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召喚獣の強さは見た目じゃない
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開始の合図と同時に杖を抜けば、リアムが嘲るように笑った。
「なんだお前、偉そうなことをほざいておきながら杖が必要な魔法使いなのか! やはり愚図は愚図でしかないな! 身の程を知るがいい! 来たれ、風と雷の魔鳥! イムドゥグド!」
リアムの詠唱で召喚陣が広がり、獅子の頭を持った大鷲が現れる。イムドゥグドは力強く翼を羽ばたかせると、雷を帯びた強い風を巻き起こした。
へぇ、召喚魔法も使えるのか。たいそうな召喚獣を呼び出したんだから、そこそこの魔力はあるんだな。
「そいつを適当に痛めつけてやれ! 奴隷にするから殺すなよ!」
「わー、怖い。奴隷にされたらどうしよう。助けてケット・シー!」
牙を剥いて襲いかかってきたイムドゥグドの鋭いかぎ爪を躱しながら、ケット・シーを召喚する。
そろそろ退屈だって騒ぎ出しそうだからな。余計な悪戯をされる前に発散させるにはちょいどいい相手だ。
「にゃーん! お呼びかにゃ、ご主人!」
魔法陣から飛び出した小さな黒猫に、リアムは案の定勝ちを確信した顔になった。自分の召喚獣が絶対に勝つと信じて疑っていないようだ。自分の召喚獣を信じるのは結構なことだが、どうして誰もが召喚獣の強さは見た目だと思っているんだろう。この時代の魔法教育は大丈夫か?
「大怪我をしないうちに負けを認めた方がいいんじゃないか? 顔が傷付いては勿体無いからな。見た目だけは極上だ。夜用の奴隷として貸し出せば……うっ!?」
勝ち誇っていたリアムの顔が、一瞬にして驚愕に染まる。
それも当然。だって、イムドゥグドの正面にいたはずの俺が目の前にいるんだもん。
「て、転移……」
「んふふ。俺が杖を抜いた瞬間から、お前の負けは決まっちゃってるんだよね。だけど、せめて魔法使いとしての面目が保てるように、詠唱はできるようにしておいてやるよ。せいぜい得意だという魔法で頑張ってくれ」
にっこりと笑って、俺はリアムの胸元に杖の先をちょんと当てた。これで彼はここから一歩も動けない。本当は詠唱すらできないよう完全に動きを奪ってしまおうかと思ったけど、それだと降参の宣言ができないから、ずっと決闘を続けなければいけなくなっちゃうからね。今日のお昼はパーシヴァルと一緒にクレアーレのカフェテリアで食べるんだから、さっさと終わらせないと。
「……っ! なっ、何をした!」
自分の体の異変に気がついたリアムが慌てふためいたけれど、彼を襲った衝撃はそれだけではなかった。
「イ、イムドゥグド……!」
召喚び出されたケット・シーは、俺がみなまで言わずとも自分のすべきことを即座に理解して、あっという間にイムドゥグドを霧散させた。これは彼と俺の付き合いが長いからこそできることだ。冒険はお膳立てされた学校の授業とはわけが違う。ぼやぼやしてたら、取り返しのつかないことになりかねない。ぼやぼやしてなくても、取り返しがつかないことになる時はなるけど。
バイロン達とパーティを組むまでは、俺の仲間はケット・シーやオルトロス達だった。経験だけは山ほど積んでいるから、連携はバッチリってわけさ。
「お前はちゃんと召喚魔法の勉強してきた? 俺のケット・シーを見て笑っていたようだけど、召喚獣の強さは見た目じゃなくて召喚した魔法使いの魔力に因るんだよ。ケット・シーは小さいけれど、俺の魔力を得てめちゃくちゃ強い。なんで俺の魔力でめちゃくちゃ強くなっているかというと、それは俺がめちゃくちゃ強い魔法使いだからさ。どう? 降参する?」
