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お花見始まる
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「じゃあまっちゃん。僕達もコタツを広げようか。最新の!」
まっちゃんはおもむろにコタツの入った段ボール箱を開けた。
「最新ですか・・・あまり変わりないですね。」
青木以外の三人はぴくっとした。そんなこと一番わかってる、もう何十年もコタツを作っている。逆に聞きたい!どこをどう変えればどうなるのかと!
「青木君・・・それは・・・」
「あ・・・そうですね。すいません・・・でも・・・あれですよ、このテーブル台、柄がかわいい・・・・」
「それはインテリア部のデザイナーが無理くり押してきたんだ。私は木目調でいいと言ったのに・・・」
「あは・・・そうでしたか・・・・スイマセン・・・」
「もういいじゃないか・・・まっちゃんの気持ちはみんな知っているよ。さあ、宴会を始めようよ。僕達のコタツもガツンとここに広げてさ!」
「いえ、その前に!」
まっちゃんはブルーシートの上に広げてあったホットカーペットのコンセントをガシッと抜き取ると、ポイッとブルーシートの外にほおり投げた。
「え?なぜですか?あれもうちの製品ですよね。」
「あんなものは邪道だ!あんなものを作るからコタツが売れなくなるんだ。」
「すごいね、まっちゃん。いっつもコタツの事考えて、凄い!コタツ部のエース!!」
この山さんの行動を見て、深く長い溜息をつく。
以前のことを思えば少しは慣れてはきたが、このままこれを受け入れてここの色に染まっていくのが怖いとも感じる今日この頃である。
「さ、コタツもできたし、今日のメニューは寄せ鍋とタコ焼きです。
青木君、その家電の山から電気鍋とタコ焼き器をここへ出して。」
「あ・・・ハイ。
うぁ…キッチン家電はやっぱり進化がすごいですね。可愛いしコンパクトで…。」
「コタツだって、可愛くコンパクトにできるはずだったんだ。君があの時、“どこでもコタツ”を素直に持って営業に行っていれば、今頃可愛くてコンパクトなこたつが出来上がっていたかもしれない!イヤキットできていたはずだ!」
「またぶり返しますか・・・アレはないですって。」
「まあまあ、今日は楽しい宴会なんだからね、喧嘩はやめてテレビでも見て楽しもうよ。」
イヤ、そこは桜でしょ。と、ツッコミたくてもツッコメない三人。
そもそもテレビを見るなら家で充分だ。
「やだな・・・そこは桜でしょ!って言わなきゃ。
今日は無礼講だよ。ドンドン来てよ。ドンドン!」
こういう時の無礼講の解釈は非常に難しい。部長に山さんと言っている時点で和気あいあいでフレンドリーな雰囲気を醸し出してはいるが、時折吹く、ピリ辛な上司の風が上下関係という壁を高くする。
「さあ、お鍋は誰がやってくれるのかな・・・たこ焼きは青木君だね。」
「え?」
「だって、青木君、名古屋出身でしょ?」
「あ・・・はい・・・」
「一番西じゃん。僕達関東出身だからさ、青木君が一番西だから、タコ焼きは青木君ね。」
この無茶ぶりである。この無茶ぶりがとっても怖い・・・店で売っているのは見たことあるが、作ったことは一度もない。関西出身ならわかる。けど、ただ、みんなの中で西のほう出身と言うことだけで関西の文化も熟知していると思ったら大間違いだ。
「なに?できないの?」
「いえ。頑張ります!」
上司の「できないの」はたまに、「ここで死にたいの」に聞こえる時がある・・・
まっちゃんはおもむろにコタツの入った段ボール箱を開けた。
「最新ですか・・・あまり変わりないですね。」
青木以外の三人はぴくっとした。そんなこと一番わかってる、もう何十年もコタツを作っている。逆に聞きたい!どこをどう変えればどうなるのかと!
「青木君・・・それは・・・」
「あ・・・そうですね。すいません・・・でも・・・あれですよ、このテーブル台、柄がかわいい・・・・」
「それはインテリア部のデザイナーが無理くり押してきたんだ。私は木目調でいいと言ったのに・・・」
「あは・・・そうでしたか・・・・スイマセン・・・」
「もういいじゃないか・・・まっちゃんの気持ちはみんな知っているよ。さあ、宴会を始めようよ。僕達のコタツもガツンとここに広げてさ!」
「いえ、その前に!」
まっちゃんはブルーシートの上に広げてあったホットカーペットのコンセントをガシッと抜き取ると、ポイッとブルーシートの外にほおり投げた。
「え?なぜですか?あれもうちの製品ですよね。」
「あんなものは邪道だ!あんなものを作るからコタツが売れなくなるんだ。」
「すごいね、まっちゃん。いっつもコタツの事考えて、凄い!コタツ部のエース!!」
この山さんの行動を見て、深く長い溜息をつく。
以前のことを思えば少しは慣れてはきたが、このままこれを受け入れてここの色に染まっていくのが怖いとも感じる今日この頃である。
「さ、コタツもできたし、今日のメニューは寄せ鍋とタコ焼きです。
青木君、その家電の山から電気鍋とタコ焼き器をここへ出して。」
「あ・・・ハイ。
うぁ…キッチン家電はやっぱり進化がすごいですね。可愛いしコンパクトで…。」
「コタツだって、可愛くコンパクトにできるはずだったんだ。君があの時、“どこでもコタツ”を素直に持って営業に行っていれば、今頃可愛くてコンパクトなこたつが出来上がっていたかもしれない!イヤキットできていたはずだ!」
「またぶり返しますか・・・アレはないですって。」
「まあまあ、今日は楽しい宴会なんだからね、喧嘩はやめてテレビでも見て楽しもうよ。」
イヤ、そこは桜でしょ。と、ツッコミたくてもツッコメない三人。
そもそもテレビを見るなら家で充分だ。
「やだな・・・そこは桜でしょ!って言わなきゃ。
今日は無礼講だよ。ドンドン来てよ。ドンドン!」
こういう時の無礼講の解釈は非常に難しい。部長に山さんと言っている時点で和気あいあいでフレンドリーな雰囲気を醸し出してはいるが、時折吹く、ピリ辛な上司の風が上下関係という壁を高くする。
「さあ、お鍋は誰がやってくれるのかな・・・たこ焼きは青木君だね。」
「え?」
「だって、青木君、名古屋出身でしょ?」
「あ・・・はい・・・」
「一番西じゃん。僕達関東出身だからさ、青木君が一番西だから、タコ焼きは青木君ね。」
この無茶ぶりである。この無茶ぶりがとっても怖い・・・店で売っているのは見たことあるが、作ったことは一度もない。関西出身ならわかる。けど、ただ、みんなの中で西のほう出身と言うことだけで関西の文化も熟知していると思ったら大間違いだ。
「なに?できないの?」
「いえ。頑張ります!」
上司の「できないの」はたまに、「ここで死にたいの」に聞こえる時がある・・・
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