地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

楓乃めーぷる

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第一章 太陽の王子様と氷の王子様

14.氷の中にほんのりと見えるのは

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 私が初パーティー参加になりそうな日が近づいてきた。
 そもそも、パーティーって……。
 百井物産の会長のお誕生日パーティーへ参加することになっていて、しかも偽婚約者だって参加者に紹介して回ると言い出した。

 結婚式とか合コンパーティーだとか、そういうのしか知らないし。
 ドラマとかで見たことはあるけど、本当にやるとは実感がないというか……。

「……さん。小鳥さん、今の話聞いていたのか?」
「……え?」
「え、じゃない。人が話している時に考え事をしているとは。随分余裕があるのだな」
「すみませんでした。余裕はありません。もう、パンパンに膨れ上がっているので息抜きはしないと頭から煙が出そうなんです」

 ふぅ、と息を吐き出すと氷室さんが目を細める。
 また睨んでると思ったけど、よく見ると少し違う感じ?

 この空間と雰囲気に少しずつ慣れてきて、社長と氷室さんのことも少しずつ理解してきた気がする。

 社長はポンポン口に出す人だけど、笑顔の裏で何を考えているのか分からないところもある気がする。
 職業柄なのか、育ちのせいなのかは分からないけど。
 私自身が仕事と割り切って深入りしないからまだ謎な感じ。

 氷室さんは口調と表情も冷たいしキツイところが多いけど、基本的に嘘はつかずにストレートな人みたい。
 腹は立つんだけど、負けずに観察するとよくよく見れば違う感じがする。

「外でそんなことでは困る。一流の秘書としてハリボテだとしても振る舞ってもらわないと」
「そんな無茶を言われても……それだけですか?」
「それだけ、とは?」
「いえ……別に。何もおっしゃりたいことがないのなら仕事に戻ります」

 私が頭を下げて退室しようとすると、氷室さんが視線を少しだけ落とした。
 ……もう、何か言いたいことがあるのならいつもみたいにハッキリ言えばいいのに。

 少しだけ様子見をしてそっと見つめると、ゆっくりとまた視線を合わせてくる。

「……何かあればサポートはする」
「はい、ありがとうございます」

 何となくだけど、心配はしてくれているみたい。
 上司としてはフォローしてくれるつもりなら安心だけど。
 もっと分かりやすく言ってくれればいいのに、顔が怖いからそういう感じが全くしないんだよね。

 多分顔の表情と言葉遣いだけで判断しちゃうから、観察しないと分かりづらいんだろうけど……。
 そんなに人の顔をジロジロ見ないものね。
 私は近くで仕事をする都合上、見ざるを得ないから気づけたけど。

 意外とこの人は損をしてるのかもしれない。
 ……でも、言い方に棘はあるから腹は立つけど。
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