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?歳の俺
孤児 7歳
冬を越え、春になり7歳となった。何度目かの冬だったが、やはりこの孤児院は寒かった。だから、この時期に限ってはアンジェリカさんは俺がそっと暖をとるために魔法を使っても何も言ってこない。むしろ冬の寒さで風邪をひく子が少なくなって良かったわ~っと感謝された。因みにテレシアとクラウスは寒くないくせに寒い~って言ってきて抱き上げられた時はおまえら離れろっと全力で拒否をした。
さて、そんな時期を乗り越え特に皆飢えることもなく過ごせた後には暖かな春が待っている。これからの俺たちの新しい日々を歓迎しているような、優しい日差しを浴びながら今日も元気に引きこもろう!っと意気込んで部屋でまったりルチアーノと本を読んでいると、バタバタと落ち着きのない足音を立てながら扉が開いた。
うん?っと俺とルチアーノは顔をあげるとそこには顔を真っ青にしたアンジェリカさんの姿が。
「院長先生……?」
その顔色の悪さにルチアーノが声をかける。俺も彼女の様子を伺う。ふと、彼女の手元に一通の手紙が握られていることに気付く。
あれ、なんだろ、嫌な予感する……。
「あああああああ!アズールううううううっ!」
「え、あ、なに!なんですかっ!?」
アンジェリカさんが叫ぶので俺はビビりながらそう返事をする。アンジェリカさんは泣きそうな顔をしてそっとその手に持っていた手紙を俺に渡す。俺はそれを受け取って、叫んだ。
「お、おお、お、王家の紋章っ!?」
「……?」
ひっくり返った。いや、これはだめだ。え?何したのアンジェリカさん!?
俺はすーはーっと深呼吸をして震える手で手紙を開く。
そこには、短くこのような内容が書かれていた。
アズールという孤児を王宮に招待する。よって使者を送るのでその人と一緒に来てほしい、とのこと。
お、おかしいなぁっ!?俺目を付けられるようなことしてないはずなのに!
「なんでぇっ!?」
「知らないわ!ごめんなさい、私じゃ貴方を守れないわアズール」
「あー、いやどう考えても王家相手に何もできないから仕方ないですよ。おとなしく行ってきます……」
「ああ、アズール、ごめんなさい、本当にごめんなさい……」
「いや、まるで死にに行くような言い方やめてよアンジェリカさん」
招集かかったのは意味わかんないけど流石に、連れていかれて殺されるような運命は辿らないはずだよ。え、そうだよね?
アンジェリカさんがあまりの出来事に髪をかきむしって唸ってしまうのでアンジェリカさんを宥めるのが大変だった。そんなに王族嫌いなんだねって感じだ。そんな恨みを買うような出来事が過去にあったのだろう。ちょっと同情。
その手紙には旅支度の金が同封してあったようで、そのお金で保存食ととりあえずこの村でいい服を買って貰い、俺はそれらを鞄に入れて旅支度。それらを買ってもまだお金は残っていたので王都でお土産を買うお金にしてもらった。美味しくて長持ちするお菓子買ってくるから。
俺が王都に行くというと皆えーいいなーっと羨ましがった。まあ俺も君たちの立場だったら素直に羨ましがったよ。
お土産買ってくるからっと言うと喜んでたけど。
そして、何度もアンジェリカさんに道具の確認を一緒にさせられながら、手紙が届いて一週間ほど経った。
孤児院の前に馬車が停まってそこから人が降りてきた。
深い青色のスーツを纏った男だ。明らかに上品な人がやってきて、俺も皆もポカーン。嘘だろ、なんでこんな人がこんなド田舎に……?という気持ちだ。
アンジェリカさんがすぐに出て行って対応をした。何を話しているか分からないが、どう考えても例の使者様だ。
俺は自分の部屋に行って荷物を持ち、外に出ようとすると、丁度アンジェリカさんと扉でぶつかりそうになる。
「アズール、準備が早いわね」
「うん。だってどう見ても俺の事でしょ?」
「そうだけど……」
「心配しなくても帰ってくるよ」
「そう、そうね……。気を付けてね、アズール」
