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(こぼれ話)ミリー・ジュール先生
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○ミリーはどうなった?
ミランダ・エッシャーは困惑していた。貴族たらんと常日頃より心掛けてはいたものの、やはり公爵家の御茶会に招かれるのは緊張するものだ。例え誘ったその相手が色々どストライクな男性、4大家のエリオット・バルカノンであろうとも。
「ほほほ、本日は、おま、お招き頂きあひっ……有難う御座います(ジワァ)」
「ああ、ミリーさん。気負わないで。御茶会と言っても個人的なもので、来るとしてもベルミエッタ嬢とエリエアル嬢だけだよ」
「まぁっ、そうなんですの?(ぱぁっ)」
「……二人に嫉妬してしまいそうだよ」
「何か仰いまして?」
「いや、なんにも……」
ミリーの目には、男の醜い嫉妬を見せるべきじゃないだろうな、とエリオットは判断した。……が、
「坊っちゃまは、ミランダ様がご友人の参加を聞かされ、明らかに表情を綻ばせたのを見て嫉妬なさっておいでなのです」
「シア姉!?」
「えっ、えっ? あっ……(カアアアアアッ)」
「あっ(カァアアアアッ)……酷いよシア姉」
「ちなみにベルミエッタ様は領地の視察が、エリエアル様は貧血で来られそうにないとの事でしたので、二人っきりですね。……二人っきりに御座います。あ、私の事はお構い無く」
「構いますわよ!?」「構うよ!?」
何故か二人っきりを二度も言って強調するシンシアに、二人同時に突っ込み、それを受けてシンシアが笑みを深くする。
「仲睦まじいご様子でほっと致しました」
「「(カアアアアアッ!)」」
二人して茹だっていたが、やがてミリーの表情は曇っていく。
「……エリオット様。お気持ちは大変嬉しく思うのですが、私とエリオット様では家格がまるで釣り合いません。対する私もエッシャー家にとっては一人娘。妾としてお側に置いて頂くわけにも参りません」
「ミランダ嬢……、僕は家格なんて」
「なりません。エリオット様は公爵家であり4大家の一員。貴族の模範となるべきお方。であれば、私の事等綺麗サッパリ忘れて頂……」
「家格の問題なら全く御座いません。手は回しております」
「き……ぃ? ………………今何と?」
「既に手は回して御座います、と申し上げました」
「………………具体的には?」
「エッシャー家にとって本家であり主家たるテクトニカ侯爵家ご当主様に、ミランダ様の養父となって頂けるよう打診しております。既に快い返事を頂いておりますし、エッシャー家の方には、テクトニカ侯爵家を主家とする他の分家筋から養子をとの話も上がっているようです。……そうならない可能性もあるそうですが」
「………………」
ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー把握完了。
「ジュール先生ぇええ!? あいや、隠居って仰ってましたわね……、ええとええと……」
「この話はジュール様主体にて行われ、エッシャー夫妻がノリノ……いえ、非常に前向きにご検討されております」
「やっぱりジュール先生ですのぉ!? 後お父様お母様も! ほんとにもう! それにしても何で跡継ぎ要らないっ……て、あ……」
「大変ご夫婦仲は睦まじい様で」
「ひゃあああ!?(カアアアアアッ!)」
「シア姉……とどめを刺しにいかなくても」
「後顧の憂いは断っておかねばなりません。ですのでミランダ様」
「ひはいっ!?」
「坊っちゃまをよろしくお願い致します」
「………………条件がありますわ!!」
「……はて? 条件? 男爵家の令嬢が、公爵家へと嫁ぐのに、条件を、出されるのですか?」
シンシアの目が薄くなる! エリオットは青褪めた! しかしミリーは引かない!
