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閑話(現代)
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「ママ!大丈夫?」
「う…ふぅ~ママの携帯取って」
あれから数ヶ月が経ち、由里子は臨月を迎え、今新しい命が産まれようとしている。
大樹がこの世を去り、愛する男を亡くした由里子は2人の愛の結晶の叶羽を育てる為、日々奮闘していた。
そして、新しい命が自分の中にある事を知り、心の中から歓喜が湧き上がっていた。
たしかに、1人で子供2人を育てるのは簡単ではないし、由里子の両親もこの世にはいない。誰にも頼る事が出来ない。そんな中で、由里子の決意は固い。
『私が2人をきちんと育てる!』
由里子はいつも不安になると、首から下げている大樹の形見の結婚指輪を握りしめる。すると不思議と不安は消えて、逆に勇気が湧いてくる。そしていつも前向きに考える事が出来ていた。
ピーポーピーポー
由里子は陣痛が来たので救急車を呼んで病院まで運んでもらっている。由里子の側には叶羽が心配そうに手を握っている。
「とっち、お兄ちゃんになるね」
由里子は優しく叶羽に微笑みかけた。
「うん!僕、お兄ちゃんになるの楽しみだよ!」
大樹の為、叶羽やお腹の子の為にも頑張って産まないといけないと、由里子は思う。
数分経ち運ばれた病院はなんの因果か大樹が運ばれ死んだ病院だった。
別に病院が大樹を殺した訳ではないが、あまりこの病院にはいい思い出がない。
「とっち、ごめんね。また1人で待ってもらうけど、もうお兄ちゃんだから大丈夫だよね?」
周りには看護師や患者や色々な人がいるから決して1人ではないが、知り合いがいないのは寂しく心細くなる。ましてやまだ幼い子供にとって大好きな父親が死んだ病院は複雑な思いがあるだろう。
「ママ、大丈夫だよ!ちょっとだけ寂しいけど頑張るね!だから早く帰って来てね」
本当は凄い寂しい気持ちを我慢して、由里子に心配させない様に叶羽は振る舞った。
そして由里子は新しい命を誕生させる為に、分娩室に向かった。
叶羽は1人になり心細くなったが、背負って来たリュックから宝物の絵本を出した。この絵本は神から貰ったこの世で1つだけの父親の冒険が見れる絵本『ダイキの大冒険』名前を1文字抜くとドラ○エの某漫画と被ってしまうが……まぁそれは置いといて、叶羽は暇さえあればいつもこの絵本を読んでいる。この絵本を読むと父親の大樹が側にいる様な感じがしていた。そして男の子だけあってこういう冒険物には胸が踊る。
「ふ~んパパ大変そうだなぁ~これからどうするんだろぉ?」
絵本を読みながら大樹の心配をしていたら後ろから叶羽の肩にポンポンと叩いてくる人がいる。叶羽は不意にビクッとして恐る恐る振り返って見た。
するとそこにはアロハシャツを着てグラサンを掛け、亀の甲羅は背負ってはいないね……そうこの絵本をくれた神がいた。
「久しぶりじゃな。元気だったかの?」
叶羽は一瞬誰だったけ?と首を傾げたが、すぐに思い出した。
「おじいちゃんこんにちは!この絵本ありがとうございました」お礼を言った。
神は胸の前で手を振り「なになに、構わんよ。してお前さんは1人でどうした?」
こんな事を聞いたが、本当は神だけあって何が起こっているかは知っていた。
神は大樹との約束で残された家族の事を頼まれていた。一応家族にも色々な恩恵を与えてはいた。普通ならそこで2度と会う事はしないのだが、神のミスで死なせてしまった家族という事で、どうしても気になってしまう。そんな頻繁ではないが、ちょいちょい様子を見ていた。
「僕、お兄ちゃんになるんだよ……」
叶羽は少し俯いたまま答えた。
「おぉ、それはめでたい!はて?お兄ちゃんになるのに元気がないのはどうしてじゃ?」
神は叶羽の思っている事もわかっていた。
「ママを取られると思っとるのか?」
「うん……だけどそれはしょうがないよ……だって赤ちゃんだし、赤ちゃんは1人で生きていけないでしょ?それはもういいんだ。僕はママが心配なんだ。ママたまに泣いているんだ……だけどすぐなおるけど……」
神は思った。なんて優しい心の持ち主なんだと。
「ふむ、たしかに女1人で2人を育てるのは容易ではないな……お前さんはパパが欲しいか?」
神の言葉を聞いた叶羽だが意味がわからなく首を傾げた。
「すまんすまん難しいか。ん~なんと言ったらいいのやら……新しいパパが来たら嬉しいか?」
大樹には悪いが、由里子には伴侶が必要なのかもな。まぁこれは近いうちに大樹に相談しに行くとするかの。
「新しいパパは……」といいかけたところで分娩室から赤ちゃんの産声が聞こえて来た。
「おぉ、生まれた様じゃな!お前さんはお兄ちゃんになったな。ちゃんと妹と母親を守るんじゃぞ!」
神は叶羽の頭を撫ぜた。
「なんで女の子ってわかるの?」
不思議そうにしていると
「藤木叶羽くん!赤ちゃん産まれましたよ!ママも元気だよ」
分娩室から助産師さんが呼んでいた。
叶羽は分娩室に向かい、入る前に先程いた場所を見ると神の姿はもうなかった。
分娩室に入ると由里子がベッドの上で汗だくで横になっていた。その横にはお包みに包まれた小さな命があった。
「とっち、女の子だからちゃんと守ってあげてね」
「うん!」
「名前も決めないとね」
「僕も考えるね!」
無事に由里子は新しい命を授かった。そして先程の神の言葉はどういう意味なのだろうか……
「う…ふぅ~ママの携帯取って」