「まっ、まだまだだ! 俺の魔法はこんなものじゃないっ!」
「うん、そうだろうね。簡単に決着が着いちゃったら、見てるみんなの期待を裏切ることになるし。だけど、この決闘が終わるまでお前はそこから動けない。こんなこともできるんだから、杖って本当に便利だよねぇ」
挑発するように、目の前で杖を左右に振って見せる。俺の言葉通り、いくら体を揺らしても縫い付けられたように動けないリアムは、悔しげに顔を歪めた。それでも腰から上は自由にしてあるんだから、せいぜい得意の魔法を披露してくれよな。
「動けずとも関係ない! 女神の理において我が力を行使する! 烈火の渦よ飲み込め!」
噴き上がる炎を転移で避けてリアムと距離を取ると、ケット・シーが俺の肩に飛び乗ってきた。
「全く骨のない奴だったにゃ」
口を膨らませたケット・シーは不満そうだ。どうやらイムドゥグドは、ケット・シーの退屈凌ぎにはならなかったらしい。なかなかの幻獣に見えたけど、思った以上に見掛け倒しだったようだ。
「口ほどでもないね。これじゃぁ、あっというまに終わりそうだ」
俺は杖を振るうと青い炎の竜巻をリアムに向けて放つ。リアムは無詠唱の魔法に驚きながらも、すぐさま詠唱を唱えた。
「女神の理に於いて我が力を行使する! 防壁!」
すんでの所で間に合った防壁が、炎からリアムを守った。といっても、リアムの防壁が間に合うように、炎の勢いを加減したんだけどね。
一対一の勝負で、詠唱が必要なリアムが勝てる要素は全くない。俺がちょっとでも本気になれば、一瞬で勝負はついてしまう。そんなリアムにできることと言ったら、せいぜい防壁魔法で身を守ることだけだ。その防壁だって壊そうと思えば簡単に壊せちゃうんだな、これが。だけどリアムは魔法が得意らしいから、せめてその得意を披露する場を設けてあげようという俺の優しさだ。
「守りだけじゃ俺には勝てないよ。それとも、俺の魔力切れを期待してる?」
残念だけど、その期待には沿えない。俺自身、どれだけ魔法を使ったら魔力切れになるのか全く分からないんだから。試しに一度、魔力切れになるまで魔法を使ってみたい気もするけど、間違いなく体力の方が先に切れるだろう。
「うるさい! 出よ、英雄殺し! 暴威の猪エルマンシュアン・ボア! あいつを踏み潰せ!」
召喚陣から巨大な猪が姿を表すと、観衆から悲鳴が上がった。小山ほどの猪が俺に向かって突進してくる。こいつは獰猛な猪で、しかも一度走り出したら止まらない。万が一俺が避けたら、見学している学生のところまでつっこんでしまう。戦場でならともかく、こんな演習場程度の狭い場所で呼びだしていい幻獣じゃないぞ。
「あいつ、適材適所って言葉を知らないのかな?」
「……ふにゃぁ~ん」
ケット・シーは退屈そうに欠伸をして、全く興味がなさそうだ。どうやら既に飽きているらしい。そういうところだぞ、ケット・シー。
「しょうがないなぁ」
俺はボアの正面に防壁を作る。勢いのついたボアは躊躇なく防壁に突っ込んできた。空気を揺るがす重たい衝撃と共に、巨体が吹き飛ぶ。実に見事な吹っ飛びぶりだが、しかし運の悪いことに、吹っ飛んだ先にはリアムが立っていた。二体も召喚獣を召喚でいるし、あいつの防壁では耐えられないかもしれない。万が一自分の召喚獣に潰されるなんてことになったら、さすがにちょっと可哀想だ。
仕方がない、魔法使いの情けだ。俺は竜巻を起こすと、吹っ飛んでゆくボアの巨体を上空高く巻き上げた。
「ごめん、ケット・シー。ちょっとあいつの始末をつけてきて」
「……わかったにゃ」
「ユニサス!」
ユニサスを召喚び出せば、ケット・シーは渋々その背に飛び乗って空へと舞いあがった。青い空にユニサスの白がよく映える。観衆も皆、ユニサスを見上げている。どうだい、俺のユニサスは綺麗だろう?
