音色が繋ぐその先は

楓乃めーぷる

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プロローグ

0.音色

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 ストリートピアノから奏でられる音は、自由でキラキラしていた。
 ガキの頃は何を弾いていても楽しいとしか思えなくて、弾くこと自体が幸せだった。
 だけど、いつの日か情熱的な想いはなくなった。

 別にピアノに恨みはない。嫌いって訳でもない。
 だけど、あの頃の楽しさは……今はもうない。

「カッコイイ! 大好き!」

 俺の演奏を褒めてくれたあの子は、今頃どこで何をしているんだろう?
 心の底から好きだと言ってくれたあのまぶしい笑顔は、心の奥にずっと仕舞いこんでフタをしていた……はずだった。
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