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確認.2
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「ではお願いします。俺はココから動きませんので安心してください」
言葉を発することなく頷き、上着から脱いでいく。
今着ているのはたぶんパジャマなのであろうと思う。
淡いピンク一色で、触り心地がよさそうな起毛のもの。
体の大きさより一回り大きなものを着用している。
寝るときにピッタリりしているものは窮屈で嫌だという事だろうと思う。
なにせ俺もそういった感覚があるから大き目を着用して寝ているからだ。
そんなことをぼんやり考えていると、パサッと脱いだ上着を床に落とす音がして、離れかけた思考が現実に戻ってくる。
と、すでにそこには上半身下着姿のカノウさんがいた。
今更、本当に今更なのだが、カノウさんはすごく可愛い子だと感じた。
長い髪は肩甲骨くらいまで伸びており、どうやって手入れをしていたのだろうと思うほどつやつやと輝いて見えた。
目元と眉は少し垂れておりそれだけでやさしさがあふれ出ている様な気さえする。
目線を下に落とすと、俺が今まで一度も見たことのない女性の特徴ともいえるものがあった。
今は下着に包まれているが、たぶんそれなりの大きさであることは一目で見て取れる。
俺がそんなことを考えていると知ってか知らずかカノウさんは、パジャマの下を脱いでいく。
細い腰とそれを支えるしっかりとした臀部にすらりと伸びた足。
女性ってこんなにきれいなものなのだと感じてしまうほどだ。
すっかり下着姿になったカノウさんの顔はもう赤を通り越して爆発してしまいそうなほどだった。
俺はと言うと脱ぎこそはしていないものの、そんな表情を見ていると恥ずかしくなってくる。
恥ずかしくなってくるし恥ずかしくなるのはいいのだが、本番ともいえるのはここからだ。
俺から言い出したことだが、ここで早く下着も脱いでくれと言うのは催促しすぎだし、なんかガッついている様で気が引けた。
だから俺の選択肢は待つ以外にない。
………
……
…
それから数分後。
カノウさんは大きく息を吸い込み一気に吐き出すと、「いきます!」となぜか気合いを入れて一気に上と下の下着を脱いだ。
そして、「どうぞ!!」と俺の方をまっすぐに向き、前も下も隠さず両手を広げてすべてを見せてくれた。
「……綺麗だ」
傷がないか、肌の色はどうか、そんなことは一気に脳内から吹き飛んでしまっていた。
始めて生で見た女性の裸という、初めて補正がかかっていたことも事実ではあるが、その時ばかりは本当に女神と見まがうほどに、無意識に言葉が口からこぼれ出るほどに美しく綺麗だと感じてしまった。
惚けた状態で固まる俺に、顔を真っ赤にしたまま大の字で固まるカノウさん。
たぶん数秒のはずだが延々といえる時間そうしていたかと思うほどの衝撃をお互いが感じていたはず。
そんな状態の俺たちを解放したのは、俺もカノウさんでもなくなんでもない床のきしむ音だった。
カノウさんが恥ずかしさから一歩引いたためか、俺が前のめりになったせいか、パキリという乾いた音が静寂を破ったのだ。
ハッと我にかえる俺とサッと前を隠すカノウさん。
再びの静寂が訪れるが、このままでは恥ずかしさで間が持たなかった。
「えっと、正面はその…しっかりと確認でいましたので、うしろ側をお願いします。向こう側をむいてくだしゃい」
……噛んだ。
初心か俺は!童貞じゃあるまいし!
って童貞か…。
一つ大きく咳ばらいをして今一度、
「向こう側を向いていただけますか?」
としっかり言い直す。
そんな俺の緊張が見て取れたのだろう。
逆にカノウさんは少し緊張が解けたようで「わかりました」と柔らかく笑ってくるりと後ろを向いてくれた。
「髪を除けて頂けますか?背中を見せてください」
首の後ろ、背中、腰からかかとまで確認するがそれっぽい痕跡はないように思える。
素人目だからこれが限界だ。
俺は「ありがとうございました」と一言お礼を言い、服を着るように促す。
その間は俺は見ているわけもいかないので、一旦部屋から出ることにする。
服を着終わったカノウさんは「終わりました」と声をかけてくれた。
それを聞き、部屋に戻ってすぐに入り口に正座で座る俺。
両手を床に付き、額をこれでもかと言うほど床にこすりつけつつ、まずは謝罪。
「いろいろと申し訳ございませんでした!そしていろいろとありがとうございました!」
流れるような動作から一瞬で完成させた土下座からの謝罪に、一瞬戸惑った様だったがすぐににこりと笑顔を見せてくれたカノウさん。
「全然大丈夫です。私もある意味そこまで警戒してくれたサトウさんのおかげで、今安心してお話できるんですから。だから顔を上げてください」
性格までいいとは女神かこの子は!
