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最高神アテナの願い
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一人残った僕は王都を見学することにした。王都に来てまだほとんど見学したことがなかったのだ。
「ユリウス様。どちらに行かれるのですか?」
「ああ、ソフィアか。王都を見学して回ろうと思うんだ。」
「では、その姿では目立ちます。平民の服に着替えたほうがよいかと。」
「そうだよね。」
普段、僕は貴族用の服を着ている。そんな服を着て一人で歩いていれば、かなり目立ってしまう。着替えて出かけようとするとソフィアとミーアが待っていた。
「私達がご案内します。」
「うん。頼むよ。」
最初に貴族街を歩きながら貴族の説明を受けたが、情報が多すぎて覚えきれなかった。そして王城の隣にある大聖堂に向かった。
「ここがこの国のアリスト教の総本山です。大司教グレゴリー様をトップに大勢の司教がいます。」
「アリスト教の神様って誰なの?」
「最高神アテナ様です。」
僕は奈落で修行させられた神様を思い出した。最高神アテナが僕の知っている神様なら老人のはずだ。
「中に入りましょうか?」
「うん。」
中に入ると大勢の信者がいた。中にはケガをしている人達もいる。
「あの人達は?」
「ケガ人にゃ!司教の中には治癒魔法を使える人達がいるにゃ。」
「そうなんだ~。」
さらに奥に行くと礼拝堂のような場所があった。そこには女神の大きな石像があり、人々がその石像に向かって拝んでいる。
“あれっ?!あの神様じゃない!どういうことだ?”
不思議に思いながらも、僕達も参拝することにした。そして3人で石像の前に跪き拝み始めた。すると目の前が真っ白な世界に変わった。
「ホッホッホッホッ 久しぶりじゃな。」
「ああ、神様。えっ?!でも?」
「不思議そうじゃな。アテナよ。どうやらお前さんを探しているようじゃぞ。」
「この子が創造神様に鍛えられた子どもですか?」
「ああ、そうじゃ。何とかここまで育ってくれたんじゃがな。」
神様の隣に絶世の美女が現れた。石像の女神様だ。
「よろしくね。ユリウス。私がこの世界の管理を任されているアテナよ。」
「はじめまして。ユリウスです。」
「ユリウスよ。そなたが得た力でここにいるアテナの助けになれ。それが今回の修行じゃ。」
「力になるって何をすればいいんですか?」
するとアテナが説明し始めた。
「世界はいくつもあるのよ。創造神様がいろんな世界をお作りになったからね。その中でこの世界はかなり遅れた世界なの。」
「確かに文明的には遅れていると思いますが。」
「それだけじゃないの。精神的にも未熟なのよ。弱い人間を奴隷にしたり、平気で人を殺したりするわ。どの種族もどの人間も兄弟なのにね。」
“確かにそうかもしれない。でも、それと僕の役目と何の関係があるんだ?”
「ユリウス。あなたにはこの世界の人々の模範となってもらいたいのよ。できれば平和な世界になるように協力してくれたら嬉しいわね。」
“僕にそんなことができるだろうか?”
