神人転生 欠陥品で廃棄されたようですが、実は最強だったので異世界で生きていくことにしました

蒼の燈

文字の大きさ
2 / 6

転生

しおりを挟む
 色々と分かった事がある。

 まず第一に、体の変化。
 最早変化というべきではないだろう。俺は別人になってしまったみたいだ。
 これが今、巷で話題の転生というやつだろうか。
 身長は150cmほどに縮み、体の線もかなり細くなった。
 鏡に映る自分は、以前と似ても似つかない。
 目はトパーズのような明るい黄色、髪の毛は真っ白な長髪になり、全体的に女性らしい顔つきになった。
 髪型も相まって、美少年を通り越してほぼ美少女だ。
 不安になって思わず確認したが、幸いながら性別は変わっていない。何をとは言わないが。
 それに声も、第二次性徴前の少年のようなハスキーな声質になっている。
 前までは割と迫力のある、低めの声だったと思うのだが、今は見る影もない。
 全くもって、常識からは考えられない事が起きている。

 そして、第二に自分が置かれた状況。
 あの部屋から出て階段を上り、上に続く建物を色々と探索してみた所、誰一人として人間は見当たらなかった。
 それに、何かが押し入ったような、それでいて争ったような痕跡があり、建物は荒れ果てていた。
 所々に血痕のようなシミもあり、完全に乾いて風化していたので、そう近くない時期に何らかの事件があったようだ。

 何に使うか分からないガラス瓶、何かの鉱物や宝石の原石らしきもの、残された書類。
 それは扉の張り紙と同じーーと思われるーー言語で書かれていたので、問題なく読むことができた。
 争ったからか、多くの部分が焼け落ちたり破れていたりしたが、共通して同じ計画に向けて研究していた事が分かる。

 「神人計画」
 普通の人間とは隔絶した能力を持つ「神人」と呼ばれる人間を人工的に作り出し、戦争への利用、さらに死者蘇生や不老不死に応用する計画。

 残された書類から、少なくとも100人が神人を作るための犠牲になっている。
 アメリカであればFBI10重大最重要指名手配の11人目に追加される事が間違いなしである。

 部屋の作りと残されたものからして、大規模な研究所のような場所だったのだろう。
 そうすると、俺は人体実験を受けていたという可能性が高い、
 そう思うと行き場のない怒りが湧き上がるが、その建物の惨状では、恐らく構成員は大半が死んでいるだろう。
 それに、俺が死ぬ筈だった火傷から生き延びられたのも、この研究の実験台にされからかもしれない。
 まだ判断するのは軽率だ。

 今の置かれた状況を少し理解できたことで、一息つく気分になれた。
 流石に、右も左も分からないのに呑気に寝てはいられなかった。

 とりあえず、シャワーが浴びたい。
 あのホコリっぽい地下に居たからか、体が汚れていて気持ち悪い。
 この建物は破壊し尽くされていたけど、シャワールームらしき場所は水も出ていたし、少し寒いのを我慢すれば問題ないだろう。
 とにかく休みたい一心で、俺は先ほど見つけたシャワールームに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...