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天使の街で
ガリウスと最後の戦い
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「待てよ、太。ガリウスにはちょっと友情感じてたりしたんだろ。だったら俺は、親友だろ。ずっと一緒に居たんだから。」
「親友・・・って程でもない気がするけど・・・」
「そんなことないって。よく思い出してみろよ。俺がいてよかったことはいっぱいあったはずだ。サフルにしたってベビジーにしたって、俺が友達だからよくしてくれたんだぞ。」
「まあ、それはな。」
「理玖とヒロトが危なかった時だって、おれがくるくるプス!で鬼をやっつけたから助かったんだ。」
「あれ1回きりじゃねえか。」
「あの1回が今につながるんだろ。あれがなければと考えたことはないのか!」
「ないけど・・・」
クレタの話は妙に説得力があった。まあ、食われるかもしれない瀬戸際だから必死になるのも当たり前と言えば当たり前だ。
「わかったよ。じゃあ、このままの大きさで戦おう。その代わりクレタも頑張れよ。手抜いたらすぐ餌だからな!」
「お、おう!」
三人とクレタは話が付いた。
戦うことを宣言しようと思い、ガリウスのほうへ向き直ると、さらに怒り狂って、さらに体が大きく膨らんでいた。
「お前ら・・・なんで俺のペースに合わせない!」
「悪い悪い。戦うからいいじゃん。さあこい!」
「さあコイじゃねぇ!」
ガリウスは全部を言い終わらないうちに、目の前の全てを白く塗りつぶしたかと思うほどの強い光を放ち、その光に惑わされ、一瞬怯むと、怒りをぶちまけるかのように口から泥水を吐いた。
「くっせぇ。これはねえだろ。反則だ!」
「悪者はなんでもありなんだ。つべこべ言ってねえでかかってこい!」
ガリウスが挑発するようにファイティングポーズを取った後、太が大声を張り上げてガリウスを目指した。
「くっそ!うぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉーーーーー」
その後を追うように理玖とヒロトも剣を持って走った。
クレタもとりあえずは走ったが、足が遅くて、剣が重くて、とても三人にはついていけなかった。
三人はサント先生の言葉を思い出し、一生懸命に戦った。けれど今日のガリウスはデカくてとても歯が立たなかった。
しかも、足元にはクレタがくるくるプス!をやろうとしているのか、うろうろ、うろうろしていて、なかなか足場が上手くさばけなかった。
「クレタ、邪魔!」
「そんなこと言うな、俺だって一生懸命なんだ。」
「ぶつかるよ、あっちいけって!」
「あっちって、どっちだよ。」
なかなか間合いも呼吸も会わず、ばらっばらでどうしたらいいか本当にわからなくなっていた。
「なあ、いったんここはやめにして受付に行かないか?」
「何言い出すんだ理玖は、ここでやめて行けるか。」
「だって、もし間に合わなかったら。俺達は本当にどうなるんだ、気にならないのか。」
「なるけど、そんなこと今言わなくったっていいだろ、戦いに集中しろよ。」
太は果敢にガリウスに攻め入った。ヒロトも必死に戦ったが、ベビージーにカエル仕様に作り直してもらった剣は人間の手には持ちずらくて、なかなかうまく剣を振るうことができなかった。
理玖も戦うには戦ったが、やはり、間に合わなかったらと言うことがどうにも気にかかり、集中できずにいた。
そしてその一瞬の油断をつかれて、理玖はガリウスに狙われた。
一発目はまともに当たり、二発目は太が止めた。
「集中しろって、怪我するぞ。」
「だって・・・」
「だってじゃねぇ、ここでやられたらどっちにしても行けなくなるんだぞ!」
「お前が最初に戦うって言ったんだろ。」
「お前も決断したんじゃねぇか!」
二人はこんな非常時に痴話げんかを始めた。
「お前って言うな!だいたい、なんだよ偉そうに。戦う時になったら張り切っちゃって。相変わらずの筋肉バカだな。」
「なんだ、その言い方。そのおかげで今まで助かってきてるんだろう。」
「お前に助けられた覚えはない!」
「なんだと!」
「そもそも、こうなった始まりはお前にあるんだ!」
