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第七節 〜遷(うつり)・初茜(はつあかね)〜
090 残酷な愚挙 2
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89 90 91は『“櫓”下の救急集中治療室』でのバケモノと戦わない人々のもう一つの戦いの、“ひと綴りの物語”です。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
―――――――――
これからだ。
僕の治癒魔法はポーションとは少し違う。ポーションはあくまでもナノマシーンを媒介とした細胞の修復増殖で、流石に欠損や大きな損傷には対応できない。不得意も多い。
僕の施す治癒は僕独自の魔理力体による細胞の強制再生だ。新たな細胞分裂の増殖もさせるが、基本は壊れた細胞の再利用だ。当然限界はあり、パスが通っていない他人の欠損は無理なのだが、彼女の内蔵損傷においては、ギリ範囲内だと思う。広範囲で限りなく欠損に近いのは百も承知だが。気合で。
やはり生気を失った人体は別領域扱いなのかコントロールがやたら難しい。十キロの重りを腕に括り付けて針に糸を通す行為を何百本と続けているような。
データーの読み込みは慎重を要する。通常であるなら一瞬でデーターのロード検索が可能なのだが、今回ばかりはコードを一々見比べながらのアナログな照合となる。ひとつでも間違えば失敗は尚の事、最悪はどんな亜人モドキを生み出してしまうか。まだ意識的な魔改造のほうが楽かもしれない。
始めからプログラムを含めたコードを好きなように書く的な。キメラじゃないんだから。
遅い、遅々として進まない。イライラする。一か八かの大量魔力素粒子一気流しで安直な奇跡を狙いたくなる。急がなければならない。脳が本当の意味で死ぬ前に。
誰かが僕の額の汗を拭いてくれる。
そんな事で、ちょっとだけ落ち着ける。落ち着け俺、慎重に慎重に。
今は全損した心臓を含めた内臓全体を平均的に復活させようとしている。集中的に。その他の部位、特に放って措かれている潰れた右腕の毛細血管の末端で、僅かな壊死が始まっている感覚がある。流石に壊死した細胞を復活させることは出来ない。でもこの程度なら無事な細胞を分裂させて補える。欠損認定まがいだ。
手足の末端でなら未だまだこのぐらいはと楽観できるが、これが脳組織では話しが違ってくる。この程度でも致命傷に成りうる。では先に脳組織細胞の壊死分を細胞分裂させ補おうかと思ったが、脳には記憶であるとかの、生体リソース以外の情報系リソースが大量に含まれている。
それをコードとして扱うとなると膨大すぎて手一杯になり、その他がおざなりになる。そのまま他が何も出来なくなり、“お終い”もあり得る。
結局今は内臓に集中せざる得ない。なら心臓だけ先に直し、血液の循環ポンプだけを復活させれば。……それはダメだと理由もなく止める俺がいる。なんとなくだが、上手くいきそうな期待を持ったところで奈落へ一直線な多臓器不全を引き起こし、ここが壊れたから治す、治した傍からこっちが壊れた、また治すのループに落ちいる気がしてならない。
血管内の流動と生体電流が完全に抜け落ちていない損傷直後ならそれもアリであっただろうが、今では遅すぎる。たぶんそれが一番蘇生確率が高かっただろうに。いや、確実に延命は可能だった。
何故“AED”を使わなかった。何故に子蜘蛛は死んだ。それが一番に悔やまれる。
遅い、遅々として進まない。イライラする。何分経った? 心臓が止まってから何分経っている。
「呼吸が止まって何分経った?」
「……シヅキを運んできた男はもういません。逃げたと思われます」
……そうか、歯は治してやっても良かったが、残念なことしたな、俺が。治してまた改めて折ってやりたかったのに。それを十回は繰り返したかったな。盾使い兵站班の班長のように。
