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第九節 〜遷(うつり)・彼是(あれこれ)〜
109 クソエロガッパの出来損ない 1
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109 110 111 112 は“ひと綴りの物語”です。
クソエロガッパは必死こいて戦っています。
《その1》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
◆ (『主人公の視点に戻ります)
「あら、どうしましょ。コンプリートどころか初級もド初級のズンドコ素人じゃないの。これはビックリ。クリビツ通り越してオッタマゲね。
ねえ、ねえ、オッタマゲって漢字で書くと押っ魂消なのよ。知ってた? ねえ、ねえ?
って、話戻すけど。どう言うことかしら?
“万有間構成力制御魔技法”はショボイまでも使えてるって事はやっぱりコウ・シリーズで間違いないようだけど、冗談で言った出来損ない確定ってことでオケ? でもそんなのいるのかしら?
これが俗に言う「現実を直視させられる」って事かしら、厳しいわ。
あれ、なにかアニメでこんな場面に相応しい名言があったような……。あ、先に言わないでね……もうやんなっちゃう、あとちょっとで出てきそうで出てこない。て、状況って凄くイライラしちゃうって思わない。ねえ、って、あら、我慢できないかも。なので、テメーがクソのろまの所為だろーが‼」
変なポイントで突然キレれた女男爵の姿がブレたと思った瞬間に消え、次に急速に迫る鋭い爪先が僕の眼前いっぱいに映る。腕のガードも間に合わない。
靭性金剛石の盾を出現。途端にコンクリートの圧縮強度実験で見られるような、超重圧による内部崩壊爆発を起こし無数の破片となり飛び散る。破られても瞬時に二重三重とかけ直す。その度に盾は破られ爪先に押し込まれあと数センチ。最後に粘性大の盾を出すも難なく突破され顔の真ん中にメリ込む。
首から先が持っていかれるように吹っ飛び、ハナが縫い付けられた椅子の足元まで約二十メートルを転がる。
執務机の傍らに先程と変わらぬ姿勢で凭れ掛かり、掻いてもいない額の汗を拭う真似で一息つくような仕草を見せる女男爵。ふう、って。
「あら、何で私ったら怒っていたのかしら。そして何で君は死んでるの? 死んでいいって私言ったかしら? ちょっと困るのよね、コウイチ君からは生きたまま連れてこいって言われてたんだけど。あっ、でも出来損ないならいいのかな? わかんない。あーイライラする。イライラするのよクソチ◯コが!」
僕に向けられた似非バズーカ砲の射出口の暗い穴が発砲炎に包まれる。
何とか状態を起こし、片膝立ちの姿勢で靭性金剛石の盾を現出させる。硬質な耳奥を引き千切る甲高い衝撃音と一点に集約された重すぎる圧力に盾を持っていかれそうになる。
真正面から受ければ破られると瞬時に判断して圧力を逃がす角度に調整、ガラスを引っ掻くような擦過音と盛大な花火を伴い徹甲弾は盾の表面を削り逸れていく。
背後の壁に当たり盛大に爆散。後ろにいるハナは? 大丈夫そうだ。でも顔を伏せピクリとも動かない。
「あら、やれば出来るじゃない。でもやっぱり力不足? これはどういう事? なら続けて行っちゃおーなのだ。試練なのだ~」
何が“なのだ”だ! さっきから言葉、若干古くないか? 歳か? 昭和か? 少しは身体を労れバ◯ー、腰に来るぞ。
「なんか悪口言われてる気がするぉー! 潰すざんす」
発砲炎から白熱し発光した弾丸が飛び出し、輝く帯が何筋も高速で迫る。その一つ一つを“去なし”で弾く。終わりのない豪雨のように何時果てるともなく続く砲弾の嵐。甲高い擦過音と花火が散りいちいち腕が軋み、次弾への対応が遅れそうだ。一度でも遅れたらそこで終わる。僕も、背後のハナも。
流れ弾が右に左に上に下に弾かれ背後の壁や床に当たり派手な爆散とともに穴を開けていく。直接砲撃を食い止めても飛散瓦礫が四方に飛び、それだけでハナを傷つけ続ける。
動けない。今動けば背後のハナが。それでも。
微動だにせず、無言でただ飛散瓦礫の雨に無防備に晒されるハナ。腕や腿に打撲や切り傷を作り続け、頭は“テッパチ”に守られているものの、衝撃の際のくぐもった音が僕を怯えさせる。
致命傷ではないが、決して軽くはない。
飛散瓦礫が突然に止む。砲撃が終わった訳じゃない。ハナの背後の壁が崩壊し、砲弾の光が闇夜に幾重もの流星となり消えていく。床も傾きハナも座る椅子も傾き揺れるが彼女はやっぱり反応しない。
それでも、砲撃は止まらない。動けない。耐えるしか無い。
止まれよいい加減! バスーカは本来は単発なはずだぞ、造形も含めいい加減過ぎるだろ。モデラーの人と軍事オタクに謝れ。
「関係ないおー。まほうだぉー」
◇
