65 / 173
連載
太陽の騎士は落ち込んだ顔も大層魅力的だった
しおりを挟む
髪の毛を直してもらって会場に戻ると、待ってましたとばかりにゲストの方々に次々と話しかけられた。どうやらみんな俺の転移に興味を抱いたらしい。そもそも転移ができる魔法使いは数が少ない。だから、俺のような子供が正確な転移をして見せたので、物珍しいのだろう。特にあの一瞬で詠唱はどうしたのかという質問が集中した。詠唱はしないんですと正直に答えたら、皆んな驚いていた。フォルティスの再来か、となかなか鋭いことをいう人もいたけど。再来ではなく、中身は本人だなんて誰も思わないだろうな。中には腰に下げている杖に注目してくれた見どころのある人もいて、俺はここぞとばかりに杖の魅力を語らせてもらった。何しろ、魔法使いの中には杖を使う者を半人前と思い込んでいる人もいる。だけど、それは大きな誤解だ。杖は魔法の可能性を広げる素晴らしい道具なんだ。杖との相性が合う合わないもあるだろうけど、能力を伸ばす効果があるならそれを使わないなんて勿体無い! 何より、杖を振る魔法使いの姿はとても格好いいじゃないか。
……と、熱弁すること暫し。
「サフィラス、そろそろ喉が乾いたんじゃないのか?」
パーシヴァルに声を掛けられはっと我にかえる。気がつけば、俺の熱い杖語りに周囲が少々引いていた。さすがにちょっと語りすぎたと反省しつつ、その場を辞す。
会場の隅に移動した俺は、ネクタルという濃厚な果実の飲み物をご馳走になる。果実を潰して裏漉しした飲み物らしいけど、とっても濃厚なのにさっぱりしていて美味しい。この寒い時期に果物をこんなに贅沢に使う飲み物が出てくるなんて驚きだな。
「……さっきは、怪我をさせてしまって本当にすまなかった」
「え?」
パーシヴァルからの突然の謝罪に、一気に飲んでしまうのが勿体無くてちびちびとネクタルを楽しんでいた俺は、グラスを傾けていた手を止めて其の顔を見上げる。そこには、まるで寄る方ない表情をしているパーシヴァルがいて、思わず戸惑った。
いつもは凛としている彼のこんな顔は初めて見たぞ。一体どうしちゃったんだ?
「怪我って、まさかあのかすり傷の事? あんなの大した怪我じゃないって! サンドリオンさんに治してもらってもう跡形もないんだ。それに、冒険者になったらあれ以上の傷なんて日常茶飯事だろ」
「そうだが、もっと早くフラヴィアを止めることができていれば、サフィラスに怪我をさせることはなかった……」
相手は従姉妹でもあるし、真面目なパーシヴァルはフラヴィアが暴れる前に止められなくて忸怩たる思いにかられているのかもしれない。
「いや、いや、あれは誰にも止められないよ。失礼だとは思うけど、野猿かと思ったもん」
「野猿……いや、さすがに、それは……」
パーシヴァルの気落ちした顔が、笑いを噛み殺したなんとも困ったような複雑な表情に変わる。どうやら野猿が笑いを誘ったらしい。さっきのご令嬢の母性を全力で擽るような顔も悪くはないけど、そんな貴重な表情を俺のかすり傷程度の事でするなんて勿体無いだろう。そういうのは、いざという時の為に大事に取っておかないとね。
「大体令嬢が飛びかかってくるなんて、そんな事普通は誰も思わないだろ。気にすることはないって!」
俺はキングスリーさん流に、パーシヴァルの背中をバンバン叩く。俺が叩いたくらいじゃ、パーシヴァルはびくともしないけど。
……もう慣れたので、悔しくなんかないからな。
「サフィラスさん」
「アデライン夫人、」
アデライン夫人がひとり、俺たちのところにやってきた。少しだけ眉を下げていて、パーティが始まる前よりも覇気が弱い。あんな事があった後だしな。
「先ほどはフラヴィアを止めてくれてありがとう。ベリサリオ家はまたサフィラスさんに救われました」
アデライン夫人がスッと頭を下げた。俺はうっかりとグラスを落としそうになったので、慌てて持ち直す。パーシヴァルも変だったけど、アデライン夫人もどうしちゃったの? ちょっと野生のお猿を止めただけだぞ。
「いや、そんな、救われただなんて大袈裟な……」
「いいえ。ソフィア様は我が家にとって大切なお客さまの1人なの。もし、彼女を傷つけていたら、大変な事になっていたでしょうね。本来なら、身内であるわたくしたちがしっかりと見張っていなければいけなかったのに、あんな事になってしまって……挨拶にきた時にきつく約束をさせたので、少しは考えて行動してくれると思っていたんだけれど……結局、わたくしもあの子に甘かったということね」
アデライン夫人は扇子で顔を隠す事なく、憂い顔でふぅとため息を溢した。
魔獣大発生の時ですら毅然としていたアデライン夫人にこんな表情をさせるなんて、フラヴィアはある意味魔獣よりも危ない存在って事じゃないか?
