サラリーマン青木君 お花見編~

富井

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コタツ部コタツ課、花見に向かう

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 青木志貴(したか) 二十六歳 電気メーカー 株式会社NN 入社四年目。

コタツ部コタツ課に配属になり、早、二か月。

三月末の晴天の早朝、段ボールと新聞紙、ブルーシートと・・・なぜかコタツ一式を積んで事務員の優の運転で近くの公園に出かけた。

そう、今日はコタツ部コタツ課の花見の日。

優は大きなワンボックスカーを公園のちょうど中心の桜の木の下に着けた。



「青木さん、ダンボールは2枚重ねて引いて下さい結構冷えるんで。」

「あ、はい・・・優さん手慣れてますね。」

「毎年の事ですから。去年はまっちゃんと準備でした。」

「あ、そういえば、山さんとまっちゃんは?」

「買い出しです。あ、コタツは車から降ろすだけでいいっすよ。
セッティングはまっちゃんがやりますから。あの人、コタツのセッティングにもこだわるから。」

「え、じゃあ、やる事ないですね。」

「はい。ぼーっとしてて下さい。俺、車、駐車場に入れてきます。
そろそろ山さんもまっちゃんも来ますから。」

優の言う通りブルーシートの真ん中に座ってボーっと待っていた青木だったが、あまりの気持ちのいいポカポカ陽気についうとうとと居眠りをしてしまった。

「青木君。青木君、はやくどかないと下敷きになっちゃうよ。」

「あ、山さん・・・お疲れ様です。」

「挨拶なんか後でいいから、はやくコッチ来て。」

なぜか三人は並んで思い切りおいでおいでをしている。
寝起きでぼんやりしながらもあたりを見まわすと、2トンの箱トラが寝転がっていた、ブルーシートが敷かれた方へとバックしてきた。

「うぁ・・・なんすか!コレ!」

「何って・・・製品の数々だよ。」

「製品?」

「そう、製品。」

コタツ部の4人が見守る中、ブルーシートの周囲にはあっと言う間に最新式家電製品が、コレでもかと言わんばかりにショールームの様に並べられた。
もちろん発電機も2機設置されて、テレビからコンポまで、すべて使用可能な状態にキッチリセットされた。

「なんでまた・・・」
「なんでって、今日は会社のお花見だからね。」
「会社行事なんですか?」
「そうだよ知らなかった?」
「はい。じゃあ、もっとブルーシート引かないとこれだけでは皆さん座れませんね。」
「あ、大丈夫、人間の参加は、僕達4人だけだから。」
「え?」
「他の部はみーんな忙しいから、ほかの部署は製品が参加なんだ。」

「ハァ?」

「すごいだろう!こーんな最新家電に囲まれて宴会なんて。」

とっても弾んだ声で言われても、今日は花見。

花を見ながらの宴会のはず・・・家電製品にどれほど囲まれたところで、自宅とさほど変わりがない。

けれど・・・突っ込めない・・・なぜなら山さんは一応部長だから・・・

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