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勘違い
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「おい、いつまでこんな所に閉じ込めておくきなんだろうな」
セシルは横になりながら尻を掻いてる。
「はぁ~なんでこうなったんだ?まぁ出ようと思えばでられない事もないけど……」
薄暗く、けっして清潔とは言えない城の地下牢に大樹とセシルは入れられている。
どうしてこうなったかというと……
エスメラルダを助けに街外れの使われていない建物に大樹とセシルは潜入し、無事エスメラルダを助けたまでは良かった……
エスメラルダはすぐさまトイレに駆け込み、待っている間にミコから念話が入った。
『あるじさま、何やら大軍がこちらの建物に向かって来ているのが見えます』
ミコが見えたのは、王都から馬に乗った兵士達だ。砂煙を撒き散らし凄い勢いで迫って来た。
大樹は地図を使い確認すると白い点滅がこの建物に向かって進んでいるのがわかった。
『ミコ、敵ではないと思うが用心しといて』
もしかして、まだ敵の増援がくる予定だったのか?
しばらくするとエスメラルダが戻って来た。
「ダイキとセシル、助かったわありがとう。それにしてもあんた達中々やるわね」
「エスメラルダ様も無事でなによりです」
セシルはすかさずエスメラルダの手を取りキスをした。
うっなんてキザな奴なんだ……
「それより何者かの大軍がこの建物に向かって来てるみたいなんだ。もし敵の増援だとここは囲まれて逃げ道がなくなってしまうから早いとこ出た方がいい」
あの数に囲まれたら無傷では済まされない、ましてやエスメラルダとセシルを守りながら逃げ出すのは容易くはない。
大樹、セシル、エスメラルダは建物の地下から足早に外に出た。
「チッ、遅かったか……」
大樹達の目の前には光り輝く鎧に身を纏った兵士が規則正しく並んでいた。その中の隊長格の男が馬に跨り寄って来た。
「お前達は何者だ?我はアイテール騎士団隊長のマイワールだ!」
ワアォ、なんてタイミング……まさか王都の騎士だったとは思わなかったな。
多分エスメラルダを探していたんだろうな……
大樹はエスメラルダを見てまさかまだ知らせてなかったのかと溜息をついた。
「お前達はここで何をしていたんだ?何やら怪しい奴だな」
鋭い目つきで大樹を睨んだ。
まずい、おい、エスメラルダ早くなんとか言ってくれ!目で合図を送ったがエスメラルダはセシルの後ろに隠れてしまった。
え~~!それはないじゃん!なぜ隠れる必要があるのさ……
すると隊長のマイワールがセシルの後ろで下を向いているエスメラルダに気付いた。
「な、も…もしやそちらの女性はエスメラルダ様ではありませんか?」
マイワールは驚き、涙を浮かべている。
「エスメラルダ様、王が心配しております。私も夜も眠れぬ程心配しておりましたぞ!もしや、其奴らのせいで城に戻れなくなっていたとは……」
ん?なにやら雲行きが悪くなってきたっぽいぞ。
おいおいエスメラルダ、俺達が悪者になってしまうぞ。
「俺達は拐われたエスメラルダ様を救出しに……」
大樹が説明しているのにマイワールの耳には入っていない。
するとエスメラルダが助け船を出してくれたが、それももう遅かった。
「マイワール!私の話を……」
「よくも王女を誑かしてくれたな!おい、此奴らを城の牢にぶち込んどけ!エスメラルダ様を丁重に城にお連れしろ!」
「「は!」」
まじか!戦うか?いやダメだ、そんな事したらもっと悪い状況になっても困る。はぁ~仕方がない、おとなしく捕まっとくか……
「エスメラルダ様、後で憶えといて下さいよ!」
すると、建物の中から数名の騎士が戻って来た。
「マイワール隊長!建物の中に見知らぬ男達と、サタナエル様と護衛の騎士が倒れています。まだ息はありますので早急に治療を施さなくては!」
「な…な…なんて事を……サタナエル様にまで手を出すとは」
マイワールの頭には凄く血管が浮き出ていて、顔も赤く、激怒しているようだ。
「もう我慢ならん!此奴らをここで処刑する!」
マイワールは腰の剣を抜いた。
「隊長!まずは王にお知らせしなくてはなりません!それにサタナエル様とエスメラルダ様を城にお連れしなくてはなりません!」
それを聞いたマイワールは空を見上げ深呼吸し、落ち着きを取り戻した。
「すまね、まずは王にお知らせしなくてはいけないな。よし城に戻るぞ!」
「「は!」」
『ミコ、そっちは大丈夫かい?』
ミコにはメルに付いてもらっている。
『あるじさま、こちらは大丈夫ですが、あるじさまの方は大丈夫ですか?』
『まぁ大丈夫ちゃ~大丈夫かな。出ようと思えば出れない事もないんだけど、それしたらマズイからしないけど、エスメラルダ様がなんとかしてくれるのを願ってるよ』
あれから大分時間がたっているけどエスメラルダ様はちゃんと動いてくれているのだろうか?
