128 / 233
第三話 失われた真実
第十三章:5 決別
しおりを挟む
考えなければならない事が、胸の内で幾重にも絡まっている。
なぜ朱里が禁術についての詳細を知ることが出来たのか。彼方達に聞いたのか、あるいは夢に映る光景が、彼女に教えてしまったのか。
もし誰かに相称の翼としての立場を知られたのなら、事態は大きく動き出すだろう。
怪我を労わっている余裕などなく、時を惜しまなければならない筈なのだ。
頭の片隅で冷静に次のことを考えながらも、遥は既にそれが無駄な分析であることを悟っていた。
泣きながら訴える朱里の覚悟が、先の展開を予感させたのだ。
全てが意味を失う時が訪れるのだと。
「――朱桜」
予感に違わず、驚くほど呆気なくその時は訪れた。
本性を取り戻した彼女が、びくりと白い肩を震わせるのが伝わってくる。身の丈と同じくらいに伸びた、目の覚めるような金色の髪。真っ直ぐに伸びた髪は艶を持って垂れ下がり、何も纏わぬ姿を隠すように白い肌に落ちかかっている。
真相を明らかにするため、いずれ禁術は解かれなければならなかった。けれど、あまりに唐突に訪れた瞬間に、遥は考えが追いつかない。
裸身であることに戸惑っている彼女の仕草を感じて、機械的な思考が働くだけだった。彼女の小さな肩にそっと手身近な上着を羽織らせる。
互いに言葉のない沈黙の中で、ただ夢を見ているのではないかと言う気がしていた。
けれど、そんな錯覚もすぐに費えてしまう。
本性を取り戻した朱里――朱桜は、与えられた上着を両手で引き寄せるようにして纏い、ちいさな肩を震わせていた。すぐに沈黙が嗚咽によって打ち消されてしまう。
いつかと同じように、彼女が繰り返した。
「ごめん、なさい」
まるで時間が巻き戻されたかのように、朱桜はただ詫びる。
何をどんなふうに捉えるべきなのか、判らない。
彼女の発した禁術に関わっていたのが、自身の真名であったこと。それを素直に彼女の想いとして受け入れるべきなのか、ただ全てが複雑な事情の上に成り立っていたのか。
目の前に現れた眩いばかりの金色が、遥の意志を後者へと導いてしまう。
金を纏うのは、黄帝への想いが結実した姿。
その真実に勝る事実など、あってはならない。いかに禁術に関わろうと、遥にとっては金を纏うという意味が全てに勝る。
手を伸ばせば触れることの出来る距離に在るのに、彼はもう手を伸ばすことが出来ない。心に刻まれた禁忌が、彼女に触れることを許さない。
かけるべき言葉を見つけられずにいると、再び朱桜が詫びた。
「ごめんなさい、先生」
先生という言葉が、少しだけ彼女を身近な存在に戻してくれる。朱桜は朱里であり、唐突に訪れた瞬間も、他愛なく過ごした日々の続きであることに変わりはないのだ。どちらも失われずに在ることが、遥にとってはわずかな救いだった。
「私はもう、あなたの傍にいることなどできなかったのに。それを認めることができなくて。こんなふうに、――夢を見て、本当のことから目を逸らしていました。禁術があなたを巻き込んでしまうことを、考えもせずに……。私はとても浅はかで、愚かです」
彼女は禁術がもたらした結末を知って、自身の行いを責めているようだった。止むことのない悲嘆に暮れ、後悔に囚われている。
「ごめんなさい。こんなことになってしまって、……こんな」
声を詰まらせて、彼女は他の仕草を忘れてしまったかのように、ただ小さな肩を震わせる。嗚咽を堪えるように唇を噛んでいた。
真実を打ち明けられても、遥は声を殺して泣く小さな姿を責める気にはなれない。どんな姿をしていても、誰を想っていても、彼女を愛したことを後悔はしない。
自分の想いは、与えられることを望むのではない。
彼女には、既に抱えきれぬほど与えられてきたのだ。今更、何を望むというのだろう。
「朱桜、全てを取り戻したのなら、自身が望むことを形にすればいい。私に謝る必要はない。君に伝えたことは揺るがない。私は君の希望を守る」
「本当は――」
涙に潤んだ金色の虹彩が煌めいている。禁術の殻は正しく本性を形作っていたのだろう。
