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第七節 〜遷(うつり)・初茜(はつあかね)〜
089 残酷な愚挙 1
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89 90 91は『“櫓”下の救急集中治療室』でのバケモノと戦わない人々のもう一つの戦いの、“ひと綴りの物語”です。
《その1》
ご笑覧いただければ幸いです。
―――――――――
最初の混乱を擁壁上でなんとか収め、あとはハナたちに任せて僕は今、“櫓”下の救急集中治療室の片隅の、硬い木の椅子に座り、周りで立ち働くアラクネのお姉サマたちを眺めている。
擁壁際に蹴り出された魔晶石の回収。地下の工房から運び込んだポーション各種や“投網”の弾など諸々補給品を盾使い組、槍使い組それぞれの兵站班に手渡す作業。その他等々、狛鼠のごとく動き回り、酷く忙しそうだ。
先程、初の救急集中治療室での治療者を送り出した。
満足のいく良い滑り出しだ。
最初の患者は狂乱状態の原因を作った槍使いだったらしいが、狂乱状態発症の本体に傷を負わされた訳ではなく、続けて宛がわれた二匹目に呆気なくヤられたらしい。
失敗をトラウマにしない為とかの理由で続けて戦わせる指導法を司令部の赤鬼ゲートと黒服の副官サチは採用している。嘘、絶賛人手不足の為に治ったら問答無用で即復帰なんだけどね。超ブラック。訴訟相手は責任者のゲートとサチですのでお間違えなく。
上腕部と大腿部の傷は見た目が大きく痛々しくはあったが、その場での携帯装備の治癒ポーションで充分治癒可能だった。
それが何故ここに運び込まれたかだが、一本では微妙に足らず、追加を飲ませなかった。治癒の途中で理力が働いていたところを無理に動かして結合を妨げた。だから治療方法はいたって簡単。
治りかけの傷口を無理やり引き裂き、傷を最初の位置まで広げ(口を塞いでおかなくて大変だった。うるさくて。次は猿轡を噛ませよう)、ポーションをドバドバ掛け、口径でも一本。プラス体力増強を一本。五分程度の休息。ハイOKおしまい。アラクネのお姉サマたちが全て行いました。
彼女たちのお仕事は後方支援の雑作業のだけではなく、衛生兵をやってもらっている。ちょっと粋は出てるっぽいけど。ちょっとではないか。だいぶ。ナイチンゲールではないな、絶対。
凄いんだよ。傷を広げる時なんて無造作に指を突っ込んでの力業だった。ベリベリって音してた。手際はいいんだけど手荒且つスプラッタ。優しさはあるけど動作に伴っていない。
彼女たちには本当に頭が上がらない(委員長系ギル長の頭だけど)。彼女たちがいなければこの戦線は直ぐにでも崩壊するだろう。
全てが終わったら、得意分野に割り振って貰って、そこでの上級職員になるんだろうから(権力任せのセクハラは勘弁してね)お給料もアップするし、待遇もぐっと改善されるだろうからたぶん。よろしくお願いします。
僕が行ったのはこのまま帰らせてもトラウマがキツすぎて使い物にならなそうなのでそこの改善。まあ精神的な物はまるっきり解らなかったので、脳内麻薬ドーパミンに加えて、セロトニン、ノルアドレナリン、エンドルフィンもドバドバ溢れ出す魔法をかけてあげた。
委員長系ギル長のルナマジックをコピーしてアレンジしたものだ。
アブナイ薬物は一切使用してないよ。健全なド天然生体精製物だし超安心。大脳皮質のアーカイブに在った『脳内麻薬を増やすための七つの生活方法』から特にお手軽な妄想系エチエチ路線超特大“魔”改造バージョンで一滴も残さず絞り出す感じで脳内いっぱいにして注入してあげた。
最初の鳥頭ヤンキーに使った時は用量を間違えたっぽいけど、何事も失敗は成功のもとって言うし。
マダちょっとヘンな笑い方をしていたのが気になるけど、気にしたら負けだと思うな。今は元気で仕事に勤しんでいるそうだからオーケーだろう。人に迷惑掛ける系の性癖発症は勘弁ね。
そんな訳で僕は基本、手を出さずに口だけ出す最低上司みたいな真似をしている訳なんだけど、実際に最低上司ではあるようなんだけど、ようは僕が居ないと何も出来ないんじゃ不味いから。
最初の負傷者には裂傷の他に頚椎のムチ打ちと肋骨骨折があった。棒立ちのフルボッコ状態で脳天から行ったらしい。戦闘帽と耐衝撃吸収防護上着が無ければそれだけではすまなかったろう。思った以上の働きをしてくれて素直に良かったと思った。苦労した甲斐があった。実際の人体への影響試験は出来なかったから一抹の不安があったが……。ほら、成功は成功のもとって言うじゃんか。
最初の患者様は大変結構なサンプルだった。訓練中にあそこまで酷い怪我は早々なかったし、これで傷の大きさやパターンでポ-ションの使用する本数や治癒に掛かる時間も大体わかっただろ。
装備品についても同様。
情報はすぐさま兵站班によって兵全員に共有されるだろうし、彼が直ぐに前線に復帰すれば皆の不安も少しは軽減するだろう。よしよし。
あれ? それとも鬼畜扱いされそう?
