最強転生者が神になるまで

甲斐源氏

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奴隷の少女

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 オレとミレイは公爵領のスピカを後にして、行く当てのない旅をしている。


「ケン。どこに行くにゃ?」

「この国の王都に行ってみようかなって思うんだけど。」

「分かったにゃ。僕も一度しか行ったことないにゃ。」

「大丈夫。行き方は分かるから。」

「記憶をなくしてるのに不思議にゃ。」


 ミレイには記憶を失ったと嘘を言っている。心苦しいが仕方がない。


「ケン。この先にダンジョンの街があるにゃ。行きたいにゃ。」

「いいけど、正直ダンジョンには興味ないよ。」


 オレがゲームで知っているダンジョンは、暗い中で魔物が出てきて、それを討伐するとドロップアイテムがもらえるものだ。あまり興味がわかなかった。


「ダンジョンにはいろんなお宝があるにゃ。それを売ればお金持ちにゃ。」

「そんなにお金も必要じゃないしね。食べていければ十分だよ。」

「ケンは変わってるにゃ。あれだけ強いのにそれを隠そうとするにゃ。それに、欲がないにゃ。」

「目立ちたくないだけだから。」


 オレとミレイはダンジョンの街ナギトールに着いた。ナギトールの街は冒険者で溢れていた。魔女風の女性もいれば、甲冑を着込んだものもいる。オレ達が街を散策していると、貴族風の男が裏通りに入って行くのが見えた。


「ミレイ。あの貴族、裏通りに入って行くぞ。」

「多分奴隷にゃ。奴隷を買いに行くにゃ。」

「奴隷?」

「そうにゃ。犯罪者や借りた金を返せない者は奴隷になるにゃ。それ以外にも違法に連れてこられた人達もいるにゃ。」

「ミレイ。行ってみようか。」

「ケンは奴隷が欲しいにゃ?」

「違うよ。様子を知りたいだけだよ。」

「女の奴隷はほとんどが性奴隷にゃ。ケンも興味があるにゃ?」


 ミレイが疑わしい目でオレを見ている。


「興味なくはないけど、オレは奴隷制度には反対だから。」

「ケンは正直にゃ!」


 なんかミレイが嬉しそうに手をつないできた。オレ達が裏通りに入って行くと、怪しい建物があった。そして中には先ほどの貴族がいた。オレ達も中に入った 。


「では、頼んだぞ!」

「畏まりました。ドトール男爵様、明日の夜にはお屋敷の方にお届けしますので。」


 男は急ぎ足で店を出て行った。すると、店主らしき男がオレ達の方に来た。


「お客さん困りますよ。売りたい奴隷がいるなら裏に回ってくれないと。」

「売りたい奴隷?」

「そこの猫耳族を売りに来たんじゃないんですか?」

「違うよ。彼女はオレの仲間だ。ダンジョンに行くのに必要だから、奴隷を探しに来たんだ。」

「それはそれは申し訳ありませんでした。では、こちらにどうぞ。」


 店の中に案内された。店の奥はまるで牢屋のようだ。そこには、人相の悪いいろんな種族の男女がいる。


「この者達は犯罪奴隷ですよ。ですが、隷属の首輪をはめますから、あなた様には逆らえません。他の奴隷もご覧になりますか?」

「ああ、頼む。」


 今度は地下に案内された。地下には借金奴隷と思われる男女がいた。


「店主。これで全部か?」

「ええ、他にもいることはいますが、ダンジョンに行くには役に立たないと思いますよ。」

「見せてくれ。」

「畏まりました。」


 オレ達が後をついていくと、一番奥の牢に一人の少女が倒れていた。


「この者は犯罪奴隷でも借金奴隷でもありません。旅人が連れてきたんですが、片手もないし、重い病にかかっているようだったので、うちの店で引き取ったんです。」

「店主、彼女はいくらだ?」

「いいんですか? 恐らく長くはもちもせんよ。」

「構わんさ。」

「本来、エルフの少女ともなれば白金貨ほどの価値があるのですが・・・・」


 店主が言いにくそうにしていたので、オレは大金貨1枚を渡した。


「これで何とか譲ってくれないか。」

「お客さん。本当にいいんですか?」

「ああ。」

「なら、お譲りしますよ。その前に、隷属の首輪をあなたの名前にしますので。」

「店主。この子はもう長くないんだろ? 首輪もはずしてやってくれ。」

「わかりました。」


 オレはエルフの少女を抱きかかえて、ミレイと一緒に店を出た。


「ケン。良かったにゃ?」

「ああ、だってこのままじゃこの子、死んでしまうだろ?」

「でも、ケンはこの子の病気治せるにゃか?」


 すると、少女が目を覚ました。


「あ、あの~。私は・・・」

「ああ、君はオレが保護したんだ。」

「あ、ありがとう。で、でも、私何もでき・・・ハーハーハー」

「しゃべらなくていい。目を閉じて休んでな。」
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