金色の煌めき以外は何も変わらずに在った。遥は思わずこれまでと同じように手を伸ばそうとして、すぐに思いなおした。
「本当はあなたと一緒にいたい。それだけを望んでいました。――こんなことになるまでは」
朱桜はやりきりないというように、金色に変貌した長い髪を一房掴んだ。その変貌が何を意味するのかは、彼女にも判っているのだ。
相称の翼。彼女は疲弊した世を救う、最大の切り札となる。
「もっと早く」
震える声と共に、はらはらと涙が散る。縋るような眼差しが涙に濡れたまま、遥を見つめた。
「もっと早く、伝えていれば良かった。――私が愛しているのは、あなただけだと」
弱い叫びは切実な響きをしている。それが真実であると錯覚できれば、どれほど幸せだっただろう。けれど、遥は痛みを感じた。
心の深いところを抉る約束。彼女に架した、哀しい約束が蘇る。
(その日が来たら、君は私にこう言う。――愛しているのはあなただけです。だけど、この世を見捨てることが出来ない。だから、行きます。――と。そう言って欲しい)
朱桜は違わず、成し遂げてくれるに違いない。
どうして、そんなことを望んでしまったのだろう。そんな約束では、決して夢を見続けることなど出来るはずがないのに。
こんなに意味のない芝居を続けて、いったい何が、誰が救われるだろう。ただ彼女の言葉が偽りに染められて、穢れてしまうだけなのだ。祝福するべき黄帝への想いを歪ませることなど、誰にも許されはしない。
「朱桜、もう――」
もういいのだと伝える筈の言葉は、彼女の声に遮られた。
「愛しているのは、あなただけです」
偽りだと分かっているのに、その声は強く響く。
胸の裏を貫く痛みに耐えるように、遥は固く目を閉じた。
慈悲深い黄后としての気質が、既に彼女の言動には表れているのかもしれない。朱桜は決して約束を違わない。それが遥の想いを永遠に守り続けると信じているから。
遥が――、闇呪が望んだとおりに、彼女は愛を語ってくれる。
「本当です。愛しているのは、あなただけです。――だけど、この世を見捨てることが出来ません」
遥はゆっくりと美しい金色の双眸を見つめた。
涙に潤んでいても、逸らされることなく真っ直ぐに自分に向けられた眼差し。
かつて見慣れた朱の瞳は、もう二度と見ることが叶わない。彼女が幸せを掴むのは自分の傍らでは有り得ないのだと、金色に輝く瞳が教えてくれる。
それでも。
遥の想いを護ろうとしてくれる、朱桜の精一杯の想いが愛しい。約束を反故にしないための、最期の砦となる。彼女に望んだ約束が、自身の想いを救うことがなくても、ただ黄后となる彼女の罪悪を拭うのなら、いまさら覆すことは出来ない。彼女の慈悲に答えることが出来るのなら、もうそれだけで良い。
それだけで、この歪んだ約束が意味を持つ。
遥は偽りに縛られた朱桜の言葉を、静かに受け入れた。
「朱桜、その想いだけで私は満たされる。だから、君は望むままに往けば良い。世界を育む立場に在る限り、私達の決別は仕方がない」
「どうして、こんなことに――」
「哀しむことも、悔いることもない。君と共に在り、私はこの世の美しさを知ることが出来た。だから、これからも想いは君と共に在る。この世を失いたくないという想いで、私達は同じ処に繋がっている」
はらはらと涙を零したまま、彼女はただ遥の言葉を受け止めていた。
「朱桜、この世を見捨てられないのは私も同じ。そのために必要なら、私はどんな運命も受け入れる。だから、悔いることはない。その役割を誇りに思ってほしい」
「だけど、私はあなたを失いたくありません。運命に抗ってでも救いたい。絶対に死なせたりしない。そのために、出来ることがある筈です。約束します、闇呪の君。絶対にこの世からあなたを失ったりしない」
遥は微笑んでから、深く頷いて見せた。痛々しいほど頑なに、彼女は最後まで想いを護ってくれる。黄帝への想いを隠し、偽りで築かれた想いを演じ続ける。
「あなたの傍にいられれば、私はそれだけで幸せでした。だけど、今は。――今は、護りたいものが在ります」
遥は痛みに耐えて、彼女の演技に応えた。何も言葉にせずただ頷く。
絶望に濡れていた表情を決意で拭い、朱桜が告げる。
