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ユリウスの秘密が王宮にばれる!
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カナディアンシティの件を片付けたオレ達は、王都に向かおうとしていた。
「帰ろうか。」
「そうね。お父様に報告しないとね。」
「また馬車で帰るんですか?」
「お尻が痛いにゃ!」
馬車で帰るとまた日数がかかってしまう。何よりもこの世界の乗り物は馬車しかなく、お尻が痛くなるのだ。
「わかったよ。転移で帰るよ。」
「やったにゃー!」
「よかった~!」
「はい。よかったです。」
どうやら、オレが思っていた以上に彼女達は馬車が大変だったようだ。オレは3人を連れて王都の屋敷に転移した。すると、そこに父上と母上がいた。
「ユリウス!どこに行ってたんだ?」
「お父様。我が父であるアストンの依頼で、私達はカナディアンシティのワイバーンを討伐しに行っていたんです。」
「そうなの?ユーリちゃん。」
「はい。今回の事件も帝国が関係していました。」
「それは誠か?」
「はい。」
「詳しく話を聞こうか。」
「ええ、でもアストン公爵様に報告をしないといけませんので、ここにお呼びしてもいいですか?」
「ああ、構わないさ。」
オレはアストン公爵の屋敷に行き、アストン公爵とともに自分の屋敷に戻ってきた。
「待たせたな。アントニー。」
「いいえ。それよりもユリウスから説明を聞きましょう。」
ここでオレはカナディアンシティの件を説明した。
「そうか~。帝国の兵士がワイバーンの群れを操っていたのか。」
「はい。恐らく、帝国は今回のワイバーンだけでなく、相当数のワイバーンを戦力として利用していると思います。」
「兄上。陛下に言って、何か対策をとった方がいいのではないですか?」
「そうだな。分かった。明日、王城に行って陛下にこの件を伝えよう。」
「なら、私もご一緒しましょう。」
「あの~。」
「どうした?ユリウス。」
「オレ達のことは内緒にして欲しいんですけど。」
「わかっているさ。婿殿を困らせるようなことはしないよ。ハッハッハッハッ」
オレ達は約束通りミリューに来ていた。
「今日はお腹いっぱい食べるにゃ!」
「食べすぎないでよ。」
「いいんじゃない。ソフィー。ミーも頑張ったんだから。」
「そうにゃ!頑張ったにゃ!」
その頃、王城ではブルート国王とアストン公爵、マーチン公爵、そして父上が集まって話し合いをしていた。
「そうか。帝国がな~。」
「陛下!もう我慢の限界です!」
「マーチン!ちょっと待て!帝国はかなりの武力を保有しているんだぞ!今回もそうだが、奴らはワイバーンすら兵力として扱っているんだ。戦争になったら、我が国にどれほどの被害が及ぶかわかっているのか!」
「ですが兄上。」
するとブルート国王が父上に声をかけた。
「アントニー。そなたはどう思う?」
「はい。皇帝のデスロンは相当頭のキレる人物だと聞きました。彼はこの国をどうしようと思っているのでしょうか?なんか焦っているようにしか思えないのですが。」
「この国を属国にして他国を侵略するための道具に使おうとしているのではないか。」
「陛下。本当にそうでしょうか?それならばなぜ帝国は大々的に攻めてこないのですか?強大な軍事力を持つ帝国ならば、ムサシン王国やカズサロ王国、エチガイ王国に侵攻してもよいのではないですか?」
するとマーチン公爵が心配そうな顔で言った。
「陛下。もしやマーガレット王女が狙いなのではありませんか?」
「確かにな。マーガレットには未来予知の能力がある。それに、国民達からは聖女ではないかと言われておるからな。」
アストン公爵が父上の顔を見た。二人は本当の聖女がサニーだと知っているのだ。しかも、その婚約者であるオレのことを神の使徒と思っているのだから、戸惑うのも無理はない。
「兄上。もう正直にすべてを話してもいいんではないですか?」
「アントニー!それではユリウスがこの国から出て行ってしまうではないか!」
「ユリウスももうじき17歳です。もう子どもではありません。私がマリアと説得します。」
「だが、私は彼との約束を破ることになってしまうな。」
「大丈夫です。私が説明しますから。兄上。」
すると二人の会話を聞いていたブルート国王とマーチン公爵の顔が険しくなった。
「二人で何を話しているんだ!私達にもわかるように説明しないか!」
「兄上達が何の話をしているのか私にもさっぱりわかりません。説明してください。」
