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序章
3 私の立場と世界
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詳しい話は城でする、と美形が言い、私達は薄暗い召喚場?から追いやられるように外に出された。
暗さに慣れた目に太陽光が眩しい。
ふと見上げると、巨大な幹と緑が目に入った。恐らくこれが【聖樹】なのだろう。
つまり召喚場?は【聖樹】の真下にあったわけだ。
振り返って、来た道を――その先にある私達が出てきた建物を見る。
それは神殿のようだった。
この時私は、不思議な感覚に陥った。
見上げる【聖樹】。神殿のような建物。
何故だろうか、見たことがある気がする。美形を視界に入れた時に感じたのと同じ感覚だ。
どうしてだろう。見たことがあるわけなんかない。だってここは異世界だ。
それともあれだろうか、今までプレイしてきたゲームに似たような光景でもあったんだろうか。
多分可能性としては、一番それが高い。
……感覚の正体について悩んでいると、とんとん、と肩を叩かれた。
ぎょっとして振り返ると、美形とはまた違う方面に美形な方眼鏡をした男性が後ろに立っていた。
片眼鏡さん――ルフィスというらしい――は言う。貴方はこちらです、と。
まさかのいきなり終わりフラグ!?と思ったが、困ったような表情の彼に今のところ敵意も悪意も感じない。
むしろ、心底困った、という風に見える。
どうしたものかと思ったが、既に美形もイケメンも美少女も他のマント連中をぞろぞろ連れてどこか――恐らく城――に向かっているようで、あの中に私が入れないのはまず確実だから、ルフィスさんに着いていく他なさそうだ。
この人、押しつけられたな。間違いなく。哀れな。
が、彼に対する第一印象だった。
「つまり完璧に巻き込まれた被害者である私は、一時的に貴方の保護下という形でこの国に滞在を許された、ということですか?」
連れてこられたのは、ルフィスさんの自宅だった。
石造りの建物で、一人暮らしだというが無駄にでかい。
中?本やら紙やらで埋まっている。足の踏み場はギリギリあるくらいだった。ぶっちゃけ汚い。
なので唯一体裁の整っているというキッチンにて、現状について話をしている。
流石に水回りと食事をする所は片付けてるのか……。
「ええ、そうです。こちらの都合で呼び出しておいて、放逐や処刑ではあまりにも一方的過ぎますから」
つまり美形と美少女が話してる間にマント連中の間ではそんな会話がなされていたんだな。
一方的というか、非道にも程があるんだけど??
この世界の召喚に対する認識って一体どうなってるんだ。
「還せないんですか?」
「還せません。召喚術は一方通行……呼び出す術式しかありませんから」
「術式を反対に造り替える、とか出来ないんですか?」
「……よい着眼点ですね。しかし無理です。あの術式は失われて久しいもの。我々では解析のしようがないのです」
私の発言に、あの美形が美少女にしたように目を細めるルフィスさん。
しまった、失言だったかな?
逃げるつもりだから、必要以上に興味を持たれるのは困るんだけど。
最初は気付かなかったけど、あの美形とルフィスさん、なんか似てるし。
血縁はありそう。
「ところで貴方は家事は出来ますか?」
「え?あ、家事ですか。料理には自信ないですけど、一応一通りは出来ます」
「それは良かった。貴方には最終的な判断が出されるまで私の手伝いをしてもらおうと思っています。主に家事ですね。残念ながら外に出してあげることはできませんが」
「危険ですか?外は」
「ええ、あらゆる意味で。タカマガは敵国ですから。この国に存在する人間は、例外なく奴隷です。違うのは貴方方三人だけですよ」
だろうなとは思ったけどやっぱり厄介な立場だった。
人間の国と争ってるんだから、この国での人間の立場は悪いものだろうとは予想がついていた。
しかし奴隷オンリーとは、そこまで悪いのか。
どれくらいこの対立状態が続いてるんだろう?
暗さに慣れた目に太陽光が眩しい。
ふと見上げると、巨大な幹と緑が目に入った。恐らくこれが【聖樹】なのだろう。
つまり召喚場?は【聖樹】の真下にあったわけだ。
振り返って、来た道を――その先にある私達が出てきた建物を見る。
それは神殿のようだった。
この時私は、不思議な感覚に陥った。
見上げる【聖樹】。神殿のような建物。
何故だろうか、見たことがある気がする。美形を視界に入れた時に感じたのと同じ感覚だ。
どうしてだろう。見たことがあるわけなんかない。だってここは異世界だ。
それともあれだろうか、今までプレイしてきたゲームに似たような光景でもあったんだろうか。
多分可能性としては、一番それが高い。
……感覚の正体について悩んでいると、とんとん、と肩を叩かれた。
ぎょっとして振り返ると、美形とはまた違う方面に美形な方眼鏡をした男性が後ろに立っていた。
片眼鏡さん――ルフィスというらしい――は言う。貴方はこちらです、と。
まさかのいきなり終わりフラグ!?と思ったが、困ったような表情の彼に今のところ敵意も悪意も感じない。
むしろ、心底困った、という風に見える。
どうしたものかと思ったが、既に美形もイケメンも美少女も他のマント連中をぞろぞろ連れてどこか――恐らく城――に向かっているようで、あの中に私が入れないのはまず確実だから、ルフィスさんに着いていく他なさそうだ。
この人、押しつけられたな。間違いなく。哀れな。
が、彼に対する第一印象だった。
「つまり完璧に巻き込まれた被害者である私は、一時的に貴方の保護下という形でこの国に滞在を許された、ということですか?」
連れてこられたのは、ルフィスさんの自宅だった。
石造りの建物で、一人暮らしだというが無駄にでかい。
中?本やら紙やらで埋まっている。足の踏み場はギリギリあるくらいだった。ぶっちゃけ汚い。
なので唯一体裁の整っているというキッチンにて、現状について話をしている。
流石に水回りと食事をする所は片付けてるのか……。
「ええ、そうです。こちらの都合で呼び出しておいて、放逐や処刑ではあまりにも一方的過ぎますから」
つまり美形と美少女が話してる間にマント連中の間ではそんな会話がなされていたんだな。
一方的というか、非道にも程があるんだけど??
この世界の召喚に対する認識って一体どうなってるんだ。
「還せないんですか?」
「還せません。召喚術は一方通行……呼び出す術式しかありませんから」
「術式を反対に造り替える、とか出来ないんですか?」
「……よい着眼点ですね。しかし無理です。あの術式は失われて久しいもの。我々では解析のしようがないのです」
私の発言に、あの美形が美少女にしたように目を細めるルフィスさん。
しまった、失言だったかな?
逃げるつもりだから、必要以上に興味を持たれるのは困るんだけど。
最初は気付かなかったけど、あの美形とルフィスさん、なんか似てるし。
血縁はありそう。
「ところで貴方は家事は出来ますか?」
「え?あ、家事ですか。料理には自信ないですけど、一応一通りは出来ます」
「それは良かった。貴方には最終的な判断が出されるまで私の手伝いをしてもらおうと思っています。主に家事ですね。残念ながら外に出してあげることはできませんが」
「危険ですか?外は」
「ええ、あらゆる意味で。タカマガは敵国ですから。この国に存在する人間は、例外なく奴隷です。違うのは貴方方三人だけですよ」
だろうなとは思ったけどやっぱり厄介な立場だった。
人間の国と争ってるんだから、この国での人間の立場は悪いものだろうとは予想がついていた。
しかし奴隷オンリーとは、そこまで悪いのか。
どれくらいこの対立状態が続いてるんだろう?
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