たぶん僕は一度死んだんじゃないだろうか。死んでないにしろ、それに近いことが起きたのは確か。女男爵の爪先が顔面を陥没させ、脊髄がビヨーンて伸びてポキって音がした時に。それで逝った。ハズ。
つかさず機能を取り戻したばかりの似非様が意識体を擬似脳に移し保護すると“危険時緊急自動保全機能”を発動させ、強制的に身体治癒と迎撃を行っていた。”たぶん”とか“ハズ”って言うのはそういう訳。最後の粘性大の盾を出していなければ僕の顔は爆散して昇天確定していただろうが。
気がついたのは自動で盾を操り、“去なし”で徹甲弾を弾き始めて少し経った頃だった。因みに意識が戻る前の方が動きは速いし正確だった事は勿論、初弾を盾で防ぎ切る事も僕では無理だった、らしい。似非の説明によると。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
そりゃそうですよ。いくら大幅に機能を絞られた自動機能モードでもビビってガクブルしてる奴と比べられたくは有りません。屁ですよあんなの。いつでも代わってあげますよ。
と結論 ∮〉
真面目に、僕なら初回の爪先での“蹴り”の二の舞いだったろう。何回も“死に生き返り”を繰り返していたかもしれない。回数制限ってあるのかな?
似非さんは怒っているようだ。ビビってガクブルしてる奴ってのは勿論僕のことだ。
似非はこの部屋に入った途端に侵食をされ機能を強制凍結されたそうだ。それが僕が蹴られ女男爵との距離が離れたことにより何故か復活を果たし、死にかけの僕の代わりを行ったらしい。救ってくれたと言い換えることも出来る。業腹ではあるが。
この横長な部屋には魔力を減退させる機能が床や天井壁の至る所に組み込まれており、出力が一番強い、女男爵が今も凭れ掛かっている執務机を要とした領域が構築されているらしい。ハナが座らされている椅子も縫い付けられた杭もその次いで強い高次魔導具だった。だからハナとのパス路が途切れ、治癒が出来なかった。
その魔導具は魔力を阻害するのではなく、腐食に近いらしい。侵食し腐らせ、喰らう。全てが喰われれば全てを失う。魔力も肉体も永遠に。
感情的になって考えなしの蹴りで僕を吹き飛ばしたりするから、魔力減退効果大の領域から結果抜け出せた。でも未だに僕の1m定限は無効にされたままで、魔法攻撃の猛攻を受け続けている。なら自分の攻撃も一メートル越える事が出来るかも知れないと思ったが、それは無理らしい。だからあのバズーカは“尊遺物”かも知れないと、僕専用、対魔王特殊兵器なのだそうだ。なんだそれ。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
違いますよ。それがそもそもおかしいのです。だからチキンは。
と結論 ∮〉
何が? どの部分が違うの? そんなことよりここから脱出する方法を考えてくれ、このままじゃジリ貧だ。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
其処ですよ。そもそもが“尊遺物”だろうがなかろうが、この程度の減退魔法如きをレジスト出来ない公彦が不甲斐ないのです。
いいですか、あなたの魔力はこの世界の全ての魔力と拮抗する程の容量と力を秘めているんですよ。世界と同等の圧で膠着している境界が、一メートルです。その世界の圧力にちょっと強い魔力が加わった程度で、突破されるはずがないのです。
日和ってますよね。ビビってガクブルですよね。だから無意識に力をセーブしている。そんなに魔王になるのが怖いですか。
下の階で矢を投擲していましたが、全て外れていましたよね。あれ、態とですよね。無意識だろうが事実です。当たれば確実に死んでますからね。萎えますな、ホントに。
今、後ろで死にそうな貴方の“御たる誰か”が現在の状態に陥ったのも全て貴方の所為です。公彦がチョロチョロと爺サマのショウベンのようなチビッた魔力しか渡していなかったから。可哀想に。
だいたい力負けするはずがないんですよ、あんな試作品シリーズの唯の小間使いに。
ちなみに“溜まりの深森”での彼女の苦労も、強いて言うならば神経を侵されてしまったのも貴方が出し惜しみした事が原因です。本来ならもっと楽に抜けられた。
と結論 ∮〉
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
クソエロガッパは必死こいて戦っています。
《その1》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
◆ (『主人公の視点に戻ります)
「あら、どうしましょ。コンプリートどころか初級もド初級のズンドコ素人じゃないの。これはビックリ。クリビツ通り越してオッタマゲね。
ねえ、ねえ、オッタマゲって漢字で書くと押っ魂消なのよ。知ってた? ねえ、ねえ?