「違う!元をただせばお前があのクソ青い、いかれた鳥みてぇねなシャツを着てくるから悪いんだ。」
「まだそんなこと言ってんのか。しつこいヤツだ。」
「何度だって言ってやる!イカレ鳥のクソ理玖!」
「てめぇ!!!」
なぜか二人は剣をお互いに向け合い、因縁の対決が再燃してしまった。これまで穏やかに旅を続けてくることができたのに、最後にして、最大のピンチに見舞われた。
「やめろって!もう、二人とも!敵はガリウスだよ。あっち向けって。」
「ヒロト。もう止めるな。どうせ俺達は間に合わないんだ。間に合わずにどうにかなっちまうくらいなら、いっそここでケリをつけるんだ。」
「ああ、俺がちゃんと仕留めてやるよ。覚悟しろよ。」
「お前こそ。ここで終わりだからな!」
二人は互いをにらみ合った後、一気に走り込み力いっぱい踏み込むと同時に、剣を振り上げた。
理玖の剣は真っすぐに太をめがけ、太の剣も真っすぐに理玖めがけて、何のためらいもなく振り下ろされた。
だが、その真ん中めがけてヒロトも急いだ。二人の剣がお互いを貫く前に、お互いに届く前に、真ん中めがけて剣を伸ばした。
だが運の悪いことに、3人のスキを狙ってガリウスも近づいて来た。
理玖も太もヒロトも「危ない!」「やめとけばよかった!」「なんでこんなことに!」
とそれぞれ思っていたが遅かった・・・
勢いは誰にも止めることはできず、走り出した三人と鬼一匹は弾かれた玉のように終着点をめがけて放物線を描いた。
そしてさらに、運、悪く、地道にくるくるプス!を繰り返していたクレタもその場所に近づいていた。
「ク、クレタ・・・危ない!!」
ヒロトは
(このままいけばクレタを刺してしまう。けど、止められない!できればクレタから避けてもらえないだろうか。)
という思いを込めて叫んでみたが、クレタはとにかく必死にくるくるプス!を頑張っていて、気づく様子もない。
(あ・・・ごめん、クレタ・・・)と思った時、クレタが飛んでくるヒロトに気づき、咄嗟にその場でしゃがんだ。
ヒロトはクレタを蹴飛ばし、バランスを立て直そうとしたその時、剣を放してしまった。
「二人とも伏せて!!」剣だけがその場所に確実に飛んで行くことを見たヒロトは転がりながらも、叫んだ。
さらに蹴飛ばされたクレタは理玖へ向かって突進していった。
(やばいこのままだとクレタを刺すか踏んづけるか・・・!)
「どけ!!」
と怒鳴っても、クレタにはどうすることもできない。なんせ、この中で一番体力がないのだ。もう、なすがままのクレタなのだ。
理玖は渾身の力で身をよじった。すると、グキっと足首をひねりよろけそうになって受け身をしようと剣から手が離れてしまった。
そしてその勢いでクレタをバシッと押すと、正面から突進してきた太にクレタが体当たりして太の持っていた剣も手から離れ、ヒロトの剣と理玖の剣か飛んできたところにパッシーン!とあたり、三本の剣はそのままその場所へ突っ込んできたガリウスの3か所の急所に当たり“ぐぇ・・・・”と断末魔を残してシュルシュルシュルシュル・・・・っと消えて行った。
一瞬の静寂の跡、一斉に天使の街の人々の大歓声が上がった。
理玖たちは何が起きたのかよくわからなかった。
ただなんとなくひっくり返っただけで、戦ったという充実感はゼロだった。
「俺達って・・・」
太が落ちていた剣を拾って理玖とヒロトに渡した。
「勝ったの?」
「か・・・な・・・・?」
最後の戦いは春の朝の霧よりもあっさりと、手ごたえなく終わった。何だかまだ、夢の中にでもいるかのような不思議な気分だった。
「すごいよお前ら。クレタもやるじゃないか!」
リリーが駆け寄ってきて、ふにゃふにゃのへろへろになったクレタをつまみ上げて肩を叩いて喜んだ。
紙吹雪が舞い、三人の栄光をたたえる拍手で街中が湧き上がり、沿道にいる人々は、三人はまるで英雄のように讃え、背中を叩かれ、声をかけられながら人垣の間を縫うようにして車までたどり着いた。
「これで本当によかったのかなぁ」
「でも、ガリウスもいなくなったんだから再戦って言うことも無理だし・・・」
「第一、俺達はもう帰るんだ。どっちみち再戦はないよ。」
「そうだな。」
ヘロヘロのクレタを後部座席に放り込み、理玖の運転でもう一度、受付を目指す。
「最後にもう一度聞くぞ。ヒロトは本当に行くのか?
