交わる時が奏でる旋律

Sara

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第一章~シルナーレス王立魔法学院~

第三話 始まり

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「???」

ここはどこだろう。そして、なぜここにいるの?
今までの記憶が無い。とりあえずこの部屋から出よう。

次の瞬間、

《ガチャッ》

「あ、お目覚めになられたんですね」
 
茶髪に茶眼のその美少女は、マザー、いやシスターだろうか。
20代前後に見える。

「私の名前はマザー・アリサ」

マザーであった。こんなに若いのにマザーだとは。

「私の名前はセナです。私はなんでここに?」

「それは私が3日前の早朝、薬草を取りに行った時のことです。
川岸にあなたが倒れていて、私がこの教会までお運びしました。」

女性の腕力で私をここまで運ぶとは。
それにマザーなのに、薬学も心得ているのだろうか。

「ひとりで運んでくれたんですか?」

「ええ、セナさんはとても軽いんですね」

私は軽いのだろうか。このマザーが力持ちなだけのように思うが。
でも、そんな雰囲気を一切纏っていない華奢な女性であった。



私はそれからこの教会をお手伝いながら、
教会の奥の一室に住まわしてもらうことになった。

そんな生活がどれくらいたっただろう。3週間ぐらいだろうか。
今まで誰も来たこと無かった、この教会に剣士が訪れた。

《ドタドタドタドタドタ、ガチャンッ》

突然扉が開けられ、顔色がすごく悪い男の剣士が入ってきた。

「マザー、またあいつにやられた。呪いを解いてくれ!」

「まぁ!呪いもそうですが、傷だらけではありませんか!
セナ!お水とタオルを持ってきてちょうだい!」

「はいっ!」

私が水とタオルを持ってきて、マザーの所へ向かうと、
彼女は呪いを解いてる最中だった。

「きれいっ」

マザーの呪いを解く魔法はとても美ししかった。
金色の光の紐のようなものが男を纏い、
辺りに金色の粒が飛び交っていた。

「呪いは解けました。次は傷の手当てですね」

「傷の手当はいい、後で自分でやるさ」

「ダメです、またそんなこと言って。
後遺症なったらどうするんですか」

この話から考えるに、男とマザーは面識があるのだろう。
マザーは男の治療を始めた。



突然私の手のひらから光があふれた。

「セナ!その光はなんです?平気ですか?」

「わかりません!これはなんですか!?」

マザーは少し考えたように俯き、また私の方を見た。

「もしかして……セナ!その光を傷口に当てて下さい!」

私はよく分からないまま、男の体に近づけると……

男の体は光輝き、あっという間に怪我が完治した。



「うぉぉ、回復魔法なんて。見たのは初めてだ!」

「あなた、回復魔法が使えたのね?セナ」

「そうみたいです、、でも本当に知らなくて」

「別に何も責めてませんよ。
逆にあなたのお陰で怪我を治せたんですから。
でも、魔法が使えるとなると、学院に入れなければ……」

「俺から学院に話をつけてやろう。
何か事情があるんだろ?身元は適当に考えればいい」

「助かります、ガーチェス」

男の剣士の名はガーチェスと言うのか。
初めて今やっと名を知った。



私はそこで魔法の才能に気が付き、シルナーレス王立魔法学院に
通うことになった。
そこで私はある危機に直面することになる......
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