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起こした竜を宥める方法
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「この決闘はデジェレネス公爵家の名の下に、ブランシェット卿が立会人を務めたと聞いた。我が婚約者サフィラスは身分こそ平民だが、ヴァンダーウォール辺境伯家当主が認めた私の正式な婚約者だ。間も無く我らが一族となるサフィラスを奴隷にするとハワード侯爵子息は女神に宣言したそうだが、それは真か?」
ケレイブに聞くまでもなく随分詳しく知っているようだけど、パーシヴァルは一体いつから決闘を見ていたんだ?
「……確かに、マルティネス君はそのように宣言した。だが、結果としてサフィラス君が勝利したのだから問題はあるまい?」
いや、問題大有りだろう。問題があるからパーシヴァルがこんなに怒っているんだぞ! この調子だと、今日はクレアーレにランチを食べに行くのはきっと無理だ。お前らどう責任をとってくれるんだよ。
そもそもリアムが調子に乗って奴隷だなんて言わなければ、決闘をしたって小言程度で許してもらえたかもしれないのに。
「問題がない? 貴殿は本気でそのようなことをおっしゃるのか? 女神の御前で行われる決闘は、その結果を覆す事ができない。そのことは女神を信仰するものならば誰でも知っている。万が一の結果だった場合、我が婚約者はハワード侯爵子息の奴隷になるところだったのだ。もしそのようなことになれば、ヴァンダーウォールはサフィラスを取り戻すためにあらゆる手段を講じる覚悟がある。そもそも我が婚約者は貴国の王太子殿下の懇請によりこの学園に留学しているのだ。当初、サフィラスの後援者であらせられるブルームフィールド公爵閣下は、留学の話を断るつもりだった。当然我が国の国王陛下もそれを認めていた。だが、両国友好の架け橋の一助となればと、サフィラスは貴国の王太子殿下の希望に応えたのだ。だというのに、その彼に対してこの学園の対応は到底看過できない。入校初日からの失礼な態度の数々を上げ連ねればキリがないが、先日はそこのハワード侯爵子息と学友らに池に突き落とされている。挙句この決闘では我が婚約者を奴隷にするとの宣言。これは我がヴァンダーウォール辺境伯家、ひいてはソルモンターナ王国を侮辱していると思わざるを得ない」
普段寡黙なパーシヴァルが饒舌すぎる……俺が架け橋でここにいるわけじゃないことを知っているのに、ものはいいようだ。
ケレイブは貴族らしく薄く笑っているのでこの状況をどう思っているかはわからないが、次から次へと出てくる蔑ろにはできない人物の存在に、魔法講師とリアムは完全に顔色を無くしている。リアムはそうじゃなくても涙と鼻水で酷い顔をしているのに、いっそう見られない様相になってしまった。
かくいう俺も、間違いなく青ざめている。さすがヴァンダーウォールで幼い頃から魔獣討伐に参加しているだけはある。俺に向けられたものじゃないとはいえ関係者ではあるので、威圧が人ごとではない。
普段怒らない人間こそ、怒らせてはならない。俺は今こそ心に刻んだ。
「この件についてはヴァンダーウォール辺境伯家より、ソルモンターナ王国国王陛下を通し、正式に抗議させていただく。それでは失礼する。行こう、サフィラス」
決して乱暴ではないけれど、パーシヴァルにしっかりと背中を支えられてその場を退場することになった。
ケレイブは俺たちを引き止める事はなかった。集まっている学生たちの視線を集めながら、演習場から出る。パーシヴァルは前を見たまま黙っていて、ものすごく声をかけずらい。いっそ馬鹿者! とか、調子に乗りすぎだ! とか怒鳴られた方がよかった。いつもだったら、何も話さなくたって居心地のいいパーシヴァルの側なのに、今はすぐにでも逃げ出したい気分だ。頼むから黙っていないで何か言ってくれないかな……
誘導されるまま、気がつけば北棟の寮にまできていた。俺が一緒だったのでエントランスで寮監に声をかけられたけれど、パーシヴァルは部屋に招き入れる許可はとっていると、しれっと言い切った。ちゃんとした入口から部屋に入るのは、この学院に来た初日以来だ。
部屋に入ると重々しく扉が閉まり、俺たちは正真正銘二人きりになった。
向かい合ったパーシヴァルは沈黙している。さっきまでの饒舌だった彼はどこに行った?