感動を嚙み締めつつ頭をゆっくりと上げる。
ありがとうとお礼を言い、お互い顔を見合わせて笑いあった。
言葉を発することなく頷き、上着から脱いでいく。
今着ているのはたぶんパジャマなのであろうと思う。
淡いピンク一色で、触り心地がよさそうな起毛のもの。
体の大きさより一回り大きなものを着用している。
寝るときにピッタリりしているものは窮屈で嫌だという事だろうと思う。
なにせ俺もそういった感覚があるから大き目を着用して寝ているからだ。
そんなことをぼんやり考えていると、パサッと脱いだ上着を床に落とす音がして、離れかけた思考が現実に戻ってくる。
と、すでにそこには上半身下着姿のカノウさんがいた。
今更、本当に今更なのだが、カノウさんはすごく可愛い子だと感じた。
長い髪は肩甲骨くらいまで伸びており、どうやって手入れをしていたのだろうと思うほどつやつやと輝いて見えた。
目元と眉は少し垂れておりそれだけでやさしさがあふれ出ている様な気さえする。
目線を下に落とすと、俺が今まで一度も見たことのない女性の特徴ともいえるものがあった。
今は下着に包まれているが、たぶんそれなりの大きさであることは一目で見て取れる。
俺がそんなことを考えていると知ってか知らずかカノウさんは、パジャマの下を脱いでいく。
細い腰とそれを支えるしっかりとした臀部にすらりと伸びた足。
女性ってこんなにきれいなものなのだと感じてしまうほどだ。
すっかり下着姿になったカノウさんの顔はもう赤を通り越して爆発してしまいそうなほどだった。
俺はと言うと脱ぎこそはしていないものの、そんな表情を見ていると恥ずかしくなってくる。
恥ずかしくなってくるし恥ずかしくなるのはいいのだが、本番ともいえるのはここからだ。
俺から言い出したことだが、ここで早く下着も脱いでくれと言うのは催促しすぎだし、なんかガッついている様で気が引けた。
だから俺の選択肢は待つ以外にない。
………
……
…
それから数分後。
カノウさんは大きく息を吸い込み一気に吐き出すと、「いきます!」となぜか気合いを入れて一気に上と下の下着を脱いだ。
そして、「どうぞ!!」と俺の方をまっすぐに向き、前も下も隠さず両手を広げてすべてを見せてくれた。
「……綺麗だ」
傷がないか、肌の色はどうか、そんなことは一気に脳内から吹き飛んでしまっていた。
始めて生で見た女性の裸という、初めて補正がかかっていたことも事実ではあるが、その時ばかりは本当に女神と見まがうほどに、無意識に言葉が口からこぼれ出るほどに美しく綺麗だと感じてしまった。
惚けた状態で固まる俺に、顔を真っ赤にしたまま大の字で固まるカノウさん。
たぶん数秒のはずだが延々といえる時間そうしていたかと思うほどの衝撃をお互いが感じていたはず。
そんな状態の俺たちを解放したのは、俺もカノウさんでもなくなんでもない床のきしむ音だった。
カノウさんが恥ずかしさから一歩引いたためか、俺が前のめりになったせいか、パキリという乾いた音が静寂を破ったのだ。
ハッと我にかえる俺とサッと前を隠すカノウさん。
再びの静寂が訪れるが、このままでは恥ずかしさで間が持たなかった。
「えっと、正面はその…しっかりと確認でいましたので、うしろ側をお願いします。向こう側をむいてくだしゃい」
……噛んだ。
初心か俺は!童貞じゃあるまいし!
って童貞か…。
一つ大きく咳ばらいをして今一度、
「向こう側を向いていただけますか?」
としっかり言い直す。
そんな俺の緊張が見て取れたのだろう。
逆にカノウさんは少し緊張が解けたようで「わかりました」と柔らかく笑ってくるりと後ろを向いてくれた。
「髪を除けて頂けますか?背中を見せてください」
首の後ろ、背中、腰からかかとまで確認するがそれっぽい痕跡はないように思える。
素人目だからこれが限界だ。
俺は「ありがとうございました」と一言お礼を言い、服を着るように促す。
その間は俺は見ているわけもいかないので、一旦部屋から出ることにする。
服を着終わったカノウさんは「終わりました」と声をかけてくれた。
それを聞き、部屋に戻ってすぐに入り口に正座で座る俺。
両手を床に付き、額をこれでもかと言うほど床にこすりつけつつ、まずは謝罪。
「いろいろと申し訳ございませんでした!そしていろいろとありがとうございました!」
流れるような動作から一瞬で完成させた土下座からの謝罪に、一瞬戸惑った様だったがすぐににこりと笑顔を見せてくれたカノウさん。
「全然大丈夫です。私もある意味そこまで警戒してくれたサトウさんのおかげで、今安心してお話できるんですから。だから顔を上げてください」
性格までいいとは女神かこの子は!
感動を嚙み締めつつ頭をゆっくりと上げる。
ありがとうとお礼を言い、お互い顔を見合わせて笑いあった。
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