ああそうだ「盾使い組に多めに治癒ポーションを渡しておいてくれ。大量に使ったみたいだから」アラクネに指示をだす。
もう先に進めよう。右腕は潰れたままだし内蔵も八十五%程度の復旧に留まっているが、先に心臓を動かしても多臓器不全を引き起こさない程度には進んでいる。完全には程遠いが、それを待っていたら本当に手遅れとなりそうだ。
手探りの感覚だが、本当にギリギリ。時間の余裕はない。一時でも蘇生さえ出来れば、その他の治癒は一瞬だ。
かつての豊かな胸はいまだ形が崩れ、ただの青白い脂肪の塊にしか見えない。まだだ。今、温かい血を通わせてやる。
タクティカルベストから抜き取っておいた“魔的除細動器”のプレートをシヅキの胸の中央に置く。電気式は二極であったが魔的式は便利な一極式だ。
流す魔力量を蜘蛛にシーケンスとして設定記憶させてある。量を間違えると心臓が爆発し兼ねない。
「右腰一番」
蜘蛛の個体名を明示する。ワイヤーアクション用の蜘蛛で常に僕に貼りついている子で、透明擬態化を解き僕の身体を登ってシヅキの胸のプレート上で鎮座する。
僕は廻りに離れるように指示し、自分も一歩下がる。背中が誰かに当たる。集中していて気が付かなかったが、アラクネの女達全員が僕とシヅキが横たわる診察台を身を乗り出し見守っていた。仕事しろよ。と声にしようとしたが、最長老のアイナさんが目を瞑り合掌しているのを見て言葉を止める。
「危ないから下がって」実行コマンドを呟く「AED作動」
言葉を発したとほぼ同時にシヅキの身体が一度だけ震える。極僅かに。
手を翳し確かめる。動いていない。脈拍を感じない。
大丈夫だ。こんなシーンなんてテレビのドラマで何編も見ている。あれ、これってフラグか? だいたいの結末って。いいや、ここはXさんか黒男さんで。
「右腰一番、十五パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程より僅かに。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、三十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程よりはやや激しく。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、五十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程よりは目で確認できる程に。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、六十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ小さく跳ねた。本当に跳ねた。少し肉を焼く匂いがした。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
僕は次のAED作動のコマンドを口にするのを戸惑う。六十パーセントでも明らかに過剰だった。心臓を含めた内蔵の復旧率も七十五%に落ちた。
「戦争なんだから、誰かは死ぬよ」
僕らを囲んだアラクネの誰かの呟きが静まり返った部屋に小さく漂い、すべての人の耳に染み込む。
「……そうだね、みんな、早いか遅いかの差かね」
アイナさんは何も言わない。笑い飛ばしてくれない。マスターが何とかしてくれるさ。とも言ってくれない。
これで終わりなんだろうか。終わりなんだろうな。僕も皆も良くやった。僕だって最初からこの“遷”で誰も死なないなんて考えていない。誰かが、少なくない誰かが死ぬだろうなって思っていた。
いいじゃないか。みんなその覚悟を持って此処にいる。彼女に何があって死んでしまったのか解らないけど、文句はないはずだ。
……死んでしま、た?
