乙女ゲー転生、私が主役!? ……いやそれ、何かの間違いです!

まんどう

文字の大きさ
74 / 150

伝説の……

しおりを挟む
「はぁ、薄々感じてたけどお母様方も大概だったのね」

「だからこそのフローラ様では無くってぇん?」

「……まぁ、そういうことに、しておきましょう」

 言えないしな。別人ですとは。

(一応部外秘だしね。……っつか、ぽろっと漏らしやがったベルには何かお仕置きが必要ではないかしら?)

 え? まだ何も仕置きされてないの?

(言ってないもの。……あ、良いこと思いついた)
「ねえサブ、うちの侍女が居るの知ってるかな?」

「ああ、聞いた覚えがあるわねぇん。どぉしたのぉ?」

「その子ちょっと素行が悪くてね? 一度サブの訓練に参加させてあげて欲しいなって思うのだけど。容赦無しの方で」

「んんんっふぅ☆ 良いわよぉ? お・仕・置・き☆ なのねぇんっ♪」

「あー……キモいけど、こういう時は頼もしく見えるから不思議ー」

「ああんっ♪ 褒め上手ぅ☆」

 何処も褒めてねえけどな。

(全くよね)

 とまぁ雑談もそこそこに、フローラ……って言うかサブ用に割り当てられた区画に到着する一行。どうやら騎士団の連中が視界に入れなくてもいい場所って扱いの様だ。

(どんだけ嫌われてんだこいつ)

 言葉にしてやれば喜んでくれるぞ?

(嫌だよ)

「んーっふふふ☆ ではフローラ様ぁん? まずは軽くこの場を20周しましょうか」

「……はい?」

「私はゆうっくりぃ、後ろから追いますけどぉん、私に追いつかれ・た・ら、熱い抱擁をプレゼント☆しちゃうわョぉん♪」

「………………はぁ!?」

「んじゃ、スタートぉん」

「ちょま、待てこのや……ぎゃあ! 寄ってくんなぁ!?」

 こうして問答無用の内に、地獄の耐久マラソンが始まるのだった。


 ………
 ……
 …


「ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ………………」

「うふぅん☆ 流石ねフローラ様。途中何回か捕まえたけど、その度にあの手この手で抜け出すんですもの。抱き締められなくって、ざぁんねんっ☆」

「ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ………………(ジト目)」

「あらぁん? 大丈夫よぉん☆ 私、女の人には反応しないからぁん」

「な、何か凄いですね」

「俺達でも一度は捕まって酷い目を見るのに……」

「流石フローラ様だ……」

 酷い目を見るって本音がだだ漏れですぜ、衛兵の方ぁ。

(ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ………………)

 ……言いたい事はあるけど、しんどくてそれ所じゃ無いって感じか。

(ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ………………)

 ここ1周は1km位あんのか? すげー根性だよなー。20kmを化物に追いかけられながらのデス・レースって。

(ぜぇぜぇぜぇ……そう思うなら……代わってくれても……良いのよ?)

 物理的にも無理でしょうよ。……相当追い詰められてんねぇ。

(大丈夫だろう、と心が納得したがってても、あいつは何か信用できないのよね……)

 それをベルやらせる分には良いの?

(あいつは痛い目を見ても良いと思う)

 お嫁に行けなくなるような事になっちゃったとしても?

(変態野郎が私の目の前でそれをやるなら、未来じゃなく命そのものを刈り取るわ)

 あ、なんだ。一緒に来るつもりだったのか。

(もふもふを盾にとれば来るだろうからね)

 鬼だな。そして本気だな。

(あたぼーよ)

 最近聞かん言葉だな。当たり前だべらぼうめ、が語源だっけ?

(知らない)

 本当、適当な喪女さん、略してテキト喪さんなんだから。

(メル友見たく言わないで? またなんか新しい名前が増えたし……幾つあんのよ、私のアダ名)

 アダ名が100

(言わせねえよ!? 割と面倒くさいんだからそういうネタ禁止)

 じゃあ、星の数だけってことにしよう。

(そんなねえだろ!?)

 目指せ! アダ名の星!

(雑になってきた……)

「さぁってん☆ そろそろ良いかしらぁ? フローラ様ぁん♪」

「……ああ、絶妙のタイミングで来やがったなコンチクショー」

「……? なぁんの話ぃ?」

「こっちの事。んで? ここからは何するの?」

「組手でも打ち合い稽古でも、好きなのを選んで貰って構わないわよぉ?」

「ああ、そうなの? じゃあ打ち合いで」

「……意外ね? 徒手空拳のが得意かと思ってたわぁん?」

「得意じゃないからやんのよ。徒手空拳を習おうと思えばお母様にも教えて頂けるしね」

「あぁ、そう言えばそぉねぇん。じゃ、0001号……じゃなかったわぁん。アザロアちゃん。フローラ様のお相手をしてあげてぇん?」

「はっ!」

「あ、やっぱりサブは相手しないんだ。私相手だとサブが強すぎるのね?」

「やだぁ、私はそこまでは強くないわよぉ。だってぇ……全力で楽しんじゃうんだものぉ!」

「あ、はい。安定のド変態でした」

「あふぅん☆」

「……ま、まぁ、おふざけ……じゃないかもですが、それはともかく、サブ、リナ、さんは打たれ強いため、並の兵士なら一撃どころか10発喰らってもびくともしませんので。良い練習相手になっていますよ」