「ホッホッホッ 翔太よ。いやユリウスよ。どうじゃ?この修行は?まあ、やりたくなくともやらざるをえないんじゃがな。」
神様の言う通りだ。奈落でも立ち止まった瞬間、再び激痛が走って元の場所にいた。だとしたら、今回も同じかもしれない。だったら前に進むしかいない。
「わかりました。頑張ってみます。でも、僕のやり方でやりますよ。」
「いいわよ。期待してるわね。」
「期待しているぞ!ユリウス。」
僕の意識が肉体に戻った。どうやら時間は全く経過していないようだ。隣の二人はまだ拝んでいる。
“ああ、責任重大だな~。僕にできるかな~。”
大聖堂を出た後、僕達は商店街に向かった。商店街はかなり広くて、とてもではないが1日で回り切れそうもない。
「お腹が空いたね。どこかで食事にしようか。」
「はい。では、あちらのレストランはいかがでしょう。」
「ご飯にゃ!お肉がいいにゃ!」
ソフィアの指差した先におしゃれなレストランがあった。
「そうだね。」
「やったにゃー!ミリューに行けるにゃ!」
どうやらミリューという店は有名なようだ。店に入ると貴族風の人達が大勢いた。メニューを見るとかなり高い。ミーアが喜んだ理由が分かった。
「好きなのを頼んでいいよ。」
「嬉しいにゃ!」
「ミーア!いい加減にしなさい!」
肉料理のコースを3人分頼んだ。ソフィアとミーアと話しながら待っていると、何か視線を感じた。視線の方向を見るとサニーがいたが、サニーは慌てて目をそらした。
「ユリウス様。あの方は?」
「アストン公爵のご令嬢だよ。」
「そうでしたか。先ほどからユリウス様のことを気にしているようでしたが。」
「同級生だからじゃないかな。」
そして料理が運ばれてきた。サラダも様々な野菜が使われていて豪華だ。そして芋をすりつぶしたスープ。これも絶品だ。次に出てきたのはなんとソーセージだ。その中にリブステーキもあった。
「これは?」
「レッドボアの腸詰ですね。さすが一流レストランです。」
かなりお腹がいっぱいになったがこれからメイン料理だ。
「パエリア?もしかしてこれってパエリアか?」
どう見ても僕の知っているパエリアだ。
「やったニャー!パロルアにゃ!」
「ユリウス様はパロルアをご存じだったんですか?この料理はこの店だけに伝わる秘伝の料理のはずなんですが。」
「いいや。噂に聞いていたんだよ。」
「そうでしたか。」
結構お腹いっぱいだったが、あまりの美味しさに完食してしまった。
“この世界にもお米があったんだ~。でも、今まで食べたことがなかったのはどうしてなんだろう。”
「ねえ。聞いていいかな?」
「なんでしょう?」
「これってお米だよね?」
「お米?これはライルと呼ばれるかなり高価な穀物です。高価なので貴族でさえめったに口にすることはありません。」
日本にいるときは毎日食べていたし、いつでも食べられた。この世界ではお米が高価って、どうやって生産しているのだろう?
その後、デザートのケーキを食べて店を出た。
“この世界の食べ物は前世の世界と変わらないものもあるようだな~。なんかうれしくなってきたぞ。”
「この後は中央広場をご案内しますね。」
「屋台があるにゃ!お菓子を売ってるにゃ!」
「えっ?!ミーアはまだ食べるつもりなの?」
「お菓子は別腹にゃ!」
中央広場に向かう途中、細い路地から男達の怒声が聞こえてきた。
「ユリウス様。どちらに行かれるのですか?」
「ああ、ソフィアか。王都を見学して回ろうと思うんだ。」
「では、その姿では目立ちます。平民の服に着替えたほうがよいかと。」
「そうだよね。」
普段、僕は貴族用の服を着ている。そんな服を着て一人で歩いていれば、かなり目立ってしまう。着替えて出かけようとするとソフィアとミーアが待っていた。
「私達がご案内します。」
「うん。頼むよ。」
最初に貴族街を歩きながら貴族の説明を受けたが、情報が多すぎて覚えきれなかった。そして王城の隣にある大聖堂に向かった。
「ここがこの国のアリスト教の総本山です。大司教グレゴリー様をトップに大勢の司教がいます。」
「アリスト教の神様って誰なの?」
「最高神アテナ様です。」
僕は奈落で修行させられた神様を思い出した。最高神アテナが僕の知っている神様なら老人のはずだ。
「中に入りましょうか?」
「うん。」
中に入ると大勢の信者がいた。中にはケガをしている人達もいる。
「あの人達は?」
「ケガ人にゃ!司教の中には治癒魔法を使える人達がいるにゃ。」
「そうなんだ~。」
さらに奥に行くと礼拝堂のような場所があった。そこには女神の大きな石像があり、人々がその石像に向かって拝んでいる。
“あれっ?!あの神様じゃない!どういうことだ?”
不思議に思いながらも、僕達も参拝することにした。そして3人で石像の前に跪き拝み始めた。すると目の前が真っ白な世界に変わった。
「ホッホッホッホッ 久しぶりじゃな。」
「ああ、神様。えっ?!でも?」
「不思議そうじゃな。アテナよ。どうやらお前さんを探しているようじゃぞ。」
「この子が創造神様に鍛えられた子どもですか?」
「ああ、そうじゃ。何とかここまで育ってくれたんじゃがな。」
神様の隣に絶世の美女が現れた。石像の女神様だ。
「よろしくね。ユリウス。私がこの世界の管理を任されているアテナよ。」
「はじめまして。ユリウスです。」
「ユリウスよ。そなたが得た力でここにいるアテナの助けになれ。それが今回の修行じゃ。」
「力になるって何をすればいいんですか?」
するとアテナが説明し始めた。
「世界はいくつもあるのよ。創造神様がいろんな世界をお作りになったからね。その中でこの世界はかなり遅れた世界なの。」
「確かに文明的には遅れていると思いますが。」
「それだけじゃないの。精神的にも未熟なのよ。弱い人間を奴隷にしたり、平気で人を殺したりするわ。どの種族もどの人間も兄弟なのにね。」
“確かにそうかもしれない。でも、それと僕の役目と何の関係があるんだ?”
