しみ愛することだろう。
そんなサフィラスが伴侶と想い合う様を心から祝福し、今と変わらぬ気持ちでサフィラスの隣に仲間として立つことが俺に出来るのか?
あのしなやかな腕が誰かを抱きしめるのか、それとも華奢な体を誰かに委ねるのか。考えようとすると言いようのない不快感に襲われ思わず拳を握った。
……いいやそれは無理だ。考えただけで心の臓が握られたようで息が詰まる。
サフィラスの隣に立つのは、俺だけであって欲しい。無防備に笑い、心を許すのは俺の前でだけあって欲しい。そしてそのサフィラスを守るのは、願わくば俺の剣であってほしい。
「……どうやら自覚したらしいな。それが答えだよ。パーシィも大概真面目だからな。サフィラスの気持ちを優先しようと思っているんだろうが、時には押す姿勢も必要だ。サフィラスを伴侶に望むものはこれからいくらでも出てくるぞ。本気で陥しにかかる奴がいつ出てくるとも限らん。伯母上がどんなに周囲を固めても、それだってサフィラスの気持ち次第でいくらでも覆る。気が付いたらサフィラスの隣にお前じゃない誰かが居た、なんてことが無いともいえない」
「……」
「そんな情けない顔をするなって! 今のところ、サフィラスはお前と同じで色恋ごとには全く疎そうだからな。言ってはなんだが、彼の頭の中は魔法と食べ物のことがほとんどだろう。だからこそ他に意識が向く前に、お前の気持ちだけでも伝えておいたほうがいいんじゃないか?」
ディランの言うことは最もだ。何よりもサフィラスの魅力は、魔法や容姿だけではない。彼の懐の深さと、真っ直ぐで大らかな性格はこれからも多くの者の心を掴むだろう。
だが、仲間だと思っていた相手から、突然伴侶として望んでいるのだと告げられたらサフィラスはどう思うだろうか。
「……ディラン、ひとつ訂正しておく。サフィラスは魔法と食べ物のことばかりを考えているわけじゃない。もっと様々な事を考えている」
「いや、本当にお前は真面目だな」
湯気が上がるほど汗をかいたディランが、足取りも覚束無く水場にやってきた。キングスリー殿の訓練はなかなかに厳しい。俺でも漸く着いていっているのだから、久しぶりに参加したディランには相当きつかったのではないだろうか。
「随分と涼しい顔をしてるじゃないか。癪に触るなぁ」
一気に水を飲み干したディランが、恨みがましげな視線を向けてくる。
「いや、俺も着いてゆくだけでやっとだ。キングスリー殿は手加減は一切なさらないからな」
「ああ、本当にな。久々に顔を合わせたっていうのに、遠慮も何もあったもんじゃない。こてんぱんに打ちのめされたぞ」
朝の主な鍛錬は、重い鎧を身につけて城の周りを10周ほど走った後、休む間もなくキングスリー殿と剣の打ち合いだ。初めて参加する兵士は、まず城の周りを10周できずに倒れる。久々といいつつも最後までキングスリー殿に着いて行ったのだから、さすがディランだ。
「そういえば、サフィラスはどうしてる?」
「まだ寝ているはずだ。今日は朝食も部屋で取るように伝えてある」
「ここに滞在しているゲストが帰るまでは、部屋から出さない方がいいだろうな。正直、昨夜エントランスで二人を見た時は、さすがにこれはやりすぎだろうと思ったが、寧ろあれくらいやっておかなかったら、今頃は大変な事になっていたと思うぞ。約1名、わかっていながら暴れた奴はいたけど」
「……ああ、」
昨夜のパーティでフラヴィアがとんだ騒ぎを起こしてしまったが、それよりも注目を集めたのはサフィラスだった。そもそも、其の稀なる美貌で人目を引いてはいたけれど、詠唱なしでの正確な転移を見せたことで、より一層ゲスト達の注目を集めることになってしまった。
サフィラスは息をするように規格外の魔法を使う。俺はその事にすっかり慣れきっていた。だから、いとも容易く転移をやってみせたサフィラスが、ゲストの目にどう映っていたかなど、全く考えもしなかった。
転移が出来る魔法使いは非常に数が少なく、どこでも重宝される。当然雇い入れたいと思う貴族は多い。ましてや、あれだけの才能と容姿があれば、身分はさておいても其の能力を血筋に取り入れたいと思う家が出てきて当然だ。けれど、サフィラスに俺と対の衣装を着て貰った事で、何の紹介をせずとも周囲は勝手に俺の婚約者であると誤解をしてくれた。何しろ其の左手には盟友の証も嵌められているのだ。そのおかげもあって伴侶としては諦めたようだが、それでも尚、サフィラスを紹介して欲しいと申し出た家がいくつかあったと父上から聞いた。
伴侶としては無理でも、学院卒業後になんとか雇い入れることはできないかと熱心に申し入れて来たそうだが、サフィラスにはブルームフィールド公爵家の後ろ盾があるのだと告げてようやく諦めたという。
そもそも、サフィラスは自由だ。例えそれが王家であったとしても、彼を従える事はできない。無理に従えようとするつもりなら、それなりの覚悟が必要となるだろう。
「……で?」
「で? とは?」
「惚けるなって。2人の関係は何処まで進んでるんだ?」
「何も進んではいないが? そもそもサフィラスには何も話していない」
「……は? 何だって? いやいや、ちょっと待て。 それはおかしいだろう? あそこまで隙なく整えて置いて、伴侶の話を全くしていないのか?」
「ああ、」
ディランが天を仰ぐように考え込む。