ぎゅっとアンジェリカさんに抱きしめられた。俺もぎゅっと抱きしめ返すと、皆もぎゅーっと抱き着いてきた。
「お土産待ってるぞ」
「美味しいの買ってきてね」
「基本的に菓子類は高いから考えてお金を使った方がいい」
「分かったよ。美味しいの探す」
マイク、イリーナ、カイルの順でそう言いながら各々俺を抱きしめてくる。
「アズールぅ……。いつ帰ってくるの……?」
「最低でも二週間は帰ってこないと思う」
「……お土産待ってる……」
「うん、待ってて」
ぎゅううううっとルチアーノに誰よりも力強く抱きしめられて、彼はぐすぐすと泣いている。そんな悲しまないで、二週間なんてすぐだから。
俺は皆に見送られながら男に近づいた。
「道中よろしくお願いします」
「はい、此方こそよろしくお願いしますね」
そう挨拶をして、皆に手を振り馬車の中に入る。男はアンジェリカさんに何かを言ってから馬車の中に入り、こんこんっと御者に合図を送る。するとゆっくりと馬車が動き、窓から見送りするみんなの姿が。俺も中から手を振って皆が見えなくなるまで手を振り続けた。
それから、俺は男の方を向き直る。
ここは俺から話を切り出したほうがいいのか……。そう思ってちらっとそちらを見ると彼はにっこりと笑った。俺もつられて減らりと笑って見せる。ひきつってなければいいかな。
「アズール君でいいんですか?」
「はい」
「私はアレクと申します。よろしくお願いしますね、アズール君」
「アレクさんですね。よろしくお願いします」
ペコっと頭を下げて俺はそう言う。アレクさんか。これから道中お世話になります、ええ。俺はあまりおしゃべり上手じゃないのでそこらへんよろしくお願います。
俺のその願いは叶ったのか、多分道中長いから子供と話せるような大人がついてきたのか、多分後者が正しいと思うが話はそれなりにできた。
最初は歳を聞かれそこから好きなことを聞かれて魔術系です、っと答えたらきらって目が光った。私も魔術が好きで研究してるんですよ~っと話が盛り上がった。まさか、こんなところで気の合う仲間ができるとは……。
時間あったら研究所に来ますか?とまで言われ、二つ返事で食いついた。めっちゃ趣味合う友達見つけちゃった俺。手紙貰って憂鬱だったけど、めっちゃハッピー。
「いやあ、こんなに話が合う人は久々です~」
「俺は初めてです」
「え、アンとはそういう話はしないんですか?」
「あんまりしませんね。アンジェリカさんからはあまり使うなって言われてまして」
「ああ、まあ、それが安全でしょうね……」
アレクさんはそう言いながら、うんうんっと頷くので俺はあははっと笑っておく。
やっぱり魔法使えると貴重なのか……?
「アレクさんはアンジェリカさんと仲いいんですか?」
「え?ああ、彼女とは同僚です」
「え……?」
「彼女、元は魔術研究部にいたんですよ」
「へえ!知りませんでした!」
「トップクラスの実力を持ってたんですけどね、色々あってやめたんです」
「成程」
俺がそう頷きながら返事する。アレクさんは、はあっとため息をついて「本当、勿体ない人材でした」っとひどく悲しそうに呟く。そんなにアンジェリカさんすごかったんだ。後で教わってみたいな。アンジェリカさんが許したらだけど。
そんな話をしていると、馬車が急に止まった。アレクさんが、こんこんっと御者さんに合図を送り、「どうしました?」っと聞く。
「いやあ、知らない道に来たからか馬が怯えてしまって……。ちょっと待ってくださいね、すぐに落ち着かせますから」
「そうでしたか、急いでいませんのでゆっくりで大丈夫ですよ」
「……?」
この馬車の馬ってある程度調教されてる馬だよね?知らない道に来ただけで怯える……?いや、俺が無知なだけかもしれないけど。
なんだろ、天候も悪くないのに、なんか嫌な予感する。あんまりこういう感覚にはならないから信用できないんだけど、なんだ、この感じ。
「少し、外に出てみていいですか?」
「いいですよ。なんならお昼にでもしますか?お昼ご飯持ってきましたので」
