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第六節 〜似非魔王と魔物、女王と兵隊〜
064 アラクネ“魔女っ娘”隊
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魔女っ娘。魔法モノって言ったらやっぱり登場ですよね。
様式美です。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
◇
「オイよお、テメーよー。シャレんなんねーよなぁ。どうすんだこれ」
ハナに襟首を掴まれ文字通おり釣り上げられています。その爪先立ちの僕の足元を体長五センチほどの蜘蛛がワンサカとあっちへ、こっちへと、
「パパー、パパー、楽しいよ。出てこれたよー。お役に立つよー」
と、嬉しそうに僕に話し掛け足に纏わりつき、そこら中を走り回っている。
小蜘蛛の大群などそれだけでちょっとゾットする感じだと思うけど、なんだか、可愛く感じてしまう僕は異常だろうか? そしてこの大群の一匹一匹の区別がつき、また一匹一匹と意思の疎通が出来てるっぽくて……。
「オイおめー、コイツラお前のこと、パパって呼んでるっぽいけど、ッてことは、ヤッた、けっかっってーーことかオー!」
僕はブンブンと首を横に振る。ヤッたヤッてないって、女の子がそんなお下品な。イタシテませんから。ただっちょっと。
「ダダちょっとってーなんだーおー、イテまうぞお、オー」
って、い、息が出来まへん。爪先が宙に浮いてます。それに飛びかかり遊ぶ子蜘蛛たち。やーパパ、パパったら。
なにげに重く、頸動脈に指、ゆびがぁ。
「もうお前たち、パパとお妃いさまとの大事なお話の邪魔をしてはダメでちゅよ」
と、ルル。またお前は誤解を生むような。そして強引に『でチュ』語尾まだ付けるか。
「チッ」と舌打ちひとつ。僕を壁際まで投げ捨て。
「ルル!」と厳威に。
途端にルルは僕の頭の上から飛び降り、子蜘蛛達と一緒にハナの前に平伏す。
「分を弁えなさい。
自らの主に恥じない行動を心掛けるように。私からはそれだけです」
「仰せのままに。変わらぬ忠誠を」
と、子蜘蛛たちはルルを残してスゥゥと、姿形が希薄になりやがて消えて居なくなる。
ああ、残念。ざんねん?
まあいい、子蜘蛛たちは姿を周りと同化させて視覚的に見えなくしているだけで、相変わらずそこにいる事が解る。でも、癒やされてたのにー。……えっ?
「気持ちは分かるわ、私にもパスは通じてるからちょっと可愛いと思っちゃう。でもね」
と、ハナが指し示す先には、子蜘蛛たちがワサワサ床を這いずり回るのを息を引きつかせた短い悲鳴を上げ、丸椅子の上に登りそこから動かなくなってたサチ。今も完全に膠着状態維持。
よほど“溜まりの深森”でのトラウマが忘れられないのだろう。あの恐怖体験から以降、蜘蛛単体ならそうでも無いのに、二匹以上を見るともう使い物にならない。大群で来られようものなら言わんがな。たしかにあの時は体中に無数の蜘蛛に集られ這いずり廻され糸でガッチガチに拘束された上で手足を引っこ抜かれそうになったたらね。そらそうなる。一人パスが通って無いし。
「サっちゃんのことはほっといて」ほっとくんかい。
「それはソレ、これはコレ、ちゃんと説明してもらいましょうか? ハム君」
モードは“ヤサグレ”から“悪役令嬢”へ、何時見ても実に怖い。
「お妃いさま、違うのでちゅ。悪いのは、悪いは私なのでちゅぅ。旦那様は」
「黙りなさいルル、私が聞いてるのはハム君です。……それにしても、ハム君のこと、旦那さまって呼んでるのね……」
「ちょ、ちょれは……」
呼ばれてねーし。ってかニヤニヤ笑いながら二人して“修羅場ごっこ”して遊ぶのは止めろ。実害はたぶん俺ひとりに降りかかる。判っててもドキドキして心臓に悪すぎ。
◇