って、話戻すけど。どう言うことかしら?
“万有間構成力制御魔技法”はショボイまでも使えてるって事はやっぱりコウ・シリーズで間違いないようだけど、冗談で言った出来損ない確定ってことでオケ? でもそんなのいるのかしら?
これが俗に言う「現実を直視させられる」って事かしら、厳しいわ。
あれ、なにかアニメでこんな場面に相応しい名言があったような……。あ、先に言わないでね……もうやんなっちゃう、あとちょっとで出てきそうで出てこない。て、状況って凄くイライラしちゃうって思わない。ねえ、って、あら、我慢できないかも。なので、テメーがクソのろまの所為だろーが‼」
変なポイントで突然キレれた女男爵の姿がブレたと思った瞬間に消え、次に急速に迫る鋭い爪先が僕の眼前いっぱいに映る。腕のガードも間に合わない。
靭性金剛石の盾を出現。途端にコンクリートの圧縮強度実験で見られるような、超重圧による内部崩壊爆発を起こし無数の破片となり飛び散る。破られても瞬時に二重三重とかけ直す。その度に盾は破られ爪先に押し込まれあと数センチ。最後に粘性大の盾を出すも難なく突破され顔の真ん中にメリ込む。
首から先が持っていかれるように吹っ飛び、ハナが縫い付けられた椅子の足元まで約二十メートルを転がる。
執務机の傍らに先程と変わらぬ姿勢で凭れ掛かり、掻いてもいない額の汗を拭う真似で一息つくような仕草を見せる女男爵。ふう、って。
「あら、何で私ったら怒っていたのかしら。そして何で君は死んでるの? 死んでいいって私言ったかしら? ちょっと困るのよね、コウイチ君からは生きたまま連れてこいって言われてたんだけど。あっ、でも出来損ないならいいのかな? わかんない。あーイライラする。イライラするのよクソチ◯コが!」
僕に向けられた似非バズーカ砲の射出口の暗い穴が発砲炎に包まれる。
何とか状態を起こし、片膝立ちの姿勢で靭性金剛石の盾を現出させる。硬質な耳奥を引き千切る甲高い衝撃音と一点に集約された重すぎる圧力に盾を持っていかれそうになる。
真正面から受ければ破られると瞬時に判断して圧力を逃がす角度に調整、ガラスを引っ掻くような擦過音と盛大な花火を伴い徹甲弾は盾の表面を削り逸れていく。
背後の壁に当たり盛大に爆散。後ろにいるハナは? 大丈夫そうだ。でも顔を伏せピクリとも動かない。
「あら、やれば出来るじゃない。でもやっぱり力不足? これはどういう事? なら続けて行っちゃおーなのだ。試練なのだ~」
何が“なのだ”だ! さっきから言葉、若干古くないか? 歳か? 昭和か? 少しは身体を労れバ◯ー、腰に来るぞ。
「なんか悪口言われてる気がするぉー! 潰すざんす」
発砲炎から白熱し発光した弾丸が飛び出し、輝く帯が何筋も高速で迫る。その一つ一つを“去なし”で弾く。終わりのない豪雨のように何時果てるともなく続く砲弾の嵐。甲高い擦過音と花火が散りいちいち腕が軋み、次弾への対応が遅れそうだ。一度でも遅れたらそこで終わる。僕も、背後のハナも。
流れ弾が右に左に上に下に弾かれ背後の壁や床に当たり派手な爆散とともに穴を開けていく。直接砲撃を食い止めても飛散瓦礫が四方に飛び、それだけでハナを傷つけ続ける。
動けない。今動けば背後のハナが。それでも。
微動だにせず、無言でただ飛散瓦礫の雨に無防備に晒されるハナ。腕や腿に打撲や切り傷を作り続け、頭は“テッパチ”に守られているものの、衝撃の際のくぐもった音が僕を怯えさせる。
致命傷ではないが、決して軽くはない。
飛散瓦礫が突然に止む。砲撃が終わった訳じゃない。ハナの背後の壁が崩壊し、砲弾の光が闇夜に幾重もの流星となり消えていく。床も傾きハナも座る椅子も傾き揺れるが彼女はやっぱり反応しない。
それでも、砲撃は止まらない。動けない。耐えるしか無い。
止まれよいい加減! バスーカは本来は単発なはずだぞ、造形も含めいい加減過ぎるだろ。モデラーの人と軍事オタクに謝れ。
「関係ないおー。まほうだぉー」
◇
たぶん僕は一度死んだんじゃないだろうか。死んでないにしろ、それに近いことが起きたのは確か。女男爵の爪先が顔面を陥没させ、脊髄がビヨーンて伸びてポキって音がした時に。それで逝った。ハズ。