「……あ、あの……パーシヴァル、ごめん」
沈黙に耐えられなくなった俺が先に口を開く。
「それは一体何に対する謝罪だろうか?」
「え? ……えーっと、勝手に決闘をしたこと」
パーシヴァルは黙って俺を見ている。眉間には深い皺。やっぱり、一番怒っているのは決闘のことじゃないよねぇ。
「それと……リアムが俺を奴隷にするって宣言したのを受け入れたこと……かな?」
「……運命の女神は慈悲深いが、とても気紛れだ。罷り間違ってもあの程度の魔法使いにサフィラスが負ける事はないだろうが、気紛れを起こした女神がどんな悪戯を思いつくかわからない。何が起ころうとも俺はサフィラスを守りきるが、たとえ一瞬でもサフィラスが奴隷の身分となるのは許せないし耐えられない」
強くそう言ったパーシヴァルの目には、怒りとも悲しみとも言えない色が浮かんでいた。
ああ、そうだよな。俺だってパーシヴァルを奴隷にするなんて言う奴がいたら、問答無用でそいつをぶっ飛ばしている。パーシヴァルが怒っているのは、そう言う事なんだ。
俺はあんな奴に絶対負けないし、万が一女神の悪戯でうっかり奴隷になったとしても、誰にも縛られることはない。だってすぐに逃げ出せるし、絶対に捕まらない自信がある。でも、そういうことじゃなくて、俺はパーシヴァルの婚約者で、パーシヴァルは俺のことを大事に思ってくれている。そのことを忘れているわけじゃないけど……いや、普段は完全に忘れてるな。だからこそのこの事態だ。調子に乗っていたのは、リアムじゃなくて俺だったかもしれない。ごめんパーシヴァル。
俺は背伸びをして、パーシヴァルの唇に自分の唇をチョンと触れ合わせた。パーシヴァルからはしてもらってたけど、たまには俺から。俺だってパーシヴァルを大切に思ってるんだ。接吻一つで気持ちが伝えられるなら、恥ずかしがっている場合じゃない。
唇を離すと、さっきまで難しい顔をしていたパーシヴァルが驚きに目を見開いていた。すっかり怒りも悲しみも消え去った顔をしている。不意打ちが成功した俺はヘラっと笑って、あんな決闘はもうしないよと言おうとしたら、口を開く前にパーシヴァルにぎゅっと抱きしめられて唇を塞がれた。それは俺がしたような、ちょっと触れて離れるのとは全く違う。
「んっ……」
幾度も角度を変えるように唇を触れ合わせる口付け。いつもだったら触れるだけの接吻でもどうにかなりそうなほど恥ずかしくなるはずなのに、今は次第に重なりが深くなってゆく温かくて柔らかい感触に、だんだん気持ちよくなって目を閉じる。抱きしめられているのをいいことに力を抜いて身を委ねれば、パーシヴァルの腕がグッと俺の体を支えてくれた。
「はぁ……ん、」
自分でも驚くほど蕩けた息が漏れる。
このままずっと口付けててもいいな、なんてぼんやりしてきた頭で思っていれば、空気が読めない俺の腹が空腹を訴えてグゥと鳴いた。
長い接吻に酔っていた俺の頭が一気に正気に戻る。
「……」
「……ふっ。そろそろ食事に行こうか」
パーシヴァルは笑っていて、ついさっきまで俺たちの間にあったふわんとしてとろんとした雰囲気はすっかり霧散していたけれど、彼の唇は生々しく濡れているし、俺の唇には柔らかく何度も喰まれた感触がはっきりと残っている。体がもぞもぞむずむずと落ち着かなくなって、パーシヴァルの腕からさりげなく逃れた。
「うん……」
「さすがに今からクレアーレのカフェテリアに行ってもランチは残っていないだろう。クレアーレに戻るのは明日からにして、今日はケルサスに行って昼を食べないか?」
「え、いいの?」
今からケルサスに行ったら完全に午後の授業に間に合わない。それはつまり真面目なパーシヴァルが、午後の授業はサボろうと言っているのと同義だ。俺はてっきりここのカフェで残っているものを掻き込んで、授業に出るのかなって思っていた。
「あんなことがあった後で、ここで食事をしようなどという気にはならない」
あ、まだ溜飲は下がっていないわけですね。
パーシヴァルがちょっと怒りの気配を漂わせたので、急いで外に出る準備に取り掛かった。兎にも角にも、さっさとお腹いっぱいになって決闘の件はとっとと忘れてもらおう。
そうだ、そうだ、それがいい!
