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第一部 白:佐々木航太 黒:鷺沢悠 20xx年9月x日
10:白と黒は礼儀正しく輪舞(ロンド)を踊る(10.g4 Nf6)
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初手、Nf3。
航太はe4とかd4には慣れているだろうから、僕は1手目にナイトを上げる手を選んだ。
レティ・オープニング、いいね、と航太は嬉しそうに言って、身を乗り出してくる。ナイト初手にも対応できるらしい。
チェスには「定石」という決まった手筋が色々あって、それぞれに呪文めいた名前がついている、ということを、僕は航太から聞いて初めて知った。
ルイ・ロペス。ダニッシュ・ギャンビット。ドラゴン・バリエーション。シシリアン・ディフェンス。ニムゾ・インディアン。
初めて聞くそういう単語の意味は僕にはまるで解らなかったけれど、航太が盤上で再現してみせてくれた手筋はどれも、僕にとって馴染み深いものだった。
レティ・オープニング、というのも、それの一種類なのらしい。
応手はd5で来ると予想していたけれど航太はc5で受け、次にクイーン側のナイトを上げて来た。お互いにナイトとビショップで中央を牽制しつつ、ポーンを展開していく。
僕がe5を突くと、航太らしくd6でぶつけてきた。
僕はその取り引きに応じて航太のポーンを取り、航太はクイーンで僕のポーンを取った。
ここまでの時点で、ほぼ互角か少しだけ僕が有利か、という局面だった。
問題は僕のナイトを警戒して黒クイーンがc7によろけた、その次の11手目。
航太はクイーンをc7に置いたまま、ナイトをd4に跳ねてきた。よほど僕のナイトがクイーンの近くにいるのが嫌らしく、僕の白ナイト2つに両取りを掛ける手だった。
気持ちは解るけれど、これはどう転んでも拙い手だ。
僕はそのナイトを無視した。
ビショップをf4に上げて黒クイーンを狙う。すると航太のクイーンは、キング側には戻らずさらに遠いb6に逃げた。
勝てる。
17手目。白クイーンでf6のビショップに圧力をかけると、航太はナイトではなくキングでビショップをサポートしてきた。
それが決定打だった。
クイーンを捨てる一手とビショップを使ったチェックで、僕は航太のキングを無理やり表に引きずり出した。そして、それまで黒ビショップがキングを守っていたg7に、自分の白ビショップを突っ込んだ。
これで黒のキングは二度と、安全な場所には戻れない。
勝ちが決まると解っていても、この一手を指すのは躊躇った。自分で指しておいて言うことでもないけど、ものすごく凶悪でサディスティックな一手だったから。
航太は小動物みたいなうめき声を上げた。五秒くらい目を瞑って、それからほとんど囁くような声で、投了する、と言った。
親のいない金曜日を選んで航太をうちに誘った時点で、確信犯と言えばそうかもしれない。でも今回は、僕から仕掛けることは絶対にしない、と決めていた。
航太がどうしたいのか、それを僕は知りたかった。
チェス盤の上の話じゃなく、航太が僕に対してどういう手を選ぶのか、僕は航太の選択を待つことにしたのだ。
航太が盤上で投了を選んだ時、僕はほっとした。
もし航太が指し続けることを選んだ場合、僕は身動きの取れないキングを攻撃し続けて苦し紛れの間駒まで指させたあげく、ポーンのh4でメイトにするはずだったから。
そこまで残酷な手を指すのは、自分が相手ならともかく、航太相手には絶対に嫌だったから。
きつかった、と航太は言った。短距離走を終えたばかりみたいに息が上がっていた。
「鷺沢のビショップ、えぐいよ。クイーンを捨てる一手よりそっちのほうが圧倒的にえぐい」
「でも航太、それより前に集中切れてなかった?」
「え?」
「11手目のナイト。その次のクイーンも…」
さぎさわ、と強めに遮られた。僕が口を噤むと、続きがしたい、と航太は言った。
「鷺沢は、したくない?」
息が止まる。
ゆっくりと目を上げて、航太の視線をどうにか受け止める。
完全に、完璧に、航太は本気だった。
僕も航太も、対局で極限まで神経を昂らせていた。
どうやったって、その続きは勢い任せの乱暴なものになる。
僕は航太に対してまだいくらかは攻撃的な気持ちだったし、航太は航太で、盤上での僕の仕打ちに仕返しをしようとしていた。
キスの時点で、航太は僕の舌に歯を立ててきた。僕は僕で、航太の唇を噛んだ。
互いにぎりぎりのところでセーブしてはいるけれど、強めの痛みをはっきり感じて声が漏れるレベル。
「あのビショップg7は、友達相手には指せないよね」
ようやく唇を離したとき、航太は喉の奥から絞り出すような掠れた声で言ってきた。「あれを指したってことは、僕らはもう友達じゃないってことだよね」
僕は航太の両手首を掴み、ホールドアップの高さにして壁際に追い詰める。
「そうだよ。だって最初から、友達になりたくて声を掛けたわけじゃなかった」
「どういうこと、それ。説明してくれないと解らない」
「とっくに解ってる癖に」
そう答えると、航太は思いがけず強く抵抗してきた。
両手を振り払われそうになって、僕は咄嗟に航太の両足の間に膝を割り込ませ、圧迫した。
航太の身体が跳ねた。
「解ってるよね?」
その身体から、劇的な感じで力が抜ける。