「条件は公爵家へではなく、シンシア……お姉様にですわ! シンシアお姉様も家格を得て、エリオット様に嫁いで頂きます!」
「「………………え?」」
「え? ではありませんわ! でなければ私、結婚を回避するため出家致しますわ!」
「……本気、なのですね? 理由を聞いても?」
「……シンシア、お姉様が一緒に居る時、エリオット様は非常にリラックスされておいでです」
「であればこのままメイドとして……」
「ですが、凄く申し訳無さそうにもされていますわ。それがずっと気になってましたのよ。……エリオット様。シンシアお姉様にそういう感情を向けたことは無いと言い切れますか?」
「……とても言い難い事を聞くね」
「それにフローラより聞いてますのよ? エリオット様が過去に女性で酷い目にあったと」
「……あんの方は」
シンシアから殺気が漏れ出ている! ミリーはビクッとしたものの、持ち堪えた!
「……そそそ、その理由って、何でもできる、シンシアお姉様と、比べたから……ではありませんの!?」
「「 !? 」」
ミリーが核心を突くべくエリオットに詰める。
「……驚いたなぁ。……なんで?」
「簡単ですわ。エリオット様が最も良く知る女性は誰ですの? それは常に側に侍るシンシアお姉様に違いありませんもの」
「………………坊っ……ちゃま?」
「……ああ、そうだね……そうだった。何でもかんでもシア姉と比べてしまって……彼女には悪い事をした」
「ああ、そこはフローラが言ってた事の受け売りですが、性悪女だったのは間違いないので気にする必要は無いとのことでしたわ」
「ぇえ……?」
見る目が無い事は事実だったと、エリオットが遠い目になった! その一方でシンシアは青褪めている!
「わ、わたし、わた、私が、坊っちゃまの、恋路を……」
「だから違うと言っているではありませんの……。エリオット様にはシンシアお姉様が必要ですのよ? さあ! エリオット様も! ちゃんと言ってくださいまし! 私、嫁いだ後で悔しい思いや寂しい思いをするのは嫌ですことよ!」
「……分かったよ。シア姉」
「……坊っちゃま」
シンシアがオロオロしながら二人の間を視線を彷徨わせる。
「シア姉、こっち見て。そう。……ふぅ。シア姉、貴女は僕の理想の女性そのものなんだ。子供の頃からの憧れの人でした。大好きです」
「………………(ボンッ!)」
(シンシアお姉様、良かったですわね……)
「そしてミランダ嬢」
「……え? へ? ひゃいっ!?」
「君は間違いなく僕が最も愛らしいと思っている女性なんだ。しかもこんな機会まで用意してくれるなんて、まるで天使のような人だね」
「………………(ボンッ!)」
この暫く後、女性二人は同時に倒れ込み、エリオットは非常に慌てたという。この天然ジゴロがっ。
後にシンシアは、公爵家の剣の先輩の手引きにより、コーヴ子爵家の養女となってミランダと共にエリオットの下に嫁ぐ事になるのである。
○ジュール先生は?
戦後、ジュールは家に戻っていた。
「お疲れ様です、父上。流石は『包囲殲滅戦の悪魔』ですな」
「思ってもいないことは口にするもんじゃないよ? あんなぬるい連中、むしろ新兵の練習台にすれば良かったのだ」
「左様で」
「しかし、今回のことで素性が知れ渡ったかなぁ。クライン卿のように、偽名を使おうかな?」
「すでにご用意して御座いますよ、ユークリッド卿」
「……コーヴ子爵家の若隠居? ねぇ。ずいぶん遠い親戚を発掘したものだね。ここは絶えたのだっけ?」
「ええ。年の頃が30程の未亡人のみが残って御座います」
「……ミアが生きてたら、二人して殺されるところだね」
「母上が存命でしたら、楽隠居なぞさせないでしょう」
「「……」」
「とにかく、変装もお願いしますね。士官クラスの授業時にのみ、変装を解くように」
「お前、ミアに似てきたねぇ」
「親子ですから」
………
……
…
後日コーヴ子爵家に挨拶にやって来たジュールは脂汗を流していた。
「ジュール・テクトニカと申します」
「あらあら……主家の前ご当主様が末端の分家の未亡人如きに腰を折られては……人目のあるところではなりませんわよ?」
「は、ははは、ごもっとも」(謀ったな! あんの愚息めぇ!)