「食べます!」
お昼ご飯持参してくれたんか、助かる~。
アレクさんと一緒に外に出て御者の人にも彼は一時間休憩をとるように言っていた。
俺とアレクさんは外で昼食を食べることにした。アレクさんのバックからサンドウィッチと水が入った革袋とコップを取り出し、俺に昼ご飯を渡してくれる。俺はサンドウィッチをもらい、がぶっと一口食べた。卵サンドだ。
「美味しい!」
「そうですか!それは良かったです」
もぐもぐとサンドウィッチを食べて、水をもらい満腹になった。孤児院では食料が十分にあるとは言えずに遠慮気味だったのがここではそんなこと気にしなくていいのでもぐもぐ食べる。
時と場合によっては食事を抜くことはあるが、まあ基本的には食事は嫌いじゃない。
ごちそうさまでしたっと手を合わせて挨拶をする。アレクさんはお粗末でしたっと言いながら昼ご飯の片づけをする。俺はそれを手伝おうとしたが、大丈夫ですよと言われた。
「あ、じゃあ散歩しててもいいですか?」
「ええ、いいですよ。危ないところには近寄らないようにしてくださいね」
「分かりました」
とはいえ、野原だから採取くらいしかやることないんだけど。面白い草ないかなぁっと思いながらふらふらと歩いていると、水たまりを見つけた。
浅い水たまりだ。
昨日あたり雨が降ったのだろうか。でも、ここだけ不自然すぎるような……?俺の気のせい?
そこをじいっとのぞき込む。俺の顔がその水たまりに映って、水面が揺れた。
「……え?」
ぐわっとその水たまりが俺を囲むように広がった。そのまま俺は水たまりの中に頭から飛び込む。
「―――っ!?」
その水たまりの中はかなり大きな空間ですぐに俺の体はすっぽりと包まれた。手で口と鼻を覆い、転移を使おうとすると何かに首が絞められた。思わず息を吐いてしまうと大量の水が口の中に入る。
他の魔法を試してみるが、発動した瞬間に魔力を吸い取られてしまい、魔法が発動しない。そうこうしている内に、息が出来なくなり、意識が薄れていく。
まじか、これで俺の今回の人生終了だわ。来世はもう少し境遇がいいことを願うよ……。
さて、そんな時期を乗り越え特に皆飢えることもなく過ごせた後には暖かな春が待っている。これからの俺たちの新しい日々を歓迎しているような、優しい日差しを浴びながら今日も元気に引きこもろう!っと意気込んで部屋でまったりルチアーノと本を読んでいると、バタバタと落ち着きのない足音を立てながら扉が開いた。
うん?っと俺とルチアーノは顔をあげるとそこには顔を真っ青にしたアンジェリカさんの姿が。
「院長先生……?」
その顔色の悪さにルチアーノが声をかける。俺も彼女の様子を伺う。ふと、彼女の手元に一通の手紙が握られていることに気付く。
あれ、なんだろ、嫌な予感する……。
「あああああああ!アズールううううううっ!」
「え、あ、なに!なんですかっ!?」
アンジェリカさんが叫ぶので俺はビビりながらそう返事をする。アンジェリカさんは泣きそうな顔をしてそっとその手に持っていた手紙を俺に渡す。俺はそれを受け取って、叫んだ。
「お、おお、お、王家の紋章っ!?」
「……?」
ひっくり返った。いや、これはだめだ。え?何したのアンジェリカさん!?
俺はすーはーっと深呼吸をして震える手で手紙を開く。
そこには、短くこのような内容が書かれていた。
アズールという孤児を王宮に招待する。よって使者を送るのでその人と一緒に来てほしい、とのこと。
お、おかしいなぁっ!?俺目を付けられるようなことしてないはずなのに!
「なんでぇっ!?」
「知らないわ!ごめんなさい、私じゃ貴方を守れないわアズール」
「あー、いやどう考えても王家相手に何もできないから仕方ないですよ。おとなしく行ってきます……」
「ああ、アズール、ごめんなさい、本当にごめんなさい……」
「いや、まるで死にに行くような言い方やめてよアンジェリカさん」
招集かかったのは意味わかんないけど流石に、連れていかれて殺されるような運命は辿らないはずだよ。え、そうだよね?