『わかりました。何かありましたら知らせて下さい』
『わかった!メルの事よろしく』
そんなこんなでセシルの面白くない話を聞いていると
カチャ
カツ…カツ…カツ
おっ!誰か来たぞ。
セシルは横になりながら尻を掻いてる。
「はぁ~なんでこうなったんだ?まぁ出ようと思えばでられない事もないけど……」
薄暗く、けっして清潔とは言えない城の地下牢に大樹とセシルは入れられている。
どうしてこうなったかというと……
エスメラルダを助けに街外れの使われていない建物に大樹とセシルは潜入し、無事エスメラルダを助けたまでは良かった……
エスメラルダはすぐさまトイレに駆け込み、待っている間にミコから念話が入った。
『あるじさま、何やら大軍がこちらの建物に向かって来ているのが見えます』
ミコが見えたのは、王都から馬に乗った兵士達だ。砂煙を撒き散らし凄い勢いで迫って来た。
大樹は地図を使い確認すると白い点滅がこの建物に向かって進んでいるのがわかった。
『ミコ、敵ではないと思うが用心しといて』
もしかして、まだ敵の増援がくる予定だったのか?
しばらくするとエスメラルダが戻って来た。
「ダイキとセシル、助かったわありがとう。それにしてもあんた達中々やるわね」
「エスメラルダ様も無事でなによりです」
セシルはすかさずエスメラルダの手を取りキスをした。
うっなんてキザな奴なんだ……
「それより何者かの大軍がこの建物に向かって来てるみたいなんだ。もし敵の増援だとここは囲まれて逃げ道がなくなってしまうから早いとこ出た方がいい」
あの数に囲まれたら無傷では済まされない、ましてやエスメラルダとセシルを守りながら逃げ出すのは容易くはない。
大樹、セシル、エスメラルダは建物の地下から足早に外に出た。
「チッ、遅かったか……」
大樹達の目の前には光り輝く鎧に身を纏った兵士が規則正しく並んでいた。その中の隊長格の男が馬に跨り寄って来た。
「お前達は何者だ?我はアイテール騎士団隊長のマイワールだ!」
ワアォ、なんてタイミング……まさか王都の騎士だったとは思わなかったな。
多分エスメラルダを探していたんだろうな……
大樹はエスメラルダを見てまさかまだ知らせてなかったのかと溜息をついた。
「お前達はここで何をしていたんだ?何やら怪しい奴だな」
鋭い目つきで大樹を睨んだ。
まずい、おい、エスメラルダ早くなんとか言ってくれ!目で合図を送ったがエスメラルダはセシルの後ろに隠れてしまった。
え~~!それはないじゃん!なぜ隠れる必要があるのさ……
すると隊長のマイワールがセシルの後ろで下を向いているエスメラルダに気付いた。
「な、も…もしやそちらの女性はエスメラルダ様ではありませんか?」
マイワールは驚き、涙を浮かべている。
「エスメラルダ様、王が心配しております。私も夜も眠れぬ程心配しておりましたぞ!もしや、其奴らのせいで城に戻れなくなっていたとは……」
ん?なにやら雲行きが悪くなってきたっぽいぞ。
おいおいエスメラルダ、俺達が悪者になってしまうぞ。
「俺達は拐われたエスメラルダ様を救出しに……」
大樹が説明しているのにマイワールの耳には入っていない。
するとエスメラルダが助け船を出してくれたが、それももう遅かった。
「マイワール!私の話を……」
「よくも王女を誑かしてくれたな!おい、此奴らを城の牢にぶち込んどけ!エスメラルダ様を丁重に城にお連れしろ!」
「「は!」」
まじか!戦うか?いやダメだ、そんな事したらもっと悪い状況になっても困る。はぁ~仕方がない、おとなしく捕まっとくか……
「エスメラルダ様、後で憶えといて下さいよ!」
すると、建物の中から数名の騎士が戻って来た。
「マイワール隊長!建物の中に見知らぬ男達と、サタナエル様と護衛の騎士が倒れています。まだ息はありますので早急に治療を施さなくては!」
「な…な…なんて事を……サタナエル様にまで手を出すとは」
マイワールの頭には凄く血管が浮き出ていて、顔も赤く、激怒しているようだ。
「もう我慢ならん!此奴らをここで処刑する!」
マイワールは腰の剣を抜いた。
「隊長!まずは王にお知らせしなくてはなりません!それにサタナエル様とエスメラルダ様を城にお連れしなくてはなりません!」
それを聞いたマイワールは空を見上げ深呼吸し、落ち着きを取り戻した。
「すまね、まずは王にお知らせしなくてはいけないな。よし城に戻るぞ!」
「「は!」」
『ミコ、そっちは大丈夫かい?』
ミコにはメルに付いてもらっている。
『あるじさま、こちらは大丈夫ですが、あるじさまの方は大丈夫ですか?』
『まぁ大丈夫ちゃ~大丈夫かな。出ようと思えば出れない事もないんだけど、それしたらマズイからしないけど、エスメラルダ様がなんとかしてくれるのを願ってるよ』
あれから大分時間がたっているけどエスメラルダ様はちゃんと動いてくれているのだろうか?
『わかりました。何かありましたら知らせて下さい』
『わかった!メルの事よろしく』
そんなこんなでセシルの面白くない話を聞いていると
カチャ
カツ…カツ…カツ
おっ!誰か来たぞ。
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