「奥様、旦那様がお呼びです」
すーっと近づいてきたスザンナさんが夫人に声をかける。
「今、行きます。話の途中でごめんなさいね、サフィラスさん。あんな事があった後だけれど、せめてお料理を楽しんで貰えたら嬉しいわ」
勿論俺は全力で料理を楽しませてもらうつもり。だって、ベリサリオ家の皆さんが、今日の為に用意した最高の料理だ。余さず頂きます。
「はい、遠慮なく!」
全力の俺の返事に、憂いの表情を華やかな笑顔に変えたアデライン夫人は、優雅ながらも早足に行ってしまった。騒ぎがあった後だから、ゲストのフォローに忙しいのだろうな。ちらと会場に目を向ければ、テオドールさんもカーティスさんも婚約者と並んでゲストの方達との交流に勤しんでいる。そんな中で、如何にも普段から剣を振るっています風な人達と話していたディランさんは、俺と目が合うとこちらにやってきた。
「サフィラス、お疲れさん。案の定パーシィは落ち込んでるな。だけど相手がフラヴィアじゃ仕方ないだろう。元気出せよ」
そう言ってディランさんはパーシヴァルの背中を叩く。ディランさんの背中叩きも、きっとキングスリーさん仕込みに違いない。ただ俺と違って、ディランさんの時はパーシヴァルの体が少しだけ揺れた。
……く、悔しくなんかないぞ。
「それにしても、サフィラスはいい仕事をしてくれた。我儘姫の所為で危なく伯母上の立場がなくなるところだったのを、阻止したんだんだからな」
「アデライン夫人もそんなことを言っていたけど、どういう意味ですか?」
「ああ、サフィラスは知らないのか。ソフィア嬢の祖母、デルヴィーニュ公爵夫人は、王妃殿下が母のように慕っている御仁なんだ。高齢ながら未だ中央の社交界では強い影響力を持っていてね、伯母上も彼女の信頼を得ている。其のデルヴィーニュ公爵夫人が、目の中に入れても痛くないほど可愛がっている姪御こそが、ソフィア嬢なんだよ。公爵家は今現在跡取りがいなくて、近々彼女を養女として迎え入れて婿を取らせるつもりらしいんだけど、それほど溺愛している姪御をこんな辺境領のパーティに参加させたのは、公爵夫人が伯母上を信用しているからこそだ。伯母上の元にならと安心して送り出したパーティで、愛する姪御が多くの人々の目の前で叩かれたと知ったらどうなると思う?」
「それは……相当拙い状況ですね」
世間知らずの俺でも、それがどういうことなのかわかる。アデライン夫人も国の要である領の辺境伯夫人だ。流石にこの地を敵に回すようなあからさまな事はしないだろうけど、社交界でのアデライン夫人の立場はかなり微妙なものとなるだろう。しかも、なかなか中央に出てゆくことができない夫人には、挽回する機会が圧倒的に少ない。
今まで夫人がこつこつと積み上げてきた信用の土台が、危なく揺らぐところだったのか。
「そこでサフィラスだ」
「え? 俺?」
「ソフィア嬢はフラヴィアの無礼よりも、突然現れて自分を助けてくれた麗しの魔法使いにすっかり心を持っていかれた」
「麗しの魔法使い……」