現れたのはジュールの妻、ミアことアルフェミアにそっくりな、勝ち気な顔立ちの美女だった。ジュールはミアの言うことには逆らえない。もはや遺伝子レベルの条件反射で、である。
「ジュール様。隠れ蓑として我がコーヴ家をご利用されるとのこと、委細承知致しました。たた、よろしければ幾つかお願いを聞いて頂きたいのですが、如何でしょうか?」
(ほーらやっぱり来たよ! お願いが! とんでもないものだったら帰った時覚えていろよ! 馬鹿息子!)「あ、はは。もう当主では無いのでどこまでかなえて差し上げられるかは分かりませんが……どういった件でしょうか?」
「私の出自というか前職は、さる名家の方々の護衛を務めさせて頂いておりまして、その縁で妹分からお願いされたのです。ミランダ嬢をテクトニカ侯爵の養女に迎えて頂きたいと。使えている主の思い人なのだそうですわ」
(おや? それはもしや……?)「ミランダ嬢ならば私の後継者として申し分ありません。勿論構いませんよ」
「ああ! 良かった! ……つきましてはもう一点のお願いなのですが」
亡き妻に似た分家の未亡人は、見た目と裏腹に非常に奥ゆかしい女性だった。二つ目のお願いも微笑ましいものだったと、後にジュールは述懐している。この時、この仮初めの夫婦の下に養女を迎える事になったのだが、2年後、偽物のはずの夫婦の間に本当の子が出来るとは、誰も想像していなかった。
「息子よ。手引きしたのはお前だから計算ずくなのだろう? あの世では一緒に謝っておくれよ?」
「苦手だったはずの亡き母と良く似た女性に、誰が手を出すと思いますか? 大体アンタの方が先に死ぬだろうが。あの世では一人で殺されて下さい」
「やだー! 性格が理想的だったんだもん! 仕方ないじゃないですかー!」
「聞く耳持たん。この阿呆親父がっ」
なんて一幕があったとか。
ミランダ・エッシャーは困惑していた。貴族たらんと常日頃より心掛けてはいたものの、やはり公爵家の御茶会に招かれるのは緊張するものだ。例え誘ったその相手が色々どストライクな男性、4大家のエリオット・バルカノンであろうとも。
「ほほほ、本日は、おま、お招き頂きあひっ……有難う御座います(ジワァ)」
「ああ、ミリーさん。気負わないで。御茶会と言っても個人的なもので、来るとしてもベルミエッタ嬢とエリエアル嬢だけだよ」
「まぁっ、そうなんですの?(ぱぁっ)」
「……二人に嫉妬してしまいそうだよ」
「何か仰いまして?」
「いや、なんにも……」
ミリーの目には、男の醜い嫉妬を見せるべきじゃないだろうな、とエリオットは判断した。……が、
「坊っちゃまは、ミランダ様がご友人の参加を聞かされ、明らかに表情を綻ばせたのを見て嫉妬なさっておいでなのです」
「シア姉!?」
「えっ、えっ? あっ……(カアアアアアッ)」
「あっ(カァアアアアッ)……酷いよシア姉」
「ちなみにベルミエッタ様は領地の視察が、エリエアル様は貧血で来られそうにないとの事でしたので、二人っきりですね。……二人っきりに御座います。あ、私の事はお構い無く」
「構いますわよ!?」「構うよ!?」
何故か二人っきりを二度も言って強調するシンシアに、二人同時に突っ込み、それを受けてシンシアが笑みを深くする。
「仲睦まじいご様子でほっと致しました」
「「(カアアアアアッ!)」」
二人して茹だっていたが、やがてミリーの表情は曇っていく。
「……エリオット様。お気持ちは大変嬉しく思うのですが、私とエリオット様では家格がまるで釣り合いません。対する私もエッシャー家にとっては一人娘。妾としてお側に置いて頂くわけにも参りません」