アンジェリカさんがあまりの出来事に髪をかきむしって唸ってしまうのでアンジェリカさんを宥めるのが大変だった。そんなに王族嫌いなんだねって感じだ。そんな恨みを買うような出来事が過去にあったのだろう。ちょっと同情。
その手紙には旅支度の金が同封してあったようで、そのお金で保存食ととりあえずこの村でいい服を買って貰い、俺はそれらを鞄に入れて旅支度。それらを買ってもまだお金は残っていたので王都でお土産を買うお金にしてもらった。美味しくて長持ちするお菓子買ってくるから。
俺が王都に行くというと皆えーいいなーっと羨ましがった。まあ俺も君たちの立場だったら素直に羨ましがったよ。
お土産買ってくるからっと言うと喜んでたけど。
そして、何度もアンジェリカさんに道具の確認を一緒にさせられながら、手紙が届いて一週間ほど経った。
孤児院の前に馬車が停まってそこから人が降りてきた。
深い青色のスーツを纏った男だ。明らかに上品な人がやってきて、俺も皆もポカーン。嘘だろ、なんでこんな人がこんなド田舎に……?という気持ちだ。
アンジェリカさんがすぐに出て行って対応をした。何を話しているか分からないが、どう考えても例の使者様だ。
俺は自分の部屋に行って荷物を持ち、外に出ようとすると、丁度アンジェリカさんと扉でぶつかりそうになる。
「アズール、準備が早いわね」
「うん。だってどう見ても俺の事でしょ?」
「そうだけど……」
「心配しなくても帰ってくるよ」
「そう、そうね……。気を付けてね、アズール」
ぎゅっとアンジェリカさんに抱きしめられた。俺もぎゅっと抱きしめ返すと、皆もぎゅーっと抱き着いてきた。
「お土産待ってるぞ」
「美味しいの買ってきてね」
「基本的に菓子類は高いから考えてお金を使った方がいい」
「分かったよ。美味しいの探す」
マイク、イリーナ、カイルの順でそう言いながら各々俺を抱きしめてくる。
「アズールぅ……。いつ帰ってくるの……?」
「最低でも二週間は帰ってこないと思う」
「……お土産待ってる……」
「うん、待ってて」
ぎゅううううっとルチアーノに誰よりも力強く抱きしめられて、彼はぐすぐすと泣いている。そんな悲しまないで、二週間なんてすぐだから。
俺は皆に見送られながら男に近づいた。
「道中よろしくお願いします」
「はい、此方こそよろしくお願いしますね」
そう挨拶をして、皆に手を振り馬車の中に入る。男はアンジェリカさんに何かを言ってから馬車の中に入り、こんこんっと御者に合図を送る。するとゆっくりと馬車が動き、窓から見送りするみんなの姿が。俺も中から手を振って皆が見えなくなるまで手を振り続けた。
それから、俺は男の方を向き直る。
ここは俺から話を切り出したほうがいいのか……。そう思ってちらっとそちらを見ると彼はにっこりと笑った。俺もつられて減らりと笑って見せる。ひきつってなければいいかな。
「アズール君でいいんですか?」
「はい」
「私はアレクと申します。よろしくお願いしますね、アズール君」
「アレクさんですね。よろしくお願いします」
ペコっと頭を下げて俺はそう言う。アレクさんか。これから道中お世話になります、ええ。俺はあまりおしゃべり上手じゃないのでそこらへんよろしくお願います。
俺のその願いは叶ったのか、多分道中長いから子供と話せるような大人がついてきたのか、多分後者が正しいと思うが話はそれなりにできた。
最初は歳を聞かれそこから好きなことを聞かれて魔術系です、っと答えたらきらって目が光った。私も魔術が好きで研究してるんですよ~っと話が盛り上がった。まさか、こんなところで気の合う仲間ができるとは……。
時間あったら研究所に来ますか?とまで言われ、二つ返事で食いついた。めっちゃ趣味合う友達見つけちゃった俺。手紙貰って憂鬱だったけど、めっちゃハッピー。
「いやあ、こんなに話が合う人は久々です~」
「俺は初めてです」
「え、アンとはそういう話はしないんですか?」
「あんまりしませんね。アンジェリカさんからはあまり使うなって言われてまして」
「ああ、まあ、それが安全でしょうね……」
アレクさんはそう言いながら、うんうんっと頷くので俺はあははっと笑っておく。
やっぱり魔法使えると貴重なのか……?