ケレイブに聞くまでもなく随分詳しく知っているようだけど、パーシヴァルは一体いつから決闘を見ていたんだ?
「……確かに、マルティネス君はそのように宣言した。だが、結果としてサフィラス君が勝利したのだから問題はあるまい?」
いや、問題大有りだろう。問題があるからパーシヴァルがこんなに怒っているんだぞ! この調子だと、今日はクレアーレにランチを食べに行くのはきっと無理だ。お前らどう責任をとってくれるんだよ。
そもそもリアムが調子に乗って奴隷だなんて言わなければ、決闘をしたって小言程度で許してもらえたかもしれないのに。
「問題がない? 貴殿は本気でそのようなことをおっしゃるのか? 女神の御前で行われる決闘は、その結果を覆す事ができない。そのことは女神を信仰するものならば誰でも知っている。万が一の結果だった場合、我が婚約者はハワード侯爵子息の奴隷になるところだったのだ。もしそのようなことになれば、ヴァンダーウォールはサフィラスを取り戻すためにあらゆる手段を講じる覚悟がある。そもそも我が婚約者は貴国の王太子殿下の懇請によりこの学園に留学しているのだ。当初、サフィラスの後援者であらせられるブルームフィールド公爵閣下は、留学の話を断るつもりだった。当然我が国の国王陛下もそれを認めていた。だが、両国友好の架け橋の一助となればと、サフィラスは貴国の王太子殿下の希望に応えたのだ。だというのに、その彼に対してこの学園の対応は到底看過できない。入校初日からの失礼な態度の数々を上げ連ねればキリがないが、先日はそこのハワード侯爵子息と学友らに池に突き落とされている。挙句この決闘では我が婚約者を奴隷にするとの宣言。これは我がヴァンダーウォール辺境伯家、ひいてはソルモンターナ王国を侮辱していると思わざるを得ない」
普段寡黙なパーシヴァルが饒舌すぎる……俺が架け橋でここにいるわけじゃないことを知っているのに、ものはいいようだ。
ケレイブは貴族らしく薄く笑っているのでこの状況をどう思っているかはわからないが、次から次へと出てくる蔑ろにはできない人物の存在に、魔法講師とリアムは完全に顔色を無くしている。リアムはそうじゃなくても涙と鼻水で酷い顔をしているのに、いっそう見られない様相になってしまった。
かくいう俺も、間違いなく青ざめている。さすがヴァンダーウォールで幼い頃から魔獣討伐に参加しているだけはある。俺に向けられたものじゃないとはいえ関係者ではあるので、威圧が人ごとではない。
普段怒らない人間こそ、怒らせてはならない。俺は今こそ心に刻んだ。
「この件についてはヴァンダーウォール辺境伯家より、ソルモンターナ王国国王陛下を通し、正式に抗議させていただく。それでは失礼する。行こう、サフィラス」
決して乱暴ではないけれど、パーシヴァルにしっかりと背中を支えられてその場を退場することになった。
ケレイブは俺たちを引き止める事はなかった。集まっている学生たちの視線を集めながら、演習場から出る。パーシヴァルは前を見たまま黙っていて、ものすごく声をかけずらい。いっそ馬鹿者! とか、調子に乗りすぎだ! とか怒鳴られた方がよかった。いつもだったら、何も話さなくたって居心地のいいパーシヴァルの側なのに、今はすぐにでも逃げ出したい気分だ。頼むから黙っていないで何か言ってくれないかな……
誘導されるまま、気がつけば北棟の寮にまできていた。俺が一緒だったのでエントランスで寮監に声をかけられたけれど、パーシヴァルは部屋に招き入れる許可はとっていると、しれっと言い切った。ちゃんとした入口から部屋に入るのは、この学院に来た初日以来だ。
部屋に入ると重々しく扉が閉まり、俺たちは正真正銘二人きりになった。
向かい合ったパーシヴァルは沈黙している。さっきまでの饒舌だった彼はどこに行った?
