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天使の街で
天使の街、襲われる
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「この通りを北へ真っすぐだ。路地には入るなよ、とにかく真っすぐ行けば出口につながる。出口に出たら15分ほどで坂道になる。その坂をひたすら上るんだ。どこにもよるなよ。」
そう言うと、車のドアを閉めて手を振った。
「あの・・・でも、俺、夕べガリウスと12時に天使の街の入り口で戦うって約束したんです。」
「は?約束?これから戦うって、瞬殺できるならいいけど、何時間もかかって戦っていたら間に合わないぞ。もういけ、ガリウスは無視だ。」
「大丈夫かな・・・・」
「大丈夫。ここは決壊が張ってあるんだ、ガリウスは来ないよ。じゃあな、元気でな。」
リリーは少し手を挙げると店に戻って行った。理玖は仕方なく車を走らせた。
車が街の出口に近づく頃、十二時を告げる鐘の音が鳴った。すると太は急に不安になった。
「本当にいいのかな・・・」
「いいって言ってんだからいいんじゃないのか。それより、間に合わなかったら俺達はどうなるんだ?そのことのほうが俺は心配だ。」
「女神さまはまだ寝てるしな。」
ヒロトはリリーに変えてもらった自分の本当の手で、ぐぐぐっとほっぺを押したが、全く起きる気配はない。
太の不安とは裏腹にどんどん出口の門は近づいてくる。
ヒロトは何となく今来た道を振り返ると、大きく膨れ上がったガリウスが天使の街を見下ろしているのが見えた。
「うぁぁ・・・ガリウス・・・・」
あまりの驚きに、ちょっと間の抜けたような声で叫んだ。
そしてその声に驚いた理玖は思い切りブレーキを踏み、そのブレーキの勢いでクレタは座席から落っこちてやっと目が覚めた。
だが、ガリウスがあまりにも怖すぎてそのまま目をまわして失神した。
「ど、ど、ど、どうする?」
「どうするも、こうするも、とりあえずガリウスのところへ行くしかないだろ。」
「けど、そんなことをしていたら俺達は受付に遅れるぞ。ここは決壊が張ってあるから大丈夫って、リリーが言っていただろ。だから、先を急ごう。」
理玖はもう一度車のエンジンを掛けようとしたが、
「ガ、ガリウスが入って来たよ・・・天使の街に・・・・」
「決壊は・・・決壊はどうなっているんだ。」
エンジンをかけて出発しようとした理玖に、
「戻ろう。」
太は腕を掴みそう言った。
「時間がないんだぞ。」
「じゃあ、理玖はヒロトを連れて行ってくれ。」
「太は?」
「俺は残る。こうなったのは俺のせいだ。」
太は自分のカバンを担ぎ、車から降りようとした。
「僕も残る。リリーが心配だもん。」
「じゃあ、俺も行くしかないだろ。」
理玖は車をUターンさせて、リリーの店のほうへと向かった。
ガリウスは1歩でリリーの店の前まで到達するほど大きく膨らんでいた。相当怒り狂っている様子だ。
ここには現れないと思っていた鬼の登場に、悲鳴に包まれた街は逃げ惑う人々で、大混乱だった。
「ガリウス。どうして入って来たんだ。決壊が張ってあるはずだぞ。」
「何が決壊だ!そんなもの本当にあると思ってんのか!」
「ないのか?」
「ないよ。俺とここの街の住人との紳士協定があるから俺がここに入らなかっただけだ。
けど、お前がそれを破ったんだろ。全く、道は間違えるわ、待たせるわ、約束は守らねぇし。一体どうなっているんだ近頃の人間は!」
ガリウスはいろいろ細かかった。そもそもこの世界にいること自体に嘘か本当か曖昧なのだから、もう少し柔軟に考えてくれてもいいのに。と三人はふてくされた。
「ガリウス、もう少し小さくなれよ、そんなデカいとみんなに迷惑だろ。」
