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第六章 三人の新しい関係
59.考えれば考えるほど
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俺たちは公園を後にして、のんびり歩き始める。
二人が俺を送ってくれると言うから、お言葉に甘えてアパートの前まで送ってもらうことにした。
そういえば、明日はちょうど店が休みの日だ。
二人は俺にゆっくりしてもらいたいから、俺へ連絡することを我慢すると言ってきた。
これは……げんちゃんととっきーに、気を遣わせてしまったな。
いや、確かに色々ありすぎて考える時間は必要なんだけど……。
結局、家でぼーっとしてるだけで終わりそうだ。
「俺らはやっと気持ちを伝えられた訳だし。一時休戦ってことで」
「ああ。蒼樹も気負わずシンプルに考えてくれ。俺たちはいつでも蒼樹の味方だ」
「ありがとう、げんちゃん」
「まーたそうやっていいところだけ攫っていくんだもんなぁー。ま、いいか。俺のポジションは道化役って決まってるからな。演じさせていただきますよっと」
とっきーはぶつくさ言っているけど、俺が落ち込んでたり悲しい時もいつも明るい雰囲気にしてくれたのはとっきーだ。
軽口は照れ隠しであって、なんやかんやうまくやってこれたのはとっきーの突き進んでいくことができる力のおかげだと思う。
「蒼樹、何だか嬉しそうだな」
「とっきーはいつも通りだなと思ってさ。ありがとう、とっきー」
「そんな改まって言われると、やりづらいな」
「鷺羽、男のツンデレは蒼樹ならいいが鷺羽がやっても効果が薄い」
げんちゃんが真面目に変なツッコミを入れるから、俺も思わず吹き出してしまった。
とっきーも、うっせえ! って、つっかかってるし。
「はあ。俺も疲れたからそろそろ解散しようぜ。じゃあ、また明後日。店でな」
「そうだな。蒼樹もゆっくり休んでくれ」
「送ってくれてありがとう。二人の気持ち、嬉しかった。じゃあ、また明後日」
家の前で二人と別れると、少し寂しい気持ちになった。
帰ると部屋で一人だから余計に静かな気がして、帰って早々二人へメッセージを送ってしまった。
二人ともすぐに返事をくれるから、二人が家へ着くまで暫くやり取りしていた。
+++
シャワーを済ませて、冷蔵庫を開ける。
この前買っておいた、グレープフルーツサワーの缶を取り出す。
普段あまり飲まないけど、明日休みだし丁度いい。
プルタブを引き上げると、プシュっという音がした。
そのまま一口飲んでから、ぺたぺた歩いて床の上のクッションに腰を落とす。
缶を傾けてクイっとあおってから、缶をテーブルの上へ置いた。
「俺にはやっぱり二人が必要だ。だけど、一般的な常識で考えれば恋人同士とは一対一だよな」
二人の真剣な想いにどう答えればいいのか。
わしゃわしゃとタオルで髪を拭いていると、ずっと同じ考えがぐるりと回ってしまう。
俺は、どちらかを選ぶことなんてできるのだろうか?
そして、そのどちらかと……。
ダメだ、友達の先のことを想像するだけで恥ずかしい。
ただ言えるのは、想像してもやっぱり嫌悪感は全く感じないということだ。
「俺、もしかして。そっちの気があるってこと?」
自分が男性に組み敷かれても大丈夫だと思うだなんて……。
物理的には無理だと言いたいのに、あの二人だったらいいかなと思ってしまう自分に驚く。
「俺もきっと二人のことが……」
自覚できてなかっただけで、答えはほぼ出てるんだよな。
後は、自分自身が腹を括るだけだ。
でも、想像は色々と膨らんでしまって……思考を放棄するようにテーブルへ突っ伏した。
二人が俺を送ってくれると言うから、お言葉に甘えてアパートの前まで送ってもらうことにした。
そういえば、明日はちょうど店が休みの日だ。
二人は俺にゆっくりしてもらいたいから、俺へ連絡することを我慢すると言ってきた。
これは……げんちゃんととっきーに、気を遣わせてしまったな。
いや、確かに色々ありすぎて考える時間は必要なんだけど……。
結局、家でぼーっとしてるだけで終わりそうだ。
「俺らはやっと気持ちを伝えられた訳だし。一時休戦ってことで」
「ああ。蒼樹も気負わずシンプルに考えてくれ。俺たちはいつでも蒼樹の味方だ」
「ありがとう、げんちゃん」
「まーたそうやっていいところだけ攫っていくんだもんなぁー。ま、いいか。俺のポジションは道化役って決まってるからな。演じさせていただきますよっと」
とっきーはぶつくさ言っているけど、俺が落ち込んでたり悲しい時もいつも明るい雰囲気にしてくれたのはとっきーだ。
軽口は照れ隠しであって、なんやかんやうまくやってこれたのはとっきーの突き進んでいくことができる力のおかげだと思う。
「蒼樹、何だか嬉しそうだな」
「とっきーはいつも通りだなと思ってさ。ありがとう、とっきー」
「そんな改まって言われると、やりづらいな」
「鷺羽、男のツンデレは蒼樹ならいいが鷺羽がやっても効果が薄い」
げんちゃんが真面目に変なツッコミを入れるから、俺も思わず吹き出してしまった。
とっきーも、うっせえ! って、つっかかってるし。
「はあ。俺も疲れたからそろそろ解散しようぜ。じゃあ、また明後日。店でな」
「そうだな。蒼樹もゆっくり休んでくれ」
「送ってくれてありがとう。二人の気持ち、嬉しかった。じゃあ、また明後日」
家の前で二人と別れると、少し寂しい気持ちになった。
帰ると部屋で一人だから余計に静かな気がして、帰って早々二人へメッセージを送ってしまった。
二人ともすぐに返事をくれるから、二人が家へ着くまで暫くやり取りしていた。
+++
シャワーを済ませて、冷蔵庫を開ける。
この前買っておいた、グレープフルーツサワーの缶を取り出す。
普段あまり飲まないけど、明日休みだし丁度いい。
プルタブを引き上げると、プシュっという音がした。
そのまま一口飲んでから、ぺたぺた歩いて床の上のクッションに腰を落とす。
缶を傾けてクイっとあおってから、缶をテーブルの上へ置いた。
「俺にはやっぱり二人が必要だ。だけど、一般的な常識で考えれば恋人同士とは一対一だよな」
二人の真剣な想いにどう答えればいいのか。
わしゃわしゃとタオルで髪を拭いていると、ずっと同じ考えがぐるりと回ってしまう。
俺は、どちらかを選ぶことなんてできるのだろうか?
そして、そのどちらかと……。
ダメだ、友達の先のことを想像するだけで恥ずかしい。
ただ言えるのは、想像してもやっぱり嫌悪感は全く感じないということだ。
「俺、もしかして。そっちの気があるってこと?」
自分が男性に組み敷かれても大丈夫だと思うだなんて……。
物理的には無理だと言いたいのに、あの二人だったらいいかなと思ってしまう自分に驚く。
「俺もきっと二人のことが……」
自覚できてなかっただけで、答えはほぼ出てるんだよな。
後は、自分自身が腹を括るだけだ。
でも、想像は色々と膨らんでしまって……思考を放棄するようにテーブルへ突っ伏した。
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