「だから、――――私は往きます。許してください」
「詫びることはない。望みは、いつでも君と共に――」
在ると伝えようとした言葉は、飛び込んできた衝撃に遮られる。長い金色の髪が翻るのを、遥は体に触れた体温と共に感じていた。しがみついている小さな体は、今までの記憶を鮮明に蘇らせる。天界に在っても、こちらの世界に在っても、相称の翼となっても、彼女は変わらない。いつでも同じ輪郭で、遥の前に現れた。
「許してください。あなたが好きで、――とても大切なんです。だから」
最後まで、彼女は偽りを演じてくれる。
想いを護り続けてくれる。
遥の想いだけを。
「だから、――さよなら、です」
身近に触れていた熱が、ふっと遠ざかる。手を伸ばして追いかけたい衝動に駆られたが、遥は身動きできないまま立ち尽くしていた。
滲んだ視界の中で、ただ彼女が立ち去るのを見送ることしかできなかった。
なぜ朱里が禁術についての詳細を知ることが出来たのか。彼方達に聞いたのか、あるいは夢に映る光景が、彼女に教えてしまったのか。
もし誰かに相称の翼としての立場を知られたのなら、事態は大きく動き出すだろう。
怪我を労わっている余裕などなく、時を惜しまなければならない筈なのだ。
頭の片隅で冷静に次のことを考えながらも、遥は既にそれが無駄な分析であることを悟っていた。
泣きながら訴える朱里の覚悟が、先の展開を予感させたのだ。
全てが意味を失う時が訪れるのだと。
「――朱桜」
予感に違わず、驚くほど呆気なくその時は訪れた。
本性を取り戻した彼女が、びくりと白い肩を震わせるのが伝わってくる。身の丈と同じくらいに伸びた、目の覚めるような金色の髪。真っ直ぐに伸びた髪は艶を持って垂れ下がり、何も纏わぬ姿を隠すように白い肌に落ちかかっている。
真相を明らかにするため、いずれ禁術は解かれなければならなかった。けれど、あまりに唐突に訪れた瞬間に、遥は考えが追いつかない。
裸身であることに戸惑っている彼女の仕草を感じて、機械的な思考が働くだけだった。彼女の小さな肩にそっと手身近な上着を羽織らせる。
互いに言葉のない沈黙の中で、ただ夢を見ているのではないかと言う気がしていた。
けれど、そんな錯覚もすぐに費えてしまう。
本性を取り戻した朱里――朱桜は、与えられた上着を両手で引き寄せるようにして纏い、ちいさな肩を震わせていた。すぐに沈黙が嗚咽によって打ち消されてしまう。
いつかと同じように、彼女が繰り返した。
「ごめん、なさい」
まるで時間が巻き戻されたかのように、朱桜はただ詫びる。
何をどんなふうに捉えるべきなのか、判らない。
彼女の発した禁術に関わっていたのが、自身の真名であったこと。それを素直に彼女の想いとして受け入れるべきなのか、ただ全てが複雑な事情の上に成り立っていたのか。
目の前に現れた眩いばかりの金色が、遥の意志を後者へと導いてしまう。
金を纏うのは、黄帝への想いが結実した姿。
その真実に勝る事実など、あってはならない。いかに禁術に関わろうと、遥にとっては金を纏うという意味が全てに勝る。
手を伸ばせば触れることの出来る距離に在るのに、彼はもう手を伸ばすことが出来ない。心に刻まれた禁忌が、彼女に触れることを許さない。
かけるべき言葉を見つけられずにいると、再び朱桜が詫びた。
「ごめんなさい、先生」
先生という言葉が、少しだけ彼女を身近な存在に戻してくれる。朱桜は朱里であり、唐突に訪れた瞬間も、他愛なく過ごした日々の続きであることに変わりはないのだ。どちらも失われずに在ることが、遥にとってはわずかな救いだった。
「私はもう、あなたの傍にいることなどできなかったのに。それを認めることができなくて。こんなふうに、――夢を見て、本当のことから目を逸らしていました。禁術があなたを巻き込んでしまうことを、考えもせずに……。私はとても浅はかで、愚かです」
彼女は禁術がもたらした結末を知って、自身の行いを責めているようだった。止むことのない悲嘆に暮れ、後悔に囚われている。
「ごめんなさい。こんなことになってしまって、……こんな」