「うるさい。そもそも悪役なんてものはデカかろうと、小さかろうと、存在自体が迷惑なんだよ。お前たちが待ち合わせの時間を守れば、そこそこのサイズでいられたのに、どうしてくれるんだ!」
「そんな・・・怒られたって。
まあ、約束を守らなかった点については悪いとは思っているけど。」
「いるけどなんだ。」
「ガリウスは俺が昨日預けたピタゴラス様とお友達になれる書物はどうした?」
「あ!」
「忘れたのかよ。」
「・・・・」
「なんだよ。俺が大切にしているものを預けたのに、持ってこないなんて・・・」
「だから預かりたくないって言ったんだ。それなのにお前が無理やり・・・」
「無理やりじゃないだろ。約束の証にガリウスに預けたんだ。ずっと戦ってきたから、なんだかちょっとした友情でも沸くかと思ったのに、本当に悪役だな。」
「だ・か・ら!悪役だって。信じろよ。友情はない!」
「じゃあ、仕方ない。戦う。」
「おう、容赦してくれなくて結構だ!」
理玖も太もヒロトもカバンから剣を取り出した。クレタは意識を取り戻したが、腰が抜けて剣を持つには持ったが、車から降りられなかった。
「あ、ちょっと待て、やっぱり少し小さくなってくれよ。デカすぎて戦いずらい。」
「文句が多いな・・・だったら・・・リリーを食わせろ。」
「え・・・リリーはダメ!」
ヒロトが大きな声で叫びながらリリーの店の前で剣を突き出した。
「だったらこのままの大きさだ。」
「えー・・・ちょっとなぁ・・・いくら運動神経のいい俺でも、そこまではジャンプできないから、もう少し常識のある大きさになれよ。リリーなしで。」
「リリーなしでか・・・俺は悪役だから、何もなしで小さくなったんじゃ格好がつかない。クレタを食わせろ。」
「おお、いいぞ。食え。」
太は一つ返事でOKした。
「おい!太、それはないだろ。ここまで一緒に来て、会ったばかりのリリーは助けて俺は見殺しかよ。」
「ああ。」
太の「食っていいぞ宣言」に驚いたクレタは、慌てて太にかけより文句を言った。
そう言うと、車のドアを閉めて手を振った。
「あの・・・でも、俺、夕べガリウスと12時に天使の街の入り口で戦うって約束したんです。」
「は?約束?これから戦うって、瞬殺できるならいいけど、何時間もかかって戦っていたら間に合わないぞ。もういけ、ガリウスは無視だ。」
「大丈夫かな・・・・」
「大丈夫。ここは決壊が張ってあるんだ、ガリウスは来ないよ。じゃあな、元気でな。」
リリーは少し手を挙げると店に戻って行った。理玖は仕方なく車を走らせた。
車が街の出口に近づく頃、十二時を告げる鐘の音が鳴った。すると太は急に不安になった。
「本当にいいのかな・・・」
「いいって言ってんだからいいんじゃないのか。それより、間に合わなかったら俺達はどうなるんだ?そのことのほうが俺は心配だ。」
「女神さまはまだ寝てるしな。」
ヒロトはリリーに変えてもらった自分の本当の手で、ぐぐぐっとほっぺを押したが、全く起きる気配はない。
太の不安とは裏腹にどんどん出口の門は近づいてくる。
ヒロトは何となく今来た道を振り返ると、大きく膨れ上がったガリウスが天使の街を見下ろしているのが見えた。
「うぁぁ・・・ガリウス・・・・」
あまりの驚きに、ちょっと間の抜けたような声で叫んだ。
そしてその声に驚いた理玖は思い切りブレーキを踏み、そのブレーキの勢いでクレタは座席から落っこちてやっと目が覚めた。
だが、ガリウスがあまりにも怖すぎてそのまま目をまわして失神した。
「ど、ど、ど、どうする?」
「どうするも、こうするも、とりあえずガリウスのところへ行くしかないだろ。」
「けど、そんなことをしていたら俺達は受付に遅れるぞ。ここは決壊が張ってあるから大丈夫って、リリーが言っていただろ。だから、先を急ごう。」
