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絶体絶命
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ベティの複雑に入り混じった感情のこもった絶叫の中、魔族は冷めた目で人間達を見下ろしていた。
「ふむ、少々時間が余ってしまったな。どうするか……む?」
「おおおっっ!!」
魔族に襲いかかったのは……バモン! そして離れてハルロネ!?
(ええっ!? ……悪いけど相手にならない!!)
「……お前では時間稼ぎにもならん」
「だろうな……だから、ハルロネぇ!! やれぇええ!!」
「でっ、でもっ……」
「頼む!!」
「……!! はいっっ!!」
ハルロネが何かしているらしく、バモンの全身が膨れ上がり筋骨隆々……というか、変なドーピングかまして自滅寸前の実験動物の如き様相を呈す。所々限界を超えているのか血が噴き出している。
「えええ!? あれ、大丈夫? なの?」
「大丈夫なはずないじゃない! ……ダーリンだから、死なない、だけ」
「死なない? って……将官の能力って奴?」
「ダーリンのそれは……『不屈』。致命傷受けても、オーバーキルでもない限りは踏ん張る能力」
「おお? すげ……くないよ!? それ、オーバーキルをあっさり出せる魔族相手に使って良い能力じゃないじゃない!!」
「だって!! ……お願いって、言われたら、私……どうしたらぁ」
さめざめと泣き始めたハルロネだったが、喪女さんのキャパを大きく上回っていたため、
(……死ぬな、バモン君)
考えるのをやめた。……宇宙行ってみる?
(嫌だよ)
「人一人に一体どれだけの人間の能力を注ぎ込んだのだ? 20か? 50か? ……まぁその程度で俺をどうこうできるとも思えんが」
「おおおっっ!!」
ゴギンッ!!
バモンがザナキアを斬りつける! およそ肉体を斬りつけたとは思えない音が響くッッ!
「うおおおおおっっ!!」
ギィンッ! ゴズッ! ガァンッッ!!
一方的に斬る! 斬る! 斬る!!
パッキィィンッッ!!
折れる!! ……剣がバモンの力と魔族の頑強さに耐え切れず折れてしまった! そもそも魔族は避けてすらいない!
(うあっちゃあああ!? 期待してなかったけど!! つか、バモン君の方がぼろぼろだ!?)
酷えなお前……。一方のバモンは折れた剣をみて呆然としてる。
「詰まらん奴だ」
「ダーリン!! 逃げてええええっっ!!」
ザナキアが腕を振り上げバモンに振り下ろ……
「ああああっっ!!」
ズンッッ!!
す寸前! またしても乱入する者の姿が!! メ・ア・ラ・だぁっ! ちなバモンはメアラの到着を視認してほっとしたのか気を失って倒れてる。全身血塗れになったハルロネみたいな状態ね。
「ほぉ……アレの見立てでは人間を辞めかけているとの話だったが、なるほど確かに」
「良くも良くも良くも良くも!! 色々色々色々色々いろいろいろおおおっ!!」
「きゃあああ! メアラ先生っっ! この盤面でなんて頼もしい!! ……って、あれ? じゃ……お母様は?」
喪女さんが思わず呟いた言葉に、頭だけぐりんっと仰け返るメアラ。
(怖っ!?)
「疲れ果ててぇ、はぁ、いるもののぉ、止め切られちゃった、わぁ?」
「おお、お母様すげー!?」
「ふん……大方、知り合い相手にはリミッターを外しきれなかったのだろうよ。現に今まで見た中で一番この打撃が強烈だぞ?」
魔族の足元は、メアラの攻撃を受け止めきれずに砕けている。
「まだまだまだまだまだまだああああああっっ!!」
ガカッッ!!
「うひっ!?」「うおっ」「うわっ」「ぬぅっ」
次の瞬間、メアラを中心として半径5m程の球状に真っ赤なフィールドが形成され、原理不明の暴力が吹き荒れる。外側にはただただ、振動だけが時折「ドンッ!」と響いてくるのみであった。
「えええ……あんなの見た事無いんですが」
「私も知らない……」「「………………」」
反応を返す事のできる3人の内には、メアラの戦いの詳細を知るものはいなかった。あと、ハルロネはバモンを引き摺って、二人の戦いから遠ざけている! 良い仕事してますねっ!