あれから数ヶ月が経ち、由里子は臨月を迎え、今新しい命が産まれようとしている。
大樹がこの世を去り、愛する男を亡くした由里子は2人の愛の結晶の叶羽を育てる為、日々奮闘していた。
そして、新しい命が自分の中にある事を知り、心の中から歓喜が湧き上がっていた。
たしかに、1人で子供2人を育てるのは簡単ではないし、由里子の両親もこの世にはいない。誰にも頼る事が出来ない。そんな中で、由里子の決意は固い。
『私が2人をきちんと育てる!』
由里子はいつも不安になると、首から下げている大樹の形見の結婚指輪を握りしめる。すると不思議と不安は消えて、逆に勇気が湧いてくる。そしていつも前向きに考える事が出来ていた。
ピーポーピーポー
由里子は陣痛が来たので救急車を呼んで病院まで運んでもらっている。由里子の側には叶羽が心配そうに手を握っている。
「とっち、お兄ちゃんになるね」
由里子は優しく叶羽に微笑みかけた。
「うん!僕、お兄ちゃんになるの楽しみだよ!」
大樹の為、叶羽やお腹の子の為にも頑張って産まないといけないと、由里子は思う。
数分経ち運ばれた病院はなんの因果か大樹が運ばれ死んだ病院だった。
別に病院が大樹を殺した訳ではないが、あまりこの病院にはいい思い出がない。
「とっち、ごめんね。また1人で待ってもらうけど、もうお兄ちゃんだから大丈夫だよね?」
周りには看護師や患者や色々な人がいるから決して1人ではないが、知り合いがいないのは寂しく心細くなる。ましてやまだ幼い子供にとって大好きな父親が死んだ病院は複雑な思いがあるだろう。
「ママ、大丈夫だよ!ちょっとだけ寂しいけど頑張るね!だから早く帰って来てね」
本当は凄い寂しい気持ちを我慢して、由里子に心配させない様に叶羽は振る舞った。
そして由里子は新しい命を誕生させる為に、分娩室に向かった。
叶羽は1人になり心細くなったが、背負って来たリュックから宝物の絵本を出した。この絵本は神から貰ったこの世で1つだけの父親の冒険が見れる絵本『ダイキの大冒険』名前を1文字抜くとドラ○エの某漫画と被ってしまうが……まぁそれは置いといて、叶羽は暇さえあればいつもこの絵本を読んでいる。この絵本を読むと父親の大樹が側にいる様な感じがしていた。そして男の子だけあってこういう冒険物には胸が踊る。
「ふ~んパパ大変そうだなぁ~これからどうするんだろぉ?」
絵本を読みながら大樹の心配をしていたら後ろから叶羽の肩にポンポンと叩いてくる人がいる。叶羽は不意にビクッとして恐る恐る振り返って見た。
するとそこにはアロハシャツを着てグラサンを掛け、亀の甲羅は背負ってはいないね……そうこの絵本をくれた神がいた。
「久しぶりじゃな。元気だったかの?」
叶羽は一瞬誰だったけ?と首を傾げたが、すぐに思い出した。
「おじいちゃんこんにちは!この絵本ありがとうございました」お礼を言った。
神は胸の前で手を振り「なになに、構わんよ。してお前さんは1人でどうした?」
こんな事を聞いたが、本当は神だけあって何が起こっているかは知っていた。
神は大樹との約束で残された家族の事を頼まれていた。一応家族にも色々な恩恵を与えてはいた。普通ならそこで2度と会う事はしないのだが、神のミスで死なせてしまった家族という事で、どうしても気になってしまう。そんな頻繁ではないが、ちょいちょい様子を見ていた。
「僕、お兄ちゃんになるんだよ……」
叶羽は少し俯いたまま答えた。
「おぉ、それはめでたい!はて?お兄ちゃんになるのに元気がないのはどうしてじゃ?」
神は叶羽の思っている事もわかっていた。
「ママを取られると思っとるのか?」
「うん……だけどそれはしょうがないよ……だって赤ちゃんだし、赤ちゃんは1人で生きていけないでしょ?それはもういいんだ。僕はママが心配なんだ。ママたまに泣いているんだ……だけどすぐなおるけど……」
神は思った。なんて優しい心の持ち主なんだと。
「ふむ、たしかに女1人で2人を育てるのは容易ではないな……お前さんはパパが欲しいか?」
神の言葉を聞いた叶羽だが意味がわからなく首を傾げた。
「すまんすまん難しいか。ん~なんと言ったらいいのやら……新しいパパが来たら嬉しいか?」
大樹には悪いが、由里子には伴侶が必要なのかもな。まぁこれは近いうちに大樹に相談しに行くとするかの。
「新しいパパは……」といいかけたところで分娩室から赤ちゃんの産声が聞こえて来た。
「おぉ、生まれた様じゃな!お前さんはお兄ちゃんになったな。ちゃんと妹と母親を守るんじゃぞ!」
神は叶羽の頭を撫ぜた。
「なんで女の子ってわかるの?」
不思議そうにしていると
「藤木叶羽くん!赤ちゃん産まれましたよ!ママも元気だよ」
分娩室から助産師さんが呼んでいた。
叶羽は分娩室に向かい、入る前に先程いた場所を見ると神の姿はもうなかった。
分娩室に入ると由里子がベッドの上で汗だくで横になっていた。その横にはお包みに包まれた小さな命があった。
「とっち、女の子だからちゃんと守ってあげてね」
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「名前も決めないとね」
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無事に由里子は新しい命を授かった。そして先程の神の言葉はどういう意味なのだろうか……
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