「ああ、そうさ。自分の危機に現れる見目麗しい騎士や魔法使いは、いつだってご令嬢の心を奪うものだろ?」
またしてもこそばゆい言われ方だけど。ディランさんのいう通りだとしたら、髪の十数本引き千切られた甲斐があったってものだ。
「本来なら、フラヴィアもそういうことを知っていなければならない立場なんだが……」
残念そうにパーシヴァルは零す。
そりゃぁ近くにこんな素敵な騎士様がいて、その人が将来自分の夫になるかもしれないと父親から言われていたら、その気になってしまっても仕方がない気もするけどね。いい男は苦労するな、パーシヴァル。
だけどフラヴィアはちゃんと現実に目を向けるべきだった。貴族には貴族の付き合い方っていうのがあるのだろうから。せめて常識的な行いをしていれば、ちょっと夢見がちな女の子ってだけで済んだのに。
「まぁ、今回の事でミラー伯爵家は当分の間、ベリサリオ家からの招待を受ける事はないだろうな」
それは恐らく、ベリサリオ家だけの事じゃないだろう。他の家からの招待も無くなる可能性がある。そう考えると、ジュルース嬢はとんだとばっちりだ。アデライン夫人はその辺はわかっているだろうから、彼女には何らかの救済をするんだろうと思う。
「……あ、そういえば、フラヴィアに髪飾りを持っていかれちゃったんだけど、どうしよう」
すっかりそのままにしてしまっていたけど、あの髪飾りはなかなかの細工だったから、間違いなく高価なものだろう。クー・シーに探してきて貰った方がいいかもしれない。
「ああ、髪飾りならミラー伯爵夫人が後で届けてくれるんじゃないかな。いくらなんでも取り上げるだろう」
「それなら良かった。だけど、どうしてフラヴィアはあの髪飾りにあんなに執着したんだろう? ずっと、髪飾りは私のものだって言っていたし、小さい頃にでももらう約束をしていたのかな?」
「ああ、うん……そうだな」
ディランさんは苦笑いを浮かべると、何故か労るようにパーシヴァルの肩を撫でる。
きっとパーシヴァルには、フラヴィア絡みで俺の知らない苦労がたくさんあったんだろうな。
……と、熱弁すること暫し。
「サフィラス、そろそろ喉が乾いたんじゃないのか?」
パーシヴァルに声を掛けられはっと我にかえる。気がつけば、俺の熱い杖語りに周囲が少々引いていた。さすがにちょっと語りすぎたと反省しつつ、その場を辞す。
会場の隅に移動した俺は、ネクタルという濃厚な果実の飲み物をご馳走になる。果実を潰して裏漉しした飲み物らしいけど、とっても濃厚なのにさっぱりしていて美味しい。この寒い時期に果物をこんなに贅沢に使う飲み物が出てくるなんて驚きだな。
「……さっきは、怪我をさせてしまって本当にすまなかった」
「え?」
パーシヴァルからの突然の謝罪に、一気に飲んでしまうのが勿体無くてちびちびとネクタルを楽しんでいた俺は、グラスを傾けていた手を止めて其の顔を見上げる。そこには、まるで寄る方ない表情をしているパーシヴァルがいて、思わず戸惑った。
いつもは凛としている彼のこんな顔は初めて見たぞ。一体どうしちゃったんだ?