「申し訳ありません。これから話をすることに関しては口外しないで欲しいのですが。」
「わかったから早く話せ。」
ここで父上が説明をし始めた。
「実は我が息子のユリウスですが、神の使徒ではないかと思われます。」
「どういうことだ?!」
「はい。彼が10歳の時に雷に打たれて、それから彼の様子が変化したのです。その時に彼は自分の過去生のことをすべて思い出したと言っていました。」
「過去生?」
「はい。彼は他の世界から創造神様の手によって500年もの長い時間修行をさせられ、この世界に転生させられたそうです。なにやら奈落というとてつもなく恐ろしい場所で、何度も何度も死んだそうです。それでも修行が終わらず、最後に黒龍様を倒して修行から解放されたそうです。」
「黒龍様とは、まさか、兄上!」
「ああ、そうだ。冥府の守護者である黒龍様だ。」
「その話は本当なのか?」
「はい。陛下。彼は普段実力を隠していますが、恐らくこの世界で彼に勝てる存在はいないかと思われます。事実、彼は伝説上の魔法である空間魔法や転移魔法が使えます。それだけではありません。私が冗談でこの国を亡ぼすような魔法は使うなよというと、彼は大切な人達がいるこの国を亡ぼすことはしないと答えていました。」
「そうなのか。できないとは言わなかったのだな。」
「はい。恐らく、彼にはそれだけの力があるのだと思います。」
すると、マーチン公爵が思い出したように言った。
「兄上。まさか、あの仮面の少年はユリウスなのか?」
「ああ、そうだ。先日、カナディアンシティでワイバーンを殲滅したのも彼だ。」
「そうだったのか~。シューベルのところに遊びに来ていたのは知っていたが、まさか彼が神の使徒だったとはな。」
「マーチン。彼は自分のことを神の使徒だとは思っていないさ。ただ、教会で創造神様と最高神アテナ様と会い、アテナ様がこの世界の管理をするのを手助けするようにと言われたらしい。」
ブルート国王が驚きすぎて椅子から落ちそうになった。
「最高神様とお会いになっただと!なんということだ!我が甥が神の使徒であったとはな。」
「それだけではないのです。実は兄上のところのサニーなんですが・・・」
「サニーがどうかしたのか?」
すると今度はアストン公爵が説明を始めた。
「実はサニーはアテナ様の声を聞くことができるのです。そして、ユリウスがアテナ様と創造神様と話しているのも聞いていたのです。」
「な、なんと!」
「兄上!では、サニーが聖女なんですか?」
「恐らくな。」
今度は父上が話し始めた。
「創造神様とアテナ様によって、ユリウスとサニーは結婚するように運命づけられていたんだと思います。」
「宿命ということだな。」
「はい。二人は力を合わせて、この世界を平和にするように運命づけられているのではないでしょうか。」
「なるほどな。」
全員が何かを考え込んでいるようだった。そしてブルート国王が口を開いた。
「アントニー。ユリウスは帝国のことを何と言っているんだ?」
「とくには何も言っていません。ただ、攻められないような対策は必要だとは思っているようです。」
「そうか。こちらから手出ししようとは言わなかったのだな。」
「はい。ユリウスは人を殺めることに抵抗があるようです。」
「もしや、サニーを誘拐した帝国の冒険者達を捕まえたのもユリウスなのか?」
「はい。そうです。二人は仕方なく殺害したようですが。」
「そうだったのか。」
「帝国への対策について再度検討することにしよう。できればユリウスも参加させたいのだが。」
「陛下。話はしてみますが、無理強いはできません。ご容赦ください。」
「わかった。」
そして王城での会談が終わり全員が帰路に着いた。
「よかったのか。アントニー。大事な一人息子だろ?もしユリウスが国外に出てしまったらどうするんだ。マリア殿は相当悲しむぞ!」
「大丈夫ですよ。兄上。あの子は私とマリアの息子ですから。私達を悲しませるようなことはしませんよ。」
「そうだな。」
ミリューで食事を終えたオレ達は、服屋によってソフィア、ミーア、サニーの服を買った後、屋敷に帰ることにした。
「お帰りなさいませ。ユリウス様。旦那様と奥様が居間でお待ちです。」
「ありがとう。ヨハン。」
オレとサニーは居間に向かった。ソフィアとミーアはメイドの仕事があるようだ。
「ユリウス。話がある。そこ座ってくれ。」
「はい。」
何やら父上も母上も真剣な表情だ。普段笑顔の絶えない母上がこんな表情をすることはめったにない。