(ああうん、そうだね)
「というか、何でジュリエッタ様がロドミナ、あいやルミナを庇ってるんです?」
へたり込んだままの喪女さんは、取り敢えず情報収集することにしたらしい。
「思わず、というのが正しい表現なのだろう。大規模浄化魔法セイクリッドカノン自体はルミナに邪魔されて吸収されてしまったんだが、その直ぐ後だった。ルミナがあの魔族に裏切られたのは。膨大な光魔法を吸収したルミナが如何に強くとも、もう光魔法を使えなくなった聖女では魔族に抗しきれなかった様だ。そこに浄化魔法に使う分は別として、まだ戦う力を残してたらしいジュリエッタも参戦したのだが……」
「それでも歯が立たなかったと」
「更に何処かで怪我をしていたらしいシンシアも、無理を押して参戦したが……吹き飛ばされてしまった」
「………………」
悔しげに唇を噛むディレクに、喪女さんも掛ける言葉が思い浮かばない。
ジュオオオッッ……
「「「「 !? 」」」」
高熱に溶かされる氷の様な音を立てながら、メアラの作った球体が上から解け始めた。中の様子が伺えなかっただけに、4人の視線は釘付けになっていた……が、
「「メアラ先生っっ!!」」「「メアラ女史ッッ!!」」
「ふふふ……人間とは面白いな。こんな規格外の者が生まれるとは……。相手が魔族だからと表した本性はお前たちにも見せたかったぞ? こういう者ならコレクションとして保存するのも悪くない」
片腕に抱えられるようにして、ぐったりしたメアラがザナキアと共に姿を表した。
「てめえっっ!!」
「ふむ、しかしイレギュラーがあってもこの程度か……。奴の勧めで何度か触れては見たものの、簡単過ぎては詰まらんというのは本当の事であったのだな」
「……? 何言ってんだてめぇは」
「お前達の世界の文化では無かったか? 『げぇむ』とやらは」
「だから何言ってんだよてめえ!!」
「ふむ。先程から随分と口の悪い勇者だな。俺の仲間に、お前達の世界の文化をこちらに持ち込んだ奴がいるのだ。ソイツいわく、『ぬるげーは詰まらない』らしいぞ? ルールが良く分からなかったが、それでも尚クリア? とやらがなせた代物だったのだが……。今思えば、現実世界に置き換えればこう全てが上手く行くことを言うんだろうな、とね」
「な、仲間……だと?」
まだ魔族が居るとは思ってなかったディレクが、衝撃の事実に思わずと言った感じでよろよろと歩み出る。
「ん? ああ、そうか。お前達は知らないんだったな。転生者の多くが関わった『げぇむ』とやらの正体を。アレは我々の仲間が創りだしたものだ」
「「はぁああっ!?」」
「「「………………」」」
転生組は声を荒げ、事情が分からない意識のある3人はただ困惑する。
「『続編』とやらの設定も、勘違いさせるため意図的に色々な情報を伏せておいたのだがな……」
「どう、いう……」
「例えばハイネリアの事。アレが機械で作り上げられていたゴーレムの様なものだとは誰も思わなかったはずだ。そちらに妙な隠し玉があったがために敗北した様ではあるが……。例えばお前だ、ハルロネ。その能力は士気高揚ではなく能力の共有。命でも何でも、だな。お前がその事実を知った時の事は今でも覚えているぞ?」
「………………」
「最初はレアムに転生した事を酷く嘆いていたものな。それが能力の真実を知り……バモンを奪えるという事が現実味を帯びたからだったか。まぁそれは良い。つまり、そこのハルロネでさえ裏を知りさえすれば負ける気がしないと感じる程に、隠匿された情報は大きいものだったのだ。俺が魔族であるという事を含めずともな。だから普通にしていれば、隠しキャラ云々抜きにしても、お前達帝国に勝ち目は無かったはずだったのだが……。
……今思えば、『ぬるげー』だったか? そのはずが、色々と予定外のことばかり起こって……そう、俺はそれを楽しんでいたのだろうな。どの道我等が魔王を取り戻すことは既定路線であったのだから!!」
自分の言葉に酔ったのか、今まで以上に大きな声で叫ぶザナキア。
「そんな事! させるわけないじゃぬがぁっ!?」
喪女さんの反論の言葉を最後まで言わせぬと言わんばかりに、メアラを投げ捨てたザナキアが、喪女さんを足蹴にする。
「どう、させないと、言うのだ? 勇者よ」
「ぎゃっ! ぐえっ! ごぼっ……。……」
「フローラ嬢!」
かなりキツイ蹴りだったのか、最後の方、喪女さんは血反吐を吐いていた。内臓、いったか?