俺とここに残ってもいいんだぞ。」
「大丈夫。僕はみんなと行く。」
「そうか・・・その人間の手は天使の街の門を出たとたんにカエルに変わるからな。」
「そうだね・・・ここ限定だった。」
「最後に握手だ!」
「本当にありがとう。キャラメル、おいしかったよ。」
「またな。」
「リリー、またはねぇよ。俺達はあっちの世界に帰るんだ。今度会う時はリリーばあさんになってるな。あ、爺さんか。」
「どっちでもねぇよ。じゃあな。いけ!」
リリーに見送られてゆっくりと車は走り出した。ヒロトも太も振り返り、いつまでも、いつまでも手を振った。
そしてリリーの姿がコメ粒ほどに小さくなった時、天使の街の出口門をくぐった。
そしてヒロトの手も足も指先からゆっくりといぼガエルに戻って行った。
「本当にあの街限定だったんだ・・・・」
「大丈夫。絶対に戻してもらえるよ。こんなに俺達は頑張って来たんだから。
俺が頼んでやる。ダメだって言っても、力任せにいう事聞かせてやる。心配するな。」
太はヒロトのカエルの手をぎゅっとつかんだ。
もう6日間もカエルだったせいか、不思議とつかんでも気持ち悪さはもうなかった。
「親友・・・って程でもない気がするけど・・・」
「そんなことないって。よく思い出してみろよ。俺がいてよかったことはいっぱいあったはずだ。サフルにしたってベビジーにしたって、俺が友達だからよくしてくれたんだぞ。」
「まあ、それはな。」
「理玖とヒロトが危なかった時だって、おれがくるくるプス!で鬼をやっつけたから助かったんだ。」
「あれ1回きりじゃねえか。」
「あの1回が今につながるんだろ。あれがなければと考えたことはないのか!」
「ないけど・・・」
クレタの話は妙に説得力があった。まあ、食われるかもしれない瀬戸際だから必死になるのも当たり前と言えば当たり前だ。
「わかったよ。じゃあ、このままの大きさで戦おう。その代わりクレタも頑張れよ。手抜いたらすぐ餌だからな!」
「お、おう!」
三人とクレタは話が付いた。
戦うことを宣言しようと思い、ガリウスのほうへ向き直ると、さらに怒り狂って、さらに体が大きく膨らんでいた。
「お前ら・・・なんで俺のペースに合わせない!」
「悪い悪い。戦うからいいじゃん。さあこい!」
「さあコイじゃねぇ!」
ガリウスは全部を言い終わらないうちに、目の前の全てを白く塗りつぶしたかと思うほどの強い光を放ち、その光に惑わされ、一瞬怯むと、怒りをぶちまけるかのように口から泥水を吐いた。
「くっせぇ。これはねえだろ。反則だ!」
「悪者はなんでもありなんだ。つべこべ言ってねえでかかってこい!」
ガリウスが挑発するようにファイティングポーズを取った後、太が大声を張り上げてガリウスを目指した。
「くっそ!うぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉーーーーー」
その後を追うように理玖とヒロトも剣を持って走った。
クレタもとりあえずは走ったが、足が遅くて、剣が重くて、とても三人にはついていけなかった。
三人はサント先生の言葉を思い出し、一生懸命に戦った。けれど今日のガリウスはデカくてとても歯が立たなかった。
しかも、足元にはクレタがくるくるプス!をやろうとしているのか、うろうろ、うろうろしていて、なかなか足場が上手くさばけなかった。
「クレタ、邪魔!」
「そんなこと言うな、俺だって一生懸命なんだ。」
「ぶつかるよ、あっちいけって!」
「あっちって、どっちだよ。」
なかなか間合いも呼吸も会わず、ばらっばらでどうしたらいいか本当にわからなくなっていた。
「なあ、いったんここはやめにして受付に行かないか?」