……実戦実験とかイロイロと倫理観的にはどうかなとは思うけど、時間もなかったし、異世界では当たりまえっぽいし、承諾書も貰ってるし、噓だけど。訴訟は委員長系ギル長でお願いします。
……そろそろ次の患者が運び込まれてくるのかな。もうちょっとキツめの。たぶん。
さっき、部屋の片隅の木の椅子に座り此後の改善点を検討していた時、子蜘蛛の一匹の意思通信が突然途切れた。この感じは死んだことを意味した。
その子蜘蛛を預けていたのは……、嫌だなあ。
扉が勢い良く開けられた。前歯が全部欠け、フガフガ唸っている男が背負っているのは盾兵站班で一番優秀な女子の遺体だった。だからあんまり兵隊の名前を覚えるのは嫌だったんだ。僕は立ち上がり。
「彼女をベットの上へ、丁寧に」
まさか本人ももう死んでいるとは思わなかった。嫌だなチキショウ。
ブーツを投げつけてきた時の、頬を膨らませ怒りながら笑っていた顔が頭を過る。
廻りのアラクネの動きが止まり、誰かが呟いた「シヅキ」
そうだ。アラクネだったな。
最長老のアイナさんの叱責が飛ぶ。
「シヅキをベットの上に移すよ。まだマスターは諦めてないよ。そうだよねマイマスターさんよ」
僕はアイナさんの問に答えなかった。代わりに彼女を運んで来た、歯は欠けているが、それ以外は美丈夫なイケメンに質問する。彼に歯欠け以外の損傷は見当たらない。ただ手足の衣服に集中的に穴が空き、血でぐっしょり濡れていた。
「呼吸が止まってから何分経った?」
テッパチをそっと外す。頭、首、顔に損傷はない。吐血の跡があるだけ。脳みそは無事か? 右肩から先の腕が潰れている。治癒した形跡はない。
血の匂いに混じって治癒ポーションのミントの匂いが僅かにする。摂取はさせているのか。即死か? 最悪だ。
死んだ人の顔を見る度に思う。別人だなと。まるで知らない人のようだと。もういないのだなと、実感させられる。
「……フガフガ」
「何があった?」
タクティカル・ベストには許容量オーバーな高い圧の掛かった形跡が伺えた。その為に“AED”の魔法陣が壊れたのかと思ったが、本体に支障はなさそうだった。作動もされていないが。子蜘蛛が収められていた腰のポーチには目立った損傷はない。
「……フガフガ」
「状況を説明しろ」
ベストと上着をパージすると、かつて豊かだった胸は見る陰もなく、胸部自体が大きく陥没していた。最悪だ。
「呼吸が止まって何分経った?」
僕はシヅキの胸に両手を当て、DNAを読み取ろうとした。ダメだ。ウンともスンとも言わない。全身に血液が廻っていないからか、生体電流が全身を覆っていないからか。壊れて電源の入らないコンピューターを前にしているようだ。お手上げ。DNAが解らなければ何も出来ない。ここでお終いか。まだ始まってもいないのに。
ふと、片付けようとアラクネが手にしたパージされたタクティカル・ベストが目に入った。「それを」強引に奪う。そこには無傷の“AED”の魔法陣章が、彼女のDNA情報が記憶されている。読み取る。よし、まだ進める。
彼女のDNA情報を元に探っていく。自分の魔力素粒子を細く2ナノの糸にして伸ばす。よし、紐状DNAにたどり着いた。更に一分の六十億に分解させ塩素一つ一つにアクセスし、データーを同期させる。それを全身につつがなく浸透させる。全身に魔量子体による生体電流の代わりのネットワークを築く。これからだ。
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
《その1》
ご笑覧いただければ幸いです。
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最初の混乱を擁壁上でなんとか収め、あとはハナたちに任せて僕は今、“櫓”下の救急集中治療室の片隅の、硬い木の椅子に座り、周りで立ち働くアラクネのお姉サマたちを眺めている。