「随分と楽しそうだな、ザナキア」
「ようやく来たか。そちらの警備は少なかっただろうに」
そこに新たな魔族が二人降り立った。魔王の器を抱えて。
(………………りっ、くん)
……喪女さんもだが、ルミナも少し反応している。側の殆どは先代の勇者だからな。そして合流した魔族はザナキアの言葉に反論を返し始める。
「ジュリエッタだったか? あの小娘、聖女の存在にそれとなく気付いていたらしくてな。対魔族用の結界を念入りに張り直していたようだ」
「……つくづくあの聖女の行動が裏目に出ているな。邪魔な女だ」
「で、その聖女はどうした?」
「あれではないか?」
「む? おお、見事にボロボロな姿ではないか。更には結界を張り直した小娘もおるではないか。その姿も同じくボロボロときたら、これはもう胸がすく思いよな」
「それで?」
「そうだな……真なる魔王の復活劇を、この場に居る者共に見せつけてやろうではないか」
「ふむ、なるほど。こちらの様子を窺って、遠巻きに見ている者達も居るな。何、歴史の証人は多いほうが良いだろう」
「誰がやる?」
「器をここへ連れてきたのはお前達だ。栄誉はお前達に譲ろう」
「では翁が」
「ふむ。二人共欲の無い事よな。良かろう、魔王の復活と行こうではないか!! ……その前に」
「む?」
「何だ?」
「後2名程、同胞を迎えてやろうではないか……なぁ?」
……え? 何ゆーとんの?
「ふむ、少々時間が余ってしまったな。どうするか……む?」
「おおおっっ!!」
魔族に襲いかかったのは……バモン! そして離れてハルロネ!?
(ええっ!? ……悪いけど相手にならない!!)
「……お前では時間稼ぎにもならん」
「だろうな……だから、ハルロネぇ!! やれぇええ!!」
「でっ、でもっ……」
「頼む!!」
「……!! はいっっ!!」
ハルロネが何かしているらしく、バモンの全身が膨れ上がり筋骨隆々……というか、変なドーピングかまして自滅寸前の実験動物の如き様相を呈す。所々限界を超えているのか血が噴き出している。
「えええ!? あれ、大丈夫? なの?」
「大丈夫なはずないじゃない! ……ダーリンだから、死なない、だけ」
「死なない? って……将官の能力って奴?」
「ダーリンのそれは……『不屈』。致命傷受けても、オーバーキルでもない限りは踏ん張る能力」
「おお? すげ……くないよ!? それ、オーバーキルをあっさり出せる魔族相手に使って良い能力じゃないじゃない!!」
「だって!! ……お願いって、言われたら、私……どうしたらぁ」
さめざめと泣き始めたハルロネだったが、喪女さんのキャパを大きく上回っていたため、
(……死ぬな、バモン君)
考えるのをやめた。……宇宙行ってみる?
(嫌だよ)
「人一人に一体どれだけの人間の能力を注ぎ込んだのだ? 20か? 50か? ……まぁその程度で俺をどうこうできるとも思えんが」
「おおおっっ!!」
ゴギンッ!!
バモンがザナキアを斬りつける! およそ肉体を斬りつけたとは思えない音が響くッッ!
「うおおおおおっっ!!」
ギィンッ! ゴズッ! ガァンッッ!!
一方的に斬る! 斬る! 斬る!!
パッキィィンッッ!!
折れる!! ……剣がバモンの力と魔族の頑強さに耐え切れず折れてしまった! そもそも魔族は避けてすらいない!
