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プロローグ①
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桜の花弁が散りゆく道にあの人は現れた。
美しく繊細な顔立ちで見る人全員を虜にしてしまう。
そんなお方は、扇子の先を私に突きつけ冷たい目で
「お前なんか・・・平民上がりの貴族なんぞこの私の側室に入れてやる価値もない。ましてや正室など。」
と仰った。
これがあの人との初めての出会いだった。
*****
1人天井を見つめながら憂鬱そうにため息をついている。1人の少女。
その少女のため息の原因は、
「あ~!!素敵な恋がしたーい!!」
そう。素敵な恋がしたーい!!だ。
この辺り平民は、貴族みたいな政略結婚もないため比較的自由に恋愛が出来る。
しかし恋愛に目覚めるのが遅かった彼女は、縁談が来ても「恋愛に興味がないんで」の一言で終わらした。こんな素っ気ない振り方でもう一度頼もうとする人は例を除いて有り得ないものだ。
そのため徐々に縁談も無くなるころに可哀想なことに恋愛に目覚め縁談が1つもない。
そういう状況になってしまったのだ。
周りは皆結婚している・・・これがまた更に辛い。なぜなら未婚の男が少ない。そしてタイプじゃないから。
そんな事を考えている内に奥の方から声が聞こえてきた。お母さんだ。
「そんな暇があったらこの紙に書いてあるもの買ってきて!」
「え~。買い物にいった所で恋愛は出来ないよ。」
「道端で偶然・・・あるかもしれないでしょ。とにかく買い物行ってきてね。はい!紙。」
「仕方ないなぁー。」
「ん?!」
「すぐ行ってきます!」
私は木で出来た靴をはき木でできたカバンを持って市場へと向かった。
「ええっと買うものは芋とパンと牛乳か」
これだけ見ればもう何が作られるのかがわかってしまう。硬いパンを牛乳にひたし蒸かし芋と一緒に食べる。晩御飯だ。
毎日だいたいこんな感じで1ヶ月に1回卵がでる。卵は茹でたものを潰して家で取れた葉っぱと一緒にパンにはさむ。硬いパンでしかも味があまりしないが卵があるだけとても嬉しいのだ。
「そろそろ見えてきた。それにしても今日の市場は、一段と賑わっているな。」
私は市場のある方をみながら言う。
この街は、ゴミなどで汚れていなく綺麗に整備されている。それはこの国の王様が理解のある人だからだそう。
建物はボロボロだが白を基調とした建物で清潔感がある。他の国と比べるとこの平民街はとても住みやすいところだ。
「あの人・・・大丈夫かな?」
道端の隅っこでおじいさんが具合の悪そうに横たわっている。ホームレスなどを見かけるのはごく稀なことなので何となく本能的に助けた方が良い。そしてこの人の身なりからホームレスではないと思った。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない・・・。水・・・水をくれんかのぉ?水は市場で売っているはずじゃ。」
おじいさんは、お金を私の手に差し出してきた。
「水ですか分かりました。」
私は、今までで1番の速さで走り水を買ってきた。
「ありがとう生き返った。」
「失礼ですがおじいさん・・・貴方は平民じゃないですよね?」
平民は普通井戸でくんだ水を飲む。綺麗な異物の入っていない水はとても高い。そしてそのお金をポンと簡単に出すことが出来る。
おじいさんが平民でないことの証拠は十分にある。
平民じゃなくてもなにも悪いことは起きないが平民街にプライドの高い貴族が入ってくるのはホームレスがいるより珍しい。
「よく分かったの。確かにわしは平民ではないそれに貴族でもない。このお礼は必ずする。わしの命の恩人だからの。取り敢えずお礼にはい。受け取れ。じゃあの。」
「あの。ちょっと!」
おじいさんは、そそくさと中央へとかえっていった。
凄く疑問がある。なぜおじいさんがこの平民街にきたのかお水を飲まなければ死んだのか、平民よりも上の位なのに護衛がいなかったのかなど。