擁壁際に蹴り出された魔晶石の回収。地下の工房から運び込んだポーション各種や“投網”の弾など諸々補給品を盾使い組、槍使い組それぞれの兵站班に手渡す作業。その他等々、狛鼠のごとく動き回り、酷く忙しそうだ。
先程、初の救急集中治療室での治療者を送り出した。
満足のいく良い滑り出しだ。
最初の患者は狂乱状態の原因を作った槍使いだったらしいが、狂乱状態発症の本体に傷を負わされた訳ではなく、続けて宛がわれた二匹目に呆気なくヤられたらしい。
失敗をトラウマにしない為とかの理由で続けて戦わせる指導法を司令部の赤鬼ゲートと黒服の副官サチは採用している。嘘、絶賛人手不足の為に治ったら問答無用で即復帰なんだけどね。超ブラック。訴訟相手は責任者のゲートとサチですのでお間違えなく。
上腕部と大腿部の傷は見た目が大きく痛々しくはあったが、その場での携帯装備の治癒ポーションで充分治癒可能だった。
それが何故ここに運び込まれたかだが、一本では微妙に足らず、追加を飲ませなかった。治癒の途中で理力が働いていたところを無理に動かして結合を妨げた。だから治療方法はいたって簡単。
治りかけの傷口を無理やり引き裂き、傷を最初の位置まで広げ(口を塞いでおかなくて大変だった。うるさくて。次は猿轡を噛ませよう)、ポーションをドバドバ掛け、口径でも一本。プラス体力増強を一本。五分程度の休息。ハイOKおしまい。アラクネのお姉サマたちが全て行いました。
彼女たちのお仕事は後方支援の雑作業のだけではなく、衛生兵をやってもらっている。ちょっと粋は出てるっぽいけど。ちょっとではないか。だいぶ。ナイチンゲールではないな、絶対。
凄いんだよ。傷を広げる時なんて無造作に指を突っ込んでの力業だった。ベリベリって音してた。手際はいいんだけど手荒且つスプラッタ。優しさはあるけど動作に伴っていない。
彼女たちには本当に頭が上がらない(委員長系ギル長の頭だけど)。彼女たちがいなければこの戦線は直ぐにでも崩壊するだろう。
全てが終わったら、得意分野に割り振って貰って、そこでの上級職員になるんだろうから(権力任せのセクハラは勘弁してね)お給料もアップするし、待遇もぐっと改善されるだろうからたぶん。よろしくお願いします。
僕が行ったのはこのまま帰らせてもトラウマがキツすぎて使い物にならなそうなのでそこの改善。まあ精神的な物はまるっきり解らなかったので、脳内麻薬ドーパミンに加えて、セロトニン、ノルアドレナリン、エンドルフィンもドバドバ溢れ出す魔法をかけてあげた。
委員長系ギル長のルナマジックをコピーしてアレンジしたものだ。
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最初の鳥頭ヤンキーに使った時は用量を間違えたっぽいけど、何事も失敗は成功のもとって言うし。
マダちょっとヘンな笑い方をしていたのが気になるけど、気にしたら負けだと思うな。今は元気で仕事に勤しんでいるそうだからオーケーだろう。人に迷惑掛ける系の性癖発症は勘弁ね。
そんな訳で僕は基本、手を出さずに口だけ出す最低上司みたいな真似をしている訳なんだけど、実際に最低上司ではあるようなんだけど、ようは僕が居ないと何も出来ないんじゃ不味いから。
最初の負傷者には裂傷の他に頚椎のムチ打ちと肋骨骨折があった。棒立ちのフルボッコ状態で脳天から行ったらしい。戦闘帽と耐衝撃吸収防護上着が無ければそれだけではすまなかったろう。思った以上の働きをしてくれて素直に良かったと思った。苦労した甲斐があった。実際の人体への影響試験は出来なかったから一抹の不安があったが……。ほら、成功は成功のもとって言うじゃんか。
最初の患者様は大変結構なサンプルだった。訓練中にあそこまで酷い怪我は早々なかったし、これで傷の大きさやパターンでポ-ションの使用する本数や治癒に掛かる時間も大体わかっただろ。
装備品についても同様。
情報はすぐさま兵站班によって兵全員に共有されるだろうし、彼が直ぐに前線に復帰すれば皆の不安も少しは軽減するだろう。よしよし。
あれ? それとも鬼畜扱いされそう?