「実は今日、王城で陛下と兄上とマーチンと話をしたんだ。」
「帝国の件ですね?」
「ああ、そうだ。だがな、話の成り行きでお前とサニーのことも陛下に話をしてしまってな。次回の御前会議には、是非ともお前も参加させて欲しいと陛下から頼まれたんだ。」
「もしかしてオレの力やサニーが最高神様の声を聞く件に関しても話したんですか?」
「ああ、そうだ。」
「ユーリちゃん!仕方ないのよ!アントニーのことを恨まないで!」
母上が今にも泣きだしそうな顔だ。母上のこんな顔は見たくない。
「陛下はオレに何を望んでいるのですか?もし戦争に加担しろというのであれば、オレはこの国を出て行きます!」
流石にオレの言葉に父上も焦ったようだ。母上はとうとうハンカチで涙を拭き始めた。
「陛下は別に戦争をしたがっているわけではないのだ。その逆だ。どうにか帝国と戦争をしないで済ませる方法はないかと苦心しているのだ。」
恐らく父上はオレを引き留めるために嘘を言ったのだろう。でも、戦争を回避する方法があるのであれば模索したい。
「わかりました。会議に参加しましょう。ですが、サニーも一緒ですから。」
「わかってるさ。」
そしてオレは自分の部屋に行った。そこにサニーがやってきた。
「ユーリ。どうするの?多分、国王陛下は帝国と戦争するつもりよ。」
「オレもそう思う。でも、それだけは避けたいんだよね。何の罪もない人達が犠牲になるかもしれないしさ。」
「何か方法はあるの?」
「その前にさ。どうして帝国はこの国を狙っているんだろう?この国にそれほどの価値があるのかな~?」
「私が狙いかもしれないわ。この国に聖女がいるって話は世界的に知られているだろうし。」
「でも、それって未来予知ができるマーガレットのことでしょ?別にサニーが狙われているってわけじゃないと思うけどな~。」
「そうかもね。なんかマーガレットに申し訳ないな~。」
「でもそれだけなのかな~?聖女1人を狙うためにわざわざ戦争を仕掛けようなんて思うかな~?他に理由があるんじゃないかって思うんだけど。」
「そうかもね。」
「だったら、オレ達でその理由を調査しに帝国に行ってみようか。」
「帝国に行くの?何か月もかかるわよ。」
「戦争になるよりはましだよ。原因が分かれば対処もできるかもしれないしさ。」
「わかったわ。私も一緒に行く!」
「ソフィアとミーアも一緒さ。なんたって彼女達も『ゴッドマスク』のメンバーなんだから。」
「そうね。」
「帰ろうか。」
「そうね。お父様に報告しないとね。」
「また馬車で帰るんですか?」
「お尻が痛いにゃ!」
馬車で帰るとまた日数がかかってしまう。何よりもこの世界の乗り物は馬車しかなく、お尻が痛くなるのだ。
「わかったよ。転移で帰るよ。」
「やったにゃー!」
「よかった~!」
「はい。よかったです。」
どうやら、オレが思っていた以上に彼女達は馬車が大変だったようだ。オレは3人を連れて王都の屋敷に転移した。すると、そこに父上と母上がいた。
「ユリウス!どこに行ってたんだ?」
「お父様。我が父であるアストンの依頼で、私達はカナディアンシティのワイバーンを討伐しに行っていたんです。」
「そうなの?ユーリちゃん。」
「はい。今回の事件も帝国が関係していました。」
「それは誠か?」
「はい。」
「詳しく話を聞こうか。」
「ええ、でもアストン公爵様に報告をしないといけませんので、ここにお呼びしてもいいですか?」
「ああ、構わないさ。」
オレはアストン公爵の屋敷に行き、アストン公爵とともに自分の屋敷に戻ってきた。
「待たせたな。アントニー。」
「いいえ。それよりもユリウスから説明を聞きましょう。」
ここでオレはカナディアンシティの件を説明した。
「そうか~。帝国の兵士がワイバーンの群れを操っていたのか。」
「はい。恐らく、帝国は今回のワイバーンだけでなく、相当数のワイバーンを戦力として利用していると思います。」
「兄上。陛下に言って、何か対策をとった方がいいのではないですか?」
「そうだな。分かった。明日、王城に行って陛下にこの件を伝えよう。」
「なら、私もご一緒しましょう。」
「あの~。」
「どうした?ユリウス。」
「オレ達のことは内緒にして欲しいんですけど。」
「わかっているさ。婿殿を困らせるようなことはしないよ。ハッハッハッハッ」
オレ達は約束通りミリューに来ていた。
「今日はお腹いっぱい食べるにゃ!」
「食べすぎないでよ。」
「いいんじゃない。ソフィー。ミーも頑張ったんだから。」
「そうにゃ!頑張ったにゃ!」
