乙女ゲー転生、私が主役!? ……いやそれ、何かの間違いです!

まんどう

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ついにバレた!

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「オランジェじょじ! わだじは! このげんを! づよぐ! ごうぎずる!」

「吠えるな愚か者。心配せずとも、うぬら全員の処分が既に決まっている」

「……は?」

「アメリア様」

「承りました。今回の件、既に貴方達の親御様方にはご連絡差し上げておりますわ」

「「「「「 !! 」」」」」

「恐らく、どこぞの嫡男辺りが、家を継げない立場の弱い令息達を『側近として取り立てるから協力しろ』等と、甘い言葉で協力させたのでしょうね」

「「「「「………………」」」」」

 身に覚えがあるのが、令息達が押し黙る……。

「ところで……私、先程も少し触れましたが付きまとわれていたのですわ、気持ちの悪い方に」

「っぐ!!」

「それについて抗議させて頂いたのです。今まではいずれ諦めてくれるだろうと、我慢していたのですが……。今回はゴルドマン家、並びに縁戚全てでの連名にて、抗議文を届けさせて頂きました」

「なっ、ぁ!?」

「つい先程返事を頂きまして……今朝文を届けたというのに、すぐに返事が来たのですわ。それも家令が直々に文を携えて、私の下へと届けてくれたのです。お忙しかったでしょうに、家を取り仕切る役職にあるのですから。まぁそれ位今回の件を重要視して頂いたということですわね」

 掌をぽふんと合わせて傾け微笑むアメリア。天使かな?

「………………」

「肝心の内容ですが、簡潔に申しますと『うちにゴルドマン家と関係を悪化させるような馬鹿者は居ません。もし居たとすれば我が家名を騙る偽物である』と」

「……は」

「更にこうもありましたわ。『我が伯爵家の跡取りは次男であり、長男は既に放逐済み。もし長男を騙ったり、伯爵家の跡取り等と嘯いたならば、処分は一任する』と」

「うぞ、だ……うぞだうぞだうぞだあああっがががががががが!」

「喚くんじゃねえよ、クソガキが……っと、あらあら、私としたことが。教養担当ですのに……オホホ」

「今更だろう、メアラ」

 全員の生存を確認したオランジェが、呆れたようにメアラを窘める。今更である証拠に、フローラ達も含めて青い顔をしている。平気だったのは二人。戦闘大好きベティ……はともかく、何故かアメリアも平気だったりしたけどな!

(まぁ、この場の流れを作った本人だから、ってのもあるんでしょうけどね)

 メアラ先生に暴れさせたのがか?

(マリオ様がアメリア様に打診したのは事実だし、同時にメアラ先生に連絡、は難しいと思うんだけど……)

 だとしたらすげーな? ゲームでのお前って。こんなとんでも令嬢と男を取り合うとかマジキチじゃね……。

(ナンノコトカシラ。ワタクシワカリマセンノコトヨ。……平和が一番)

 電話は?

(に……って、やめろや)

 ついてこれる……だと?

「ふむ。こいつらの処分は後できっちりやるとして、確かに死人は居なかったな。変なのは一人混じってたが」

「変なの、ですか? オランジェ先生、どんなのがいたんです?」

「なんか恍惚の表情浮かべてて気持ち悪いのが居たんだ……」

「……ああ、あれ? ですわね」

 メアラが興味を持ってしまった! 彼の運命や如何に!

 ズムンッ!

「アフンッ!」

「……確実にこいつですわね。お前、何故喜んでるの?」

「フローラ様に潰されて目覚めましたぁん!」

「「「「「 !! 」」」」」

(ちょ、おま……)

 フローラ様て……。

「……ふぅん?」

(こっち見ないで頂けますぅ!? 色々謝りますからぁ!)

「という事は、こいつも潰してみれば、良いのね?」

「 !! 」

 陰険メンの顔が恐怖の色に塗り替えられた! 跡取り所か子孫の危機だ!

(うわぁ……私のせいじゃないよね? ……ねっ!?)

 お巡りさん、こいつです。

(いややぁ……ちゃうねん、事故やねぇん)

「……うっ、ここは?」

「「「バミー!!」」」「「バモン君!」」

 バモンが目を覚ました! メアラ、ベティ、メイリアはバミー呼びだ! ミランダとフローラは君付けだ!

「バミー、はやめろって、言ってるだろ。あと、フローラ……」

「え!? 私?? (この流れで何なの??) な、なぁに?」

「あの蹴りに『バモンクラッシャー』って、名前、付けるのは、流石に酷過ぎ……だろ……」

「……ちょおおおおおおおお!?」

「………………」

 メアラ先生から表情が消えた! フローラの命は風前の灯だ!