声を詰まらせて、彼女は他の仕草を忘れてしまったかのように、ただ小さな肩を震わせる。嗚咽を堪えるように唇を噛んでいた。
真実を打ち明けられても、遥は声を殺して泣く小さな姿を責める気にはなれない。どんな姿をしていても、誰を想っていても、彼女を愛したことを後悔はしない。
自分の想いは、与えられることを望むのではない。
彼女には、既に抱えきれぬほど与えられてきたのだ。今更、何を望むというのだろう。
「朱桜、全てを取り戻したのなら、自身が望むことを形にすればいい。私に謝る必要はない。君に伝えたことは揺るがない。私は君の希望を守る」
「本当は――」
涙に潤んだ金色の虹彩が煌めいている。禁術の殻は正しく本性を形作っていたのだろう。
金色の煌めき以外は何も変わらずに在った。遥は思わずこれまでと同じように手を伸ばそうとして、すぐに思いなおした。
「本当はあなたと一緒にいたい。それだけを望んでいました。――こんなことになるまでは」
朱桜はやりきりないというように、金色に変貌した長い髪を一房掴んだ。その変貌が何を意味するのかは、彼女にも判っているのだ。
相称の翼。彼女は疲弊した世を救う、最大の切り札となる。
「もっと早く」
震える声と共に、はらはらと涙が散る。縋るような眼差しが涙に濡れたまま、遥を見つめた。
「もっと早く、伝えていれば良かった。――私が愛しているのは、あなただけだと」
弱い叫びは切実な響きをしている。それが真実であると錯覚できれば、どれほど幸せだっただろう。けれど、遥は痛みを感じた。
心の深いところを抉る約束。彼女に架した、哀しい約束が蘇る。
(その日が来たら、君は私にこう言う。――愛しているのはあなただけです。だけど、この世を見捨てることが出来ない。だから、行きます。――と。そう言って欲しい)
朱桜は違わず、成し遂げてくれるに違いない。
どうして、そんなことを望んでしまったのだろう。そんな約束では、決して夢を見続けることなど出来るはずがないのに。
こんなに意味のない芝居を続けて、いったい何が、誰が救われるだろう。ただ彼女の言葉が偽りに染められて、穢れてしまうだけなのだ。祝福するべき黄帝への想いを歪ませることなど、誰にも許されはしない。
「朱桜、もう――」
もういいのだと伝える筈の言葉は、彼女の声に遮られた。
「愛しているのは、あなただけです」
偽りだと分かっているのに、その声は強く響く。
胸の裏を貫く痛みに耐えるように、遥は固く目を閉じた。
慈悲深い黄后としての気質が、既に彼女の言動には表れているのかもしれない。朱桜は決して約束を違わない。それが遥の想いを永遠に守り続けると信じているから。
遥が――、闇呪が望んだとおりに、彼女は愛を語ってくれる。
「本当です。愛しているのは、あなただけです。――だけど、この世を見捨てることが出来ません」
遥はゆっくりと美しい金色の双眸を見つめた。
涙に潤んでいても、逸らされることなく真っ直ぐに自分に向けられた眼差し。
かつて見慣れた朱の瞳は、もう二度と見ることが叶わない。彼女が幸せを掴むのは自分の傍らでは有り得ないのだと、金色に輝く瞳が教えてくれる。
それでも。
遥の想いを護ろうとしてくれる、朱桜の精一杯の想いが愛しい。約束を反故にしないための、最期の砦となる。彼女に望んだ約束が、自身の想いを救うことがなくても、ただ黄后となる彼女の罪悪を拭うのなら、いまさら覆すことは出来ない。彼女の慈悲に答えることが出来るのなら、もうそれだけで良い。
それだけで、この歪んだ約束が意味を持つ。
遥は偽りに縛られた朱桜の言葉を、静かに受け入れた。
「朱桜、その想いだけで私は満たされる。だから、君は望むままに往けば良い。世界を育む立場に在る限り、私達の決別は仕方がない」
「どうして、こんなことに――」
「哀しむことも、悔いることもない。君と共に在り、私はこの世の美しさを知ることが出来た。だから、これからも想いは君と共に在る。この世を失いたくないという想いで、私達は同じ処に繋がっている」
はらはらと涙を零したまま、彼女はただ遥の言葉を受け止めていた。