「怪我って、まさかあのかすり傷の事? あんなの大した怪我じゃないって! サンドリオンさんに治してもらってもう跡形もないんだ。それに、冒険者になったらあれ以上の傷なんて日常茶飯事だろ」
「そうだが、もっと早くフラヴィアを止めることができていれば、サフィラスに怪我をさせることはなかった……」
相手は従姉妹でもあるし、真面目なパーシヴァルはフラヴィアが暴れる前に止められなくて忸怩たる思いにかられているのかもしれない。
「いや、いや、あれは誰にも止められないよ。失礼だとは思うけど、野猿かと思ったもん」
「野猿……いや、さすがに、それは……」
パーシヴァルの気落ちした顔が、笑いを噛み殺したなんとも困ったような複雑な表情に変わる。どうやら野猿が笑いを誘ったらしい。さっきのご令嬢の母性を全力で擽るような顔も悪くはないけど、そんな貴重な表情を俺のかすり傷程度の事でするなんて勿体無いだろう。そういうのは、いざという時の為に大事に取っておかないとね。
「大体令嬢が飛びかかってくるなんて、そんな事普通は誰も思わないだろ。気にすることはないって!」
俺はキングスリーさん流に、パーシヴァルの背中をバンバン叩く。俺が叩いたくらいじゃ、パーシヴァルはびくともしないけど。
……もう慣れたので、悔しくなんかないからな。
「サフィラスさん」
「アデライン夫人、」
アデライン夫人がひとり、俺たちのところにやってきた。少しだけ眉を下げていて、パーティが始まる前よりも覇気が弱い。あんな事があった後だしな。
「先ほどはフラヴィアを止めてくれてありがとう。ベリサリオ家はまたサフィラスさんに救われました」
アデライン夫人がスッと頭を下げた。俺はうっかりとグラスを落としそうになったので、慌てて持ち直す。パーシヴァルも変だったけど、アデライン夫人もどうしちゃったの? ちょっと野生のお猿を止めただけだぞ。
「いや、そんな、救われただなんて大袈裟な……」
「いいえ。ソフィア様は我が家にとって大切なお客さまの1人なの。もし、彼女を傷つけていたら、大変な事になっていたでしょうね。本来なら、身内であるわたくしたちがしっかりと見張っていなければいけなかったのに、あんな事になってしまって……挨拶にきた時にきつく約束をさせたので、少しは考えて行動してくれると思っていたんだけれど……結局、わたくしもあの子に甘かったということね」
アデライン夫人は扇子で顔を隠す事なく、憂い顔でふぅとため息を溢した。
魔獣大発生の時ですら毅然としていたアデライン夫人にこんな表情をさせるなんて、フラヴィアはある意味魔獣よりも危ない存在って事じゃないか?
「奥様、旦那様がお呼びです」
すーっと近づいてきたスザンナさんが夫人に声をかける。
「今、行きます。話の途中でごめんなさいね、サフィラスさん。あんな事があった後だけれど、せめてお料理を楽しんで貰えたら嬉しいわ」
勿論俺は全力で料理を楽しませてもらうつもり。だって、ベリサリオ家の皆さんが、今日の為に用意した最高の料理だ。余さず頂きます。
「はい、遠慮なく!」
全力の俺の返事に、憂いの表情を華やかな笑顔に変えたアデライン夫人は、優雅ながらも早足に行ってしまった。騒ぎがあった後だから、ゲストのフォローに忙しいのだろうな。ちらと会場に目を向ければ、テオドールさんもカーティスさんも婚約者と並んでゲストの方達との交流に勤しんでいる。そんな中で、如何にも普段から剣を振るっています風な人達と話していたディランさんは、俺と目が合うとこちらにやってきた。
「サフィラス、お疲れさん。案の定パーシィは落ち込んでるな。だけど相手がフラヴィアじゃ仕方ないだろう。元気出せよ」
そう言ってディランさんはパーシヴァルの背中を叩く。ディランさんの背中叩きも、きっとキングスリーさん仕込みに違いない。ただ俺と違って、ディランさんの時はパーシヴァルの体が少しだけ揺れた。
……く、悔しくなんかないぞ。
「それにしても、サフィラスはいい仕事をしてくれた。我儘姫の所為で危なく伯母上の立場がなくなるところだったのを、阻止したんだんだからな」
「アデライン夫人もそんなことを言っていたけど、どういう意味ですか?」
「ああ、サフィラスは知らないのか。ソフィア嬢の祖母、デルヴィーニュ公爵夫人は、王妃殿下が母のように慕っている御仁なんだ。高齢ながら未だ中央の社交界では強い影響力を持っていてね、伯母上も彼女の信頼を得ている。其のデルヴィーニュ公爵夫人が、目の中に入れても痛くないほど可愛がっている姪御こそが、ソフィア嬢なんだよ。公爵家は今現在跡取りがいなくて、近々彼女を養女として迎え入れて婿を取らせるつもりらしいんだけど、それほど溺愛している姪御をこんな辺境領のパーティに参加させたのは、公爵夫人が伯母上を信用しているからこそだ。伯母上の元にならと安心して送り出したパーティで、愛する姪御が多くの人々の目の前で叩かれたと知ったらどうなると思う?」