“飛竜落とし”改め“投網”の装弾は当然花魁蜘蛛の糸で出来ている。数を揃える必要性からギルド内でも制作されているが、その殆どが外部に委託している。街中の殆どの工房で、今、急ピッチで最後の追い込みを掛けている。
“投網”の弾は軟式ボールそっくりの見た目から、打ち出されて一定の間隔を開けて大きく網状に広がり、カトンボを絡め取る。まあ、実際に空中で絡めば落とせるから“飛竜落とし”と勘違いされたのかもしれないな。上方への射程は短いから下手に打ち込むと自分の上に落ちてくるんだけどね。
とにかく、制作方法は魔晶石十園硬貨をひとつ中心核とし、そこから数人がかりで編み込みで四方へ広げていき、完成したら最後は折り紙の3D編みの要領で畳んでいき、ボール大に丸めて終了(中心核の魔晶石は射出され任意の時間経過で、網として一瞬で広がる為のエネルギー源としてる)。
それをアラクネの工人達は実に素早くあっと言う間に造り上げるのだが、それでも一つ一つを手作業で造る為、短い時間での大量生産とは行かない。それを簡易にする魔道具がギルドにはあり、それが今、眼の前にある。
八台中五台が不動状態でやっと全て修理完了。何とかアラクネのおネイさん達が起きて来るまでには間に合ったようだ。ここは“武器倉庫兼メンテナンスルーム”とは部屋が異なる、“花魁蜘蛛の糸”を原材料として実機を作製する工房だ。
目の前に在るのは、巨大3Dプリンターそのまま。
3Dプリンターってご存知でしょうか。材料を細いノズルから噴射し、積み上げた成層構造として形成する。イメージはソフトクリーム製造機。高原とかでお姉さんがその場で作って売っている濃厚なあれです。
それを細いノズルを並べて一層を一斉に創り上げるのがインクジェット方式。紙に印刷するのと同じ。超細かいパラパラ漫画のデーターを同じ場所に何層にも重ねていくイメージ。分かるかな?
とにかく、利点は“投網”の弾なら最初は編み込んで、とかの工程をふっ飛ばして、ボールの中で網が折り畳まれた状態を再現して積層として創り上げて行く事が出来る等の、超絶精密に特化し、且つチョッパヤで製造できるって(大量生産とは行かないけど)事。デメリットとしては消費魔力量が大きく、常に側にいて“蜘蛛”のお世話をしなくてはならない事だ。
一般的な3Dプリンターは当然ノズルから噴出する素材を溜めたタンクなりフェラレメントロールなりがどこかに設置されているものだが、異世界の3Dプリンターは素材供給部分に直接“蜘蛛”が乗っかっている。生で。三匹。見た目は機械上部のお風呂に蜘蛛が肩まで浸かって寛いでいる感じ。実にシュール(お尻は射出ノズルのチューブに繋がっている。それもシュール)。
蜘蛛は常に糸を吐き続けている為に魔力消費が激しく、魔晶石を常に与えて行かなければならないし、定期的に個体の交代も必要だ。その際にチューブの抜き差しを嫌がる子も居て、なかなか大変。3Dプリンターの管理(特に温度管理)と本体機の動力燃料として魔晶石硬貨を使用しているが、燃費がバカ悪くて残量管理等、それが複数機となると結構重労働となる。
それに製造は“投網”の弾だけではなく(委託製造で間に合わない分)、メインは前ギルド長が残した改造の為の部材と僕が考えた魔改造の部品や新魔道具。
初物の印刷は不具合が必ず出るはマスト、試行錯誤が必至だ(どんなに精査したデーターでも実機に掛けると最初は必ず失敗作になるのは元世界でも常識。机上と現実の間には理不尽なギャップが常に存在する)。それらを熟すのは“表象印契”の練度ではなく、体力とフットワーク。
何より、最初に機械へ精査された魔法陣を読み込ませれば後は難しい事を必要とせず生産が半自動化出来る。あとはひたすら体力、体力、体力と、気力。
「おっッハヨー‼ 今日も元気だよー、マイマスターたんはー⁉」
と、元気ハツラツ娘系。
「朝から騒がしい、黙れ」
クール系。
「…………」
不思議ちゃん系。
「マスター、責任とって下さい」
