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処分
しおりを挟む「た、確かにアメリア孃は少し行き過ぎた部分はあったかもしれないが、それはまだ貴族になって日が浅いからだ。少しはその辺を考慮してもいいのではないか?それに例え、正当な理由があろうと人に暴力を振るう理由にはならないはずだ!」
「カスティエール小公爵様、貴方本気でそのように思っておられますの?ブライトン伯爵令嬢が平民出身なのは存じておりますが、それでも伯爵家の養子になって、もう二年が経ちますのよ?幼い子でも二年もあれば、基本的な貴族としての振る舞いは身につくというのに、未だにこのレベルだとすれば幼子以下ということになりましてよ?」
「なっっ!!」
「あと、暴力ですか?自分より身分が下位の者に無礼を働かれましたので指導しただけですわ。マナー講師でも、きちんと学ばない者には教鞭で叩くこともありますもの。それを暴力とおっしゃられましても…ね?」
幼子以下の能力しかないと、面と向かって言われたことにアメリアも、それを庇ったダリウスもカッとなる。
「自分より下位の身分だと?!アメリア孃は伯爵令嬢で、私は公爵家だぞ!ヴァレンシュタイン孃は子爵令嬢なのだから、貴女の方が下位だろう!」
たかが子爵令嬢が、それ見たことかと言わんばかりの剣幕でダリウスが言い放つと、その隣でアメリアもその通りだと言わんばかりに首を縦に振っていた。
「ダリウス、私はさっき何て言ったか忘れたか?私はヴァレンシュタイン女子爵と婚約した、と言ったんだ。彼女は既に子爵位を継承しているんだよ。ダリウスもブライトン伯爵令嬢も、まだ爵位を継承していないただの令嬢と令息なのだから、お前たちの方が下位だろう」
さすがに我慢できずにセドリックが口を挟むと、セリーナ自身が当主だということを忘れていたことに気付き、悔しそうに口を噤んだ。
これ以上、続けてもアメリアもダリウスも引かない為、時間の無駄でしかないとレイルは判断した。
「ダリウス、ブライトン伯爵令嬢、理解したか?君たちがやったことは、ただの言いがかりだ。格上の者に無礼を働き、学院内という公の場で混乱を招いた。いや、混乱を招いているのは今日だけじゃないな…本来、他の生徒の模範であるべき生徒会役員がこれでは示しがつかない」
「れ、レイル?何を言ってるんだ?」
さすがに、レイルの言葉の不穏さに気付いたのか、ダリウスは分かりやすく焦りを見せた。
「ダリウス・フォン・カスティエール小公爵、アメリア・フォン・ブライトン伯爵令嬢。君たちを生徒会役員から罷免する」
「そ、そんな!!何で!!」
まさか、罷免までされると思っていなかったのだろう。
今までレイルが注意をしなかったのは、罷免するタイミングを見計らっていたからにすぎない。
それを都合良く、皇子であるレイルが自分たちを支持してくれていると勘違いしていたのだ。
「まぁ、妥当ですわね」
先ほどから変わらず、蔑むような冷たい瞳で見ていたセリーナは同意した。
もちろん、セドリックも同意見である。
「何で、と言うが君たちは学院内でトラブルを起こし過ぎた。さすがにこれ以上は見過ごすわけにはいかない」
「今回のことは、ヴァレンシュタイン子爵家からお二人の家に抗議をさせて頂きますわ」
「ドラッケンベルグ侯爵家からもだ」
ダリウスとアメリアは、事の重大さに顔を青くして震えているばかりだった。
次の日、レイルは正式にダリウスとアメリアが生徒会役員から罷免されたことを公表した。
いきなりの対応に学院内では驚きと戸惑う様子がみられた。
また、カスティエール公爵家とブライトン伯爵家には正式にセリーナとセドリックより抗議の手紙が届き、二人はしばらくの間、謹慎を言い渡され学院を休学する事となった。
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