つかさず機能を取り戻したばかりの似非様が意識体を擬似脳に移し保護すると“危険時緊急自動保全機能”を発動させ、強制的に身体治癒と迎撃を行っていた。”たぶん”とか“ハズ”って言うのはそういう訳。最後の粘性大の盾を出していなければ僕の顔は爆散して昇天確定していただろうが。
気がついたのは自動で盾を操り、“去なし”で徹甲弾を弾き始めて少し経った頃だった。因みに意識が戻る前の方が動きは速いし正確だった事は勿論、初弾を盾で防ぎ切る事も僕では無理だった、らしい。似非の説明によると。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
そりゃそうですよ。いくら大幅に機能を絞られた自動機能モードでもビビってガクブルしてる奴と比べられたくは有りません。屁ですよあんなの。いつでも代わってあげますよ。
と結論 ∮〉
真面目に、僕なら初回の爪先での“蹴り”の二の舞いだったろう。何回も“死に生き返り”を繰り返していたかもしれない。回数制限ってあるのかな?
似非さんは怒っているようだ。ビビってガクブルしてる奴ってのは勿論僕のことだ。
似非はこの部屋に入った途端に侵食をされ機能を強制凍結されたそうだ。それが僕が蹴られ女男爵との距離が離れたことにより何故か復活を果たし、死にかけの僕の代わりを行ったらしい。救ってくれたと言い換えることも出来る。業腹ではあるが。
この横長な部屋には魔力を減退させる機能が床や天井壁の至る所に組み込まれており、出力が一番強い、女男爵が今も凭れ掛かっている執務机を要とした領域が構築されているらしい。ハナが座らされている椅子も縫い付けられた杭もその次いで強い高次魔導具だった。だからハナとのパス路が途切れ、治癒が出来なかった。
その魔導具は魔力を阻害するのではなく、腐食に近いらしい。侵食し腐らせ、喰らう。全てが喰われれば全てを失う。魔力も肉体も永遠に。
感情的になって考えなしの蹴りで僕を吹き飛ばしたりするから、魔力減退効果大の領域から結果抜け出せた。でも未だに僕の1m定限は無効にされたままで、魔法攻撃の猛攻を受け続けている。なら自分の攻撃も一メートル越える事が出来るかも知れないと思ったが、それは無理らしい。だからあのバズーカは“尊遺物”かも知れないと、僕専用、対魔王特殊兵器なのだそうだ。なんだそれ。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
違いますよ。それがそもそもおかしいのです。だからチキンは。
と結論 ∮〉
何が? どの部分が違うの? そんなことよりここから脱出する方法を考えてくれ、このままじゃジリ貧だ。
〈∮ 検索及び検証考察結果を報告。
其処ですよ。そもそもが“尊遺物”だろうがなかろうが、この程度の減退魔法如きをレジスト出来ない公彦が不甲斐ないのです。
いいですか、あなたの魔力はこの世界の全ての魔力と拮抗する程の容量と力を秘めているんですよ。世界と同等の圧で膠着している境界が、一メートルです。その世界の圧力にちょっと強い魔力が加わった程度で、突破されるはずがないのです。
日和ってますよね。ビビってガクブルですよね。だから無意識に力をセーブしている。そんなに魔王になるのが怖いですか。
下の階で矢を投擲していましたが、全て外れていましたよね。あれ、態とですよね。無意識だろうが事実です。当たれば確実に死んでますからね。萎えますな、ホントに。
今、後ろで死にそうな貴方の“御たる誰か”が現在の状態に陥ったのも全て貴方の所為です。公彦がチョロチョロと爺サマのショウベンのようなチビッた魔力しか渡していなかったから。可哀想に。
だいたい力負けするはずがないんですよ、あんな試作品シリーズの唯の小間使いに。
ちなみに“溜まりの深森”での彼女の苦労も、強いて言うならば神経を侵されてしまったのも貴方が出し惜しみした事が原因です。本来ならもっと楽に抜けられた。
と結論 ∮〉
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お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
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