 サブとリナの間の溜めに、言いようのない葛藤を感じるな。

(つっこまないの。センシティブな内容なんだから)
「サブリナは避けようともしないのに?」

「……避けなくても、打ち込む側からしてみると身の危険を感じるオーラを常に発してます。それに何らかの防御魔法とかで攻撃の効かない相手に対処せざるを得ない場合の練習になります」

「へー。ちゃんと考えて訓練してるのね」

「根性論だけでは誰もついてきませんから。……サブ、リナさんは除きますが」

「サブって呼んで良いわよ」

「あいやでも……」

「ああんっ! フローラ様ったらひどぉい!」

「やかましい! この半端モンが!」

「そういうのならぁ……ト・ド・メ☆ お願いしたいわぁ♪」

「いつかね。ただし、あんたが無理やり相手をどうこうしてたって耳に入ってきたら、一生機会が訪れないと思いなさいね」

「ぬ゛わ゛んだってぇ!?」

 ぎゃあ! ゴリマッチョが逆上して吠えたぁ!?

(うおっ!? 怖ぇ!?)
「……そこで逆上するって事は身に覚え、あんじゃねえの?」

「そそっそっそそそそっそ」

「キョドり過ぎだろ。アザロアさん、正直な話どうよ?」

「ええっと、不真面目な奴等に関しては、先程少し触れられてましたけど……」

「おー!? まいっ、アザロアちゃんっ!」

「おめえのじゃねえだろ。っつか、そーかよ。すでに被害があったのか」

「ぉぉぅ、おじ、おじ、お慈悲をぉ」

「まぁやる気のないゴミ相手なら良し」

「……へ? マジで? やったわぁん! 公認頂きましたっ!」

「アザロアさん達は、何かアレば逐一報告ね」

「「「はっ!」」」

「え? あれ? 何時の間にか私への尊敬を全てフローラ様が持って行っちゃってるぅ!?」

「じゃ、打ち合いの相手よろしくね」

「こちらこそ!」

「あぁん! 放置プレイもまた、お・つ・ねぇ☆ ぶごっ!」

「だぁっとれ!」

 くねくねする化物に、フローラがたまらず木剣を投げつける。……まだくねくねしてる。

(静かになったのならとりあえずそれで良いわ)
「じゃあアザロアさん、改めてよろしく」


 ………
 ……
 …


 結論。喪女さんの剣術はへなちょこでした。

(ぐっ……こんなはずでは)

 どんなはずだよ? まさか肉体系の格ゲーよろしく、剣術系の格ゲーを模倣したんじゃあるまいな?

(なぜそれをっ!?)

 まじかよ……この喪女ったらおちゃめさん。体は動きがトレースできれば問題ないかも知れんが、獲物を使った動きは持ってみて初めて分かるもんだからな。っつーか、フローレンシアの身体能力を無理やり使って、初めて各ゲーの動きをトレースで来てるんだろ? 自分が強くなったとか思ってると痛い目見るぞ?

(んまぁ……え? あんた本当にノーコン?)

 とんでもない、あたしゃノーコンだよ。

(伝説のやり取りよね)

 だな。

(惜しむらくは直前のやり取りをすっ飛ばしやがった事か)

 そう言うな。流れってもんがあるんだよ。

「フローラ様、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと現実の厳しさに凹んでただけ。問題無いわ」

「は、はぁ……」

「よっし、課題は分かった。基本的な型とかある?」

「え、ええ、ありますが……」

「じゃ、それを教えて頂戴。今日はそれを100回、行けそうならその倍は繰り返すわ」

「わかりました」

「あぁん……それじゃ私、暇になっちゃうわぁ」

「なら他の二人と稽古しなさいよ」

「それもそうねぇん? じゃ、二人まとめてかかってきなさぁい?」

「「応!!」」

「ではフローラ様、まずはこう構えて……」

 こうして喪女さんは延々と基本の型を繰り返し練習するのだった。ちなみに100回って意気込んでたけど、基本の型の動作がそもそも30以上あったので、結局30回程で音を上げた。
 つか、喪女さんは真面目な子だったんだぜ?

(コツコツやるのは嫌いじゃないのよ)

 リアルでも?

(割とね)

 人間関係は?

(そろそろ何の意図か分かってきたのでやめて頂いてよろしいでしょうか)

 ダメダメだったのね。

(結局言い当てるんじゃねえかこんちくしょうが!)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処理中です...