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第十節 〜十字路(クロスロード)〜
125 僕たちは再び“溜まりの深森”に分け入る 2
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124 127 126 127 128は“ひと綴りの物語”です。
“遷”二日目から次の冒険に出発するまでのお話し。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
名前を聞いた時だけ寂しそうに首を振る。
それならと名前を付けてあげようと僕が名乗りを上げると途端に皆から反対された。僕にはネーミングのセンスが皆無らしい。ハナだけには言われたくない。ハナのネーミングは其処は彼とない底意地の悪さを感じる。『サチ』とか。サチとか、さち?
命名はサチが行った。『ノエリ』と、なんとも締まらない名前だが皆は良い名前だと褒めた。ノエリがちょっと嬉しそうに微笑んでいた。まあ、本人が喜んでいるならいいや。
(最初はハナが強引に『海苔《ノリ》』に決め打ちしようとして皆に窘められていた。あのサチまでが反対しハナは暫不貞腐れていた。
結局サチが命名することに決まったが、主の意向も無視できないサチは間に“リ”を入れたっていう経緯があった。それでもナンダカナーって感じ。
でもなんでノリ? 海の幸は海苔《ノリ》らしい。
ハナのネーミングにはやはり其処は彼とない底意地の悪さと、やっぱりセンスの皆無さを感じずにはいられない)
命名の瞬間、ノエリはサチとパス路が繋がったみたいだ。僕の魔力素粒子が一旦サチに流れ、此方の世界に適合した魔力に変換され優しく渡されていくのが僕の側からもわかった。
僕は恒星型核融合炉を持つ魔女魔人としかパス路を構成出来ないから丁度良かったのかも知れない。核融合炉の燃料にしかならない僕の魔力よりよっぽど使い勝手がいいらしい。治癒もより効果が上がったみたいだ。思ったよりも早く完治しそうだ。
ノエリがサチを感謝の眼差しで見つめ、ハナがサチの頭をイイコイイコして撫でる。サチも嬉しそうだ。あのね、それも一応僕の魔力素粒子なんだけど。わかってる?
ああ、そうですか。空気を読めと。スイヤセン。
なんか僕の行う仕事って地味過ぎて成果が正当に評価されていないように感じる。僻でしょうか。
高架軌道の高い壁を見上げる。左手に“溜まりの深森”の外周部が迫っている。その間を辿って僕らは南へと進む。
稀に出る魔物は先程合流したシヅキとジンクがサクッと倒してくれる。まあ、“溜まり”も浅いし、出てくる魔物もたかが知れている。だから何でそんなに皆ジンクを褒める。ノエリもパッと笑って手をたたき喜んでいる。そんなジンクは直立不動で慣れない敬語を使っている。
「とんでもないっス、ジブンはまだまだっス」
と、例の語尾に『ス』を付ける幻の似非敬語だ。ふん!