(うあっちゃあああ!? 期待してなかったけど!! つか、バモン君の方がぼろぼろだ!?)
酷えなお前……。一方のバモンは折れた剣をみて呆然としてる。
「詰まらん奴だ」
「ダーリン!! 逃げてええええっっ!!」
ザナキアが腕を振り上げバモンに振り下ろ……
「ああああっっ!!」
ズンッッ!!
す寸前! またしても乱入する者の姿が!! メ・ア・ラ・だぁっ! ちなバモンはメアラの到着を視認してほっとしたのか気を失って倒れてる。全身血塗れになったハルロネみたいな状態ね。
「ほぉ……アレの見立てでは人間を辞めかけているとの話だったが、なるほど確かに」
「良くも良くも良くも良くも!! 色々色々色々色々いろいろいろおおおっ!!」
「きゃあああ! メアラ先生っっ! この盤面でなんて頼もしい!! ……って、あれ? じゃ……お母様は?」
喪女さんが思わず呟いた言葉に、頭だけぐりんっと仰け返るメアラ。
(怖っ!?)
「疲れ果ててぇ、はぁ、いるもののぉ、止め切られちゃった、わぁ?」
「おお、お母様すげー!?」
「ふん……大方、知り合い相手にはリミッターを外しきれなかったのだろうよ。現に今まで見た中で一番この打撃が強烈だぞ?」
魔族の足元は、メアラの攻撃を受け止めきれずに砕けている。
「まだまだまだまだまだまだああああああっっ!!」
ガカッッ!!
「うひっ!?」「うおっ」「うわっ」「ぬぅっ」
次の瞬間、メアラを中心として半径5m程の球状に真っ赤なフィールドが形成され、原理不明の暴力が吹き荒れる。外側にはただただ、振動だけが時折「ドンッ!」と響いてくるのみであった。
「えええ……あんなの見た事無いんですが」
「私も知らない……」「「………………」」
反応を返す事のできる3人の内には、メアラの戦いの詳細を知るものはいなかった。あと、ハルロネはバモンを引き摺って、二人の戦いから遠ざけている! 良い仕事してますねっ!
(ああうん、そうだね)
「というか、何でジュリエッタ様がロドミナ、あいやルミナを庇ってるんです?」
へたり込んだままの喪女さんは、取り敢えず情報収集することにしたらしい。
「思わず、というのが正しい表現なのだろう。大規模浄化魔法セイクリッドカノン自体はルミナに邪魔されて吸収されてしまったんだが、その直ぐ後だった。ルミナがあの魔族に裏切られたのは。膨大な光魔法を吸収したルミナが如何に強くとも、もう光魔法を使えなくなった聖女では魔族に抗しきれなかった様だ。そこに浄化魔法に使う分は別として、まだ戦う力を残してたらしいジュリエッタも参戦したのだが……」
「それでも歯が立たなかったと」
「更に何処かで怪我をしていたらしいシンシアも、無理を押して参戦したが……吹き飛ばされてしまった」
「………………」
悔しげに唇を噛むディレクに、喪女さんも掛ける言葉が思い浮かばない。
ジュオオオッッ……
「「「「 !? 」」」」
高熱に溶かされる氷の様な音を立てながら、メアラの作った球体が上から解け始めた。中の様子が伺えなかっただけに、4人の視線は釘付けになっていた……が、
「「メアラ先生っっ!!」」「「メアラ女史ッッ!!」」
「ふふふ……人間とは面白いな。こんな規格外の者が生まれるとは……。相手が魔族だからと表した本性はお前たちにも見せたかったぞ? こういう者ならコレクションとして保存するのも悪くない」
片腕に抱えられるようにして、ぐったりしたメアラがザナキアと共に姿を表した。
「てめえっっ!!」
「ふむ、しかしイレギュラーがあってもこの程度か……。奴の勧めで何度か触れては見たものの、簡単過ぎては詰まらんというのは本当の事であったのだな」
「……? 何言ってんだてめぇは」
「お前達の世界の文化では無かったか? 『げぇむ』とやらは」
「だから何言ってんだよてめえ!!」
