好きな人の幸せを本当に願えますか?

はな

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変化

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憂鬱な思いを抱きながら・・教室に向かおうとしたときだった。


人混みの中から聞き慣れた声が響く。
「ルシアン!」

振り返ると、ジェレミーが軽やかな足取りでこちらに駆け寄ってきていた。

昨日転校してきたと噂を聞いた。
外見で色々な噂を振り撒いたようだが頭の良さで飛び級で入ったことで一目置かれているらしい。

王族にしては屈託のない笑顔は、周囲のざわめきさえ押し流すように明るい。
「お茶会のあと、顔を見てなかったから。心配してたんだ」

その言葉に、胸の奥がじんと温かくなる。
――自分を案じてくれる存在が、ここにいる。

「……ご心配をおかけしました」

努めて平静を装ったものの、声はわずかに震えていた。

周囲の生徒たちが、ひそひそと噂を続けている。

その様子はジェレミーの耳にも入ってくる
しかし、ジェレミーはまるで気にも留めず、堂々とした態度で言った。

「くだらない噂に振り回されるな。君は君のままでいい」

その言葉は、不意打ちのように心へ届く。

長い間、孤独に耐えるのが当然だと思っていた。


けれど――支えてくれる人がいるのなら、ほんの少しだけ、前を向いてもいいのかもしれない。

その日、授業を受ける教室で、今までとは違うざわめきを耳にした。
「……案外、普通の人なのかも」

「王子殿下と話している姿、思ったより穏やかだ」

噂は変わらず続いている。


けれど、その色合いがほんの少しだけ和らいでいるのを感じた。

胸の奥で、微かな希望が芽吹く。

――ひとりではなかった。
そう気づいた瞬間から、ルシアンの学園生活は静かに変わり始めたのだった。
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