ボアを見下ろす高さまで昇ったケット・シーはユニサスの背から飛び降りると、クルンクルンと回転しながら空中のボアを後脚で蹴り飛ばす。ケット・シーの小さな足のひと蹴りで、ボアの巨体が勢いよく落下して地面に叩きつけられた。激しい地響きと共に、土埃が舞い上がり周囲が烟る。
落下してくるケット・シーを難なく背中で受け止めたユニサスが、空を優雅に旋回しながら俺の元に戻ってきた。労いに顔を撫でてやると、満足そうに鼻を鳴らす。
やがて土埃が落ち着くと、周囲の様子が見えてくる。演習場には大穴が残されているだけで、すでにボアの姿はなかった。英雄殺しの猪は、小さなケット・シーのひと蹴りでなんともあっけなく消え去ったのだ。これで決闘を見ている観衆にも、召喚獣の強さは見てくれじゃないってわかっただろう。
「ケット・シーお疲れさん。ユニサスもありがとう。……で、そろそろ降参する?」
「するものか! 女神の理において我が力を行使する! 雷よ打ち抜け!」
無数の雷が俺めがけて落ちてくるが、こんなもの避けるまでもない。何もせずに突っ立って居れば、リアムがニヤリと笑った。俺が避けられなかったとでも思っんだろう。
「おめでたい奴」
「なんだお前、偉そうなことをほざいておきながら杖が必要な魔法使いなのか! やはり愚図は愚図でしかないな! 身の程を知るがいい! 来たれ、風と雷の魔鳥! イムドゥグド!」
リアムの詠唱で召喚陣が広がり、獅子の頭を持った大鷲が現れる。イムドゥグドは力強く翼を羽ばたかせると、雷を帯びた強い風を巻き起こした。
へぇ、召喚魔法も使えるのか。たいそうな召喚獣を呼び出したんだから、そこそこの魔力はあるんだな。
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「わー、怖い。奴隷にされたらどうしよう。助けてケット・シー!」
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そろそろ退屈だって騒ぎ出しそうだからな。余計な悪戯をされる前に発散させるにはちょいどいい相手だ。
「にゃーん! お呼びかにゃ、ご主人!」
魔法陣から飛び出した小さな黒猫に、リアムは案の定勝ちを確信した顔になった。自分の召喚獣が絶対に勝つと信じて疑っていないようだ。自分の召喚獣を信じるのは結構なことだが、どうして誰もが召喚獣の強さは見た目だと思っているんだろう。この時代の魔法教育は大丈夫か?
「大怪我をしないうちに負けを認めた方がいいんじゃないか? 顔が傷付いては勿体無いからな。見た目だけは極上だ。夜用の奴隷として貸し出せば……うっ!?」
勝ち誇っていたリアムの顔が、一瞬にして驚愕に染まる。
それも当然。だって、イムドゥグドの正面にいたはずの俺が目の前にいるんだもん。
「て、転移……」
「んふふ。俺が杖を抜いた瞬間から、お前の負けは決まっちゃってるんだよね。だけど、せめて魔法使いとしての面目が保てるように、詠唱はできるようにしておいてやるよ。せいぜい得意だという魔法で頑張ってくれ」
にっこりと笑って、俺はリアムの胸元に杖の先をちょんと当てた。これで彼はここから一歩も動けない。本当は詠唱すらできないよう完全に動きを奪ってしまおうかと思ったけど、それだと降参の宣言ができないから、ずっと決闘を続けなければいけなくなっちゃうからね。今日のお昼はパーシヴァルと一緒にクレアーレのカフェテリアで食べるんだから、さっさと終わらせないと。
「……っ! なっ、何をした!」
自分の体の異変に気がついたリアムが慌てふためいたけれど、彼を襲った衝撃はそれだけではなかった。
「イ、イムドゥグド……!」
召喚び出されたケット・シーは、俺がみなまで言わずとも自分のすべきことを即座に理解して、あっという間にイムドゥグドを霧散させた。これは彼と俺の付き合いが長いからこそできることだ。冒険はお膳立てされた学校の授業とはわけが違う。ぼやぼやしてたら、取り返しのつかないことになりかねない。ぼやぼやしてなくても、取り返しがつかないことになる時はなるけど。
バイロン達とパーティを組むまでは、俺の仲間はケット・シーやオルトロス達だった。経験だけは山ほど積んでいるから、連携はバッチリってわけさ。
「お前はちゃんと召喚魔法の勉強してきた? 俺のケット・シーを見て笑っていたようだけど、召喚獣の強さは見た目じゃなくて召喚した魔法使いの魔力に因るんだよ。ケット・シーは小さいけれど、俺の魔力を得てめちゃくちゃ強い。なんで俺の魔力でめちゃくちゃ強くなっているかというと、それは俺がめちゃくちゃ強い魔法使いだからさ。どう? 降参する?」
「まっ、まだまだだ! 俺の魔法はこんなものじゃないっ!」
「うん、そうだろうね。簡単に決着が着いちゃったら、見てるみんなの期待を裏切ることになるし。だけど、この決闘が終わるまでお前はそこから動けない。こんなこともできるんだから、杖って本当に便利だよねぇ」