「ふむ。先程から随分と口の悪い勇者だな。俺の仲間に、お前達の世界の文化をこちらに持ち込んだ奴がいるのだ。ソイツいわく、『ぬるげーは詰まらない』らしいぞ? ルールが良く分からなかったが、それでも尚クリア? とやらがなせた代物だったのだが……。今思えば、現実世界に置き換えればこう全てが上手く行くことを言うんだろうな、とね」
「な、仲間……だと?」
まだ魔族が居るとは思ってなかったディレクが、衝撃の事実に思わずと言った感じでよろよろと歩み出る。
「ん? ああ、そうか。お前達は知らないんだったな。転生者の多くが関わった『げぇむ』とやらの正体を。アレは我々の仲間が創りだしたものだ」
「「はぁああっ!?」」
「「「………………」」」
転生組は声を荒げ、事情が分からない意識のある3人はただ困惑する。
「『続編』とやらの設定も、勘違いさせるため意図的に色々な情報を伏せておいたのだがな……」
「どう、いう……」
「例えばハイネリアの事。アレが機械で作り上げられていたゴーレムの様なものだとは誰も思わなかったはずだ。そちらに妙な隠し玉があったがために敗北した様ではあるが……。例えばお前だ、ハルロネ。その能力は士気高揚ではなく能力の共有。命でも何でも、だな。お前がその事実を知った時の事は今でも覚えているぞ?」
「………………」
「最初はレアムに転生した事を酷く嘆いていたものな。それが能力の真実を知り……バモンを奪えるという事が現実味を帯びたからだったか。まぁそれは良い。つまり、そこのハルロネでさえ裏を知りさえすれば負ける気がしないと感じる程に、隠匿された情報は大きいものだったのだ。俺が魔族であるという事を含めずともな。だから普通にしていれば、隠しキャラ云々抜きにしても、お前達帝国に勝ち目は無かったはずだったのだが……。
……今思えば、『ぬるげー』だったか? そのはずが、色々と予定外のことばかり起こって……そう、俺はそれを楽しんでいたのだろうな。どの道我等が魔王を取り戻すことは既定路線であったのだから!!」
自分の言葉に酔ったのか、今まで以上に大きな声で叫ぶザナキア。
「そんな事! させるわけないじゃぬがぁっ!?」
喪女さんの反論の言葉を最後まで言わせぬと言わんばかりに、メアラを投げ捨てたザナキアが、喪女さんを足蹴にする。
「どう、させないと、言うのだ? 勇者よ」
「ぎゃっ! ぐえっ! ごぼっ……。……」
「フローラ嬢!」
かなりキツイ蹴りだったのか、最後の方、喪女さんは血反吐を吐いていた。内臓、いったか?
「随分と楽しそうだな、ザナキア」
「ようやく来たか。そちらの警備は少なかっただろうに」
そこに新たな魔族が二人降り立った。魔王の器を抱えて。
(………………りっ、くん)
……喪女さんもだが、ルミナも少し反応している。側の殆どは先代の勇者だからな。そして合流した魔族はザナキアの言葉に反論を返し始める。
「ジュリエッタだったか? あの小娘、聖女の存在にそれとなく気付いていたらしくてな。対魔族用の結界を念入りに張り直していたようだ」
「……つくづくあの聖女の行動が裏目に出ているな。邪魔な女だ」
「で、その聖女はどうした?」
「あれではないか?」
「む? おお、見事にボロボロな姿ではないか。更には結界を張り直した小娘もおるではないか。その姿も同じくボロボロときたら、これはもう胸がすく思いよな」
「それで?」
「そうだな……真なる魔王の復活劇を、この場に居る者共に見せつけてやろうではないか」
「ふむ、なるほど。こちらの様子を窺って、遠巻きに見ている者達も居るな。何、歴史の証人は多いほうが良いだろう」
「誰がやる?」
「器をここへ連れてきたのはお前達だ。栄誉はお前達に譲ろう」
「では翁が」
「ふむ。二人共欲の無い事よな。良かろう、魔王の復活と行こうではないか!! ……その前に」
「む?」
「何だ?」
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……え? 何ゆーとんの?
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