お色気ムンムンお前ほんとに最年少か? 系。
先頭から十七、十七、十六、十四のアラクネ“魔女っ娘”隊、俺命名。
キャラが定番過ぎて逆に萌える。が丁度入ってきて名々順に僕に挨拶してくれる。これが体力とフットワークの答え。
「ベテランさん達四人は納得してくれたの?」
「大丈夫、ギルド長さんが必死で説得してた。イヤイヤっぽいけどオバチャンたちは鎧の罅埋めしてるー。でもあの鎧ってゴテゴテしてて、なんかイケてないよね。それに罅埋めって超地味で嫌っぽかも」
「そ、そうなんだ(オバチャンて、大ベテランの超先輩に向かって。鎧に関しては同意)」
元々オバチャンたち、もといベテラン四人組さんには鎧の修復をお願いしている。本当は鎧は打っ棄って置くつもりだったけど、委員長系ギル長に泣いて頼まれた。ギルドの『象徴』なんだってさ。あとでちょっと改造して(面倒くさい)強度を高めて、それでも実働部隊には着せない、着用は指揮官のみってことにした。それと説得も。
“飛竜落し”も含め、各“尊遺物”の補修罅埋めに使うパテは蜘蛛の糸から生成した接着剤を使用する。【表象印契】のスキル取得過程でその技能も同時に得られるのだが、その錬成にはやはりこれまで培ってきたギルドの修理工としてのキャリアがモノを言い、品質に格段の差が出てしまう。
加えて修理工としての手作業でも他の追従を許さず、ベテランさん達四人組一択なのだ。決して、決ッして貞操の危機とかめんどくせーとか、助かった! とか、やっぱり一緒は若い子のほうがええでしょうゲヘヘとかの煩悩は、ない。
まあ、此処で生成した“モノ”たちの組立や縫製、最終調整はガッツリベテランさん達四人組中心でお願いするんだけど……。それはそれで憂鬱。
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
毎日更新しています。
様式美です。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
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◇
「オイよお、テメーよー。シャレんなんねーよなぁ。どうすんだこれ」
ハナに襟首を掴まれ文字通おり釣り上げられています。その爪先立ちの僕の足元を体長五センチほどの蜘蛛がワンサカとあっちへ、こっちへと、
「パパー、パパー、楽しいよ。出てこれたよー。お役に立つよー」
と、嬉しそうに僕に話し掛け足に纏わりつき、そこら中を走り回っている。
小蜘蛛の大群などそれだけでちょっとゾットする感じだと思うけど、なんだか、可愛く感じてしまう僕は異常だろうか? そしてこの大群の一匹一匹の区別がつき、また一匹一匹と意思の疎通が出来てるっぽくて……。
「オイおめー、コイツラお前のこと、パパって呼んでるっぽいけど、ッてことは、ヤッた、けっかっってーーことかオー!」
僕はブンブンと首を横に振る。ヤッたヤッてないって、女の子がそんなお下品な。イタシテませんから。ただっちょっと。
「ダダちょっとってーなんだーおー、イテまうぞお、オー」
って、い、息が出来まへん。爪先が宙に浮いてます。それに飛びかかり遊ぶ子蜘蛛たち。やーパパ、パパったら。
なにげに重く、頸動脈に指、ゆびがぁ。
「もうお前たち、パパとお妃いさまとの大事なお話の邪魔をしてはダメでちゅよ」
と、ルル。またお前は誤解を生むような。そして強引に『でチュ』語尾まだ付けるか。
「チッ」と舌打ちひとつ。僕を壁際まで投げ捨て。
「ルル!」と厳威に。
途端にルルは僕の頭の上から飛び降り、子蜘蛛達と一緒にハナの前に平伏す。
「分を弁えなさい。
自らの主に恥じない行動を心掛けるように。私からはそれだけです」
「仰せのままに。変わらぬ忠誠を」
と、子蜘蛛たちはルルを残してスゥゥと、姿形が希薄になりやがて消えて居なくなる。
ああ、残念。ざんねん?