「何言い出すんだ理玖は、ここでやめて行けるか。」
「だって、もし間に合わなかったら。俺達は本当にどうなるんだ、気にならないのか。」
「なるけど、そんなこと今言わなくったっていいだろ、戦いに集中しろよ。」
太は果敢にガリウスに攻め入った。ヒロトも必死に戦ったが、ベビージーにカエル仕様に作り直してもらった剣は人間の手には持ちずらくて、なかなかうまく剣を振るうことができなかった。
理玖も戦うには戦ったが、やはり、間に合わなかったらと言うことがどうにも気にかかり、集中できずにいた。
そしてその一瞬の油断をつかれて、理玖はガリウスに狙われた。
一発目はまともに当たり、二発目は太が止めた。
「集中しろって、怪我するぞ。」
「だって・・・」
「だってじゃねぇ、ここでやられたらどっちにしても行けなくなるんだぞ!」
「お前が最初に戦うって言ったんだろ。」
「お前も決断したんじゃねぇか!」
二人はこんな非常時に痴話げんかを始めた。
「お前って言うな!だいたい、なんだよ偉そうに。戦う時になったら張り切っちゃって。相変わらずの筋肉バカだな。」
「なんだ、その言い方。そのおかげで今まで助かってきてるんだろう。」
「お前に助けられた覚えはない!」
「なんだと!」
「そもそも、こうなった始まりはお前にあるんだ!」
「違う!元をただせばお前があのクソ青い、いかれた鳥みてぇねなシャツを着てくるから悪いんだ。」
「まだそんなこと言ってんのか。しつこいヤツだ。」
「何度だって言ってやる!イカレ鳥のクソ理玖!」
「てめぇ!!!」
なぜか二人は剣をお互いに向け合い、因縁の対決が再燃してしまった。これまで穏やかに旅を続けてくることができたのに、最後にして、最大のピンチに見舞われた。
「やめろって!もう、二人とも!敵はガリウスだよ。あっち向けって。」
「ヒロト。もう止めるな。どうせ俺達は間に合わないんだ。間に合わずにどうにかなっちまうくらいなら、いっそここでケリをつけるんだ。」
「ああ、俺がちゃんと仕留めてやるよ。覚悟しろよ。」
「お前こそ。ここで終わりだからな!」
二人は互いをにらみ合った後、一気に走り込み力いっぱい踏み込むと同時に、剣を振り上げた。
理玖の剣は真っすぐに太をめがけ、太の剣も真っすぐに理玖めがけて、何のためらいもなく振り下ろされた。
だが、その真ん中めがけてヒロトも急いだ。二人の剣がお互いを貫く前に、お互いに届く前に、真ん中めがけて剣を伸ばした。
だが運の悪いことに、3人のスキを狙ってガリウスも近づいて来た。
理玖も太もヒロトも「危ない!」「やめとけばよかった!」「なんでこんなことに!」
とそれぞれ思っていたが遅かった・・・
勢いは誰にも止めることはできず、走り出した三人と鬼一匹は弾かれた玉のように終着点をめがけて放物線を描いた。
そしてさらに、運、悪く、地道にくるくるプス!を繰り返していたクレタもその場所に近づいていた。
「ク、クレタ・・・危ない!!」
ヒロトは
(このままいけばクレタを刺してしまう。けど、止められない!できればクレタから避けてもらえないだろうか。)
という思いを込めて叫んでみたが、クレタはとにかく必死にくるくるプス!を頑張っていて、気づく様子もない。
(あ・・・ごめん、クレタ・・・)と思った時、クレタが飛んでくるヒロトに気づき、咄嗟にその場でしゃがんだ。
ヒロトはクレタを蹴飛ばし、バランスを立て直そうとしたその時、剣を放してしまった。
「二人とも伏せて!!」剣だけがその場所に確実に飛んで行くことを見たヒロトは転がりながらも、叫んだ。
さらに蹴飛ばされたクレタは理玖へ向かって突進していった。
(やばいこのままだとクレタを刺すか踏んづけるか・・・!)