「それは……相当拙い状況ですね」
世間知らずの俺でも、それがどういうことなのかわかる。アデライン夫人も国の要である領の辺境伯夫人だ。流石にこの地を敵に回すようなあからさまな事はしないだろうけど、社交界でのアデライン夫人の立場はかなり微妙なものとなるだろう。しかも、なかなか中央に出てゆくことができない夫人には、挽回する機会が圧倒的に少ない。
今まで夫人がこつこつと積み上げてきた信用の土台が、危なく揺らぐところだったのか。
「そこでサフィラスだ」
「え? 俺?」
「ソフィア嬢はフラヴィアの無礼よりも、突然現れて自分を助けてくれた麗しの魔法使いにすっかり心を持っていかれた」
「麗しの魔法使い……」
「ああ、そうさ。自分の危機に現れる見目麗しい騎士や魔法使いは、いつだってご令嬢の心を奪うものだろ?」
またしてもこそばゆい言われ方だけど。ディランさんのいう通りだとしたら、髪の十数本引き千切られた甲斐があったってものだ。
「本来なら、フラヴィアもそういうことを知っていなければならない立場なんだが……」
残念そうにパーシヴァルは零す。
そりゃぁ近くにこんな素敵な騎士様がいて、その人が将来自分の夫になるかもしれないと父親から言われていたら、その気になってしまっても仕方がない気もするけどね。いい男は苦労するな、パーシヴァル。
だけどフラヴィアはちゃんと現実に目を向けるべきだった。貴族には貴族の付き合い方っていうのがあるのだろうから。せめて常識的な行いをしていれば、ちょっと夢見がちな女の子ってだけで済んだのに。
「まぁ、今回の事でミラー伯爵家は当分の間、ベリサリオ家からの招待を受ける事はないだろうな」
それは恐らく、ベリサリオ家だけの事じゃないだろう。他の家からの招待も無くなる可能性がある。そう考えると、ジュルース嬢はとんだとばっちりだ。アデライン夫人はその辺はわかっているだろうから、彼女には何らかの救済をするんだろうと思う。
「……あ、そういえば、フラヴィアに髪飾りを持っていかれちゃったんだけど、どうしよう」
すっかりそのままにしてしまっていたけど、あの髪飾りはなかなかの細工だったから、間違いなく高価なものだろう。クー・シーに探してきて貰った方がいいかもしれない。
「ああ、髪飾りならミラー伯爵夫人が後で届けてくれるんじゃないかな。いくらなんでも取り上げるだろう」
「それなら良かった。だけど、どうしてフラヴィアはあの髪飾りにあんなに執着したんだろう? ずっと、髪飾りは私のものだって言っていたし、小さい頃にでももらう約束をしていたのかな?」
「ああ、うん……そうだな」
ディランさんは苦笑いを浮かべると、何故か労るようにパーシヴァルの肩を撫でる。
きっとパーシヴァルには、フラヴィア絡みで俺の知らない苦労がたくさんあったんだろうな。
2,543
あなたにおすすめの小説
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【8話完結】いじめられっ子だった僕が、覚醒したら騎士団長に求愛されました
キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。
けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。
そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。
なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」
それが、すべての始まりだった。
あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。
僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。
だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。
過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。
これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。
全8話。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。