そのジンクの当たりが強い。僕にだけ。
二人は先に街から出立してもらった。僕らと一緒に姿を消せば、明らかに関係があると推察される。それは不味いと思った。後々に予想されるトラブルに巻き込みたくなかった。
二人はもとより、もしかしたら二人の出身種族のアラクネ達やサガの街自体に迷惑をかけるかも知れない。ほら、僕らって“お尋ね者”だし。そしてシヅキを変えてしまった責任がある僕は彼女を放置する事も出来ず、なによりハナが許さなかった。
彼女は家族をすべて失い天蓋孤独だ。だけど簡単じゃない。彼女を今まで支えてくれたのがアラクネのネーサン達だ。皆との別れは辛いだろうが、自分が街に居られない理由も理解していた。
彼女はもうアラクネじゃないから。別に差別とか、疎外されるとかではなく、ただ単に、シヅキが以前の自分とは明らかに変わってしまったから。その変化に戸惑うから。彼女もアラクネも。その変化の最大が、彼女が僕の“眷属”、いや、“従者”になってしまったから。溜息しか出ない。
本当に済まないと思っている。どう責任を取ればいいのかわからない。
「そんなに思い詰めないで下さい。死んだのは私自身の未熟さからですし、一度死んで蘇ったことは私自身が理解しています。そして其の代償も」
代償なんて言ってくれるな。
「す、すいません。そんなつもりで言ったのでは無いですし、本当に感謝しています」
“僕の従者”っていう立ち位置が今ひとつ僕には理解が出来ない。それとどう付き合っていけばいいのか。それがどんな意味を持つのか。
シヅキには自由に生きてほしい。自分の望みを最優先にしてほしい。
でも、
「私の望みは主に従者として使えることです」
彼女自身もどうしてそこまで思い込むのか解らないらしい。本当はサガンの街に残って欲しかったのだが、その事を告げると大泣きされ、自分も連れて行ってくれと切々と懇願されてしまった。そして僕はハナから久々の左リバーブローを頂きました。女の子を泣かせた罪だって。
大泣きの理由は慰めたハナが聞き出してくれたんだけどさ、僕の『別れよう』発言を(イヤ言ってないから)聞いた瞬間に急に深い闇に叩き落とされ、身がバラバラになるほどの絶望感に襲われたらしい。うん、意味わかんない。だからそんな目で睨むなハナ。そしてサチも心底呆れ果てたって顔すんな。
これは僕が平謝りしなくてはいけないパターンらしい。謝りましたよ。謝り倒しましたよ。
俺『耽溺』なんて使ってないよな? うん、使ってない。何もしてない。何もしてない訳ではないけど何もしてない……だったんだけどなあ。
“従者”とは、たぶん責任を持つってことなんだろうな。
そんな訳で彼女一人を街に残せなかった。まあ、今は彼女も混乱しているだけかも知れないし、時が経てばもっと冷静になってくれると信じよう。ウン。
だからね、同行をお願いしたのはシヅキだけでジンク、オマエなんでシラッと当たり前な顔して居んの?
ジンクが怖い。妙に僕に突っかかる。シヅキが蘇生した時はあんなにシオシオに萎らしかったのに。嘘みたいに。鶏冠をフリフリ下から舐め上げるように睨んでくる。だからもう一度目玉に指を突っ込もうとしたら逃げられた。
「あっぶねーな! クソガキが! 何度もヤられるオレサマじゃねーんだよ。そっちがその気なら見せてやンよ、オレの槍捌きをよー!」
「うるさい」とシヅキに頭を叩かれ「それに言葉遣いが悪い。私のご主人様なんだぞ」
「そのご主人様ってえのは止めて。本当に止めて下さい。お願いします。その度に罪悪感で心が削られます。自分、そんなに強くないんで。だからハムって呼んで。“様”も“さん”も要らない」
「そうだそうだ。こんな奴は名前でも呼ぶな。クソガキでいい!」
クソガキ呼ばわりしたガキクソ君は瞬時に足を刈られ、宙に浮いたところを頭を掴まれ半回転、地面に叩きつけられた。顔面が半分ほど埋まっていた。南無。
シヅキに“1m定限”などはないが、元々魔法は不得意だったらしく、ほとんど使えないが、体のどの位置からでも“蜘蛛糸”を飛ばせる(もともと“花魁蜘蛛”の“糸”も物理ではなく顕現化魔技能した“魔性的成果物”だったりする)。
その“糸”を巧みに操り攻撃は勿論、ワイヤーアクション的に使わせたらもう空飛んでるじゃねってぐらい、米国の例の男とか壁に囲まれた調査する団の人たち何のそのって感じで凄い。加えて身体能力はずば抜けて高くなっている。垂直跳びで軽く十メートル程は飛び上がれる。
“遷”ではカトンボの速度の付いた突貫を“去なし”を使わずに盾の真正面で受け止め、更に殴って潰したらしい。
デメリットは、……なんか、まえよりちょっと腕力に訴える傾向が増えたって……感じ?
