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104どうしよう・・・弟子を取る事になってしまった
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大きいお友達化した男たちだが、そこから何かが浮かぶと言う事は無かった。そうそう神様が降りてくると言う事は無いのだから仕方無いだろうが、浮かばないので諦めたのか一人の男が話を変えて質問してきた。
「エドワード君。一つ良いかな?」
「はい。何でしょう?」
「君が教える事が出来ないと言っていた壁の事なんだが、それを教えて貰うにはどうしたら良い?」
モーガン達は知っているが話さないだけ。であれば彼らに教えないのは不公平とも取れる。もちろん安全性の問題があるためという大義名分があるにしてもだ。
「そうですね。僕の下でしっかりとした作り方を覚えてもらう事になっちゃいます。もちろんすぐに作れるようになる物では無いので、最低でも半年は掛かるんじゃないかと」
俺の監督下で、しっかりとした作り方をマスターして作るのであれば問題になる事は無いだろうが、万が一にも火事を起こすような不良品ともなれば、戦士団や領軍が黙っているとは思えない。
万一にもやらかしたとなれば危険な物を作ったとして首を飛ばしに来る人がいますからね。
「半年・・・」
「領主様からもお前の作った物を真似る者が出てくるだろうが、民に不となる事はするなと言われていますから、やらかせば間違いなく」
ポンポンっと首に手刀を当てる。こちらの世界でも手刀を首に当てる行為は意味が伝わったのは、首を刎ねる刑罰があったからだろう。
領主に言われた事は少し意味が違うが、脅しには十分なネームバリューのために使わせてもらう事にした。
「領主様がか?」
「軟膏の紛い物を作った人がいましたからね。その時は赤くなるくらいの事だったのでお咎めは無かったみたいですけど、火事になると間違いなく・・・」
「そうだろうな。折角建てている家が丸々燃えたとなれば、犠牲が出るとかではなく財を危険に晒すような話だ。立てているこちらに落ち度がある以上は相応の責があるのは当然か」
「壁の詰め物は家を建てる前に作っておくとか、その時になって作らなければ問題ないんですけど、何か予定に無い事が起こってその場で作って使うとなるとかなり危ないので、安全のためにはどうしても・・・」
主に大工をしている者たちでも、専業でなければ現場での突貫工事が主流になるので、その分危険性が増す事になるのだ。
「それなら俺を弟子にしないか?」
「はぁ!!?」
「おいっ、グスター。お前抜け駆けか?」
「ずるいだろ!!」
「何もずるい者か」
「イヤイヤちょっと待って下さい。弟子って・・・」
いきなり何を言っちゃってんだこの人??5歳の子供に弟子入りするって本気か?
いや正気か?
弟子入り希望を出さないために俺の下でって話したのが逆効果になった・・・
「それなら俺も教えて貰いてぇなぁ」
「俺も良いか?」
5人の男たちが俺の下について技術を学びたいと名乗り出てきてしまった。先進的な技術ではあるけど5歳の部下だよ?職人さん的な上下関係とか「ガキの下になんぞ!」みたいなのは無いの?
「何だ子供の下に何ぞ!とでも言うと思ったか?」
「はい・・・それにグスターさんたちは戦士団の仕事は良いんですか?」
「人が足りてない訳じゃない。まぁどうしてもと言う時は駆り出されるだろうがな。それでもエドワードの下に付くのは俺たちはこの家が面白いと思った。こんなもんを作ってみたいと思った。それを教えて貰おうってのに相手を子供だからなんてバカにしたりはしねぇ」
「う~ん。でも良いんですか?僕は軟膏作りに近頃はロウソクも始めてしまったので、こちらに掛かりっきりになる訳にはいかないんですけど?」
建築講師が本業ではないので、と言うよりも副業にすらなっていない。本業の合間にちょこっと見るくらいの時間しか取れないかもしれないので、その辺りをクリアしないと教えると言っても・・・。
「俺達がそれを手伝えば昼くらいに終わらせる事は出来るのか?」
「出来なくは無いと思いますけど・・・」
脂身は一日分のストックが出来る程度にはなってきているので、ロウソクの流し込みなどの雑務や水周りの力仕事などを潰して貰えば時間を作る事は十分出来ると思う。
「それなら俺たちに文句わねぇよ」
「そうですか?それで良ければよろしくお願いしますけど」
「お願いするのは俺たちの方なんだがな」
「皆さんは僕の思い付きを形にしてくれる人たちですから」
うれしい反面5人もの男たちの給料分も働かなくてはならなくなったのだから、経理関係しっかりしないと倒産しそうだけどな。
最初に弟子入りを希望してきたダスカーさんは30代後半、ダスカーさんの少し下で父と似たくらいのフォリーさんとハンダーさん、箱車に興味を持ったダイクールさんと鏃に興味を持ったグレーンさんの5人は、フォリーさんとハンダーさん以外は軟化も拾得済みなので、いろいろと作業効率を上げるに措いて都合が良かった。
俺の周りには軟化持ちが異常繁殖している気がするが、気のせいと言う事にしておこう。
「それといつから来れますか?」
「エド君に弟子入りするんだからな、本当なら明日からと言いてぇところだが、団の方にも話をしなきゃならんし・・・3日くらいは後になる」