「ちょ、バモン君? それは嘘、よね? 嘘だと言って? ね? 私の命がかかってるのぉ!」

「……いの、ち? 何、言……(フッ)」

「待って……え、待って!? えええ……? 嘘!? ううっそ!? ここで気絶ぅ!? ねえその前に、一言! 一言で良いから! 否定して! 否定してってばあああ!!」

 嘘だと言ってよバミー! ってか?

(うっさいわぁ!! 今それどころじゃねえんだよ!? どうしよ!? 考えろ私、考えろ私ー!)

 あれ、色々良いよなぁ。メカニックデザインとか特に。どっち側のも。いい仕事してるぅ。

(ちょっと静かにしてくれる!? 私それどころじゃないのよ!! どうすればどうすればどうすれば……)

 テーマも良かったよな。本当はああ言う風に、戦争全体で見ると取るに足らない、でも本人達一人一人にはとても大事で重要な、そんな一コマ。ああ言うのってなんかグッと来るよな。

(ごちゃごちゃうっさいのよぉ!! どうしよどうしよ、なんて言い訳をぉ! 逃げたいやだ、逃げたいやだ、にげたいやだぁあ!)

 そいや片方の奴は、全く関係ない漫画か何かのタイトルにもなったよな。割と尖ったアニメになったような記憶が……。

(黙っとけぇ! 気が散るぅぅ!!)

「ふ、ろ、ぉ、ら、さ、ん」

「びゅあああああああ!?」

「お、は、な、し、し、ま、しょ?」

「許してくださぁぁあい!」

 この後めっちゃ怒られた。巻き添え喰った陰険メンの精神も逝ったようだ。その後クラッシャーもしっかり喰らってた。術後の経過は不明である。


 ………
 ……
 …


 いやー、笑った笑った。

(………………)

(『アンタ本当に馬鹿なのねぇ』)

 だよな。何故口に出したし。俺一回しかフローラに言ってないんだぜ?

(『耳に残っちゃったのねぇ。その気持ちも分からなくはないけど』)

 現在フローラが丸1日と半分、メアラに拘束されて長時間説教。寝落ちようものなら、陰険メンと共に電撃の刑に処せられるという、ノンストップ無睡地獄を経験し、最後に陰険メンが潰される瞬間の顔を目に焼き付けた後、意識を手放し……で、帰ってきたとこ。

(『残念なイケメンを喪ったわ……』)

 死んじゃいねえけどな。

(『でももう男としちゃ駄目でしょ? 勿体無いわー』)

 ゴミでもいいの?

(『……剥製にでもすれば、目は楽しめる、かしらぁ?』)

 怖えなおい! さすが魔王ってか?

(『じょ、冗談よ冗談! でもほんとに外見しか価値がないんならそれもありかなって思ったのよねぇ。見た目は良かったけど、行動やら思想がクソでクズでゴミだったもの』)

 ふむ。一理……あるのか? っつかそれでも眺めたんだな。

(『み・た・め。それだけは本当に良かったからねぇ。……やっぱり剥製が良くない?』)

(あんたら……なにくっだらない話してるのよ)

 あ、起きた。昨日はお楽しみでしたね!

(ぶっ殺すわよ!?)

(『やっと起きたのねぇ。おはよう……いえ、おそよう?』)

(そんなんどっちでも良いわ。あんな酷い目に遭ったのは……って、そうよ! よく考えなくてもあの命名はあんた! 詰まりはあんたのせいじゃああああん! 私、なにも悪くなぁいー!)

 うっかり、っつーか、力の限り叫んで蹴りを放ったのはお前だけどな。

(うっさいぼけえぇ!! お前のせいだあああああああ!! うっ、ひっく、ぐすっ)

 俺に責任が無いとは言わんが、叫ばなくていい技名をわざわざ口に出したのはお前さんだろう。何でだ?

(うぅう、だって……あの時はテンションが上がって……)

(『やっぱり自業自得じゃないのさ、馬鹿ねぇ』)

(うぶえぇえええええんっっ!!)

 はいはい不細工不細工、中身がね。

(うう……こんにゃろぉ。先回りまでしやがってぇ!)

(『それよりアンタ。私に言うこと無いのぉ?』)

(……ありがとう、ございました)

 すっごい不服そうだな。

(『まぁお礼を言うだけましよね』)

(うー……。だってバモン君に後遺症残るような怪我が無い内に回収できたのは、やっぱりオカマ王のお陰だし)

(『そう思うんならそろそろその呼び名止めなさいよ小娘』)

 まぁ今回の被害は軽症のバモンと、フローラの心の傷ってことで。……フローラは懲りないから悪いのか?

(違うもん!)

 じゃあ何が原因だよ?

(う、運が悪かっ……た?)

(『んなわきゃねえでしょ』)んなわきゃねえ。

(二人して……がくっ)
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