「どけ!!」
と怒鳴っても、クレタにはどうすることもできない。なんせ、この中で一番体力がないのだ。もう、なすがままのクレタなのだ。
理玖は渾身の力で身をよじった。すると、グキっと足首をひねりよろけそうになって受け身をしようと剣から手が離れてしまった。
そしてその勢いでクレタをバシッと押すと、正面から突進してきた太にクレタが体当たりして太の持っていた剣も手から離れ、ヒロトの剣と理玖の剣か飛んできたところにパッシーン!とあたり、三本の剣はそのままその場所へ突っ込んできたガリウスの3か所の急所に当たり“ぐぇ・・・・”と断末魔を残してシュルシュルシュルシュル・・・・っと消えて行った。
一瞬の静寂の跡、一斉に天使の街の人々の大歓声が上がった。
理玖たちは何が起きたのかよくわからなかった。
ただなんとなくひっくり返っただけで、戦ったという充実感はゼロだった。
「俺達って・・・」
太が落ちていた剣を拾って理玖とヒロトに渡した。
「勝ったの?」
「か・・・な・・・・?」
最後の戦いは春の朝の霧よりもあっさりと、手ごたえなく終わった。何だかまだ、夢の中にでもいるかのような不思議な気分だった。
「すごいよお前ら。クレタもやるじゃないか!」
リリーが駆け寄ってきて、ふにゃふにゃのへろへろになったクレタをつまみ上げて肩を叩いて喜んだ。
紙吹雪が舞い、三人の栄光をたたえる拍手で街中が湧き上がり、沿道にいる人々は、三人はまるで英雄のように讃え、背中を叩かれ、声をかけられながら人垣の間を縫うようにして車までたどり着いた。
「これで本当によかったのかなぁ」
「でも、ガリウスもいなくなったんだから再戦って言うことも無理だし・・・」
「第一、俺達はもう帰るんだ。どっちみち再戦はないよ。」
「そうだな。」
ヘロヘロのクレタを後部座席に放り込み、理玖の運転でもう一度、受付を目指す。
「最後にもう一度聞くぞ。ヒロトは本当に行くのか?
俺とここに残ってもいいんだぞ。」
「大丈夫。僕はみんなと行く。」
「そうか・・・その人間の手は天使の街の門を出たとたんにカエルに変わるからな。」
「そうだね・・・ここ限定だった。」
「最後に握手だ!」
「本当にありがとう。キャラメル、おいしかったよ。」
「またな。」
「リリー、またはねぇよ。俺達はあっちの世界に帰るんだ。今度会う時はリリーばあさんになってるな。あ、爺さんか。」
「どっちでもねぇよ。じゃあな。いけ!」
リリーに見送られてゆっくりと車は走り出した。ヒロトも太も振り返り、いつまでも、いつまでも手を振った。
そしてリリーの姿がコメ粒ほどに小さくなった時、天使の街の出口門をくぐった。
そしてヒロトの手も足も指先からゆっくりといぼガエルに戻って行った。
「本当にあの街限定だったんだ・・・・」
「大丈夫。絶対に戻してもらえるよ。こんなに俺達は頑張って来たんだから。
俺が頼んでやる。ダメだって言っても、力任せにいう事聞かせてやる。心配するな。」
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