……実戦実験とかイロイロと倫理観的にはどうかなとは思うけど、時間もなかったし、異世界では当たりまえっぽいし、承諾書も貰ってるし、噓だけど。訴訟は委員長系ギル長でお願いします。
……そろそろ次の患者が運び込まれてくるのかな。もうちょっとキツめの。たぶん。
さっき、部屋の片隅の木の椅子に座り此後の改善点を検討していた時、子蜘蛛の一匹の意思通信が突然途切れた。この感じは死んだことを意味した。
その子蜘蛛を預けていたのは……、嫌だなあ。
扉が勢い良く開けられた。前歯が全部欠け、フガフガ唸っている男が背負っているのは盾兵站班で一番優秀な女子の遺体だった。だからあんまり兵隊の名前を覚えるのは嫌だったんだ。僕は立ち上がり。
「彼女をベットの上へ、丁寧に」
まさか本人ももう死んでいるとは思わなかった。嫌だなチキショウ。
ブーツを投げつけてきた時の、頬を膨らませ怒りながら笑っていた顔が頭を過る。
廻りのアラクネの動きが止まり、誰かが呟いた「シヅキ」
そうだ。アラクネだったな。
最長老のアイナさんの叱責が飛ぶ。
「シヅキをベットの上に移すよ。まだマスターは諦めてないよ。そうだよねマイマスターさんよ」
僕はアイナさんの問に答えなかった。代わりに彼女を運んで来た、歯は欠けているが、それ以外は美丈夫なイケメンに質問する。彼に歯欠け以外の損傷は見当たらない。ただ手足の衣服に集中的に穴が空き、血でぐっしょり濡れていた。
「呼吸が止まってから何分経った?」
テッパチをそっと外す。頭、首、顔に損傷はない。吐血の跡があるだけ。脳みそは無事か? 右肩から先の腕が潰れている。治癒した形跡はない。
血の匂いに混じって治癒ポーションのミントの匂いが僅かにする。摂取はさせているのか。即死か? 最悪だ。
死んだ人の顔を見る度に思う。別人だなと。まるで知らない人のようだと。もういないのだなと、実感させられる。
「……フガフガ」
「何があった?」
タクティカル・ベストには許容量オーバーな高い圧の掛かった形跡が伺えた。その為に“AED”の魔法陣が壊れたのかと思ったが、本体に支障はなさそうだった。作動もされていないが。子蜘蛛が収められていた腰のポーチには目立った損傷はない。
「……フガフガ」
「状況を説明しろ」
ベストと上着をパージすると、かつて豊かだった胸は見る陰もなく、胸部自体が大きく陥没していた。最悪だ。
「呼吸が止まって何分経った?」
僕はシヅキの胸に両手を当て、DNAを読み取ろうとした。ダメだ。ウンともスンとも言わない。全身に血液が廻っていないからか、生体電流が全身を覆っていないからか。壊れて電源の入らないコンピューターを前にしているようだ。お手上げ。DNAが解らなければ何も出来ない。ここでお終いか。まだ始まってもいないのに。
ふと、片付けようとアラクネが手にしたパージされたタクティカル・ベストが目に入った。「それを」強引に奪う。そこには無傷の“AED”の魔法陣章が、彼女のDNA情報が記憶されている。読み取る。よし、まだ進める。
彼女のDNA情報を元に探っていく。自分の魔力素粒子を細く2ナノの糸にして伸ばす。よし、紐状DNAにたどり着いた。更に一分の六十億に分解させ塩素一つ一つにアクセスし、データーを同期させる。それを全身につつがなく浸透させる。全身に魔量子体による生体電流の代わりのネットワークを築く。これからだ。
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