普通ならパーティで着用する衣装を揃いであつらえた時点で、何かしら思い当たるものだ。けれど、サフィラスからは何の反応も得られなかった。貴族の常識を学ばせて貰えなかったと言っていたので、揃いの服でパーティに出る意味を知らないのかもしれない。それとも、敢えて気がつかない振りをしているのか。
「だけど、サフィラスだって薄々気が付いてはいるんだろう? 身分がない事を気にしてパーシィから言い出すのを待っているんじゃないのか?」
そうだったのだとしたら、話は簡単だっただろう。それこそ、俺の伴侶になって欲しいと一言告げるだけでよかった。ヴァンダーウォール辺境伯の一族に名を連ねる事は、身分の無いサフィラスを守る事にもなる。
「それはない。彼はかつての婚約者に酷い目に遭わされている。きっと伴侶など求めていない」
「そうかもしれないが、それは相手にも拠るだろう。少なくともサフィラスは、パーシィに全幅の信頼を寄せているように見えたが?」
「信頼と伴侶を選ぶ感情はまた別のものだ」
何者にも縛られず、赴くままに旅をする冒険者になること。それこそがサフィラスの望みだ。そんなサフィラスが必要とするのは、共に旅する仲間であって伴侶では無いはずだ。
「伯母上の気持ちは嫌と言うほどわかるんだがな、肝心なパーシィの気持ちはどうなんだ? お前はサフィラスの事をどう思っている?」
「‥‥…それは」
初めてサフィラスと出会ったとき、彼と共にいるべきだと俺の直感がそう告げた。だからこそ、サフィラスと並び立てる存在となり、彼の目指すものを共に目指したい。
俺の剣など、サフィラスの強大な魔法に比べれば取るに足らないものだ。それでも、俺の存在が彼にとっての剣であり盾であればと望む。 だがそれは、彼を伴侶として求める想いとは別だ。何よりも、そんな感情をサフィラスに向けていいのだろうか。
「ああ、ああ、わかったわかった! パーシィは難しく考えすぎだ。本当に真面目だな。いいか、もし、サフィラスがパーシィ以外を伴侶に選んだとしたらどう思う? 心の底から祝福できるのか? サフィラスが幸せなら、なんてことは考えるなよ。ただ、お前の気持ちだけを考えろ」
「俺の気持ち、か」
サフィラスは自由で柔軟だ。其れ故に誰にも縛られることはない。そのサフィラスが伴侶を得る。仲間を何よりも大切にするサフィラスだ。きっと伴侶と決めた相手を誰よりも深く慈しみ愛することだろう。
そんなサフィラスが伴侶と想い合う様を心から祝福し、今と変わらぬ気持ちでサフィラスの隣に仲間として立つことが俺に出来るのか?
あのしなやかな腕が誰かを抱きしめるのか、それとも華奢な体を誰かに委ねるのか。考えようとすると言いようのない不快感に襲われ思わず拳を握った。
……いいやそれは無理だ。考えただけで心の臓が握られたようで息が詰まる。
サフィラスの隣に立つのは、俺だけであって欲しい。無防備に笑い、心を許すのは俺の前でだけあって欲しい。そしてそのサフィラスを守るのは、願わくば俺の剣であってほしい。
「……どうやら自覚したらしいな。それが答えだよ。パーシィも大概真面目だからな。サフィラスの気持ちを優先しようと思っているんだろうが、時には押す姿勢も必要だ。サフィラスを伴侶に望むものはこれからいくらでも出てくるぞ。本気で陥しにかかる奴がいつ出てくるとも限らん。伯母上がどんなに周囲を固めても、それだってサフィラスの気持ち次第でいくらでも覆る。気が付いたらサフィラスの隣にお前じゃない誰かが居た、なんてことが無いともいえない」
「……」
「そんな情けない顔をするなって! 今のところ、サフィラスはお前と同じで色恋ごとには全く疎そうだからな。言ってはなんだが、彼の頭の中は魔法と食べ物のことがほとんどだろう。だからこそ他に意識が向く前に、お前の気持ちだけでも伝えておいたほうがいいんじゃないか?」
ディランの言うことは最もだ。何よりもサフィラスの魅力は、魔法や容姿だけではない。彼の懐の深さと、真っ直ぐで大らかな性格はこれからも多くの者の心を掴むだろう。
だが、仲間だと思っていた相手から、突然伴侶として望んでいるのだと告げられたらサフィラスはどう思うだろうか。
「……ディラン、ひとつ訂正しておく。サフィラスは魔法と食べ物のことばかりを考えているわけじゃない。もっと様々な事を考えている」
「いや、本当にお前は真面目だな」
2,703
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】留学先から戻って来た婚約者に存在を忘れられていました
山葵
恋愛
国王陛下の命により帝国に留学していた王太子に付いて行っていた婚約者のレイモンド様が帰国された。
王家主催で王太子達の帰国パーティーが執り行われる事が決まる。
レイモンド様の婚約者の私も勿論、従兄にエスコートされ出席させて頂きますわ。
3年ぶりに見るレイモンド様は、幼さもすっかり消え、美丈夫になっておりました。
将来の宰相の座も約束されており、婚約者の私も鼻高々ですわ!
「レイモンド様、お帰りなさいませ。留学中は、1度もお戻りにならず、便りも来ずで心配しておりましたのよ。元気そうで何よりで御座います」
ん?誰だっけ?みたいな顔をレイモンド様がされている?
婚約し顔を合わせでしか会っていませんけれど、まさか私を忘れているとかでは無いですよね!?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。