僕は航太の両手を掴んだまま自分の部屋のベッドまで誘導し、仰向けに押し倒した。
「今日は、僕の勝ちだから」
そう言うと、航太はまた小動物みたいな呻き声を上げた。
航太はe4とかd4には慣れているだろうから、僕は1手目にナイトを上げる手を選んだ。
レティ・オープニング、いいね、と航太は嬉しそうに言って、身を乗り出してくる。ナイト初手にも対応できるらしい。
チェスには「定石」という決まった手筋が色々あって、それぞれに呪文めいた名前がついている、ということを、僕は航太から聞いて初めて知った。
ルイ・ロペス。ダニッシュ・ギャンビット。ドラゴン・バリエーション。シシリアン・ディフェンス。ニムゾ・インディアン。
初めて聞くそういう単語の意味は僕にはまるで解らなかったけれど、航太が盤上で再現してみせてくれた手筋はどれも、僕にとって馴染み深いものだった。
レティ・オープニング、というのも、それの一種類なのらしい。
応手はd5で来ると予想していたけれど航太はc5で受け、次にクイーン側のナイトを上げて来た。お互いにナイトとビショップで中央を牽制しつつ、ポーンを展開していく。
僕がe5を突くと、航太らしくd6でぶつけてきた。
僕はその取り引きに応じて航太のポーンを取り、航太はクイーンで僕のポーンを取った。
ここまでの時点で、ほぼ互角か少しだけ僕が有利か、という局面だった。
問題は僕のナイトを警戒して黒クイーンがc7によろけた、その次の11手目。
航太はクイーンをc7に置いたまま、ナイトをd4に跳ねてきた。よほど僕のナイトがクイーンの近くにいるのが嫌らしく、僕の白ナイト2つに両取りを掛ける手だった。
気持ちは解るけれど、これはどう転んでも拙い手だ。
僕はそのナイトを無視した。
ビショップをf4に上げて黒クイーンを狙う。すると航太のクイーンは、キング側には戻らずさらに遠いb6に逃げた。
勝てる。
17手目。白クイーンでf6のビショップに圧力をかけると、航太はナイトではなくキングでビショップをサポートしてきた。
それが決定打だった。
クイーンを捨てる一手とビショップを使ったチェックで、僕は航太のキングを無理やり表に引きずり出した。そして、それまで黒ビショップがキングを守っていたg7に、自分の白ビショップを突っ込んだ。
これで黒のキングは二度と、安全な場所には戻れない。
勝ちが決まると解っていても、この一手を指すのは躊躇った。自分で指しておいて言うことでもないけど、ものすごく凶悪でサディスティックな一手だったから。
航太は小動物みたいなうめき声を上げた。五秒くらい目を瞑って、それからほとんど囁くような声で、投了する、と言った。
親のいない金曜日を選んで航太をうちに誘った時点で、確信犯と言えばそうかもしれない。でも今回は、僕から仕掛けることは絶対にしない、と決めていた。
航太がどうしたいのか、それを僕は知りたかった。
チェス盤の上の話じゃなく、航太が僕に対してどういう手を選ぶのか、僕は航太の選択を待つことにしたのだ。
航太が盤上で投了を選んだ時、僕はほっとした。
もし航太が指し続けることを選んだ場合、僕は身動きの取れないキングを攻撃し続けて苦し紛れの間駒まで指させたあげく、ポーンのh4でメイトにするはずだったから。
そこまで残酷な手を指すのは、自分が相手ならともかく、航太相手には絶対に嫌だったから。
きつかった、と航太は言った。短距離走を終えたばかりみたいに息が上がっていた。
「鷺沢のビショップ、えぐいよ。クイーンを捨てる一手よりそっちのほうが圧倒的にえぐい」
「でも航太、それより前に集中切れてなかった?」
「え?」
「11手目のナイト。その次のクイーンも…」
さぎさわ、と強めに遮られた。僕が口を噤むと、続きがしたい、と航太は言った。
「鷺沢は、したくない?」
息が止まる。
ゆっくりと目を上げて、航太の視線をどうにか受け止める。
完全に、完璧に、航太は本気だった。
僕も航太も、対局で極限まで神経を昂らせていた。
どうやったって、その続きは勢い任せの乱暴なものになる。
僕は航太に対してまだいくらかは攻撃的な気持ちだったし、航太は航太で、盤上での僕の仕打ちに仕返しをしようとしていた。
キスの時点で、航太は僕の舌に歯を立ててきた。僕は僕で、航太の唇を噛んだ。
互いにぎりぎりのところでセーブしてはいるけれど、強めの痛みをはっきり感じて声が漏れるレベル。
「あのビショップg7は、友達相手には指せないよね」
ようやく唇を離したとき、航太は喉の奥から絞り出すような掠れた声で言ってきた。「あれを指したってことは、僕らはもう友達じゃないってことだよね」
僕は航太の両手首を掴み、ホールドアップの高さにして壁際に追い詰める。
「そうだよ。だって最初から、友達になりたくて声を掛けたわけじゃなかった」
「どういうこと、それ。説明してくれないと解らない」
「とっくに解ってる癖に」
そう答えると、航太は思いがけず強く抵抗してきた。
両手を振り払われそうになって、僕は咄嗟に航太の両足の間に膝を割り込ませ、圧迫した。
航太の身体が跳ねた。
「解ってるよね?」
その身体から、劇的な感じで力が抜ける。
僕は航太の両手を掴んだまま自分の部屋のベッドまで誘導し、仰向けに押し倒した。
「今日は、僕の勝ちだから」
そう言うと、航太はまた小動物みたいな呻き声を上げた。
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