「ミランダ嬢……、僕は家格なんて」
「なりません。エリオット様は公爵家であり4大家の一員。貴族の模範となるべきお方。であれば、私の事等綺麗サッパリ忘れて頂……」
「家格の問題なら全く御座いません。手は回しております」
「き……ぃ? ………………今何と?」
「既に手は回して御座います、と申し上げました」
「………………具体的には?」
「エッシャー家にとって本家であり主家たるテクトニカ侯爵家ご当主様に、ミランダ様の養父となって頂けるよう打診しております。既に快い返事を頂いておりますし、エッシャー家の方には、テクトニカ侯爵家を主家とする他の分家筋から養子をとの話も上がっているようです。……そうならない可能性もあるそうですが」
「………………」
ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー熟考中、ミリー把握完了。
「ジュール先生ぇええ!? あいや、隠居って仰ってましたわね……、ええとええと……」
「この話はジュール様主体にて行われ、エッシャー夫妻がノリノ……いえ、非常に前向きにご検討されております」
「やっぱりジュール先生ですのぉ!? 後お父様お母様も! ほんとにもう! それにしても何で跡継ぎ要らないっ……て、あ……」
「大変ご夫婦仲は睦まじい様で」
「ひゃあああ!?(カアアアアアッ!)」
「シア姉……とどめを刺しにいかなくても」
「後顧の憂いは断っておかねばなりません。ですのでミランダ様」
「ひはいっ!?」
「坊っちゃまをよろしくお願い致します」
「………………条件がありますわ!!」
「……はて? 条件? 男爵家の令嬢が、公爵家へと嫁ぐのに、条件を、出されるのですか?」
シンシアの目が薄くなる! エリオットは青褪めた! しかしミリーは引かない!
「条件は公爵家へではなく、シンシア……お姉様にですわ! シンシアお姉様も家格を得て、エリオット様に嫁いで頂きます!」
「「………………え?」」
「え? ではありませんわ! でなければ私、結婚を回避するため出家致しますわ!」
「……本気、なのですね? 理由を聞いても?」
「……シンシア、お姉様が一緒に居る時、エリオット様は非常にリラックスされておいでです」
「であればこのままメイドとして……」
「ですが、凄く申し訳無さそうにもされていますわ。それがずっと気になってましたのよ。……エリオット様。シンシアお姉様にそういう感情を向けたことは無いと言い切れますか?」
「……とても言い難い事を聞くね」
「それにフローラより聞いてますのよ? エリオット様が過去に女性で酷い目にあったと」
「……あんの方は」
シンシアから殺気が漏れ出ている! ミリーはビクッとしたものの、持ち堪えた!
「……そそそ、その理由って、何でもできる、シンシアお姉様と、比べたから……ではありませんの!?」
「「 !? 」」
ミリーが核心を突くべくエリオットに詰める。
「……驚いたなぁ。……なんで?」
「簡単ですわ。エリオット様が最も良く知る女性は誰ですの? それは常に側に侍るシンシアお姉様に違いありませんもの」
「………………坊っ……ちゃま?」
「……ああ、そうだね……そうだった。何でもかんでもシア姉と比べてしまって……彼女には悪い事をした」
「ああ、そこはフローラが言ってた事の受け売りですが、性悪女だったのは間違いないので気にする必要は無いとのことでしたわ」
「ぇえ……?」
見る目が無い事は事実だったと、エリオットが遠い目になった! その一方でシンシアは青褪めている!
「わ、わたし、わた、私が、坊っちゃまの、恋路を……」
「だから違うと言っているではありませんの……。エリオット様にはシンシアお姉様が必要ですのよ? さあ! エリオット様も! ちゃんと言ってくださいまし! 私、嫁いだ後で悔しい思いや寂しい思いをするのは嫌ですことよ!」
「……分かったよ。シア姉」
「……坊っちゃま」
シンシアがオロオロしながら二人の間を視線を彷徨わせる。
「シア姉、こっち見て。そう。……ふぅ。シア姉、貴女は僕の理想の女性そのものなんだ。子供の頃からの憧れの人でした。大好きです」
「………………(ボンッ!)」
(シンシアお姉様、良かったですわね……)
「そしてミランダ嬢」
「……え? へ? ひゃいっ!?」
「君は間違いなく僕が最も愛らしいと思っている女性なんだ。しかもこんな機会まで用意してくれるなんて、まるで天使のような人だね」
「………………(ボンッ!)」
この暫く後、女性二人は同時に倒れ込み、エリオットは非常に慌てたという。この天然ジゴロがっ。
後にシンシアは、公爵家の剣の先輩の手引きにより、コーヴ子爵家の養女となってミランダと共にエリオットの下に嫁ぐ事になるのである。
○ジュール先生は?
戦後、ジュールは家に戻っていた。
「お疲れ様です、父上。流石は『包囲殲滅戦の悪魔』ですな」
「思ってもいないことは口にするもんじゃないよ? あんなぬるい連中、むしろ新兵の練習台にすれば良かったのだ」
「左様で」
「しかし、今回のことで素性が知れ渡ったかなぁ。クライン卿のように、偽名を使おうかな?」
「すでにご用意して御座いますよ、ユークリッド卿」
「……コーヴ子爵家の若隠居? ねぇ。ずいぶん遠い親戚を発掘したものだね。ここは絶えたのだっけ?」
「ええ。年の頃が30程の未亡人のみが残って御座います」
「……ミアが生きてたら、二人して殺されるところだね」
「母上が存命でしたら、楽隠居なぞさせないでしょう」
「「……」」
「とにかく、変装もお願いしますね。士官クラスの授業時にのみ、変装を解くように」
「お前、ミアに似てきたねぇ」
「親子ですから」
………
……
…
後日コーヴ子爵家に挨拶にやって来たジュールは脂汗を流していた。
「ジュール・テクトニカと申します」
「あらあら……主家の前ご当主様が末端の分家の未亡人如きに腰を折られては……人目のあるところではなりませんわよ?」
「は、ははは、ごもっとも」(謀ったな! あんの愚息めぇ!)
現れたのはジュールの妻、ミアことアルフェミアにそっくりな、勝ち気な顔立ちの美女だった。ジュールはミアの言うことには逆らえない。もはや遺伝子レベルの条件反射で、である。
「ジュール様。隠れ蓑として我がコーヴ家をご利用されるとのこと、委細承知致しました。たた、よろしければ幾つかお願いを聞いて頂きたいのですが、如何でしょうか?」
(ほーらやっぱり来たよ! お願いが! とんでもないものだったら帰った時覚えていろよ! 馬鹿息子!)「あ、はは。もう当主では無いのでどこまでかなえて差し上げられるかは分かりませんが……どういった件でしょうか?」
「私の出自というか前職は、さる名家の方々の護衛を務めさせて頂いておりまして、その縁で妹分からお願いされたのです。ミランダ嬢をテクトニカ侯爵の養女に迎えて頂きたいと。使えている主の思い人なのだそうですわ」
(おや? それはもしや……?)「ミランダ嬢ならば私の後継者として申し分ありません。勿論構いませんよ」
「ああ! 良かった! ……つきましてはもう一点のお願いなのですが」
亡き妻に似た分家の未亡人は、見た目と裏腹に非常に奥ゆかしい女性だった。二つ目のお願いも微笑ましいものだったと、後にジュールは述懐している。この時、この仮初めの夫婦の下に養女を迎える事になったのだが、2年後、偽物のはずの夫婦の間に本当の子が出来るとは、誰も想像していなかった。
「息子よ。手引きしたのはお前だから計算ずくなのだろう? あの世では一緒に謝っておくれよ?」
「苦手だったはずの亡き母と良く似た女性に、誰が手を出すと思いますか? 大体アンタの方が先に死ぬだろうが。あの世では一人で殺されて下さい」
「やだー! 性格が理想的だったんだもん! 仕方ないじゃないですかー!」
「聞く耳持たん。この阿呆親父がっ」
なんて一幕があったとか。
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