「……分かりました、ハム……さん。それと、一応は私の“従僕”なので、今後はジンクへの目突きは止めてもらえませんか。……可愛そうですので」
頭半分埋まってるのは可愛そうではないのか聞いてみたいが、止めておく。まあ、楽しそうで何より。なので「却下」
ジンクはシヅキとパスが通っている。シヅキからジンクへ、当然僕の変換された魔力素粒子が流れている。甚だ不快だ。ジンクなんぞに渡したくないが、僕からは止められないみたいだ。不服だ。何もかも。
因みにジンクが金魚のフン的ストーカーとなって付き纏ってきた事に、最初は戸惑い拒否したシヅキだったが、青い春的なアンナコトヤ・コンナコト的ラブコメチックな経緯を経て結局シヅキは絆されてしまったらしい。何があった! チューでもされたか?
「騙されてるぞシヅキ! お父さんは許しません‼」
って猛反対したらハナに頭を叩かれた。
その後にジンクはハナに少し離れた場所まで連れていかれ『個人面談』を受けさせられた。小声だったので何を話しているのか聞こえなかったが、暫くして戻ってきたジンクの顔は真っ青で、ちょっと震えていた。その後はハナの前では直立不動の姿勢を崩さなくなった。
何があった⁉
でもハナにより正式にジンクの帯同が許され、シヅキの従僕であることが決められた。その瞬間にパスが通った感じ?
ねえチョッと、僕のお父さんとしての立場は何処に行ったのかなあ。ねえ。
ジンクはこのチームで最弱だ。大切なので二度言う。最弱です。
それでも、槍捌きは見るものが在るのは認めてあげよう。ワタシが伝授した“武技魔装操”『秘技・毛槍回し』は伊達ではないのだ。大切なので二度言う。伝授したのはワタシです。それにその魔法の槍、ワタシが造りました。先ッポがブワって魔法の刃が飛び出て殺傷力を高める。もう超絶魔槍と呼んで差し支えなし。ガッハハハハハー!
「伝授したのは赤鬼さんとサチだし、槍を造ったのはアラクネのお姉サンたちだろ」
……『槍捌き』なんて偉そうに言ってるけどウソ。出来るのは“突き”だけで“払い”も“まわし”もゼンゼン駄目。もう唯の突貫ヤローです。
「ハム君、君は、なんて小さいんだ」
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
“遷”二日目から次の冒険に出発するまでのお話し。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
名前を聞いた時だけ寂しそうに首を振る。
それならと名前を付けてあげようと僕が名乗りを上げると途端に皆から反対された。僕にはネーミングのセンスが皆無らしい。ハナだけには言われたくない。ハナのネーミングは其処は彼とない底意地の悪さを感じる。『サチ』とか。サチとか、さち?
命名はサチが行った。『ノエリ』と、なんとも締まらない名前だが皆は良い名前だと褒めた。ノエリがちょっと嬉しそうに微笑んでいた。まあ、本人が喜んでいるならいいや。
(最初はハナが強引に『海苔《ノリ》』に決め打ちしようとして皆に窘められていた。あのサチまでが反対しハナは暫不貞腐れていた。
結局サチが命名することに決まったが、主の意向も無視できないサチは間に“リ”を入れたっていう経緯があった。それでもナンダカナーって感じ。
でもなんでノリ? 海の幸は海苔《ノリ》らしい。
ハナのネーミングにはやはり其処は彼とない底意地の悪さと、やっぱりセンスの皆無さを感じずにはいられない)
命名の瞬間、ノエリはサチとパス路が繋がったみたいだ。僕の魔力素粒子が一旦サチに流れ、此方の世界に適合した魔力に変換され優しく渡されていくのが僕の側からもわかった。
僕は恒星型核融合炉を持つ魔女魔人としかパス路を構成出来ないから丁度良かったのかも知れない。核融合炉の燃料にしかならない僕の魔力よりよっぽど使い勝手がいいらしい。治癒もより効果が上がったみたいだ。思ったよりも早く完治しそうだ。
ノエリがサチを感謝の眼差しで見つめ、ハナがサチの頭をイイコイイコして撫でる。サチも嬉しそうだ。あのね、それも一応僕の魔力素粒子なんだけど。わかってる?