「……あ、あの……パーシヴァル、ごめん」
沈黙に耐えられなくなった俺が先に口を開く。
「それは一体何に対する謝罪だろうか?」
「え? ……えーっと、勝手に決闘をしたこと」
パーシヴァルは黙って俺を見ている。眉間には深い皺。やっぱり、一番怒っているのは決闘のことじゃないよねぇ。
「それと……リアムが俺を奴隷にするって宣言したのを受け入れたこと……かな?」
「……運命の女神は慈悲深いが、とても気紛れだ。罷り間違ってもあの程度の魔法使いにサフィラスが負ける事はないだろうが、気紛れを起こした女神がどんな悪戯を思いつくかわからない。何が起ころうとも俺はサフィラスを守りきるが、たとえ一瞬でもサフィラスが奴隷の身分となるのは許せないし耐えられない」
強くそう言ったパーシヴァルの目には、怒りとも悲しみとも言えない色が浮かんでいた。
ああ、そうだよな。俺だってパーシヴァルを奴隷にするなんて言う奴がいたら、問答無用でそいつをぶっ飛ばしている。パーシヴァルが怒っているのは、そう言う事なんだ。
俺はあんな奴に絶対負けないし、万が一女神の悪戯でうっかり奴隷になったとしても、誰にも縛られることはない。だってすぐに逃げ出せるし、絶対に捕まらない自信がある。でも、そういうことじゃなくて、俺はパーシヴァルの婚約者で、パーシヴァルは俺のことを大事に思ってくれている。そのことを忘れているわけじゃないけど……いや、普段は完全に忘れてるな。だからこそのこの事態だ。調子に乗っていたのは、リアムじゃなくて俺だったかもしれない。ごめんパーシヴァル。
俺は背伸びをして、パーシヴァルの唇に自分の唇をチョンと触れ合わせた。パーシヴァルからはしてもらってたけど、たまには俺から。俺だってパーシヴァルを大切に思ってるんだ。接吻一つで気持ちが伝えられるなら、恥ずかしがっている場合じゃない。
唇を離すと、さっきまで難しい顔をしていたパーシヴァルが驚きに目を見開いていた。すっかり怒りも悲しみも消え去った顔をしている。不意打ちが成功した俺はヘラっと笑って、あんな決闘はもうしないよと言おうとしたら、口を開く前にパーシヴァルにぎゅっと抱きしめられて唇を塞がれた。それは俺がしたような、ちょっと触れて離れるのとは全く違う。
「んっ……」
幾度も角度を変えるように唇を触れ合わせる口付け。いつもだったら触れるだけの接吻でもどうにかなりそうなほど恥ずかしくなるはずなのに、今は次第に重なりが深くなってゆく温かくて柔らかい感触に、だんだん気持ちよくなって目を閉じる。抱きしめられているのをいいことに力を抜いて身を委ねれば、パーシヴァルの腕がグッと俺の体を支えてくれた。
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「……」
「……ふっ。そろそろ食事に行こうか」
パーシヴァルは笑っていて、ついさっきまで俺たちの間にあったふわんとしてとろんとした雰囲気はすっかり霧散していたけれど、彼の唇は生々しく濡れているし、俺の唇には柔らかく何度も喰まれた感触がはっきりと残っている。体がもぞもぞむずむずと落ち着かなくなって、パーシヴァルの腕からさりげなく逃れた。
「うん……」
「さすがに今からクレアーレのカフェテリアに行ってもランチは残っていないだろう。クレアーレに戻るのは明日からにして、今日はケルサスに行って昼を食べないか?」
「え、いいの?」
今からケルサスに行ったら完全に午後の授業に間に合わない。それはつまり真面目なパーシヴァルが、午後の授業はサボろうと言っているのと同義だ。俺はてっきりここのカフェで残っているものを掻き込んで、授業に出るのかなって思っていた。
「あんなことがあった後で、ここで食事をしようなどという気にはならない」
あ、まだ溜飲は下がっていないわけですね。
パーシヴァルがちょっと怒りの気配を漂わせたので、急いで外に出る準備に取り掛かった。兎にも角にも、さっさとお腹いっぱいになって決闘の件はとっとと忘れてもらおう。
そうだ、そうだ、それがいい!
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