挑発するように、目の前で杖を左右に振って見せる。俺の言葉通り、いくら体を揺らしても縫い付けられたように動けないリアムは、悔しげに顔を歪めた。それでも腰から上は自由にしてあるんだから、せいぜい得意の魔法を披露してくれよな。
「動けずとも関係ない! 女神の理において我が力を行使する! 烈火の渦よ飲み込め!」
噴き上がる炎を転移で避けてリアムと距離を取ると、ケット・シーが俺の肩に飛び乗ってきた。
「全く骨のない奴だったにゃ」
口を膨らませたケット・シーは不満そうだ。どうやらイムドゥグドは、ケット・シーの退屈凌ぎにはならなかったらしい。なかなかの幻獣に見えたけど、思った以上に見掛け倒しだったようだ。
「口ほどでもないね。これじゃぁ、あっというまに終わりそうだ」
俺は杖を振るうと青い炎の竜巻をリアムに向けて放つ。リアムは無詠唱の魔法に驚きながらも、すぐさま詠唱を唱えた。
「女神の理に於いて我が力を行使する! 防壁!」
すんでの所で間に合った防壁が、炎からリアムを守った。といっても、リアムの防壁が間に合うように、炎の勢いを加減したんだけどね。
一対一の勝負で、詠唱が必要なリアムが勝てる要素は全くない。俺がちょっとでも本気になれば、一瞬で勝負はついてしまう。そんなリアムにできることと言ったら、せいぜい防壁魔法で身を守ることだけだ。その防壁だって壊そうと思えば簡単に壊せちゃうんだな、これが。だけどリアムは魔法が得意らしいから、せめてその得意を披露する場を設けてあげようという俺の優しさだ。
「守りだけじゃ俺には勝てないよ。それとも、俺の魔力切れを期待してる?」
残念だけど、その期待には沿えない。俺自身、どれだけ魔法を使ったら魔力切れになるのか全く分からないんだから。試しに一度、魔力切れになるまで魔法を使ってみたい気もするけど、間違いなく体力の方が先に切れるだろう。
「うるさい! 出よ、英雄殺し! 暴威の猪エルマンシュアン・ボア! あいつを踏み潰せ!」
召喚陣から巨大な猪が姿を表すと、観衆から悲鳴が上がった。小山ほどの猪が俺に向かって突進してくる。こいつは獰猛な猪で、しかも一度走り出したら止まらない。万が一俺が避けたら、見学している学生のところまでつっこんでしまう。戦場でならともかく、こんな演習場程度の狭い場所で呼びだしていい幻獣じゃないぞ。
「あいつ、適材適所って言葉を知らないのかな?」
「……ふにゃぁ~ん」
ケット・シーは退屈そうに欠伸をして、全く興味がなさそうだ。どうやら既に飽きているらしい。そういうところだぞ、ケット・シー。
「しょうがないなぁ」
俺はボアの正面に防壁を作る。勢いのついたボアは躊躇なく防壁に突っ込んできた。空気を揺るがす重たい衝撃と共に、巨体が吹き飛ぶ。実に見事な吹っ飛びぶりだが、しかし運の悪いことに、吹っ飛んだ先にはリアムが立っていた。二体も召喚獣を召喚でいるし、あいつの防壁では耐えられないかもしれない。万が一自分の召喚獣に潰されるなんてことになったら、さすがにちょっと可哀想だ。
仕方がない、魔法使いの情けだ。俺は竜巻を起こすと、吹っ飛んでゆくボアの巨体を上空高く巻き上げた。
「ごめん、ケット・シー。ちょっとあいつの始末をつけてきて」
「……わかったにゃ」
「ユニサス!」
ユニサスを召喚び出せば、ケット・シーは渋々その背に飛び乗って空へと舞いあがった。青い空にユニサスの白がよく映える。観衆も皆、ユニサスを見上げている。どうだい、俺のユニサスは綺麗だろう?
ボアを見下ろす高さまで昇ったケット・シーはユニサスの背から飛び降りると、クルンクルンと回転しながら空中のボアを後脚で蹴り飛ばす。ケット・シーの小さな足のひと蹴りで、ボアの巨体が勢いよく落下して地面に叩きつけられた。激しい地響きと共に、土埃が舞い上がり周囲が烟る。
落下してくるケット・シーを難なく背中で受け止めたユニサスが、空を優雅に旋回しながら俺の元に戻ってきた。労いに顔を撫でてやると、満足そうに鼻を鳴らす。
やがて土埃が落ち着くと、周囲の様子が見えてくる。演習場には大穴が残されているだけで、すでにボアの姿はなかった。英雄殺しの猪は、小さなケット・シーのひと蹴りでなんともあっけなく消え去ったのだ。これで決闘を見ている観衆にも、召喚獣の強さは見てくれじゃないってわかっただろう。
「ケット・シーお疲れさん。ユニサスもありがとう。……で、そろそろ降参する?」
「するものか! 女神の理において我が力を行使する! 雷よ打ち抜け!」
無数の雷が俺めがけて落ちてくるが、こんなもの避けるまでもない。何もせずに突っ立って居れば、リアムがニヤリと笑った。俺が避けられなかったとでも思っんだろう。
「おめでたい奴」
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