ああ、そうですか。空気を読めと。スイヤセン。
なんか僕の行う仕事って地味過ぎて成果が正当に評価されていないように感じる。僻でしょうか。
高架軌道の高い壁を見上げる。左手に“溜まりの深森”の外周部が迫っている。その間を辿って僕らは南へと進む。
稀に出る魔物は先程合流したシヅキとジンクがサクッと倒してくれる。まあ、“溜まり”も浅いし、出てくる魔物もたかが知れている。だから何でそんなに皆ジンクを褒める。ノエリもパッと笑って手をたたき喜んでいる。そんなジンクは直立不動で慣れない敬語を使っている。
「とんでもないっス、ジブンはまだまだっス」
と、例の語尾に『ス』を付ける幻の似非敬語だ。ふん!
そのジンクの当たりが強い。僕にだけ。
二人は先に街から出立してもらった。僕らと一緒に姿を消せば、明らかに関係があると推察される。それは不味いと思った。後々に予想されるトラブルに巻き込みたくなかった。
二人はもとより、もしかしたら二人の出身種族のアラクネ達やサガの街自体に迷惑をかけるかも知れない。ほら、僕らって“お尋ね者”だし。そしてシヅキを変えてしまった責任がある僕は彼女を放置する事も出来ず、なによりハナが許さなかった。
彼女は家族をすべて失い天蓋孤独だ。だけど簡単じゃない。彼女を今まで支えてくれたのがアラクネのネーサン達だ。皆との別れは辛いだろうが、自分が街に居られない理由も理解していた。
彼女はもうアラクネじゃないから。別に差別とか、疎外されるとかではなく、ただ単に、シヅキが以前の自分とは明らかに変わってしまったから。その変化に戸惑うから。彼女もアラクネも。その変化の最大が、彼女が僕の“眷属”、いや、“従者”になってしまったから。溜息しか出ない。
本当に済まないと思っている。どう責任を取ればいいのかわからない。
「そんなに思い詰めないで下さい。死んだのは私自身の未熟さからですし、一度死んで蘇ったことは私自身が理解しています。そして其の代償も」
代償なんて言ってくれるな。
「す、すいません。そんなつもりで言ったのでは無いですし、本当に感謝しています」
“僕の従者”っていう立ち位置が今ひとつ僕には理解が出来ない。それとどう付き合っていけばいいのか。それがどんな意味を持つのか。
シヅキには自由に生きてほしい。自分の望みを最優先にしてほしい。
でも、
「私の望みは主に従者として使えることです」
彼女自身もどうしてそこまで思い込むのか解らないらしい。本当はサガンの街に残って欲しかったのだが、その事を告げると大泣きされ、自分も連れて行ってくれと切々と懇願されてしまった。そして僕はハナから久々の左リバーブローを頂きました。女の子を泣かせた罪だって。
大泣きの理由は慰めたハナが聞き出してくれたんだけどさ、僕の『別れよう』発言を(イヤ言ってないから)聞いた瞬間に急に深い闇に叩き落とされ、身がバラバラになるほどの絶望感に襲われたらしい。うん、意味わかんない。だからそんな目で睨むなハナ。そしてサチも心底呆れ果てたって顔すんな。
これは僕が平謝りしなくてはいけないパターンらしい。謝りましたよ。謝り倒しましたよ。
俺『耽溺』なんて使ってないよな? うん、使ってない。何もしてない。何もしてない訳ではないけど何もしてない……だったんだけどなあ。
“従者”とは、たぶん責任を持つってことなんだろうな。
そんな訳で彼女一人を街に残せなかった。まあ、今は彼女も混乱しているだけかも知れないし、時が経てばもっと冷静になってくれると信じよう。ウン。
だからね、同行をお願いしたのはシヅキだけでジンク、オマエなんでシラッと当たり前な顔して居んの?