理玖はもう一度車のエンジンを掛けようとしたが、
「ガ、ガリウスが入って来たよ・・・天使の街に・・・・」
「決壊は・・・決壊はどうなっているんだ。」
エンジンをかけて出発しようとした理玖に、
「戻ろう。」
太は腕を掴みそう言った。
「時間がないんだぞ。」
「じゃあ、理玖はヒロトを連れて行ってくれ。」
「太は?」
「俺は残る。こうなったのは俺のせいだ。」
太は自分のカバンを担ぎ、車から降りようとした。
「僕も残る。リリーが心配だもん。」
「じゃあ、俺も行くしかないだろ。」
理玖は車をUターンさせて、リリーの店のほうへと向かった。
ガリウスは1歩でリリーの店の前まで到達するほど大きく膨らんでいた。相当怒り狂っている様子だ。
ここには現れないと思っていた鬼の登場に、悲鳴に包まれた街は逃げ惑う人々で、大混乱だった。
「ガリウス。どうして入って来たんだ。決壊が張ってあるはずだぞ。」
「何が決壊だ!そんなもの本当にあると思ってんのか!」
「ないのか?」
「ないよ。俺とここの街の住人との紳士協定があるから俺がここに入らなかっただけだ。
けど、お前がそれを破ったんだろ。全く、道は間違えるわ、待たせるわ、約束は守らねぇし。一体どうなっているんだ近頃の人間は!」
ガリウスはいろいろ細かかった。そもそもこの世界にいること自体に嘘か本当か曖昧なのだから、もう少し柔軟に考えてくれてもいいのに。と三人はふてくされた。
「ガリウス、もう少し小さくなれよ、そんなデカいとみんなに迷惑だろ。」
「うるさい。そもそも悪役なんてものはデカかろうと、小さかろうと、存在自体が迷惑なんだよ。お前たちが待ち合わせの時間を守れば、そこそこのサイズでいられたのに、どうしてくれるんだ!」
「そんな・・・怒られたって。
まあ、約束を守らなかった点については悪いとは思っているけど。」
「いるけどなんだ。」
「ガリウスは俺が昨日預けたピタゴラス様とお友達になれる書物はどうした?」
「あ!」
「忘れたのかよ。」
「・・・・」
「なんだよ。俺が大切にしているものを預けたのに、持ってこないなんて・・・」
「だから預かりたくないって言ったんだ。それなのにお前が無理やり・・・」
「無理やりじゃないだろ。約束の証にガリウスに預けたんだ。ずっと戦ってきたから、なんだかちょっとした友情でも沸くかと思ったのに、本当に悪役だな。」
「だ・か・ら!悪役だって。信じろよ。友情はない!」
「じゃあ、仕方ない。戦う。」
「おう、容赦してくれなくて結構だ!」
理玖も太もヒロトもカバンから剣を取り出した。クレタは意識を取り戻したが、腰が抜けて剣を持つには持ったが、車から降りられなかった。
「あ、ちょっと待て、やっぱり少し小さくなってくれよ。デカすぎて戦いずらい。」
「文句が多いな・・・だったら・・・リリーを食わせろ。」
「え・・・リリーはダメ!」
ヒロトが大きな声で叫びながらリリーの店の前で剣を突き出した。
「だったらこのままの大きさだ。」
「えー・・・ちょっとなぁ・・・いくら運動神経のいい俺でも、そこまではジャンプできないから、もう少し常識のある大きさになれよ。リリーなしで。」
「リリーなしでか・・・俺は悪役だから、何もなしで小さくなったんじゃ格好がつかない。クレタを食わせろ。」
「おお、いいぞ。食え。」
太は一つ返事でOKした。
「おい!太、それはないだろ。ここまで一緒に来て、会ったばかりのリリーは助けて俺は見殺しかよ。」
「ああ。」
太の「食っていいぞ宣言」に驚いたクレタは、慌てて太にかけより文句を言った。
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