まあいい、子蜘蛛たちは姿を周りと同化させて視覚的に見えなくしているだけで、相変わらずそこにいる事が解る。でも、癒やされてたのにー。……えっ?
「気持ちは分かるわ、私にもパスは通じてるからちょっと可愛いと思っちゃう。でもね」
と、ハナが指し示す先には、子蜘蛛たちがワサワサ床を這いずり回るのを息を引きつかせた短い悲鳴を上げ、丸椅子の上に登りそこから動かなくなってたサチ。今も完全に膠着状態維持。
よほど“溜まりの深森”でのトラウマが忘れられないのだろう。あの恐怖体験から以降、蜘蛛単体ならそうでも無いのに、二匹以上を見るともう使い物にならない。大群で来られようものなら言わんがな。たしかにあの時は体中に無数の蜘蛛に集られ這いずり廻され糸でガッチガチに拘束された上で手足を引っこ抜かれそうになったたらね。そらそうなる。一人パスが通って無いし。
「サっちゃんのことはほっといて」ほっとくんかい。
「それはソレ、これはコレ、ちゃんと説明してもらいましょうか? ハム君」
モードは“ヤサグレ”から“悪役令嬢”へ、何時見ても実に怖い。
「お妃いさま、違うのでちゅ。悪いのは、悪いは私なのでちゅぅ。旦那様は」
「黙りなさいルル、私が聞いてるのはハム君です。……それにしても、ハム君のこと、旦那さまって呼んでるのね……」
「ちょ、ちょれは……」
呼ばれてねーし。ってかニヤニヤ笑いながら二人して“修羅場ごっこ”して遊ぶのは止めろ。実害はたぶん俺ひとりに降りかかる。判っててもドキドキして心臓に悪すぎ。
◇
“飛竜落とし”改め“投網”の装弾は当然花魁蜘蛛の糸で出来ている。数を揃える必要性からギルド内でも制作されているが、その殆どが外部に委託している。街中の殆どの工房で、今、急ピッチで最後の追い込みを掛けている。
“投網”の弾は軟式ボールそっくりの見た目から、打ち出されて一定の間隔を開けて大きく網状に広がり、カトンボを絡め取る。まあ、実際に空中で絡めば落とせるから“飛竜落とし”と勘違いされたのかもしれないな。上方への射程は短いから下手に打ち込むと自分の上に落ちてくるんだけどね。
とにかく、制作方法は魔晶石十園硬貨をひとつ中心核とし、そこから数人がかりで編み込みで四方へ広げていき、完成したら最後は折り紙の3D編みの要領で畳んでいき、ボール大に丸めて終了(中心核の魔晶石は射出され任意の時間経過で、網として一瞬で広がる為のエネルギー源としてる)。
それをアラクネの工人達は実に素早くあっと言う間に造り上げるのだが、それでも一つ一つを手作業で造る為、短い時間での大量生産とは行かない。それを簡易にする魔道具がギルドにはあり、それが今、眼の前にある。
八台中五台が不動状態でやっと全て修理完了。何とかアラクネのおネイさん達が起きて来るまでには間に合ったようだ。ここは“武器倉庫兼メンテナンスルーム”とは部屋が異なる、“花魁蜘蛛の糸”を原材料として実機を作製する工房だ。
目の前に在るのは、巨大3Dプリンターそのまま。
3Dプリンターってご存知でしょうか。材料を細いノズルから噴射し、積み上げた成層構造として形成する。イメージはソフトクリーム製造機。高原とかでお姉さんがその場で作って売っている濃厚なあれです。
それを細いノズルを並べて一層を一斉に創り上げるのがインクジェット方式。紙に印刷するのと同じ。超細かいパラパラ漫画のデーターを同じ場所に何層にも重ねていくイメージ。分かるかな?