そして極めつけは今日賑わっていた原因であるお水屋さんがなぜあったのか。
美しく繊細な顔立ちで見る人全員を虜にしてしまう。
そんなお方は、扇子の先を私に突きつけ冷たい目で
「お前なんか・・・平民上がりの貴族なんぞこの私の側室に入れてやる価値もない。ましてや正室など。」
と仰った。
これがあの人との初めての出会いだった。
*****
1人天井を見つめながら憂鬱そうにため息をついている。1人の少女。
その少女のため息の原因は、
「あ~!!素敵な恋がしたーい!!」
そう。素敵な恋がしたーい!!だ。
この辺り平民は、貴族みたいな政略結婚もないため比較的自由に恋愛が出来る。
しかし恋愛に目覚めるのが遅かった彼女は、縁談が来ても「恋愛に興味がないんで」の一言で終わらした。こんな素っ気ない振り方でもう一度頼もうとする人は例を除いて有り得ないものだ。
そのため徐々に縁談も無くなるころに可哀想なことに恋愛に目覚め縁談が1つもない。
そういう状況になってしまったのだ。
周りは皆結婚している・・・これがまた更に辛い。なぜなら未婚の男が少ない。そしてタイプじゃないから。
そんな事を考えている内に奥の方から声が聞こえてきた。お母さんだ。
「そんな暇があったらこの紙に書いてあるもの買ってきて!」
「え~。買い物にいった所で恋愛は出来ないよ。」
「道端で偶然・・・あるかもしれないでしょ。とにかく買い物行ってきてね。はい!紙。」
「仕方ないなぁー。」
「ん?!」
「すぐ行ってきます!」
私は木で出来た靴をはき木でできたカバンを持って市場へと向かった。
「ええっと買うものは芋とパンと牛乳か」
これだけ見ればもう何が作られるのかがわかってしまう。硬いパンを牛乳にひたし蒸かし芋と一緒に食べる。晩御飯だ。
毎日だいたいこんな感じで1ヶ月に1回卵がでる。卵は茹でたものを潰して家で取れた葉っぱと一緒にパンにはさむ。硬いパンでしかも味があまりしないが卵があるだけとても嬉しいのだ。
「そろそろ見えてきた。それにしても今日の市場は、一段と賑わっているな。」
私は市場のある方をみながら言う。
この街は、ゴミなどで汚れていなく綺麗に整備されている。それはこの国の王様が理解のある人だからだそう。
建物はボロボロだが白を基調とした建物で清潔感がある。他の国と比べるとこの平民街はとても住みやすいところだ。
「あの人・・・大丈夫かな?」
道端の隅っこでおじいさんが具合の悪そうに横たわっている。ホームレスなどを見かけるのはごく稀なことなので何となく本能的に助けた方が良い。そしてこの人の身なりからホームレスではないと思った。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない・・・。水・・・水をくれんかのぉ?水は市場で売っているはずじゃ。」
おじいさんは、お金を私の手に差し出してきた。
「水ですか分かりました。」
私は、今までで1番の速さで走り水を買ってきた。
「ありがとう生き返った。」
「失礼ですがおじいさん・・・貴方は平民じゃないですよね?」
平民は普通井戸でくんだ水を飲む。綺麗な異物の入っていない水はとても高い。そしてそのお金をポンと簡単に出すことが出来る。
おじいさんが平民でないことの証拠は十分にある。
平民じゃなくてもなにも悪いことは起きないが平民街にプライドの高い貴族が入ってくるのはホームレスがいるより珍しい。
「よく分かったの。確かにわしは平民ではないそれに貴族でもない。このお礼は必ずする。わしの命の恩人だからの。取り敢えずお礼にはい。受け取れ。じゃあの。」
「あの。ちょっと!」
おじいさんは、そそくさと中央へとかえっていった。
凄く疑問がある。なぜおじいさんがこの平民街にきたのかお水を飲まなければ死んだのか、平民よりも上の位なのに護衛がいなかったのかなど。
そして極めつけは今日賑わっていた原因であるお水屋さんがなぜあったのか。
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