その頃、王城ではブルート国王とアストン公爵、マーチン公爵、そして父上が集まって話し合いをしていた。
「そうか。帝国がな~。」
「陛下!もう我慢の限界です!」
「マーチン!ちょっと待て!帝国はかなりの武力を保有しているんだぞ!今回もそうだが、奴らはワイバーンすら兵力として扱っているんだ。戦争になったら、我が国にどれほどの被害が及ぶかわかっているのか!」
「ですが兄上。」
するとブルート国王が父上に声をかけた。
「アントニー。そなたはどう思う?」
「はい。皇帝のデスロンは相当頭のキレる人物だと聞きました。彼はこの国をどうしようと思っているのでしょうか?なんか焦っているようにしか思えないのですが。」
「この国を属国にして他国を侵略するための道具に使おうとしているのではないか。」
「陛下。本当にそうでしょうか?それならばなぜ帝国は大々的に攻めてこないのですか?強大な軍事力を持つ帝国ならば、ムサシン王国やカズサロ王国、エチガイ王国に侵攻してもよいのではないですか?」
するとマーチン公爵が心配そうな顔で言った。
「陛下。もしやマーガレット王女が狙いなのではありませんか?」
「確かにな。マーガレットには未来予知の能力がある。それに、国民達からは聖女ではないかと言われておるからな。」
アストン公爵が父上の顔を見た。二人は本当の聖女がサニーだと知っているのだ。しかも、その婚約者であるオレのことを神の使徒と思っているのだから、戸惑うのも無理はない。
「兄上。もう正直にすべてを話してもいいんではないですか?」
「アントニー!それではユリウスがこの国から出て行ってしまうではないか!」
「ユリウスももうじき17歳です。もう子どもではありません。私がマリアと説得します。」
「だが、私は彼との約束を破ることになってしまうな。」
「大丈夫です。私が説明しますから。兄上。」
すると二人の会話を聞いていたブルート国王とマーチン公爵の顔が険しくなった。
「二人で何を話しているんだ!私達にもわかるように説明しないか!」
「兄上達が何の話をしているのか私にもさっぱりわかりません。説明してください。」
「申し訳ありません。これから話をすることに関しては口外しないで欲しいのですが。」
「わかったから早く話せ。」
ここで父上が説明をし始めた。
「実は我が息子のユリウスですが、神の使徒ではないかと思われます。」
「どういうことだ?!」
「はい。彼が10歳の時に雷に打たれて、それから彼の様子が変化したのです。その時に彼は自分の過去生のことをすべて思い出したと言っていました。」
「過去生?」
「はい。彼は他の世界から創造神様の手によって500年もの長い時間修行をさせられ、この世界に転生させられたそうです。なにやら奈落というとてつもなく恐ろしい場所で、何度も何度も死んだそうです。それでも修行が終わらず、最後に黒龍様を倒して修行から解放されたそうです。」
「黒龍様とは、まさか、兄上!」
「ああ、そうだ。冥府の守護者である黒龍様だ。」
「その話は本当なのか?」
「はい。陛下。彼は普段実力を隠していますが、恐らくこの世界で彼に勝てる存在はいないかと思われます。事実、彼は伝説上の魔法である空間魔法や転移魔法が使えます。それだけではありません。私が冗談でこの国を亡ぼすような魔法は使うなよというと、彼は大切な人達がいるこの国を亡ぼすことはしないと答えていました。」
「そうなのか。できないとは言わなかったのだな。」
「はい。恐らく、彼にはそれだけの力があるのだと思います。」
すると、マーチン公爵が思い出したように言った。
「兄上。まさか、あの仮面の少年はユリウスなのか?」
「ああ、そうだ。先日、カナディアンシティでワイバーンを殲滅したのも彼だ。」
「そうだったのか~。シューベルのところに遊びに来ていたのは知っていたが、まさか彼が神の使徒だったとはな。」
「マーチン。彼は自分のことを神の使徒だとは思っていないさ。ただ、教会で創造神様と最高神アテナ様と会い、アテナ様がこの世界の管理をするのを手助けするようにと言われたらしい。」
ブルート国王が驚きすぎて椅子から落ちそうになった。
「最高神様とお会いになっただと!なんということだ!我が甥が神の使徒であったとはな。」
「それだけではないのです。実は兄上のところのサニーなんですが・・・」
「サニーがどうかしたのか?」
すると今度はアストン公爵が説明を始めた。
「実はサニーはアテナ様の声を聞くことができるのです。そして、ユリウスがアテナ様と創造神様と話しているのも聞いていたのです。」