とにかく、利点は“投網”の弾なら最初は編み込んで、とかの工程をふっ飛ばして、ボールの中で網が折り畳まれた状態を再現して積層として創り上げて行く事が出来る等の、超絶精密に特化し、且つチョッパヤで製造できるって(大量生産とは行かないけど)事。デメリットとしては消費魔力量が大きく、常に側にいて“蜘蛛”のお世話をしなくてはならない事だ。
一般的な3Dプリンターは当然ノズルから噴出する素材を溜めたタンクなりフェラレメントロールなりがどこかに設置されているものだが、異世界の3Dプリンターは素材供給部分に直接“蜘蛛”が乗っかっている。生で。三匹。見た目は機械上部のお風呂に蜘蛛が肩まで浸かって寛いでいる感じ。実にシュール(お尻は射出ノズルのチューブに繋がっている。それもシュール)。
蜘蛛は常に糸を吐き続けている為に魔力消費が激しく、魔晶石を常に与えて行かなければならないし、定期的に個体の交代も必要だ。その際にチューブの抜き差しを嫌がる子も居て、なかなか大変。3Dプリンターの管理(特に温度管理)と本体機の動力燃料として魔晶石硬貨を使用しているが、燃費がバカ悪くて残量管理等、それが複数機となると結構重労働となる。
それに製造は“投網”の弾だけではなく(委託製造で間に合わない分)、メインは前ギルド長が残した改造の為の部材と僕が考えた魔改造の部品や新魔道具。
初物の印刷は不具合が必ず出るはマスト、試行錯誤が必至だ(どんなに精査したデーターでも実機に掛けると最初は必ず失敗作になるのは元世界でも常識。机上と現実の間には理不尽なギャップが常に存在する)。それらを熟すのは“表象印契”の練度ではなく、体力とフットワーク。
何より、最初に機械へ精査された魔法陣を読み込ませれば後は難しい事を必要とせず生産が半自動化出来る。あとはひたすら体力、体力、体力と、気力。
「おっッハヨー‼ 今日も元気だよー、マイマスターたんはー⁉」
と、元気ハツラツ娘系。
「朝から騒がしい、黙れ」
クール系。
「…………」
不思議ちゃん系。
「マスター、責任とって下さい」
お色気ムンムンお前ほんとに最年少か? 系。
先頭から十七、十七、十六、十四のアラクネ“魔女っ娘”隊、俺命名。
キャラが定番過ぎて逆に萌える。が丁度入ってきて名々順に僕に挨拶してくれる。これが体力とフットワークの答え。
「ベテランさん達四人は納得してくれたの?」
「大丈夫、ギルド長さんが必死で説得してた。イヤイヤっぽいけどオバチャンたちは鎧の罅埋めしてるー。でもあの鎧ってゴテゴテしてて、なんかイケてないよね。それに罅埋めって超地味で嫌っぽかも」
「そ、そうなんだ(オバチャンて、大ベテランの超先輩に向かって。鎧に関しては同意)」
元々オバチャンたち、もといベテラン四人組さんには鎧の修復をお願いしている。本当は鎧は打っ棄って置くつもりだったけど、委員長系ギル長に泣いて頼まれた。ギルドの『象徴』なんだってさ。あとでちょっと改造して(面倒くさい)強度を高めて、それでも実働部隊には着せない、着用は指揮官のみってことにした。それと説得も。
“飛竜落し”も含め、各“尊遺物”の補修罅埋めに使うパテは蜘蛛の糸から生成した接着剤を使用する。【表象印契】のスキル取得過程でその技能も同時に得られるのだが、その錬成にはやはりこれまで培ってきたギルドの修理工としてのキャリアがモノを言い、品質に格段の差が出てしまう。
加えて修理工としての手作業でも他の追従を許さず、ベテランさん達四人組一択なのだ。決して、決ッして貞操の危機とかめんどくせーとか、助かった! とか、やっぱり一緒は若い子のほうがええでしょうゲヘヘとかの煩悩は、ない。
まあ、此処で生成した“モノ”たちの組立や縫製、最終調整はガッツリベテランさん達四人組中心でお願いするんだけど……。それはそれで憂鬱。
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お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
毎日更新しています。
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