「ユリウス。あなたにはこの世界の人々の模範となってもらいたいのよ。できれば平和な世界になるように協力してくれたら嬉しいわね。」
“僕にそんなことができるだろうか?”
「ホッホッホッ 翔太よ。いやユリウスよ。どうじゃ?この修行は?まあ、やりたくなくともやらざるをえないんじゃがな。」
神様の言う通りだ。奈落でも立ち止まった瞬間、再び激痛が走って元の場所にいた。だとしたら、今回も同じかもしれない。だったら前に進むしかいない。
「わかりました。頑張ってみます。でも、僕のやり方でやりますよ。」
「いいわよ。期待してるわね。」
「期待しているぞ!ユリウス。」
僕の意識が肉体に戻った。どうやら時間は全く経過していないようだ。隣の二人はまだ拝んでいる。
“ああ、責任重大だな~。僕にできるかな~。”
大聖堂を出た後、僕達は商店街に向かった。商店街はかなり広くて、とてもではないが1日で回り切れそうもない。
「お腹が空いたね。どこかで食事にしようか。」
「はい。では、あちらのレストランはいかがでしょう。」
「ご飯にゃ!お肉がいいにゃ!」
ソフィアの指差した先におしゃれなレストランがあった。
「そうだね。」
「やったにゃー!ミリューに行けるにゃ!」
どうやらミリューという店は有名なようだ。店に入ると貴族風の人達が大勢いた。メニューを見るとかなり高い。ミーアが喜んだ理由が分かった。
「好きなのを頼んでいいよ。」
「嬉しいにゃ!」
「ミーア!いい加減にしなさい!」
肉料理のコースを3人分頼んだ。ソフィアとミーアと話しながら待っていると、何か視線を感じた。視線の方向を見るとサニーがいたが、サニーは慌てて目をそらした。
「ユリウス様。あの方は?」
「アストン公爵のご令嬢だよ。」
「そうでしたか。先ほどからユリウス様のことを気にしているようでしたが。」
「同級生だからじゃないかな。」
そして料理が運ばれてきた。サラダも様々な野菜が使われていて豪華だ。そして芋をすりつぶしたスープ。これも絶品だ。次に出てきたのはなんとソーセージだ。その中にリブステーキもあった。
「これは?」
「レッドボアの腸詰ですね。さすが一流レストランです。」
かなりお腹がいっぱいになったがこれからメイン料理だ。
「パエリア?もしかしてこれってパエリアか?」
どう見ても僕の知っているパエリアだ。
「やったニャー!パロルアにゃ!」
「ユリウス様はパロルアをご存じだったんですか?この料理はこの店だけに伝わる秘伝の料理のはずなんですが。」
「いいや。噂に聞いていたんだよ。」
「そうでしたか。」
結構お腹いっぱいだったが、あまりの美味しさに完食してしまった。
“この世界にもお米があったんだ~。でも、今まで食べたことがなかったのはどうしてなんだろう。”
「ねえ。聞いていいかな?」
「なんでしょう?」
「これってお米だよね?」
「お米?これはライルと呼ばれるかなり高価な穀物です。高価なので貴族でさえめったに口にすることはありません。」
日本にいるときは毎日食べていたし、いつでも食べられた。この世界ではお米が高価って、どうやって生産しているのだろう?
その後、デザートのケーキを食べて店を出た。
“この世界の食べ物は前世の世界と変わらないものもあるようだな~。なんかうれしくなってきたぞ。”
「この後は中央広場をご案内しますね。」
「屋台があるにゃ!お菓子を売ってるにゃ!」
「えっ?!ミーアはまだ食べるつもりなの?」
「お菓子は別腹にゃ!」
中央広場に向かう途中、細い路地から男達の怒声が聞こえてきた。
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