「朱桜、この世を見捨てられないのは私も同じ。そのために必要なら、私はどんな運命も受け入れる。だから、悔いることはない。その役割を誇りに思ってほしい」
「だけど、私はあなたを失いたくありません。運命に抗ってでも救いたい。絶対に死なせたりしない。そのために、出来ることがある筈です。約束します、闇呪の君。絶対にこの世からあなたを失ったりしない」
遥は微笑んでから、深く頷いて見せた。痛々しいほど頑なに、彼女は最後まで想いを護ってくれる。黄帝への想いを隠し、偽りで築かれた想いを演じ続ける。
「あなたの傍にいられれば、私はそれだけで幸せでした。だけど、今は。――今は、護りたいものが在ります」
遥は痛みに耐えて、彼女の演技に応えた。何も言葉にせずただ頷く。
絶望に濡れていた表情を決意で拭い、朱桜が告げる。
「だから、――――私は往きます。許してください」
「詫びることはない。望みは、いつでも君と共に――」
在ると伝えようとした言葉は、飛び込んできた衝撃に遮られる。長い金色の髪が翻るのを、遥は体に触れた体温と共に感じていた。しがみついている小さな体は、今までの記憶を鮮明に蘇らせる。天界に在っても、こちらの世界に在っても、相称の翼となっても、彼女は変わらない。いつでも同じ輪郭で、遥の前に現れた。
「許してください。あなたが好きで、――とても大切なんです。だから」
最後まで、彼女は偽りを演じてくれる。
想いを護り続けてくれる。
遥の想いだけを。
「だから、――さよなら、です」
身近に触れていた熱が、ふっと遠ざかる。手を伸ばして追いかけたい衝動に駆られたが、遥は身動きできないまま立ち尽くしていた。
滲んだ視界の中で、ただ彼女が立ち去るのを見送ることしかできなかった。
0
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
『影の夫人とガラスの花嫁』
柴田はつみ
恋愛
公爵カルロスの後妻として嫁いだシャルロットは、
結婚初日から気づいていた。
夫は優しい。
礼儀正しく、決して冷たくはない。
けれど──どこか遠い。
夜会で向けられる微笑みの奥には、
亡き前妻エリザベラの影が静かに揺れていた。
社交界は囁く。
「公爵さまは、今も前妻を想っているのだわ」
「後妻は所詮、影の夫人よ」
その言葉に胸が痛む。
けれどシャルロットは自分に言い聞かせた。
──これは政略婚。
愛を求めてはいけない、と。
そんなある日、彼女はカルロスの書斎で
“あり得ない手紙”を見つけてしまう。
『愛しいカルロスへ。
私は必ずあなたのもとへ戻るわ。
エリザベラ』
……前妻は、本当に死んだのだろうか?
噂、沈黙、誤解、そして夫の隠す真実。
揺れ動く心のまま、シャルロットは
“ガラスの花嫁”のように繊細にひび割れていく。
しかし、前妻の影が完全に姿を現したとき、
カルロスの静かな愛がようやく溢れ出す。
「影なんて、最初からいない。
見ていたのは……ずっと君だけだった」
消えた指輪、隠された手紙、閉ざされた書庫──
すべての謎が解けたとき、
影に怯えていた花嫁は光を手に入れる。
切なく、美しく、そして必ず幸せになる後妻ロマンス。
愛に触れたとき、ガラスは光へと変わる
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
【完結】私にだけ当たりの強い騎士様と1メートル以上離れられなくなって絶望中
椿かもめ
恋愛
冒険者ギルドの受付嬢であるステレは幼い頃から妖精の姿を見ることができた。ある日、その妖精たちのイタズラにより、自分にだけ当たりの強い騎士コルネリウスと1メートル以上離れれば発情する呪いをかけられてしまう。明らかに嫌われてると分かっていても、日常生活を送るには互いの協力が必要不可欠。ステレの心労も祟る中、調べ上げた唯一の解呪方法は性的な接触で──。【ステレにだけ異様に冷たい(※事情あり)エリート騎士×社交的で夢見がちなギルドの受付嬢】
※ムーンライトノベルスでも公開中です
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる