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21、別に嫉妬なんてしていませんわ
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「学園の怪談ってご存じ? 学園の花園にある『想いが成就する木』は?」
我が家に遊びにいらしたアミティエ様は、いろんなことをお話してくださいました。
厨房を貸し切り状態にして、異世界料理人のリックが監督する中、わたくしたちは二人でクッキー作りに挑戦しています。
わたくしが卵をパカッと割ると、アミティエ様は拍手してくださり、ご自分は卵を潰して残念そうなお顔。
「ふふ、慣れたら簡単なのですわ!」
キャッキャと笑い合うわたくしたちを、ソワソワとカーテイルお兄様が見にきています。
「レディ・アミティエ……我が家へようこそ」
眼鏡をくいくいとしながら妙に格好つけたカーテイルお兄様は、手に赤い薔薇なんで持っていらっしゃるのですが。婚約者がいますよね、お兄様?
「お兄様?」
「ち、違う。違うぞ。ファンなだけだ」
「ファンとは」
「流行小説にもあっただろう。推しという文化。敬愛し、応援してるだけだ。剣術に秀でた聖女様、格好良いじゃないか」
カーテイルお兄様いわく、殿方の中にも格好良い女性に憧れる方々は多いらしいのです。
「尻に敷いてほしい……ハッ」
「お兄様の婚約者様に報告しておきますわね」
「メモリア! 違うんだ、メモリア! クッキー食べてみたいとか思ってないからメモリア! でも食べてみたいんだメモリア!」
二人で作ったクッキーを可愛らしくラッピングして、翌日学園のサロンで披露すると、二人の王子様は「流行小説のキャラクターになった気分だよ」と喜んでくださいました。
「皆様の分もありますわ。たくさん作りましたの」
「二人は仲良くなったんだねえ……あんまり仲良さそうだと、妬けてしまうな」
ユスティス様が微笑ましそうにわたくしとアミティエ様を見つめて、さりげなーくアミティエ様の腰を引き寄せます。
「まあ、ユスティス様。嫉妬しないでくださいまし」
楽しく声を返しながら、わたくしはアミティエ様がポッと赤くなって嬉しそうにしているのを好ましく見つめ。
そーっとオヴリオ様を窺いました。
「うん。美味しいな」
オヴリオ様はハート型のクッキーを集めて、「持ち帰りたい」と微笑むのですが。
「あ……当て馬活動の方は……」
「ん?」
「いえ、オヴリオ様が平気なら、良いですわ」
「ん……美味しいよ」
わたくし、ちょっとだけ心配しましたのよ。
目の前でイチャイチャされて、傷付いていらっしゃらないか、とか。
「平気なのですわね」
平気そう、どころか、クッキーに幸せそうになさっているオヴリオ様を見ると、わたくしの心はふわふわしてきました。
安心と、喜びが混ざったみたいな、そんな浮ついた感情です――、
「よかったですわ」
「好きじゃないけど?」
「ええ、好きじゃありません、でしたね」
賑やかな空間は居心地が良くて、すぐ隣に座るオヴリオ様が微妙な距離感で頷くのが、とても嬉しいのです。
「ボクの連載小説も、続きを後で配布します。お楽しみください!」
トムソンが手書きの小説を手にニコニコして、構想を熱い口調で語ってくれます。
「にゃあ?」
「白ネコさんも、読んでくれる?」
「にゃあ」
トムソンも、白ネコとすっかり仲良しです。
「ボクの小説はね、お父様が書いた小説の続きなんだよ。お父様が書いていいよって言ってくださったんだ。お父様の小説って、悪役令嬢が呪われてざまぁで終わったんだけど、お父様は、実在する魔女さん……魔法の得意だったご令嬢を、悪役令嬢として小説に書いたのをずっと後悔してるんだ」
周囲の視線が、トムソンに集まります。
ユスティス様とオヴリオ様が真剣な表情になっていて、わたくしはドキリとしました。
「……申し上げても、いいですか」
トムソンがひたむきな目を向けると、王家のお二人はコクリと頷きを返しました。
「えっと、国王陛下が魔女をからかって、魔女が怒っちゃったってお父様は教えてくれたんです。お父様も国王陛下も謝ったけど、ずっと許してくれないみたいで、何処にいるのかもわからなくなっちゃったって」
これは、3年前にあったというオヴリオ様が呪われた事件のことではないでしょうか?
オヴリオ様が国王陛下を庇い、代わりに呪われてしまったという事件のことですよね?
「ボク、悪役令嬢の呪いが解けて救われる続編を書いて、魔女さんに読んでほしいんだ。魔女さんが良い気分になってくれたら嬉しいし、お父様の気持ちも、そうしたら楽になるんじゃないかなって」
きゅっと拳を握り、一生懸命に語るトムソンに、白ネコがすりすりと頬を寄せました。
「にゃあ」
白ネコが愛らしく鳴く声は、真剣な表情をして話を聞いていた全員をほんわりと和ませて。
「えっと、楽しい時間に重たいお話をしてごめんなさい……ボク、最後まで書くから、白ネコさんも楽しみにしていてね」
トムソンがふわりと微笑むと、サロンの学生たちは「まだ読んでなかったから後で読んでみるよ」とか、「続き一緒に考えてもいい?」とか言って、トムソンを囲むのでした。
「俺はさ、思い出せたらいいと思うんだ」
オヴリオ様がトムソンに呟く声が、賑やかな中で印象的にわたくしの心に響きます。
「エヴァンスの小説で呪われてざまぁってなった魔女って、大切な人に忘れられてしまうから」
大切な人に忘れられてしまうから。
思い出せたらいいと思うんだ。
胸の奥で、鼓動がドキッと跳ねました。
「そういう展開にしてみようかな」
トムソンがニコニコ笑いながらノートにメモを取っていて、白ネコがひょこりと膝に乗ってノートを覗いてふんふんと鼻をひくつかせています。
ナイトくんまで、一緒になって膝に乗り、白ネコと縄張り争いみたいに押し合いへしあい始めるので、周囲は「トムソン、ネコにもてもて」と笑いました。
「呪いは、どうやったら解けるの?」
「うーん、まだそこは詰めてないんだ。童話とかによくある感じだと、王子様のキスかな?」
「ロマンがあっていいじゃない。私はそういうの好きよ」
アミティエ様がノリノリです。
「そういえば、聖女様って呪いを解いたりできるんじゃ? 聖女様にキスしてもらおうぜ」
「それじゃ、百合になっちゃうよ」
「あはは」
――聖女様のキス。
わたくしはなんとなくアミティエ様の唇を見てしまいました。
ぷるんとしていて、肉感的で、華麗なお花みたいな形の良い唇。
呪いを解くために、もしそれが有効だとして……。
ふっとそんな想いが胸をよぎり、わたくしはふるふると首を振りました。
……アミティエ様がオヴリオ様にキスをする光景を想像すると、なんだかとっても面白くない感じがするのです。
「むむむ……」
これは――この感情は――……、
「メモリア?」
「べ、別に嫉妬なんてしていませんわ」
オヴリオ様にひょいっと顔を覗き込まれて慌てて言えば、周囲の皆様がすっごくニヤニヤするではありませんか。
「こ、これはいつも言っていることなんです。わたくし、好きじゃありませんの。本当に、いつもこれを言ってますの。それだけですの――――」
その後は何を言ってもニヤニヤされるだけで、わたくしはとっても恥ずかしい気持ちでいっぱいになったのでした……。
我が家に遊びにいらしたアミティエ様は、いろんなことをお話してくださいました。
厨房を貸し切り状態にして、異世界料理人のリックが監督する中、わたくしたちは二人でクッキー作りに挑戦しています。
わたくしが卵をパカッと割ると、アミティエ様は拍手してくださり、ご自分は卵を潰して残念そうなお顔。
「ふふ、慣れたら簡単なのですわ!」
キャッキャと笑い合うわたくしたちを、ソワソワとカーテイルお兄様が見にきています。
「レディ・アミティエ……我が家へようこそ」
眼鏡をくいくいとしながら妙に格好つけたカーテイルお兄様は、手に赤い薔薇なんで持っていらっしゃるのですが。婚約者がいますよね、お兄様?
「お兄様?」
「ち、違う。違うぞ。ファンなだけだ」
「ファンとは」
「流行小説にもあっただろう。推しという文化。敬愛し、応援してるだけだ。剣術に秀でた聖女様、格好良いじゃないか」
カーテイルお兄様いわく、殿方の中にも格好良い女性に憧れる方々は多いらしいのです。
「尻に敷いてほしい……ハッ」
「お兄様の婚約者様に報告しておきますわね」
「メモリア! 違うんだ、メモリア! クッキー食べてみたいとか思ってないからメモリア! でも食べてみたいんだメモリア!」
二人で作ったクッキーを可愛らしくラッピングして、翌日学園のサロンで披露すると、二人の王子様は「流行小説のキャラクターになった気分だよ」と喜んでくださいました。
「皆様の分もありますわ。たくさん作りましたの」
「二人は仲良くなったんだねえ……あんまり仲良さそうだと、妬けてしまうな」
ユスティス様が微笑ましそうにわたくしとアミティエ様を見つめて、さりげなーくアミティエ様の腰を引き寄せます。
「まあ、ユスティス様。嫉妬しないでくださいまし」
楽しく声を返しながら、わたくしはアミティエ様がポッと赤くなって嬉しそうにしているのを好ましく見つめ。
そーっとオヴリオ様を窺いました。
「うん。美味しいな」
オヴリオ様はハート型のクッキーを集めて、「持ち帰りたい」と微笑むのですが。