「アレクさんはアンジェリカさんと仲いいんですか?」
「え?ああ、彼女とは同僚です」
「え……?」
「彼女、元は魔術研究部にいたんですよ」
「へえ!知りませんでした!」
「トップクラスの実力を持ってたんですけどね、色々あってやめたんです」
「成程」
俺がそう頷きながら返事する。アレクさんは、はあっとため息をついて「本当、勿体ない人材でした」っとひどく悲しそうに呟く。そんなにアンジェリカさんすごかったんだ。後で教わってみたいな。アンジェリカさんが許したらだけど。
そんな話をしていると、馬車が急に止まった。アレクさんが、こんこんっと御者さんに合図を送り、「どうしました?」っと聞く。
「いやあ、知らない道に来たからか馬が怯えてしまって……。ちょっと待ってくださいね、すぐに落ち着かせますから」
「そうでしたか、急いでいませんのでゆっくりで大丈夫ですよ」
「……?」
この馬車の馬ってある程度調教されてる馬だよね?知らない道に来ただけで怯える……?いや、俺が無知なだけかもしれないけど。
なんだろ、天候も悪くないのに、なんか嫌な予感する。あんまりこういう感覚にはならないから信用できないんだけど、なんだ、この感じ。
「少し、外に出てみていいですか?」
「いいですよ。なんならお昼にでもしますか?お昼ご飯持ってきましたので」
「食べます!」
お昼ご飯持参してくれたんか、助かる~。
アレクさんと一緒に外に出て御者の人にも彼は一時間休憩をとるように言っていた。
俺とアレクさんは外で昼食を食べることにした。アレクさんのバックからサンドウィッチと水が入った革袋とコップを取り出し、俺に昼ご飯を渡してくれる。俺はサンドウィッチをもらい、がぶっと一口食べた。卵サンドだ。
「美味しい!」
「そうですか!それは良かったです」
もぐもぐとサンドウィッチを食べて、水をもらい満腹になった。孤児院では食料が十分にあるとは言えずに遠慮気味だったのがここではそんなこと気にしなくていいのでもぐもぐ食べる。
時と場合によっては食事を抜くことはあるが、まあ基本的には食事は嫌いじゃない。
ごちそうさまでしたっと手を合わせて挨拶をする。アレクさんはお粗末でしたっと言いながら昼ご飯の片づけをする。俺はそれを手伝おうとしたが、大丈夫ですよと言われた。
「あ、じゃあ散歩しててもいいですか?」
「ええ、いいですよ。危ないところには近寄らないようにしてくださいね」
「分かりました」
とはいえ、野原だから採取くらいしかやることないんだけど。面白い草ないかなぁっと思いながらふらふらと歩いていると、水たまりを見つけた。
浅い水たまりだ。
昨日あたり雨が降ったのだろうか。でも、ここだけ不自然すぎるような……?俺の気のせい?
そこをじいっとのぞき込む。俺の顔がその水たまりに映って、水面が揺れた。
「……え?」
ぐわっとその水たまりが俺を囲むように広がった。そのまま俺は水たまりの中に頭から飛び込む。
「―――っ!?」
その水たまりの中はかなり大きな空間ですぐに俺の体はすっぽりと包まれた。手で口と鼻を覆い、転移を使おうとすると何かに首が絞められた。思わず息を吐いてしまうと大量の水が口の中に入る。
他の魔法を試してみるが、発動した瞬間に魔力を吸い取られてしまい、魔法が発動しない。そうこうしている内に、息が出来なくなり、意識が薄れていく。
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