彼女の顔を見る。やっぱり別人だなと、まるで知らない人のようだと思う。もう彼女はいないのだなと、実感させられる。
そうだ、シヅキは死んだんだ。
僕は腰裏の剣鉈ナイフを抜くと、超過の荷重が掛かる斥力の短い刃を佩わせ、シヅキの胸の中線に沿って押し当てる。熱く熱したナイフがバターに吸い込まれるように。肉が透明な斥力の刃によって左右に綺麗に分かれていく。静かに。そっと。そしてそのまま肋骨まで断ち斬る。
「あんた! 何やってんだい!!」
「気に食わない」
気に食わない。そう、僕はムカついている。許さない。肉を斬ったのに血は流れない。心臓が止まっているから。おかしいじゃないか。もうシヅキは死んでいるから。誰が言った。
「止めなよ、シヅキは死んだんだ、それは死者への冒涜だよ。神様も許してはくださらないよ!」
「神様には会ったことがない」
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
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これからだ。
僕の治癒魔法はポーションとは少し違う。ポーションはあくまでもナノマシーンを媒介とした細胞の修復増殖で、流石に欠損や大きな損傷には対応できない。不得意も多い。
僕の施す治癒は僕独自の魔理力体による細胞の強制再生だ。新たな細胞分裂の増殖もさせるが、基本は壊れた細胞の再利用だ。当然限界はあり、パスが通っていない他人の欠損は無理なのだが、彼女の内蔵損傷においては、ギリ範囲内だと思う。広範囲で限りなく欠損に近いのは百も承知だが。気合で。
やはり生気を失った人体は別領域扱いなのかコントロールがやたら難しい。十キロの重りを腕に括り付けて針に糸を通す行為を何百本と続けているような。
データーの読み込みは慎重を要する。通常であるなら一瞬でデーターのロード検索が可能なのだが、今回ばかりはコードを一々見比べながらのアナログな照合となる。ひとつでも間違えば失敗は尚の事、最悪はどんな亜人モドキを生み出してしまうか。まだ意識的な魔改造のほうが楽かもしれない。
始めからプログラムを含めたコードを好きなように書く的な。キメラじゃないんだから。
遅い、遅々として進まない。イライラする。一か八かの大量魔力素粒子一気流しで安直な奇跡を狙いたくなる。急がなければならない。脳が本当の意味で死ぬ前に。
誰かが僕の額の汗を拭いてくれる。
そんな事で、ちょっとだけ落ち着ける。落ち着け俺、慎重に慎重に。
今は全損した心臓を含めた内臓全体を平均的に復活させようとしている。集中的に。その他の部位、特に放って措かれている潰れた右腕の毛細血管の末端で、僅かな壊死が始まっている感覚がある。流石に壊死した細胞を復活させることは出来ない。でもこの程度なら無事な細胞を分裂させて補える。欠損認定まがいだ。
手足の末端でなら未だまだこのぐらいはと楽観できるが、これが脳組織では話しが違ってくる。この程度でも致命傷に成りうる。では先に脳組織細胞の壊死分を細胞分裂させ補おうかと思ったが、脳には記憶であるとかの、生体リソース以外の情報系リソースが大量に含まれている。
それをコードとして扱うとなると膨大すぎて手一杯になり、その他がおざなりになる。そのまま他が何も出来なくなり、“お終い”もあり得る。
結局今は内臓に集中せざる得ない。なら心臓だけ先に直し、血液の循環ポンプだけを復活させれば。……それはダメだと理由もなく止める俺がいる。なんとなくだが、上手くいきそうな期待を持ったところで奈落へ一直線な多臓器不全を引き起こし、ここが壊れたから治す、治した傍からこっちが壊れた、また治すのループに落ちいる気がしてならない。
血管内の流動と生体電流が完全に抜け落ちていない損傷直後ならそれもアリであっただろうが、今では遅すぎる。たぶんそれが一番蘇生確率が高かっただろうに。いや、確実に延命は可能だった。
何故“AED”を使わなかった。何故に子蜘蛛は死んだ。それが一番に悔やまれる。
遅い、遅々として進まない。イライラする。何分経った? 心臓が止まってから何分経っている。
「呼吸が止まって何分経った?」
「……シヅキを運んできた男はもういません。逃げたと思われます」
……そうか、歯は治してやっても良かったが、残念なことしたな、俺が。治してまた改めて折ってやりたかったのに。それを十回は繰り返したかったな。盾使い兵站班の班長のように。
ああそうだ「盾使い組に多めに治癒ポーションを渡しておいてくれ。大量に使ったみたいだから」アラクネに指示をだす。
