短編集

願い

『リスカは止めなさい』・『自傷行為は良くない』なんて、よく言う人がこの世には沢山いる。
 でも、僕はそんな事言えない。
 言っている側は、生きなさいって言う意味で言いたいのかもしれないけど、リスカをすることで自主的に自殺予防をしているのかもしれないし、僕だってリスカをしていたから少しは気持ちが分かるし。
 僕はリスカを初めて３ヶ月位したら両親にバレて、話し合いをした。
 そん時は、話し合いをして不安なことをぶちまけて止めることができた。
 が、２回目も両親にバレ話し合いの末、精神科に連れていかれた。
 最初は気が引けたが、意外と楽になった。
 そして、それで分かった。
 リスカを止めるのは、当たり前なのだと。
 それに反してリスカを止められないのも当たり前なのだと。 
 どっちの気持ちも分かる僕はリスカはダメだとは言わない。
 でも、『死なないで。』それだけは言いたい。
 死んでしまったら、自傷行為をしてまで頑張って抑えていた事、物、全てが無駄になって、無いものとなってしまうから。
 自分にしか分からない頑張りを無くすのは、余りにも哀しい、悔しいから。
 大体の事は、生きていけばどうにかなる。
 かっこ悪くても、情けなくても、本当は生きているだけでかっこいいんだ。
 人は、不幸な事は気づくのに、幸せな事は気づかない。
 そして、不幸である事は幸せだという事に気づかない。
 僕だって気づかない。
 でも、その気づかない事も幸せ何だろうと思う。
 だって生きているだから。
 今、辛い人も、リスカしちゃってる人も、今を生き抜いて欲しい。
 それが、僕から言える事だ。