「あ……当て馬活動の方は……」
「ん?」
「いえ、オヴリオ様が平気なら、良いですわ」
「ん……美味しいよ」
わたくし、ちょっとだけ心配しましたのよ。
目の前でイチャイチャされて、傷付いていらっしゃらないか、とか。
「平気なのですわね」
平気そう、どころか、クッキーに幸せそうになさっているオヴリオ様を見ると、わたくしの心はふわふわしてきました。
安心と、喜びが混ざったみたいな、そんな浮ついた感情です――、
「よかったですわ」
「好きじゃないけど?」
「ええ、好きじゃありません、でしたね」
賑やかな空間は居心地が良くて、すぐ隣に座るオヴリオ様が微妙な距離感で頷くのが、とても嬉しいのです。
「ボクの連載小説も、続きを後で配布します。お楽しみください!」
トムソンが手書きの小説を手にニコニコして、構想を熱い口調で語ってくれます。
「にゃあ?」
「白ネコさんも、読んでくれる?」
「にゃあ」
トムソンも、白ネコとすっかり仲良しです。
「ボクの小説はね、お父様が書いた小説の続きなんだよ。お父様が書いていいよって言ってくださったんだ。お父様の小説って、悪役令嬢が呪われてざまぁで終わったんだけど、お父様は、実在する魔女さん……魔法の得意だったご令嬢を、悪役令嬢として小説に書いたのをずっと後悔してるんだ」
周囲の視線が、トムソンに集まります。
ユスティス様とオヴリオ様が真剣な表情になっていて、わたくしはドキリとしました。
「……申し上げても、いいですか」
トムソンがひたむきな目を向けると、王家のお二人はコクリと頷きを返しました。
「えっと、国王陛下が魔女をからかって、魔女が怒っちゃったってお父様は教えてくれたんです。お父様も国王陛下も謝ったけど、ずっと許してくれないみたいで、何処にいるのかもわからなくなっちゃったって」
これは、3年前にあったというオヴリオ様が呪われた事件のことではないでしょうか?
オヴリオ様が国王陛下を庇い、代わりに呪われてしまったという事件のことですよね?
「ボク、悪役令嬢の呪いが解けて救われる続編を書いて、魔女さんに読んでほしいんだ。魔女さんが良い気分になってくれたら嬉しいし、お父様の気持ちも、そうしたら楽になるんじゃないかなって」
きゅっと拳を握り、一生懸命に語るトムソンに、白ネコがすりすりと頬を寄せました。
「にゃあ」
白ネコが愛らしく鳴く声は、真剣な表情をして話を聞いていた全員をほんわりと和ませて。
「えっと、楽しい時間に重たいお話をしてごめんなさい……ボク、最後まで書くから、白ネコさんも楽しみにしていてね」
トムソンがふわりと微笑むと、サロンの学生たちは「まだ読んでなかったから後で読んでみるよ」とか、「続き一緒に考えてもいい?」とか言って、トムソンを囲むのでした。
「俺はさ、思い出せたらいいと思うんだ」
オヴリオ様がトムソンに呟く声が、賑やかな中で印象的にわたくしの心に響きます。
「エヴァンスの小説で呪われてざまぁってなった魔女って、大切な人に忘れられてしまうから」
大切な人に忘れられてしまうから。
思い出せたらいいと思うんだ。
胸の奥で、鼓動がドキッと跳ねました。
「そういう展開にしてみようかな」
トムソンがニコニコ笑いながらノートにメモを取っていて、白ネコがひょこりと膝に乗ってノートを覗いてふんふんと鼻をひくつかせています。
ナイトくんまで、一緒になって膝に乗り、白ネコと縄張り争いみたいに押し合いへしあい始めるので、周囲は「トムソン、ネコにもてもて」と笑いました。
「呪いは、どうやったら解けるの?」
「うーん、まだそこは詰めてないんだ。童話とかによくある感じだと、王子様のキスかな?」
「ロマンがあっていいじゃない。私はそういうの好きよ」
アミティエ様がノリノリです。
「そういえば、聖女様って呪いを解いたりできるんじゃ? 聖女様にキスしてもらおうぜ」
「それじゃ、百合になっちゃうよ」
「あはは」
――聖女様のキス。
わたくしはなんとなくアミティエ様の唇を見てしまいました。
ぷるんとしていて、肉感的で、華麗なお花みたいな形の良い唇。
呪いを解くために、もしそれが有効だとして……。
ふっとそんな想いが胸をよぎり、わたくしはふるふると首を振りました。
……アミティエ様がオヴリオ様にキスをする光景を想像すると、なんだかとっても面白くない感じがするのです。
「むむむ……」
これは――この感情は――……、
「メモリア?」
「べ、別に嫉妬なんてしていませんわ」
オヴリオ様にひょいっと顔を覗き込まれて慌てて言えば、周囲の皆様がすっごくニヤニヤするではありませんか。
「こ、これはいつも言っていることなんです。わたくし、好きじゃありませんの。本当に、いつもこれを言ってますの。それだけですの――――」
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