もう先に進めよう。右腕は潰れたままだし内蔵も八十五%程度の復旧に留まっているが、先に心臓を動かしても多臓器不全を引き起こさない程度には進んでいる。完全には程遠いが、それを待っていたら本当に手遅れとなりそうだ。
手探りの感覚だが、本当にギリギリ。時間の余裕はない。一時でも蘇生さえ出来れば、その他の治癒は一瞬だ。
かつての豊かな胸はいまだ形が崩れ、ただの青白い脂肪の塊にしか見えない。まだだ。今、温かい血を通わせてやる。
タクティカルベストから抜き取っておいた“魔的除細動器”のプレートをシヅキの胸の中央に置く。電気式は二極であったが魔的式は便利な一極式だ。
流す魔力量を蜘蛛にシーケンスとして設定記憶させてある。量を間違えると心臓が爆発し兼ねない。
「右腰一番」
蜘蛛の個体名を明示する。ワイヤーアクション用の蜘蛛で常に僕に貼りついている子で、透明擬態化を解き僕の身体を登ってシヅキの胸のプレート上で鎮座する。
僕は廻りに離れるように指示し、自分も一歩下がる。背中が誰かに当たる。集中していて気が付かなかったが、アラクネの女達全員が僕とシヅキが横たわる診察台を身を乗り出し見守っていた。仕事しろよ。と声にしようとしたが、最長老のアイナさんが目を瞑り合掌しているのを見て言葉を止める。
「危ないから下がって」実行コマンドを呟く「AED作動」
言葉を発したとほぼ同時にシヅキの身体が一度だけ震える。極僅かに。
手を翳し確かめる。動いていない。脈拍を感じない。
大丈夫だ。こんなシーンなんてテレビのドラマで何編も見ている。あれ、これってフラグか? だいたいの結末って。いいや、ここはXさんか黒男さんで。
「右腰一番、十五パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程より僅かに。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、三十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程よりはやや激しく。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、五十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ震える。先程よりは目で確認できる程に。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
「右腰一番、六十パーセント増。AED再作動」
言葉を発したとほぼ同時に身体が一度だけ小さく跳ねた。本当に跳ねた。少し肉を焼く匂いがした。
手を翳し確かめる。やはり動いていない。脈拍を感じない。
僕は次のAED作動のコマンドを口にするのを戸惑う。六十パーセントでも明らかに過剰だった。心臓を含めた内蔵の復旧率も七十五%に落ちた。
「戦争なんだから、誰かは死ぬよ」
僕らを囲んだアラクネの誰かの呟きが静まり返った部屋に小さく漂い、すべての人の耳に染み込む。
「……そうだね、みんな、早いか遅いかの差かね」
アイナさんは何も言わない。笑い飛ばしてくれない。マスターが何とかしてくれるさ。とも言ってくれない。
これで終わりなんだろうか。終わりなんだろうな。僕も皆も良くやった。僕だって最初からこの“遷”で誰も死なないなんて考えていない。誰かが、少なくない誰かが死ぬだろうなって思っていた。
いいじゃないか。みんなその覚悟を持って此処にいる。彼女に何があって死んでしまったのか解らないけど、文句はないはずだ。
……死んでしま、た?
彼女の顔を見る。やっぱり別人だなと、まるで知らない人のようだと思う。もう彼女はいないのだなと、実感させられる。
そうだ、シヅキは死んだんだ。
僕は腰裏の剣鉈ナイフを抜くと、超過の荷重が掛かる斥力の短い刃を佩わせ、シヅキの胸の中線に沿って押し当てる。熱く熱したナイフがバターに吸い込まれるように。肉が透明な斥力の刃によって左右に綺麗に分かれていく。静かに。そっと。そしてそのまま肋骨まで断ち斬る。
「あんた! 何やってんだい!!」
「気に食わない」
気に食わない。そう、僕はムカついている。許さない。肉を斬ったのに血は流れない。心臓が止まっているから。おかしいじゃないか。もうシヅキは死んでいるから。誰が言った。
「止めなよ、シヅキは死んだんだ、それは死者への冒涜だよ。神様も許してはくださらないよ!」
「神様には会ったことがない」
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
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