「な、なんと!」
「兄上!では、サニーが聖女なんですか?」
「恐らくな。」
今度は父上が話し始めた。
「創造神様とアテナ様によって、ユリウスとサニーは結婚するように運命づけられていたんだと思います。」
「宿命ということだな。」
「はい。二人は力を合わせて、この世界を平和にするように運命づけられているのではないでしょうか。」
「なるほどな。」
全員が何かを考え込んでいるようだった。そしてブルート国王が口を開いた。
「アントニー。ユリウスは帝国のことを何と言っているんだ?」
「とくには何も言っていません。ただ、攻められないような対策は必要だとは思っているようです。」
「そうか。こちらから手出ししようとは言わなかったのだな。」
「はい。ユリウスは人を殺めることに抵抗があるようです。」
「もしや、サニーを誘拐した帝国の冒険者達を捕まえたのもユリウスなのか?」
「はい。そうです。二人は仕方なく殺害したようですが。」
「そうだったのか。」
「帝国への対策について再度検討することにしよう。できればユリウスも参加させたいのだが。」
「陛下。話はしてみますが、無理強いはできません。ご容赦ください。」
「わかった。」
そして王城での会談が終わり全員が帰路に着いた。
「よかったのか。アントニー。大事な一人息子だろ?もしユリウスが国外に出てしまったらどうするんだ。マリア殿は相当悲しむぞ!」
「大丈夫ですよ。兄上。あの子は私とマリアの息子ですから。私達を悲しませるようなことはしませんよ。」
「そうだな。」
ミリューで食事を終えたオレ達は、服屋によってソフィア、ミーア、サニーの服を買った後、屋敷に帰ることにした。
「お帰りなさいませ。ユリウス様。旦那様と奥様が居間でお待ちです。」
「ありがとう。ヨハン。」
オレとサニーは居間に向かった。ソフィアとミーアはメイドの仕事があるようだ。
「ユリウス。話がある。そこ座ってくれ。」
「はい。」
何やら父上も母上も真剣な表情だ。普段笑顔の絶えない母上がこんな表情をすることはめったにない。
「実は今日、王城で陛下と兄上とマーチンと話をしたんだ。」
「帝国の件ですね?」
「ああ、そうだ。だがな、話の成り行きでお前とサニーのことも陛下に話をしてしまってな。次回の御前会議には、是非ともお前も参加させて欲しいと陛下から頼まれたんだ。」
「もしかしてオレの力やサニーが最高神様の声を聞く件に関しても話したんですか?」
「ああ、そうだ。」
「ユーリちゃん!仕方ないのよ!アントニーのことを恨まないで!」
母上が今にも泣きだしそうな顔だ。母上のこんな顔は見たくない。
「陛下はオレに何を望んでいるのですか?もし戦争に加担しろというのであれば、オレはこの国を出て行きます!」
流石にオレの言葉に父上も焦ったようだ。母上はとうとうハンカチで涙を拭き始めた。
「陛下は別に戦争をしたがっているわけではないのだ。その逆だ。どうにか帝国と戦争をしないで済ませる方法はないかと苦心しているのだ。」
恐らく父上はオレを引き留めるために嘘を言ったのだろう。でも、戦争を回避する方法があるのであれば模索したい。
「わかりました。会議に参加しましょう。ですが、サニーも一緒ですから。」
「わかってるさ。」
そしてオレは自分の部屋に行った。そこにサニーがやってきた。
「ユーリ。どうするの?多分、国王陛下は帝国と戦争するつもりよ。」
「オレもそう思う。でも、それだけは避けたいんだよね。何の罪もない人達が犠牲になるかもしれないしさ。」
「何か方法はあるの?」
「その前にさ。どうして帝国はこの国を狙っているんだろう?この国にそれほどの価値があるのかな~?」
「私が狙いかもしれないわ。この国に聖女がいるって話は世界的に知られているだろうし。」
「でも、それって未来予知ができるマーガレットのことでしょ?別にサニーが狙われているってわけじゃないと思うけどな~。」
「そうかもね。なんかマーガレットに申し訳ないな~。」
「でもそれだけなのかな~?聖女1人を狙うためにわざわざ戦争を仕掛けようなんて思うかな~?他に理由があるんじゃないかって思うんだけど。」
「そうかもね。」
「だったら、オレ達でその理由を調査しに帝国に行ってみようか。」
「帝国に行くの?何か月もかかるわよ。」
「戦争になるよりはましだよ。原因が分かれば対処もできるかもしれないしさ。」
「わかったわ。私も一緒に行く!」
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