学園のアイドルが突然「猫の後ろ宙返り、見ない?」って聞いてきた!?

赤青

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夜市デートの甘い罠

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「?????」
葉洲はきょとんとした表情で林浅月を見た。
いやいや、お前が俺を誘ったんだろ?
なんで「下手の横好き」扱いされてるんだ?
完全に立場逆転じゃないか!

とはいえ、確かに腕前は林浅月に敵わない。彼女に「下手」と言われるのも仕方ない。
それでも二人は午後6時から8時過ぎまで、ひたすらゲームに没頭していた。

「そろそろ何か食べに行かない?」
「ええ」
[あら、夢中になりすぎて時間忘れてたわ!]
林浅月は軽く頷き、PCを閉じて葉洲と一緒に出かけた。

......

近所の夜市は程よい賑わいで、地元住民に人気のスポットだった。
葉洲と並んで歩く林浅月への視線率は99%。
人混みが苦手な彼女は思わず葉洲の背後に隠れた。

[ぎゃー!こんなに人がいるなんて...帰りたい!]
[ダメダメ、林浅月!みんな白菜と大根だと思いなさい!ただの野菜があなたを見てるだけよ]
[こんなことで挫けてたら、葉洲に軽く見られちゃう!]

葉洲は前方で林浅月の心の声を聞きながら歩いていた。
彼女がこんなに人混みを苦手としているとは知らなかった。

「人が苦手なら、もっと空いてるとこ行く?」
「結構です」
林浅月は無表情で答えたが、内心では悶えていた。

[夜市って初めて...なんかいい匂い!]
[父が「ジャンクフード」って禁止してた揚げ物や焼き鳥だらけ...食べてみたい!]
[一度くらいなら...死なないよね?]

葉洲:(内心)は???
そんなんで死ぬなら、とっくに俺は死んでるわ。

林浅月の本心を知り、葉洲は場所を変えるのをやめた。
よく利用する屋台に着席し、注文を始める。

「親方、焼き筋10本、牛肉串10本、イカ焼き20本、それと...」
林浅月が表情を変える:「そんなに要りません。不健康ですから、一口だけ頂きます」

「はは、信じない」
「どういう意味ですか?」
「本当に一口だけですから」

10分後――
林浅月の前に数十本の串が積み上がっていた。
注文したほとんどを彼女一人で平らげたのだ。

「一口...じゃなくて『億口』だったな?」
葉洲にからかわれ、林浅月はきりっと姿勢を正した。
自分がさっき言ったことを思い出し、頬を染める。

[葉洲はこんな美味しいものを食べてたのか!]
[うぅ...思わず全部食べちゃった...]

決意を固めたように、林浅月が真っ直ぐ葉洲を見つめる。
「あの...もう少し注文してもいいですか?」

「ん?」
少女の清らかな目に切なさが浮かんでいるのを見て、葉洲は迷わず追加注文した。
「親方、もう30本お願い!」

「はいよ~!」
常連の葉洲が初めて連れてきた超絶美少女に、店主はにんまり。

「おお、葉くん、ついに彼女できたか!」
「!?」
葉洲は喉の肉を詰まらせそうになる。

一方林浅月の心:
[もっと褒めて!店主さん最高!]

「お嬢さんめっちゃ可愛いやん!葉くんもイケメンやし、お似合いやで~」
「違いますって!ただの同級生です!」
店主は悟ったように笑う:
「わかってるわかってる。今日は同級生、明日は妹、明後日は恋人やろ?」

葉洲:(内心)店主よ...
串焼き屋のくせに、どこでそんなフレーズ覚えた?

店主はにやにやしながら去っていく。
葉洲は慌てて釈明:
「林さん、店主のジョークですから...」

「ええ」
表情は変わらないが、林浅月の耳は真っ赤。
[好きな人は心に置いておくもの...]
[いや、心だけじゃ足りない。いつかベッドの上に置かなきゃ]

葉洲の目がピクピクする。
内心で偉そうなこと言って...実際にやってみろよ。
光る腕時計、見せてやるからな!

「...早く食べましょう、冷めますよ」
葉洲は串を勧めながら、林浅月の意外な一面を発見していた。
ネットだけでなく、夜市や屋台すら経験がないらしい。
普通の生活ですら、彼女にとっては新鮮な体験なのだ。

彼女の心の声から、父親による過剰な保護下にあることがうかがえた。
もしかすると...
お金持ちだって、決して自由じゃないのかもしれない。

22時近く、李年が静かに二人の元に現れた。
「葉さん、そろそろお嬢様をお連れください。酔っ払いも出てきますので」

「あ、そうですね」
だが林浅月は微動だにしない。
「まだ食べ終わってません」

[李叔、いつも邪魔する!]

葉洲はため息をつく。
「李さんの言う通りだよ。また今度にしよう」
「いいです。でもあれを買ってください」

林浅月が指さした先には――綿菓子の屋台があった。
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