ジンクが怖い。妙に僕に突っかかる。シヅキが蘇生した時はあんなにシオシオに萎らしかったのに。嘘みたいに。鶏冠をフリフリ下から舐め上げるように睨んでくる。だからもう一度目玉に指を突っ込もうとしたら逃げられた。
「あっぶねーな! クソガキが! 何度もヤられるオレサマじゃねーんだよ。そっちがその気なら見せてやンよ、オレの槍捌きをよー!」
「うるさい」とシヅキに頭を叩かれ「それに言葉遣いが悪い。私のご主人様なんだぞ」
「そのご主人様ってえのは止めて。本当に止めて下さい。お願いします。その度に罪悪感で心が削られます。自分、そんなに強くないんで。だからハムって呼んで。“様”も“さん”も要らない」
「そうだそうだ。こんな奴は名前でも呼ぶな。クソガキでいい!」
クソガキ呼ばわりしたガキクソ君は瞬時に足を刈られ、宙に浮いたところを頭を掴まれ半回転、地面に叩きつけられた。顔面が半分ほど埋まっていた。南無。
シヅキに“1m定限”などはないが、元々魔法は不得意だったらしく、ほとんど使えないが、体のどの位置からでも“蜘蛛糸”を飛ばせる(もともと“花魁蜘蛛”の“糸”も物理ではなく顕現化魔技能した“魔性的成果物”だったりする)。
その“糸”を巧みに操り攻撃は勿論、ワイヤーアクション的に使わせたらもう空飛んでるじゃねってぐらい、米国の例の男とか壁に囲まれた調査する団の人たち何のそのって感じで凄い。加えて身体能力はずば抜けて高くなっている。垂直跳びで軽く十メートル程は飛び上がれる。
“遷”ではカトンボの速度の付いた突貫を“去なし”を使わずに盾の真正面で受け止め、更に殴って潰したらしい。
デメリットは、……なんか、まえよりちょっと腕力に訴える傾向が増えたって……感じ?
「……分かりました、ハム……さん。それと、一応は私の“従僕”なので、今後はジンクへの目突きは止めてもらえませんか。……可愛そうですので」
頭半分埋まってるのは可愛そうではないのか聞いてみたいが、止めておく。まあ、楽しそうで何より。なので「却下」
ジンクはシヅキとパスが通っている。シヅキからジンクへ、当然僕の変換された魔力素粒子が流れている。甚だ不快だ。ジンクなんぞに渡したくないが、僕からは止められないみたいだ。不服だ。何もかも。
因みにジンクが金魚のフン的ストーカーとなって付き纏ってきた事に、最初は戸惑い拒否したシヅキだったが、青い春的なアンナコトヤ・コンナコト的ラブコメチックな経緯を経て結局シヅキは絆されてしまったらしい。何があった! チューでもされたか?
「騙されてるぞシヅキ! お父さんは許しません‼」
って猛反対したらハナに頭を叩かれた。
その後にジンクはハナに少し離れた場所まで連れていかれ『個人面談』を受けさせられた。小声だったので何を話しているのか聞こえなかったが、暫くして戻ってきたジンクの顔は真っ青で、ちょっと震えていた。その後はハナの前では直立不動の姿勢を崩さなくなった。
何があった⁉
でもハナにより正式にジンクの帯同が許され、シヅキの従僕であることが決められた。その瞬間にパスが通った感じ?
ねえチョッと、僕のお父さんとしての立場は何処に行ったのかなあ。ねえ。
ジンクはこのチームで最弱だ。大切なので二度言う。最弱です。
それでも、槍捌きは見るものが在るのは認めてあげよう。ワタシが伝授した“武技魔装操”『秘技・毛槍回し』は伊達ではないのだ。大切なので二度言う。伝授したのはワタシです。それにその魔法の槍、ワタシが造りました。先ッポがブワって魔法の刃が飛び出て殺傷力を高める。もう超絶魔槍と呼んで差し支えなし。ガッハハハハハー!
「伝授したのは赤鬼さんとサチだし、槍を造ったのはアラクネのお姉サンたちだろ」
……『槍捌き』なんて偉そうに言ってるけどウソ。出来るのは“突き”だけで“払い”も“まわし”もゼンゼン駄目。もう唯の突貫ヤローです。
「ハム君、君は、なんて小さいんだ」
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
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