「分かりました。僕の方でも準備をして措きますから。3日後にまたウチの方に来て下さい」
「「おぅ」」
こうして何足目の草鞋か分からなくなってきたが、新たな仕事を引き受けてしまうエドワードだった。
「エドワード君。一つ良いかな?」
「はい。何でしょう?」
「君が教える事が出来ないと言っていた壁の事なんだが、それを教えて貰うにはどうしたら良い?」
モーガン達は知っているが話さないだけ。であれば彼らに教えないのは不公平とも取れる。もちろん安全性の問題があるためという大義名分があるにしてもだ。
「そうですね。僕の下でしっかりとした作り方を覚えてもらう事になっちゃいます。もちろんすぐに作れるようになる物では無いので、最低でも半年は掛かるんじゃないかと」
俺の監督下で、しっかりとした作り方をマスターして作るのであれば問題になる事は無いだろうが、万が一にも火事を起こすような不良品ともなれば、戦士団や領軍が黙っているとは思えない。
万一にもやらかしたとなれば危険な物を作ったとして首を飛ばしに来る人がいますからね。
「半年・・・」
「領主様からもお前の作った物を真似る者が出てくるだろうが、民に不となる事はするなと言われていますから、やらかせば間違いなく」
ポンポンっと首に手刀を当てる。こちらの世界でも手刀を首に当てる行為は意味が伝わったのは、首を刎ねる刑罰があったからだろう。
領主に言われた事は少し意味が違うが、脅しには十分なネームバリューのために使わせてもらう事にした。
「領主様がか?」
「軟膏の紛い物を作った人がいましたからね。その時は赤くなるくらいの事だったのでお咎めは無かったみたいですけど、火事になると間違いなく・・・」
「そうだろうな。折角建てている家が丸々燃えたとなれば、犠牲が出るとかではなく財を危険に晒すような話だ。立てているこちらに落ち度がある以上は相応の責があるのは当然か」
「壁の詰め物は家を建てる前に作っておくとか、その時になって作らなければ問題ないんですけど、何か予定に無い事が起こってその場で作って使うとなるとかなり危ないので、安全のためにはどうしても・・・」
主に大工をしている者たちでも、専業でなければ現場での突貫工事が主流になるので、その分危険性が増す事になるのだ。
「それなら俺を弟子にしないか?」
「はぁ!!?」
「おいっ、グスター。お前抜け駆けか?」
「ずるいだろ!!」
「何もずるい者か」
「イヤイヤちょっと待って下さい。弟子って・・・」
いきなり何を言っちゃってんだこの人??5歳の子供に弟子入りするって本気か?
いや正気か?
弟子入り希望を出さないために俺の下でって話したのが逆効果になった・・・
「それなら俺も教えて貰いてぇなぁ」
「俺も良いか?」
5人の男たちが俺の下について技術を学びたいと名乗り出てきてしまった。先進的な技術ではあるけど5歳の部下だよ?職人さん的な上下関係とか「ガキの下になんぞ!」みたいなのは無いの?
「何だ子供の下に何ぞ!とでも言うと思ったか?」
「はい・・・それにグスターさんたちは戦士団の仕事は良いんですか?」
「人が足りてない訳じゃない。まぁどうしてもと言う時は駆り出されるだろうがな。それでもエドワードの下に付くのは俺たちはこの家が面白いと思った。こんなもんを作ってみたいと思った。それを教えて貰おうってのに相手を子供だからなんてバカにしたりはしねぇ」
「う~ん。でも良いんですか?僕は軟膏作りに近頃はロウソクも始めてしまったので、こちらに掛かりっきりになる訳にはいかないんですけど?」
建築講師が本業ではないので、と言うよりも副業にすらなっていない。本業の合間にちょこっと見るくらいの時間しか取れないかもしれないので、その辺りをクリアしないと教えると言っても・・・。
「俺達がそれを手伝えば昼くらいに終わらせる事は出来るのか?」
「出来なくは無いと思いますけど・・・」
脂身は一日分のストックが出来る程度にはなってきているので、ロウソクの流し込みなどの雑務や水周りの力仕事などを潰して貰えば時間を作る事は十分出来ると思う。
「それなら俺たちに文句わねぇよ」
「そうですか?それで良ければよろしくお願いしますけど」
「お願いするのは俺たちの方なんだがな」
「皆さんは僕の思い付きを形にしてくれる人たちですから」
うれしい反面5人もの男たちの給料分も働かなくてはならなくなったのだから、経理関係しっかりしないと倒産しそうだけどな。
最初に弟子入りを希望してきたダスカーさんは30代後半、ダスカーさんの少し下で父と似たくらいのフォリーさんとハンダーさん、箱車に興味を持ったダイクールさんと鏃に興味を持ったグレーンさんの5人は、フォリーさんとハンダーさん以外は軟化も拾得済みなので、いろいろと作業効率を上げるに措いて都合が良かった。
俺の周りには軟化持ちが異常繁殖している気がするが、気のせいと言う事にしておこう。
「それといつから来れますか?」
「エド君に弟子入りするんだからな、本当なら明日からと言いてぇところだが、団の方にも話をしなきゃならんし・・・3日くらいは後になる」
「分かりました。僕の方でも準備をして措きますから。3日後にまたウチの方に来て下さい」
「「おぅ」」
こうして何足目の草鞋か分からなくなってきたが、新たな仕事を引き受けてしまうエドワードだった。
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