現実放棄し異世界へ

井出 遥玖

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第二章

二ー六

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「そういえば、どうして俺なんだ?」
 森へ向かう道中、俺はエルナに聞く。
「パーティーに誘った理由か?」
「ああ、俺よりも強い奴はいたはずだ。なんで俺だった?」
「少なくとも、ケイはどの武器を使っても、武器に使われていなかった。それと、団長とまともに戦って立っていられたのはケイが初めてだったはずだからな」
「それだけか?まだ隠している気がするぞ」
「勘がいいんだな。最後の理由は個人的な興味だな」
「興味?」
「オレはな今回の受験者を前もって調べてあったんだ。でも、お前を含めて何人かは受験日当日にいきなり来たんだ。中でもケイは一番おかしかったんだよな」
「どこがだよ」
  おかしいってなんだよおかしいって。
「だって、どう見てもそんな細身じゃ武器なんて扱ったことが無さそうなのに、あんなに戦えるし」
 あーそれな。
「街中でケイのことを聞いて回ったけど、誰に聞いてもどこから来たかわかんねーし、そもそも知らねーって奴ばっかりだし、で興味が湧いたんだ」
 んーどう誤魔化すかな?ほっとくと色々と面倒になりそうだしな。よし、こうしよう。
「俺は元々、別の場所で試験を受ける予定だったんだが、突然誰かに空間魔法をかけられて、あのギルドの近くに出たんだ。で、ここでも試験が受けられそうだったからここでもいいや、と思って受けたんだ」
 かなり適当だけどまーいいだろ。
「そんなことがあったのか…」
 次は俺のターンだな。
「エルナはどうして冒険者に?」
「死んだ両親が冒険者だったから」
「………なんかすまん。無神経なこと聞いて」
「いや、いいんだよ別に。正直全く気にしてないから」
 本当に気にしてないみたいだけど、やっぱ悪いな。
「あ、そうだ。ケイはどの属性のどんな魔法が使えるんだ?」
「俺は闇属性と無属性、隠蔽魔法とテレポートだ。エルナは?」
 俺は武器にも仕掛けがあるからな。こっちは念のため隠して置こう。深く聞かれる前にエルナに振る。
「オレは無属性だけだな。身体強化魔法を使えるぜ」
「身体強化か…てことは敵に突っ込んで行くタイプだな」
「そんな感じ」
「武器はやっぱりその片手剣か?」
「ああ、両手剣を買おうとしたんだけど無かったからな。コイツを両手で使ってるぜ」
 エルナの身長ならどっちも変わらないと思うぞ。なんてフォローしているのかディスってるのかよくわからないことは言わない。流石にそのぐらいは空気読めるし。
「俺はこのナイフだな。持ち方は基本的に逆手だけど」
 昨日少し振ってみたが使い方に応じて持ち方を変えた方がいいことがわかった。でも、逆手の方が少し使いやすかった気がした。だから普段は逆手。今更だけど、俺は常にフードを被っている。何故かわからないが落ち着くからな。
「ケイ、そろそろ森に着くぜ。準備はいいか?」
「おー」
 さて初陣だ無傷で帰ってきてやろうか。
 俺たちは森の中に入って行く。



 この時の俺たちはまさかが起こるなんて思いもしなかった。
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